SEED学園編 PHASE−08
ショート97.
シーサイド・パニック

その1.いつの間にか『この件』のツッコミ担当

 カガリ「夏だ! 海だ! 海水浴だ! という訳で、電車を乗り継いで来たぞ、海水浴場!」
 アスラン「町に近い割には、水が綺麗だな。人もそんなにいないし、いい海水浴場だな」
 キラ「潮風が気持ちいいなあ……」
 ラクス「そうですね。それにしても残念ですわ。ストライクさんもシャドウさんも、お誘いしたのに
      来れないなんて」
 キラ「姉弟だけでなく、一家全員、海が苦手なんだって。不思議だよね」

 イザーク「………海水や潮風で錆びるからだーーーーっ!!! 体が重くて沈むからだーーー
       ーーっ!!!」
 フレイ「何、訳の分かんない遠吠えをしてるのよ、あいつは?」
 ディアッカ「男は時々、水平線に向かって吼えたくなる時があるのさ……」


その2.彼の叫びは、読者の叫びか

 ミリィ「うわー、フレイ、その水着、ちょっと大胆じゃない?」
 フレイ「そう? 今時、こんなの普通よ」
 ガーネット「そうだね。うーん、私のはちょっと胸がキツいかな?」
 ラクス「まあ。サイズはちゃんと合った物を着ないと、大変ですわよ。わたくしは専属の店に行っ
      て、サイズを計って作ってもらいました。ですから、ピッタリですわ」
 カガリ「ピッタリ過ぎなじゃないのか、ラクス? 体のラインが結構出てるぞ」
 ラクス「そうですか? デザインは気に入っているんですけど……」

 ディアッカ「どんなに大胆な水着を着ていても……どんなにセクシースタイルでも……俺たちは
        『実際に』見る事は出来ない! こんな不条理があるのか! ちっくしょおおおおお
        おおう!!!」
 ニコル「ディアッカ……」
 キラ「血の涙まで流すなんて……」
 アスラン「あそこまで欲望に忠実だと、尊敬するな」


その3.大人の階段を……

 ディアッカ「夏の日差しは女性の肌の大敵だ! という訳で、俺が持ってきたこの日焼け止めク
        リームを塗ってあげよう! さあ!」
 ミリィ「あら、ありがと、ディアッカ。それじゃあ、このクリームは使わせてもらうわね」
 ディアッカ「え? あ、いや、俺が塗ってあげ……すいません、夢を見すぎていました。だから、
        そんなに冷たい眼で俺を見ないでください」
 イザーク「ったく、あのピンク脳め」
 ニコル「ホントですね。それにしても、女性の体にクリームを塗る程度の事に、どうしてあんなに
      拘るんでしょう? そんな事、僕とガーネットさんはいつもやってますよ」
 イザーク「ニコル、お前、あの女とは縁を切ったほうがいいんじゃないか?」


その4.それぞれの夏物語

 ラクス「キラ、砂はこれくらいで良いですか? 貴方を埋めている砂山、わたくしの背と同じくら 
      いの高さになりましたけど」
 キラ「う、うん……。ちょっと、量が多かったかな。指一本動かせないよ、あはは……」

 カガリ「いっくぞーーーーっ! 転んだ相手に殺人スパイク!」
 アスラン「はしゃぎすぎだ。ビーチバレーのルールを守れ」
 ガーネット「来るなら来い! こっちは大回転ハイジャンプスパイクだ!」
 アスラン「そっちもだ!」
 ニコル「ガーネットさん……素敵です」
 アスラン「ああ、もう、どいつもこいつも!」

 ディアッカ「トールの野郎は今日はいないし、ミリィとの親密度を上げるチャンス! おーい、ミリ
        ィ……って、あれ? ミリィは?」
 イザーク「フレイと一緒にボートで沖に出たぞ」
 ディアッカ「なっ! 誰にも邪魔されない場所で、女同士で二人きり……。まさか、ミリィ、俺のア
        タックに全然応えないと思ったら、そういう趣味だったのか!?」
 イザーク「そのピンク思考しか出来ない脳を何とかしないと、友達の縁を切るぞ」

 ミリアリア「はあ……。こんなにのんびり過ごせるのは、久しぶりだわ。最近、気苦労する事が
        多くて」
 フレイ「二股なんてかけてるからよ。さっさと一人に決めなさいよ」
 ミリアリア「そうね……。(小声で)どうしてかしら? フレイから恋愛関係のアドバイスを貰って 
        も全然嬉しくないんだけど……」


その5.夕日に染まる海岸で

 ガーネット「水平線に沈む夕日……。綺麗だね」
 ラクス「そうですわね。予定通りの時間に帰っていたら、この夕日は見れませんでしたわ」
 カガリ「あんな綺麗な夕日が見れるのも、どこかのバカが海の中に財布を落としたせいだな」
 ニコル「正確には、全員の財布が入ったバッグを、ですけどね」
 キラ「あ、一番星だ」
 アスラン「夜が出る前に帰れればいいんだがな。おーい、そっちにはあったか?」
 ミリィ「ダメだわ。まったく、あのバカ男は! あんな奴に財布を預けた私もバカだけど…」

 ディアッカ「…………フッ。ハシャぎ過ぎたな」(財布を落とした罰として、首から下は砂の中)



ショート98.
夏の日の遭遇
(一部、ymaさんのリクエスト)

 オルガ「あちー〜〜〜〜〜……。何なんだ、今年の夏の暑さはよお」
 シャニ「頭が茹だる〜〜〜。脳が溶ける〜〜〜〜」
 クロト「マジで熱過ぎるぜ。プールにでも行かねえか?」
 オルガ「誰が金を出すんだよ。……ん? おっ、ラッキー! 千円札が落ちてた!」
 シャニ「マジ?」
 クロト「やったぜ! よーし、これでプールへ……」
 ?「待て!」
 三人組「ん?」
 ?「道に落ちていたお金は、交番に届けるのが道理」
 ?「世の道理を守れぬ愚か者よ、汝ら、天の裁きを受けるべき者たち」
 ?「だが、天は人の世には何もしない」
 ?「天が裁かぬというのなら、我らが裁こう、人の罪!」
 ?「命までは取らないが、三途の川の幻ぐらいは見せてやる」
 オルガ「な、なんだ、お前らは!?」

 「イレヴン!」「セブン!」「フォー!」「シックス!」「サーティーン!」

 顔が同じ五人組「我ら、SEED学園生徒会副会長! この町の平和を影から守る者、ソキウス
            ブラザーズ! 天に代わって、悪を討つ!」
 三人組「五人全員が副会長!? って、ちょっと待てえええええーーーっ!!」

 (五対三では勝てず、オルガたちボッコボコ)

 オルガ「久しぶりの出番がこれかよ……。ツイてねえ」
 クロト「あいつら、原作ではそんなにしゃべらないキャラなのに、ハジケすぎじゃないのか?」
 シャニ「SSでそんな事言ったら、ダメだよ〜〜〜。暑〜〜〜……」



ショート99.
夢の、されど禁断の対決
(斬陽さんのリクエスト)

その1.出会った二人……!

 ロウ「あー、疲れた。空手部の稽古、どんどんキツくなってくるなあ。劾先生を怒らせずに退部
     する方法を考えないと……」
 ウン・ノウ「喝!」
 ロウ「痛て! 誰だ、後ろから人の頭を竹刀で叩くのは……って、ウン・ノウ先生!」
 ウン・ノウ「うむ。久しぶりじゃのう、ロウ」
 ロウ「あ、ああ……(小声で)まだ生きていたのか、このジジイ」
 ウン・ノウ「骨折もようやく癒えた。年を取ると、傷の治りが遅くなって適わん。さあ、行くぞ」
 ロウ「えっ? い、行くって、どこへ?」
 ウン・ノウ「道場に決まっておるじゃろう。剣道部の練習を再開するぞ」
 ロウ「ゲッ! ちょっ、ちょっと待ってくれ、先生、俺は今日はもうクタクタで…」
 劾「何をしているんだ、ロウ」
 ロウ「あ、が、劾先生! ちょうど良かった、助けて…」
 劾「…………まだ生きていたのか、このクソジジイ。両腕の骨を折ってやったのに、随分と元 
   気そうだな」
 ロウ「えっ?」
 ウン・ノウ「ほっほっほっ。そう簡単には死なんよ。貴様こそ、わしに叩き割られた頭の傷は治 
        ったか? 馬鹿がますます馬鹿になってしまったのではないかと、心配しておった 
        ぞ」
 ロウ「えっ、えっ、えっ?」
 劾「遺言はそれだけか? ならば……!」
 ウン・ノウ「来い、若造! 真の武道家の力を見せてやる!」
 劾「それはこちらの台詞だ。行くぞ!」
 ロウ「ちょっ、ちょっと待て、戦うのはいいけど、どうして俺を間に挟んだまま…ウギャアーーー 
     ーーッ!!」


その2.最悪だーーーーッ!!

 プレア(たまたま通りかかった)「あれは高等部の劾先生とウン・ノウ先生……えっ、拳を握っ 
                     て、木刀を手にとって……ケ、ケンカ!? た、大変だ! 警
                     察を!」
 ?「ん? どうした、坊や?」
 プレア「あ、大変なんです、うちの学校で先生同士がケンカして…。警察を呼んでください!」
 ?「む、それは一大事。よし、私に任せろ。こう見えても、武には自信がある」
 プレア「あ、ありがとうございます! あの、おじさんは…」
 ?「私の名はアルベリッヒ・バーネット。ただの通りすがりだ。では、行くぞ!」


その3.壮絶な戦いの結果、全員入院

 イライジャ「ウン・ノウ先生、退院した当日に再入院か。それにしても、どうしてあの二人はあん
        なに仲が悪いんだ?」
 キラ「さあ……。やっぱり武道家には僕たちの分からない確執とかがあるんじゃないかな?」


 劾(病院のベッドで)「おのれ、ジジイ……。俺の大事な写真(子犬)を鼻紙代わりにした罪、い
              つか必ず償わせてやる……!」
 ウン・ノウ(劾とは別室のベッドで)「劾め、腕を上げおったな。だが、まだまだ未熟。せいぜい 
                      遊んでやるか。ふぉっほっほっほっ!」
 アルベリッヒ(二人とは別室のベッドで)「うーん、この私がここまでのダメージを負うとは。世の
                         中はまだまだ広い。もっと鍛えなければ。はあっ!」
 看護婦「アルベリッヒさん、病室で瓦割りはやめてください!」


 ロウ(三人以上の重傷を負い、絶対安静)「いるもんだなあ。世の中には、バケモノみたいな、
                           つーか、バケモノそのものな奴らが。あ、綺麗な河
                           が見えてきた……」



ショート100.
瞼の母よ
(ヘタレインコムさんのリクエスト)

 (とある墓地、墓参りをする少女)

 ガーネット「久しぶり、母さん。母さんがそっちに行ってから、もう十年になるんだね。母さんと一
        緒に花火大会に行った事や、一緒の布団で寝た事は今でも覚えているよ。年月が
        経つにつれて、悲しみも記憶も薄れていく。でも、それとは逆に、母さんが本当に凄
        い人だったんだなあって事が分かってきたよ。だって……」
 アルベリッヒ「ガーネット、この饅頭はなかなか美味いぞ。お前も食べないか?」
 ガーネット「こんなバカ親父と夫婦やってたんだからね。このバカ親父、お供え物の饅頭を食う
        な! しかも他人様の墓のを! 一般常識ってものが無いのか、あんたは!」
 アルベリッヒ「仕方があるまい。お前が最近、我が家の食事を少なくしたせいで腹が減っている
          のだ」
 ガーネット「誰のおかげで金欠になったと思っているんだ! 入院費分、飢えろ! そして死  
        ね!」
 アルベリッヒ「親に向かって、その口の利き方は何だ!」
 ガーネット「子供に迷惑かけるような親は、親じゃない!」
 アルベリッヒ「このバカ娘が!」
 ガーネット「言ってろ、クソ親父!」

 (両者、激突)

 ニコル(付き添いで来ていた)「あはは……。大丈夫ですよ、ガーネットさんのお母さん。あの二
                    人ならきっと、これからも元気にやっていきますよ。特にガーネ
                    ットさんは」



ショート101.
「彼女たち」の修学旅行
(麒麟さんのリクエスト)

その1.逞しくなりました

 カノン「うううううーーーーー……」
 ルミナ「いい加減、不気味な唸り声を上げるのはやめなさい。せっかく京都に来たのに」
 カノン「だって、アスラン様と離れ離れ……」
 ルミナ「学校にいたって離れ離れじゃない」
 カノン「でも、私がいない間にアスラン様とあの金髪女がデートするかも……」
 ルミナ「そうね。私たちが帰ったら、二人の間に子供が出来てたりして」
 カノン「うがーーーーっ!! 帰る! SEED学園に帰る! そして、あの金髪女を殺…うっ」

 (首筋にチョップを叩き込まれ、カノン失神)

 ルミナ「ふう。まったく、この程度のジョークを真に受けるなんて、相当焦っているみたいね。あ
      あ、先生、妹が急に失神しました。ええ、最近、体調が悪かったんです。看病をお願い
      します。さて、私はサイ先輩へのお土産を買ってこようっと♪」


その2.可愛いか、可愛くないか。それが問題だ

 エリナ「えーと、こっちの八つ橋の詰め合わせはエザリア伯母様に、イザークお兄ちゃんへの 
      お土産は、この安っぽいキーホルダーでいいわね。あとは……あのバカ家庭教師にも
      買ってあげるか。あら、この置き物は…」
 ルミナ「すいませーん、この置き物、くださーい」
 エリナ「なっ、ルミナ!?」
 ルミナ「ごめんね、エリナ。その置き物、私も目をつけていたの。買い物はスピードが命。迷っ 
      ていたら横取りされるわよ」
 エリナ「……まあ、別にいいわよ。他のを探すから。でも…」
 ルミナ「?」
 エリナ「その置き物って、アーガイル先輩へのお土産よね」
 ルミナ「そうよ。可愛いでしょ?」
 エリナ「可愛いけど、京都土産が『鮭を銜えたクマの置き物』っていうのは……。というか、何で
      こんなのが京都にあるの?」
 ルミナ「さあ? でも、可愛いでしょ?」
 エリナ「………そうね。ちょっと」


その3.奈良・東大寺大仏殿にて

  (本尊の右側後ろの柱の根元にて)

 カノン「何、この穴?」
 ルミナ「この穴をくぐると、ご利益があるのよ。大きさは大仏様の鼻の穴と同じらしいわ」
 カノン「へえー。でも、鼻の穴をくぐるのって、何だかちょっと…」
 ルミナ「バチ当たりな事を言わないの。ちなみに去年の修学旅行では、アスラン先輩がこの穴
      をくぐったそうよ」
 カノン「みんな、どいて! 私がくぐるわ! くぐって、くぐって、くぐり倒す!」
 エリナ「言葉の意味が分かんないんだけど。ルミナ、カノンをからかうのはやめなさいよ。アスラ
      ン先輩、あの穴をくぐってないでしょう?」
 ルミナ「たまにはこういうのもいいでしょ? 『お姉ちゃん』らしさも見せておかないとね」
 エリナ「何気にコントロールしてるのね……」


その4.帰りのバスの中で

 カノン「あーあ。あんまり楽しい修学旅行じゃなかったなあ。やっぱりアスラン様と一緒に来たか
      ったなあ」
 ルミナ「学年が違うんだから仕方ないでしょう。文句があるのなら私たちを一年遅く生んだお母
      さんに言いなさい」
 カノン「お母さんは悪くないわよ。悪いのは、私たちの年齢を設定した管理人よ! 管理人の 
     バカ…うっ」

 (首筋にチョップを叩き込まれ、カノン失神)

 ルミナ「ごめんなさい、カノン。でも、私これ以上出番を減らされたくないの」
 エリナ「ルミナ、あんたホントに逞しくなったわね……」



ショート102.
SEED学園版PTA会議
(PANZERさんのリクエスト)

 クルーゼ「生徒の父兄の方々、お忙しい中、お集まりいただき、真にありがとうございます。こ 
        れより、月に一度のPTA会議を始めます。本日の議題は『異性交遊について』で 
        す。我が校では異性との交遊は禁止しておりません。ですが、最近はカップルが急
        増しており、風紀の乱れが激しく…」
 エザリア「恋愛はそれぞれの自由よ。学校側で恋愛を禁止するのはどうかと思うわ」
 劾「確かにその通りです。ですが、生徒たちの年代は、体は大人でも精神的にはまだまだ子供
    です。ある程度の厳しさは必要かと」
 ウズミ「うむ。一理あるな」
 ウン・ノウ「ふん。ルールによって人の心を縛り付けるのは、二流の教師のすることじゃ。あまり
        感心せんのう」
 パトリック「学生の内に社会のルールに従わせて、社会人としての自覚を植え付けるのも必要
        だと思うが…」
 ナタル「恋愛は素晴らしいものです。ですが、その先にあるのは、いい事ばかりじゃない。万が
      一の時、子供たちでは責任は取れない。やはりここは…」
 ムウ「それはどうかな? 生徒たちだって、その辺の事は分かっているだろう。俺たちがしっか
     り見守ってやれば大丈夫だ」
 バルトフェルド「それは口で言うほど容易くはないぞ。いや、むしろ校則で縛るより、はるかに困
           難なことだ」
 マリュー「でも、やはり校則で恋愛を禁止するのは、おかしいと思います。校則はより良い学生
       生活を過ごすためのもので、生徒たちを縛り付けるものではないと思います」
 アルベリッヒ「やれやれ。これでは埒が明かんな。どちらも正しい事を言っているのだから」
 クルーゼ「確かに。学園長、どうしますか?」
 シーゲル「うむ。ここは多数決で決めよう。校則の改正に賛成の方は挙手を願います! その
       前に、これはうちの娘からの伝言なのですが、『もし、私とキラの幸福を邪魔するよう
       なおバカな校則なんか決まったら、皆さん、覚悟してくださいね♪』との事です」
 アルベリッヒ「あ、それはうちの娘も言ってました」

 (投票の結果は……記すまでも無いでしょう)

 クルーゼ「って、いいのか、それで?」



ショート103.
健全な高校生なんだから、こういう話もするよね

 (昼食時。校庭の片隅に男性陣集合)

 ディアッカ「キラはラクスと、アスランはカガリと、イザークはフレイと、サイはルミナと、ニコルは
        ガーネット先輩と付き合ってるんだよな。で、お前ら、どこまで行ってるんだ?」
 イザーク「どこまでとは何だ? 俺はあいつと旅行になど行った事は無いぞ」
 ディアッカ「はい、天然な反応、ありがとう。そーじゃなくて、男と女の関係の進展具合だよ」
 ニコル「AとかBとか、そういうのですか?」
 ディアッカ「……まあ、間違っちゃいないけど、ニコル、お前、微妙にセンスが古いな。で、どう 
        なんだ? 言っておくが、拒否権は無いぞ」
 トール「随分と横暴だな、ディアッカ。まあ、俺も興味あるけど」
 キラ「別に隠すような事はしてないよ。一緒に歩いたり、手を握ったり、時々抱きしめたりする 
     程度かな?」
 アスラン「俺もそんなところだな」
 サイ「俺も。ルミナはまだ中学生だからね」
 ディアッカ「かーっ! お前ら、それでも青春真っ盛り、発情期真っ只中の高校生か? 信じら
        れねえ! イザーク、お前はどうなんだ? フレイは結構、そういうのに積極的に見
        えるけどよ」
 イザーク「ノーコメントだ。貴様を喜ばせるようなネタを提供するつもりは無い」
 ディアッカ「ちっ、友達甲斐の無い奴。くそっ、こうなったら、ニコル、お前だけが頼りだ! 年上
        のお姉さんに色々教わったり、してもらっているんだろう? ほらほら、隠すとタメに
        ならねえぞ!」
 ニコル「いえ、そんなに大した事はしてませんよ。でも、ガーネットさんは可愛いですよ。この前
      のデートの事なんですけど……」

 (数分、経過)

 ニコル「……で、僕がそう言ったら、ガーネットさんは顔を真っ赤にして、『お願い、ニコル、意 
      地悪しないで、もう…』って言うんですよ。僕、意地悪なんかしてないのに。って、あれ 
      ? みんな居なくなってる。キラ、アスラン、みんなどこに行ったんですか?」
 キラ「うん、ちょっとトイレへね……」
 ニコル「全員でですか?」
 アスラン「ああ。男には、色々と事情があるのさ」
 ニコル「?」



ショート104.
気持ちは分かるけど

 クルーゼ「えー、最近、この辺りに女性を襲う変質者が出没しているらしい。全員、気を付けて
       帰るように。以上!」

 (翌日)

 クルーゼ「えー、女性を襲う変質者というのは、確かに許しがたい存在だ。だが、だからと言っ
       て全治一ヶ月の重傷を負わせるというのはやり過ぎだ。犯人が口も聞けない状態な
       上、怯えきっているため、誰がやったのかは分からんが、以後、注意するように。以
       上!」
 イザーク「一ヶ月か。もう少し痛めつけてやれば良かったな」
 フレイ「そうよねえ。せっかく、私がオトリ役までやったのに。女の敵を地獄に送ってやりたかっ
      たわ」
 ニコル「二人とも、過剰防衛って言葉、知ってますか? あと、オトリ捜査は違法ですよ」



ショート105.
ダブルG高校の最後

 ダブルG「突然だが、我が高校は本日ただいまをもって、閉校する」
 生徒たち「エエエエエーーーーーッ!!」
 ダブルG「ぶっちゃけ、学校運営には飽きた。生徒諸君はこれから、好きに生きて、好きに死 
       ぬがいい。さらばだ! ハハハハハハハッ!」

 ダブルG「言っておくが、ギャグオチは無いぞ。これはマジだからな」



ショート106.
ブルーコスモス学園の異変

 サザーランド「大変です、アズラエル学園長! 理事会が学園長解任を決議しました!」
 アズラエル「バカな! 理事会には手を回していたはずだ! なぜ、僕を裏切るような事を…」
 リヒター「どうやら、我々以上の大物が動いたようです。凄まじい額の金がばら撒かれたという
      情報も…」
 アズラエル「くっ、それで、新しい学園長は誰なんですか? サザーランド君、君ですか?」
 サザーランド「いえ、私もクビになりました」
 リヒター「私もです」
 アズラエル「何だって? それじゃあ、一体、誰がこのブルーコスモス学園を…」
 ?「ブルーコスモス学園という学校は、もう存在しませんよ。アズラエル殿」
 アズラエル「! き、貴様は…」
 ?「全てが生まれ変わる時が来たのですよ。そう、今日からこの学園の名は…」

 ?「あ、言っておきますが、ギャグオチはありませんよ。これはマジですから」



ショート107.
そして今日、SEED学園では…

 アスラン「なあ、キラ」
 キラ「何?」
 アスラン「時の流れは早いものだな。ついこの前まで、夏真っ盛りだった気がするのに…」
 キラ「そうだね。そして、色々な事があったね」
 アスラン「俺たちが高等部に進学して、もう一年か。長いようで、短かったな」
 キラ「うん。楽しい一年だったね」

 ミリアリア(校内放送)「全校生徒および来賓の皆さん、間もなく第○回SEED学園高等部、卒
               業式を行ないます。至急、第一体育館の方へお集まりください。繰り返
               してお知らせします……」

 アスラン「ニコルには、辛い一日になりそうだな」
 キラ「僕も辛いよ。あの人には、色々お世話になったから。でも、だからこそ笑顔で見送ろうと 
     思うんだ」
 アスラン「そうだな……。それじゃあ、行くか」

 (風が吹き、桜の花びらが空を舞う。今日、三年生たちは巣立ちの日)



ショート108.
戦女神の卒業

その1.卒業式前夜、ニコルの自宅にて(ちなみに両親は旅行中)

 (深夜、ベッドの中で)

 ニコル「いよいよ明日ですね。いつかはこういう日が来るとは思ってましたけど、やっぱり嫌な 
      ものですね」
 ガーネット「あら、私の卒業を祝ってくれないの?」
 ニコル「ガーネットの姿が学園から消えるのは寂しいです。どうして僕もガーネットさんと同じ年
      に生まれなかったんだろう? そうすれば一緒に卒業できて、一緒の大学にも通えた 
      のに」
 ガーネット「それは私も同じ気持ち。ニコルと一緒のクラスで勉強して、一緒に卒業できたらっ 
        て何度も思った。でも、それは絶対に出来ない事だから」
 ニコル「そうですね。生まれた月日までは変えられませんから、受け入れるしかないですね。ど
      うしてもと言うなら戸籍を書き換えたり、ガーネットさんが留年して僕と同じ学年になる
      とか、そんな無茶な手を使うしか」
 ガーネット「………………しまった。その手があったかーーーーーーーーっ!!!!」
 ニコル「さすがガーネットさん。ちょっと抜けてるそういうところも好きですよ。でも、夜中に裸で
      絶叫するのはやめてください。近所迷惑です」


その2.そして卒業式当日

 アスラン「意外だな」
 ニコル「? 何がですか、アスラン」
 アスラン「恋人が卒業するのに随分と落ち着いているな、と思ってな」
 キラ「うん。僕も大泣きすると思ってた」
 ニコル「ガーネットさんとは昨日の夜、色々と語り合いましたから。涙も全部、その時に流しまし
      た」
 アスラン「そうか」
 キラ「強いね、ニコルは」
 ニコル「それに泣いてる暇なんてありませんよ。僕が大学部に進学する頃には、ガーネットさん
      は大学部の覇者になっているでしょうから、彼女に相応しい男にならないと」
 キラ「覇者って、普通は男の人が使う称号なんだけど、ガーネットさんにはピッタリだね」
 アスラン「ツッコミどころはそこじゃないぞ、キラ」


その3.卒業証書、授与

 シーゲル「ガーネット・バーネット君、君は生徒会長としてこのSEED学園高等部を支え、見事
       に繁栄させてくれた。その功績は永遠に称えられるだろう」
 ガーネット「ありがとうございます」
 シーゲル「特にダブルG高校との大戦争で、三十人の敵を倒した君の勇姿は、今も私の目に 
        焼きついて…」
 ガーネット「その発言は教育者としてどうかと思いますが」
 一同「何を今更」


その4.卒業生から在校生へ… 卒業生代表、ガーネット・バーネット

 ガーネット「あー、まあ、細かい事を言うのは苦手だし、私が何も言わなくても、あんたたちなら
        上手くやっていくだろう。みんなで力を合わせて、頑張ってこの学園を守ってよね。
        以上!」
 キラ「ガーネットさんらしい答辞だね」
 イザーク「ああ。シンプル過ぎる気もするがな」
 ガーネット「あと、女子連中。私がいないからってニコルに手を出さないように。出したらぶっ殺
        すから♪」
 キラ「これもガーネットさんらしい答辞だね」
 フレイ「心配しなくても、ニコルに手を出す人なんていないわよ。少なくても二、三年生は」
 ミリアリア「何も知らない新入生たちには釘を刺しておかないとね」


その5.そして、さようなら

 (卒業式終了。体育館前に集まる一同)

 ラクス「お姉様、ご卒業おめでとうございます」
 ガーネット「ありがとう、ラクス。私がいなくなっても、あんたたちがいるから心配してない。二年
        生と力を合わせて、この学園を守ってよ」
 ラクス「ええ、お任せください」
 キラ「ガーネットさんも、大学部では頑張ってください」
 アスラン「いつでも遊びに来てください。歓迎しますよ」
 カガリ「ちょっと寂しくなるけど、元気でな」
 樹里「ガ、ガーネットさん、お元気で……。ううっ、グスッ」
 ロウ「おいおい、泣くなよ、樹里。旅立ちの日に涙は禁物だぜ。元気でな、ガーネット先輩。大 
     学部ではちょっとは大人しくしなよ」
 イライジャ「それは無理だと思うぞ、ロウ」
 ディアッカ「卒業、おめでとさん。まあこれでこの学園も少しは静かになるかな。ん? どうした、
        トール」
 トール「あ、いや、別に……。ガーネットさん、ご卒業、おめでとうございます。体に気を付けてく
      ださい」
 ミリアリア「? トール、何かちょっと変ね……」
 ガーネット「みんな、ありがとう。それじゃあ、さようなら! っと、忘れ物、忘れ物」

 (ガーネット、いきなりニコルと手を組む)

 ニコル「えっ? ガ、ガーネットさん?」
 ガーネット「これからこいつと抜き打ちの卒業デートするから。春休みは私もニコルもずーっと 
        デートするから、みんなとは付き合えない。ゴメンね、それじゃあ!」
 ニコル「う、うわあ、ちょっ、ちょっと、ガーネットさん!」

 (ガーネットに強引に引っ張られていくニコル。でも、その顔は微笑んでいる)

 イザーク「やれやれ。まったく、あの二人は……」
 ストライク「最後までラブラブだったな」
 フレイ「あの二人らしくていいんじゃない? ホント、バカップルにつける薬は無いわ」
 サイ「はは、確かに。ニコルが十八になる二年後には結婚式かな? ご祝儀、今から用意して
     おかないと。なーんてね」
 一同「あれ? サイ、お前(あなた)、まだ用意してなかったの?」
 サイ「えっ?」
 一同「私たちはもう出産祝いも用意しているけど」
 サイ「早!……くはないかな。うん」


その6.あ、そういえば

 ラクス「はあ……。困りましたわ」
 キラ「どうしたの、ラクス?」
 ラクス「いえ、お姉様から『二年生と力を合わせて、この学園を守って』と言われましたが…」
 キラ「うん」
 ラクス「この学園に『二年生』の方々なんていましたかしら?」
 キラ「…………」



ショート109.
アズラエルの最後?

 アズラエル「ふっ、かつてはブルーコスモス学園の理事長として権勢を振るった私も、今は無職
        の身。横領していた裏金も奴らにか没収されてしまった。だが、このままでは済まさ
        ない! せめて一矢、報いないと!」
 サザーランド「それはご立派な意見ですな」
 リヒター「でも、そういう事はここを出てから考えましょうよ」

 (現在、三人がいるのは留置所の檻の中。罪状は食い逃げ)

 アズラエル「そうですねえ……。ああ、貧乏が憎い!」
 リヒター「落ちる所まで落ちましたね、私たち」
 サザーランド「まあ、ここまで落ちたら、逆に恐いものは無い。開き直って頑張るか」
 アズラエル「貧乏は、貧乏は嫌だーーーっ!!」
 リヒター「あの人の面倒も見てあげないといけませんしね」
 サザーランド「ああ。何だかんだ言っても長い付き合いだし、放ってはおけないな。……ふう。
           我々もかなりのお人よしだな」
 アズラエル「貧乏は嫌だーーーーっ! 見ていろ、いつか、いつか必ず、必ず!」

 (檻の中に空しい叫び声が響く。すぐ側にある『絆』に気付くこともなく……)



ショート110.
頑張ったんだねえ……(しみじみと)

 ソキウスたち「……………」
 シックス「私たちもガーネット会長と一緒に卒業したのだが、誰も気付いてくれなかったな」
 サーティーン「作者が書き忘れていたという説もあるが……」
 エイト「作者からも忘れられるとは、そんなに私たちは地味なのか?」
 イレブン「登場したと同時に卒業だからな。地味以前の問題だろう」
 シックス「くっ、この状況を何とかしないと…!」
 サーティーン「何とかと言っても、もう卒業してしまったんだぞ。今更、私たちに何が出来る?」
 フォー「方法はある。いや、この方法しかない。私たちを評価しなかった連中(主に作者)を見
       返してやろう!」

 (一年後)

 『テレビの前のみんな、機動戦隊ガンレンジャーは今日でおしまいだ。一年間、応援ありがと 
  う。来週から新番組、兄弟戦隊ソキウスレンジャーが始まるよ! みんな、応援してね!』

 『テレビの前の諸君!』
 『私たち五人の兄弟の活躍を…』
 『楽しみにしていてくれ!』
 『地球の平和を守るため、悪と戦う私たちを…』
 『応援してくれ!』

 テレビを見ていたプレア「……あれ? どこかで見たような人たちだなあ。誰でしたっけ?」



ショート111.
先生たちも大変です

 シーゲル学園長「我々も年を取った。学園の基礎も固まったし、ここらで後進に道を譲りましょ
            う」
 パトリック理事長「そうだな。新しい校長はウズミ君かね?」
 ウズミ教頭「いや、私も疲れました。新しい時代の幕開けに合わせて、新校長は若い世代から
         選ぶべきだと思います」
 パトリック「若い世代、か……」

 ムウ……結婚式を間近に控え、かなりハイになっており、仕事が疎かに
 マリュー……上と同じ
 バルトフェルド……暇さえあればアイシャとイチャイチャ
 アイシャ……暇さえあればバルトフェルドとルンルン
 クルーゼ……変態仮面
 劾……暗い
 ナタル……夏と冬の一時期、連絡が取れなくなる
 ウン・ノウ……そもそも「若い世代」じゃない
 プロフェッサー……色々な意味でヤバすぎる
 その他の連中……地味

 パトリック「ダメ人間ばかりだな」
 ウズミ「教師の教育は難しい」
 シーゲル「新しい校長は、外から招きましょう」



ショート112.
カナード最後の挑戦?

その1.時期を考えてください

 カナード「ふっふっふ。あの忌々しい生徒会長が卒業した今、恐れる者は何も無い! キラ・ヤ
       マト、今日こそ倒す! いざ、SEED学園へ!」
 メリオル「あの、カナード…」

 《現在、SEED学園は春休みのため、関係者以外、立入禁止》

 カナード「し、しまったああああっ!! そういえばうちの学校も今は春休みだった!」
 メリオル『友達、やめようかなあ……』


その2.やっぱり最強はこの人

 カナード「ま、まだだ! こうなったら奴の自宅へ直接、乗り込んで…」
 メリオル「やめた方がいいと思いますけど」
 カナード「ここまで来て、手ぶらで帰れるか! 今日こそキラ・ヤマトを倒して…」
 ラクス「キラをどうするんですの?」
 カナード&メリオル「!」
 ラクス「聞き捨てならない事をおっしゃられていましたわね。わたくしの大切な人をどうするんで
      すの?」
 カナード「い、いや、あの、その……」
 メリオル『な、なんてプレッシャー! 息が……つまる』
 ラクス「答えてください。それとも、学園の地下牢にお連れした方がよろしいかしら?」(ニッコリ
      微笑む)
 カナード&メリオル「! あ、あわわわわ……」

 キラ「ラクス、お待たせ。あれ? こっちで泡を吹いて倒れている人たちは誰? ラクスの知り 
    合い?」
 ラクス「いいえ。それよりキラ、今日はオフですから一日中一緒にいられますわ。さあ、参りまし
      ょう」


その3.これもひとつの『卒業』

 カナード「う、うう……。お、俺は気絶していたのか? おい、メリオル、起きろ!」
 メリオル「あ……。カ、カナード……。私たちは何をしていたのでしょう? SEED学園の前に来
       たところまでは覚えているのですが……」
 カナード「俺も思いだせん。記憶が飛んでいるのか?」
 メリオル「カナード」
 カナード「ああ、もういい。何もかもバカバカしくなった。帰ろう、メリオル」
 メリオル「はい」
 カナード「付き合ってもらって悪かったな。埋め合わせに何かおごるぞ」
 メリオル「ありがとうございます。でも、私、お金掛かりますよ」
 カナード「はっ、面白い。受けて立つぜ」

 (夕暮れの中、SEED学園を去る二人。カナードの顔は優しく微笑んでいた)



ショート113.
その後のブルーコスモス学園

その1.実はオルガは一年生。なのに生徒会長。凄い

 オルガ「ブルコス学園、廃校か……。あんまりいい思い出はないけど、それでもちょっと寂しい
      な」
 クロト「廃校じゃねえよ。校名が変わって、生徒も入れ替わるってだけだ」
 シャニ「それって、ほとんど廃校だろ。俺たちも追い出されたし」
 シャロン「いい機会です。私は海外に行き、歌と演技の勉強をします。目指すはブロードウェイ
       です」
 ロディア「ガーネット・バーネットも卒業しちまったしなー。俺も学校やめて、旅に出るか。うちの
       親、社長だから金は持ってるし」
 オルガ「レオンさんとサキさん、オーマさんは今年で卒業だろ? どうするんだ?」
 レオン「俺は就職だ。とあるマフィアにスカウトされてな」
 サキ「私はどこまでもレオンと一緒よ」
 クロト「いいのか、それで?」
 シャニ「本人が幸せなら、それでいいんじゃないの。で、オーマさんは?」
 オーマ「就職だ。消防士になる」
 一同「…………」
 オーマ「何だ、その呆れたような眼は」
 フォルド「いや、適材適所って言葉を知らない奴だなー、と思って」
 オーマ「何だと、テメエ!」
 フォルド「やんのか、コラアッ!」
 レオン「やれやれ、また始まった……」
 シャロン「この二人のケンカもこれで見納めだと思うと、寂しいですね」
 レオン「ああ、だが……」

 一同「俺たちの出番が少なかったせいで、感動のシーンも読者はそれほど『寂しい』とは感じて
     ないだろうな。そこんとこどーよ、管理人?」

 (ゴメンナサイ)


その2.何とかします

 ギアボルト「オルガさんたちはこれからどうするんですか?」
 オルガ「ん? 聞いてないのか。お前らと一緒だよ。シャニとクロト、フォルドもな」
 ギアボルト「そうですか」
 オルガ「ああ。嬉しいのか?」
 ギアボルト「少し」
 オルガ「そうか」
 ギアボルト「新しい学校でも、よろしくお願いします」
 オルガ「おう。よろしくな」

 ギアボルト「来年からのSEED学園は、賑やかになりそうですね」
 オルガ「デスティニーや鏡伝2のキャラも加わるから、俺たちの出番が増えるかどうか微妙だ 
      な。頼むぜ、管理人さんよお」


その3.ご愁傷様です

 ガーネット「卒業するんじゃなかった……。そうすればニコルとギアちゃんで両手に花状態だっ
        たのにーーーーーっ!!」
 キラ「当人たちの意志は完全に無視してますね。恐ろしい人だ」



ショート114.
ハッピー・ウェディングベル

その1.昼と夜は立場が逆?

 (暖かな春の日。天気は快晴。とある教会にて)

 ハルバートン神父「おほん。新郎ムウ・ラ・フラガ、汝は傍らにいる女性を生涯愛し続ける事を
             誓いますか?」
 ムウ「誓う」
 ハルバートン神父「よろしい。新婦マリュー・ラミアス、汝は傍らにいる男性を生涯愛し続ける事
             を誓いますか?」
 マリュー「はい、誓います」
 ハルバートン神父「うむ。それでは、誓いの口付けを……。って、新郎、なぜ新婦の靴にキスを
             するのかね?」
 ムウ「あ、すいません。つい、いつものクセで」
 マリュー「リラックスしすぎよ、ムウ」
 ハルバートン神父「そういう問題ではないような気がするのだが」


その2.バカップルたちからパカップルへ

 (鐘が鳴り響く。教会の扉が開き、新郎新婦が登場)

 キラ「おめでとうございます、ムウ先生、ラミアス先生!」
 アスラン「おめでとうございます!」
 カガリ「おめでとう!」
 ラクス「お二人とも、素敵ですわ。どうかお幸せに!」
 バルトフェルド「やれやれ、先を越されたか。俺たちの結婚式は来月だ。結婚祝いはいい物を
           頼むぞ!」
 アイシャ「まあ、アンディったら♪」
 ガーネット「で、その次は私とニコルの番だね」
 ニコル「二年後ですけどね。今から予約しておきますか?」
 ガーネット「当然! というか、もう済ませたわ」
 ニコル「さすがガーネットさん。素敵です」
 ラクス「キラ、わたくしたちの式もこちらの教会を使わせていただきましょう」
 キラ「うん、そうだね。ラクスのウェディングドレス姿か。きっと似合うだろうなあ」
 ラクス「ええ。キラのタキシード姿も似合うと思いますわ」
 カガリ「ア、アスラン、あの……お前もタキシードは似合うと思うぞ。だから…」
 アスラン「いや、俺はどちらかというと和式の方がいいな」
 カガリ「バカーーーーーーッ!!」
 アスラン「ごふっ!」

 マリュー「……イマイチ祝福されている気がしないんだけど」
 ムウ「『人の結婚式でイチャイチャしてんじゃねーよ』と言いたいが、今日は大切な日だ。ガマ 
    ン、ガマン。俺も大人になったなあ」(こめかみが、ちょっとピクピクしています)


その3.人知れず『さよなら』

 イザーク「おめでとー」
 ディアッカ「おめでとー」
 フレイ「ちょっと、二人とも、全然気持ちが入ってないじゃない。失礼よ」
 イザーク「ふん。何が悲しくて、他人の幸せを祝わなきゃならんのだ」
 ディアッカ「結婚は人生の墓場。まあ、せいぜい頑張ってくれよ」
 ストライク「おや、だったらディアッカはミリィさんと結婚したくないんですか? トールがいなくな
        って大チャンスなのに」
 ディアッカ「それとこれとは話が別だ。ちっ、あの野郎、海外留学なんて勝手に決めやがって…
        ……。俺はともかく、ミリィには一言ぐらい言ってから行けばいいのによ」
 ミリアリア「いいのよ、ディアッカ。言ったら私、きっと泣いちゃって、トールを困らせただろうか 
        ら。トールは私に気を使ってくれたのよ」
 ディアッカ「ちっ。あのバカが。いいさ、だったらあいつの分まで、俺がミリィを幸せにしてやる。
        という訳でミリィ、結婚しよう!」
 ミリアリア「短絡過ぎなのよ、アンタは! このケダモノ!」
 ディアッカ「ぐほっ!」

 マリュー「……全然、祝福されている気がしないんだけど」
 ムウ「『人の結婚式で痴話ゲンカしてんじゃねーよ』と言いたいが、今日は大切な日だ。ガマ  
     ン、ガマン。俺って大人だなあ」(こめかみが、かなりピクピクしています)


その4.最後の戦い

 マリュー「まあ、いいわ。さっさとブーケを投げましょう」

 (その途端、女性陣の眼がギラリと光る)

 マリュー「せーの、それーーーっ!」

 (投げられたブーケ。それに殺到する女性陣。そして…)

 ハルバートン神父「あー、幸せ一杯の新婚夫婦にこんな事は言いたくないが、君たちが招待し
             た女性客がブーケを巡って大乱闘、それを止めようとした男性陣まで巻き
             込んで、スッタモンダの大騒ぎの末、ボロボロにされた私の教会の修理費
             は祝典から引いておくから」
 ムウ&マリュー「すいませんでした」

 (ちなみに壮絶な戦いの結果、ブーケを手にしたのはナタルでした。その直後、自分に彼氏が
  いない事に気付いて愕然。雰囲気に呑まれやすいタイプかも)


(高等部一年生編・完)

そして時は流れ……。


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