SEED学園編 PHASE−04
ショート35.
10月31日、ハロウィン文化祭
(ymaさん&写児さん&加賀 誠さんのリクエスト)

その1.カノンは生徒会の書記です

 カノン「うがあーーーーーーーっ!!!!」
 ルミナ「ど、どうしたのよカノン、そんな、野獣みたいな声を出して…」 
 カノン「体育祭から今まで、ずーーーーーーーーーーーっとアスラン様に会えなかった!」
 ルミナ「それは仕方ないわよ。中等部の生徒会の仕事とか、芸能界デビューの準備とかで色
      々と忙しかったし……」
 カノン「そんなの関係ない! もう我慢できないわ。こうなったら明日の合同文化祭、どんな手
      を使ってでもアスラン様にお会いしてやる!」
 ルミナ「ちょっとカノン、それじゃあ中等部の文化祭の方はどうするのよ。あなたにも仕事があ
      るはずよ」
 カノン「お姉ちゃん、私の代わりにやっといて」
 ルミナ「なっ…!」
 カノン「私と入れ替わって、よろしくやっといてね。双子って、こういう時に便利よね〜」
 ルミナ「ちょっ、ちょっと待ちなさいよ! 私にだって予定が…」
 カノン「どうせアーガイル先輩とイチャつくだけの予定でしょ? そんなの認めませーん」
 ルミナ「あ、あなただってアスラン先輩に会うためだけにサボるなんて、そんな事が…」
 カノン「…………お姉ちゃんの机の中のポエム集、プロデューサーさんに見せるよ」
 ルミナ「!」
 カノン「いい出来だもんねー、お姉ちゃんのポエム。もしかしたらプロデューサーさん、すっごく
     気に入っちゃって、『君たちのデビュー曲はそれで行こう! 話題にもなるし』って事に 
     なって、そしたらお姉ちゃんの素晴らしいポエムが全国ネットで…」
 ルミナ「ゴメンナサイ、カノン様」
 カノン「分かればいいのよ、分かれば。じゃ、後はよろしく〜(笑)」
 ルミナ「……いつか、殺す」


その2.トリック・オア・トリート!

 (10月31日、ブルコス学園との合同文化祭当日。会場はSEED学園。モンスターの仮装を 
 した生徒たちで溢れかえっている)

 カノン「うわあ、凄いわね……。えーと、アスラン様は…」
 キラ「あれ? カノンちゃんじゃないか。久しぶりだね」
 カノン「あ、キラさん。……って、何ですか、その格好は?」
 キラ「えっ? ドラキュラの衣装なんだけど、分からないかな?」
 カノン「いえ、ドラキュラは分かりますけど、どうしてハロウィンでドラキュラなんですか? 普通
     はカボチャのオバケの格好とかじゃ…」
 キラ「ジャックランタンの事だね。けど、バンパイヤの格好をしてもおかしくないんだよ。オバケ
     なら何でもいいみたい」
 カノン「へえ、そうなんですか。あの、アスラン様がどこにいるか知りませんか?」
 キラ「アスランなら第一体育館だよ。ブルコスのバスケ部との親善試合をやるんだ。もうそろそ
     ろ始まるんじゃないかな?」
 カノン「そうですか、ありがとうございます。それじゃあ…」
 キラ「あ、カノンちゃん」
 カノン「はい?」
 キラ「オバケ役は必ず言わなくちゃいけないセリフがあるんだ。えーと、確か、……ソニック・ 
     オア・トリート…メント?」
 カノン「メントはいりません。あと、ソニックじゃなくてトリックです。まあ、あの青いハリネズミの
     ゲームは面白いですけど」
 キラ「あのゲーム、僕も好きだよ。セ○は昔からいいゲームを作るよね。でも、ハード戦争では
    結局、一度も勝てなかったなあ。どうしてだろう? サターンもドリキャスも、性能は悪くな
     かったのに」
 カノン「やっぱり、ソフトのラインナップに問題があったんじゃないですか? 自分の所でも良質
      なゲームが作れるから、他のメーカーをあまり当てにしなかった。その結果…」

 (マニアックなゲーム談義が続く)


その3.イザークのハロウィン講座(さすがは郷土資料研究会会長。会員、彼一
人だけだけど)

 イザーク(悪魔の仮装をしている)「トリック・オア・トリート、イタズラかお菓子か、か。普通はお
                      菓子と答えるんだが、もしイタズラと答えたらどうなるんだ 
                      ろう?」
 ディアッカ(骸骨男の仮装をしている)「知るかよ、そんなの。けどハロウィンって、今ひとつ分 
                        からない事が多いな」
 イザーク「日本じゃあまり馴染みがないイベントだからな(SEED学園は日本にあります)。ち 
       なみにハロウィンとは、キリスト教の万聖節(AllSaints'Day、あらゆる聖人を記念す 
       る祝日)の前夜祭だ。古代ケルト民族にとって、この日は大晦日にあたり、1年の収
       穫に感謝する日であり、この夜は日本のお盆のように死者の魂がよみがえり、家に
       戻ると言われていた。だが、同時に悪霊や魔女なども一緒に起きだしてしまうため、
       悪霊どもを追い払い、善良な死者の霊を導くために、聖なる「かがり火」を炊いた。
       また、霊に取りつかれないように、夜外出をする時は恐ろしいコスチュームを身にま
       とい、自分もお化けのふりをしたり、逆に霊を脅かしたりした」
 ディアッカ「なるほど。それがハロウィンの仮装の始まりか。日本のお盆にコスプレパーティを
        プラスしたようなものだな」
 イザーク「簡単に言えば、そうなるな。だが、お盆以外でも、日本にもハロウィンに似たイベン
       トがあるぞ」
 ディアッカ「何だよ?」
 イザーク「秋田の『なまはげ』」
 ディアッカ「…………」
 イザーク「似てるだろう? オバケのコスプレをするところも、家々を回り歩くところも」
 ディアッカ「確かに。なるほど、『あれ』はお前の入れ知恵か」

 (窓の外を見るディアッカ。その視線の先にある校庭では『なまはげ』の鬼がうろついている)

 ディアッカ「ちなみにあいつは誰だ?」
 イザーク「カズイだ。他の連中より、目立つ仮装がしたいと言ったのでな」
 ディアッカ「…………相談する相手を間違えているな、あいつは」


その4.熱闘! パンプキンバスケ

 カノン「うう〜〜〜〜。キラさんと話し込んでいたら、もうこんな時間じゃない。早く体育館に行 
     かないと、アスラン様の勇姿が〜〜〜!」

 (全力疾走するカノン。そのおかげで、試合終了直前に到着)

 カノン「ぜ〜は〜ぜ〜……。ま、間に合ったわ。あ、アスラン様はどこに…」

 (女生徒たちの黄色い叫び声が、体育館に響き渡る)

 カノン「あそこね!……って、何、あれ?」

 (ブルコス学園vsSEED学園の親善バスケ試合。選手全員、カボチャの被り物を被り、タキシ
  ードを着ている)

 カノン「ハロウィンだから? 一体、誰が考えたのかしら……」
 ラクス「わたくしですわ」
 カノン「うわっ!!!って、ラクスさん。どうしてここに…………まさか、アスラン様の応援です 
      か?」
 ラクス「そんなに用心しなくても、わたくしはキラ一筋ですわ。まあ応援といえばそうですけど、
      それにしても意外ですわ。カノンさんがここに来るなんて、実は仲がよろしかったので 
      すね」
 カノン「ふふん、そりゃそうですよ。私とあの人は、運命の赤い糸で結ばれているんですから」
 ラクス「まあ。うふふ」

 (その後、試合終了。74対70で、SEED学園チームの勝ち)

 カノン「やったーっ! 勝った、勝った!」
 ラクス「ええ、さすがですわね。特に最後のダンクシュート、さすが一年生にしてエースの座を 
      手にしただけの事はありますわ」
 カノン「ホント、カッコよかったです! さすがアスラン様…」

 (選手たちがカボチャの被り物を脱ぐ。…………全員、女性)

 カガリ(女子バスケ部のエース)「ラクス、応援ありがと! あれ、カノンも来てたんだ。最後の
                     私のシュート、見てくれたか……っておい、どうしたんだ、呆
                     然として?」
 ラクス「色々とショックだったようですね。ちなみにここは『第二体育館』。アスランの試合は隣
      の『第一』体育館ですわ」

 (隣の体育館から、試合終了を告げる笛の音が……)


その6.これがオルガの作戦(ショート34.その4を参照)

 (校庭の出店街で、シャニ、クロト、ロディアの三人が焼きそばを売っている)

 クロト(鳥男の仮装)「はい、まいど! 300円ね! ああ、そっち、割り込まないで!」
 シャニ(死神の仮装)「う〜〜〜、客、多い〜〜〜。服、暑い〜〜〜〜」
 ロディア(ゴブリンの仮装)「だったら、そんな真っ黒な服なんて着るなよ。見ているこっちも暑 
                  苦しいぞ」
 シャニ「いや、だって、死神っていったら、やっぱり黒じゃないかと……」
 クロト「無駄口叩いてないで、焼きそば作れよ! 売り上げはそのまま俺たちの懐に入るんだ
      からな。小遣い、たっぷり稼いでやる!」
 ロディア「オルガの奴も、粋な計らいをしてくれるじゃないか。ゴールド・ゴーストの連中も、かな
       り張り切っているみたいだぜ。店の前に行列ができてた」
 シャニ「そういえばあいつら、何の店をやってるんだ?」
 ロディア「腕相撲だってさ。五人全員に勝てば、国内一周旅行をプレゼントだそうだ」
 シャニ「へえ、ずいぶんとリッチだな。けど、旅行は客を釣るためのエサだろ? 負けたらどう
      するんだ?」
 クロト「負けないだろう。あいつら、どいつもパワーあるからな」

 (その時、ゴールド・ゴーストの店から大歓声。どうやら五人全員、負けたらしい)

 シャニ「へえ。世の中には凄い奴がいるんだなあ」
 ロディア「ああ。一体、どんな奴…」

 (人ごみを掻き分けて、勝利者が店から出て来た)

 ストライク「デハ、旅行ノ件、ヨロシク」
 クロト&ロディア「ロボッッッッッ!?」
 シャニ「SEED学園って、結構、無茶だよね」


その7.怒らせてはいけない人を……

 (文化祭終了。ハロウィンの最後をしめる巨大なかがり火が焚かれ、その周囲では男女ペア
  によるフォークダンスが行われている)

 カノン「ううっ、せっかく仕事をサボッてアスラン様に会いに来たのに、アスラン様はカガリと話
      してばかり……。これじゃあ、何のためにサボッたのか分かんないじゃない。けど、ま 
      だチャンスはあるわ! このフォークダンスでアスラン様とツーショットを決めて…」
 ルミナ「そうはいかないわよ、サボリ女さん」
 カノン「お姉ちゃん!?」
 ルミナ「よくもあれだけの仕事を押し付けてくれたわね……。今日一日、自由時間なんてなか
      ったわ。中学最後の文化祭の思い出が、事務仕事で終わっちゃったわよ。サイ先輩
      とも会えないし……」
 カノン「あわわわわ……。お、落ち着いて、お姉ちゃん。ポエム、ホントに送っちゃうよ?」
 ルミナ「ふっ……。あんな青春の汚点、さっき家に帰って燃やしたわ」
 カノン「げっ」
 ルミナ「覚悟はいいかしら、私のかわいい妹さん? そんなにダンスが踊りたいのなら、じっく
      り、たっぷり、踊らせてあげるわ。死のダンスを……」
 カノン「!!!!!!!」

 アスラン「ん? あそこで踊っているのは、ルミナとカノンじゃないか。姉妹でダンスとは、相変
       わらず仲が良いな」
 カガリ「ああ。けど、どうしてあんな暗がりで踊っているんだろう? それに、カノンの頭が少し 
      膨らんでいるような…?」



ショート36.
決死の写生大会
(写児さんのリクエスト)

その1.誰だ、こいつに引率任せたのは

 フラガ「という訳で、今日は屋外授業の一環である写生大会だ。学園という狭い世界を飛び出
      して、草木生い茂る自然豊かなこの地で思う存分、絵を描こう!」
 一同「…………」
 フラガ「ん? どうしたみんな。元気が無いなあ」
 キラ「先生、質問があります」
 フラガ「何だ、キラ?」
 キラ「ここはどこですか?」

 (周囲を取り囲む木、木、木。蒸し暑い空気、照りつける太陽。どこからか獣の鳴き声が…)

 フラガ「安心しろ。取り合えず、日本だ」
 一同「だから、日本の何処なんだよ! そして帰れるのかよ!」
 フラガ「………………」
 一同「黙るなーーーーーっ!」


その2.それでも課題はやってください

 イザーク「この状況でも写生をさせるとは、一体何を考えているんだ、うちの教師どもは?」
 ニコル「仕方ないですよ。それで、皆さんはどこで何を描くつもりですか?」
 アスラン「どこで何を、って言ってもなあ……」
 キラ「ジャングルのド真ん中だもんね。どこで描いても、似たような絵になっちゃうよね」
 ラクス「これでは、写生大会の意味がありませんわ」
 カガリ「やっぱりまずは、このジャングルを脱出することだな」
 ディアッカ「写生するための脱出か。何だかおかしな話だな」
 ミリィ「こんな所へ来た時点で、おかしな話なのよ。で、どうやって脱出するの? 携帯は通じな
     いし…」
 アキナ「私、ジャングルからの脱出法なんて知らない…」
 フレイ「私だって知らないわよ。ニコル、あんた前に無人島でサバイバルやったじゃない。何か
      いい方法知らないの?」
 ニコル「最近、ガーネットさんと一緒にいる事が多くて、あまりそういう本は読んでないんです。
      遭難した時は、あまり動き回らない方がいいんですけど…」
 サイ「いや、こんな所で長時間留まる方が危険だよ」
 トール「そうだね。何とかしないと……」
 カズイ「うう、僕たち、変な動物に食べられちゃうのかな……」
 イザーク「安心しろ、カズイ。そんな事はない」
 カズイ「イザーク……」
 イザーク「『みんな』が食べられる事は無い。いざとなったら、誰かをオトリにして逃げる」
 カズイ「えっ」
 アスラン「頼むぞ、カズイ」
 キラ「頼りにしてるからね」
 カズイ「えっ? えっ? ええええええっ???」


その3.これって賄賂ですか? いいえ、当然の報酬です

 カガリ「冗談はさておき、とにかく脱出しないと」
 アスラン「(ちょっと本気だったんだが)そうだな。あれ? ラクス、ハロはどうしたんですか? 
       ジャングルに入るまでは持っていたんじゃ…」
 ラクス「ええ。嫌な予感がしたので、発信機代わりに森の入口に置いてきました。こちらの受信
      機を使って電波を辿れば、脱出できます」
 キラ「! ラクス、凄いよ!」
 フレイ「ええ、見直したわ! さすが、次期生徒会長ね!」
 一同「バンザーイ! バンザーイ!」
 ラクス「その前に、皆様にお願いがあります」
 一同「?」
 ラクス「わたくし、あまり絵は得意ではないのです」
 一同「!」


その4.ハロのおかげで何とか脱出できました。そして後日

 マリュー「皆さん、写生大会、ご苦労様でした。あの過酷な状況の中で、みんなよく描いてくれ
       ました。どれも力作ぞろいで、先生、感心しました。ですが……。キラ・ヤマト君。そ 
       して、ラクス・クラインさん。あなたたちは再提出です。理由は、分かっていますね」
 キラ「……はい」
 ラクス「残念ですわ……」

 (二人の提出した作品は、ほとんど同じ絵。ジャングルで描いた絵をラクスに渡した後、その 
  絵をキラが模写したのだ)

 ラクス「キラ……。マヌケすぎますわ」
 キラ「ゴメンナサイ。けど、ちょっとは変えたんだけどなあ……」
 ラクス「どこを変えたんですか?」
 キラ「木の数とか、草の生えている数とか」
 ラクス「………………微妙ですね。色々な意味で」



ショート37.
ダーク・フード・ファイト!
(KENTさん&MИPさんのリクエスト)

その1.地獄へようこそ!

 (夜。SEED学園高等部の校庭に、続々と集まる人影)

 シャニ「夜の両校合同の大食い大会か。この学校も、色々とイベントやるよねえ……」
 レオン「こちらは大歓迎だ。晩飯代が浮いてくれるからな」
 フォルド「文化祭であのロボットに賞を持ってかれたせいで、貧乏暮らしだもんねえ」
 オーマ「余計な事、言ってんじゃねえよ、バカガキ。にしても、何でこんな夜にやるんだ? 照 
      明もほとんど無いし…」
 ギアボルト「…………暗い」
 クロト「おいオルガ、ホントに大会やるのか?」
 オルガ「ああ。それは間違いない。時間も…」

 (と、ぼんやりと照明が点く)

 ラクス(司会役)「ブルーコスモス学園の皆さん、ようこそいらっしゃいました。それぞれ食材を
           一品持ってきましたか? それなら、よろしい。では、これより両校の有志に
           よる合同『闇鍋べ』大会を始めましょう」
 サキ「闇鍋べ? ああ、だからこんなに真っ暗にしてるのね」
 ロディア「……なあ、ちょっと気になるんだが。何でたかが闇鍋べ大会の参加者が、『有志』扱
       いなんだ?」

 (すっごく嫌な予感がしたが、腹が減ったので、参加する事に。後に全員、その浅はかな決断
  を後悔する事になる……)


その2.鍋の大きさは直径10メートル以上

 ラクス「それでは皆さん、この大鍋に、持ってきた食材を片っ端からぶち込んでください♪」

 (言われたとおり、一同、煮えたぎる巨大鍋に食材をぶち込む)

 ラクス「では皆さん、ハシをどうぞ。一度、箸でつまんだ物は、どんな物でも口の中に入れなけ
      ればいけませんよ。最も多くの品を食べた人に、賞金十万円を差し上げます」
 カズイ「は、はい! それじゃあ、まずは僕から……」

 (カズイのハシが『何か』をつまんだ。そして、その『何か』を口の中へ。バリバリ、を硬い物を 
  噛み砕く音が聞こえる)

 カズイ「………………!!!!」

 (闇の中、倒れるカズイ。口の中からは、妙にすっぱい匂いが)

 サイ「お、おい、しっかりしろ、カズイ!」
 アスラン「保健室へ運べ! おい、誰だ! 梅酒漬けのカタツムリなんか入れたのは!」
 カガリ「大丈夫。それは食用のカタツムリだから」
 一同「お前かああああっ!!!!」


その3.真に恐るべきは、やはり……

 (割と良識のあるカガリがとんでもない物を入れていた事にショックを受けた生徒たちは次々 
  と棄権。残ったのはカガリ、アスラン、イザーク、ガーネット、クロト、ロディア、レオン、オーマ
  の8名のみ)

 キラ「アスラン、棄権した方がいいと思うけど……」
 アスラン「俺だってそうしたいさ。けど、カガリを残していく訳にはいかんだろう」
 ラクス「それでは、試合再開ですわ。イザークさんからどうぞ」
 イザーク「おう!」

 (イザーク、鍋から『何か』を取り、それを口の中へ。口がモゴモゴと動く)

 イザーク「……ふん、普通の豆腐か。まともな物も入っているんだな」
 オーマ「次は俺か。……よし、これだ」

 (オーマ、謎の食材を口に入れる)

 オーマ「……………」(無言で倒れる)
 レオン「! お、おい、オーマ! しっかりしろ、おい!」

 (オーマの口の中には……『虫の形をしたクッキー』が入っていた)

 ラクス「そう簡単に賞金は手に出来ませんわ。皆さん、頑張ってくださいね」
 一同「…………あんた、鬼や」


その4.勇者よ、さらば

 (その後、大会は進行。勇敢な猛者たちも次々とリタイヤし、ついに二人だけが残った)

 カガリ「よし、ここまで来たら、優勝あるのみだ! アスラン、お前の分まで頑張るから、どうか
      天から私を見守っていてくれ……」
 キラ「いや、死んでないから」

 (キラの足元には、眼を回して気絶しているアスランが横たわっている。何を食べたのかは不
  明)

 レオン「ふん、貧乏人の根性、舐めるなよ!」
 サキ「レオン……。ちょっと恥ずかしいんだけど」
 フォルド「でも、事実だからなあ」
 ギアボルト「…………頑張って、レオンさん」

 (レオンの箸が鍋に差し込まれる。そして掴んだ食材を、そのまま口へ)

 レオン「……ぐっ! ぐぬううううううう……。プハアッ、さ、さあ、次は貴様の番だ!」
 カガリ「よ、よし!」

 (カガリも鍋から食材を掴み、口の中へ)

 カガリ「…………うん。大丈夫だ。そっちの番だぞ」
 レオン「む……」

 (その後、お互いに一歩も引かない好勝負が続く。だが、ついに……!)

 レオン「ぐおっ!」

 (肉団子らしきを食べ、あまりの不味さに気絶するレオン)

 ラクス「はい、それまで。優勝はカガリさんです」
 カガリ「やったーっ!!!」
 サキ「レオン! ちょっとレオン、大丈夫?」
 レオン「………ぐっ、い、嫌だ…」
 オルガ「うわ言か? 何だ、何を言いたいんだ、レオン?」
 レオン「嫌だ……。ワニは嫌だ。ヘビは嫌だ。ミミズは嫌だ……」
 オルガ「なあ。こいつは一体、何の肉を食べたんだ?」
 サキ「考えない方がいいと思います」
 オルガ「……丸呑みしてたよなあ?」
 サキ「だから言うな!」
 ギアボルト「レオンさん……。さようなら」(両手を合わせる)
 フォルド「いや、死んでないって。あー、けど、これはそうなるのも近いかな? なんか、妙なケ
       イレンしてるし」


その5.主催者の独り言

 ラクス「少しハプニングはありましたけど、無事に終了しましたわ。でも、ストライクさんが来ら 
      れなかったのは残念ですわ。汁物を食べてはダメだとか、色々と食べる物を制限され
      ているなんて、お体が悪いのでしょうか?」



ショート38.
ブルーコスモス学園の内乱
(一剣さんのリクエスト)

その1.作戦開始!

 クロト「給食は抜かれる、成績は勝手に下げられる、プライベートな雑用にコキ使われる……
     ……。あーっ、もう、我慢出来ん! アズラエルの野郎に思い知らせてやる!」
 シャニ「気持ちは分かるけどさあ、どうするの?」
 オルガ「何も考えてないだろ」
 クロト「うっ……」
 レオン「だが、確かに何とかした方がいいな。正直、最近のアズラエルの行為には腹が立つ」
 サキ「でも、どうするの? 闇討ちでもする?」
 ロディア「それも悪くないけどよお、バレたらヤバいぜ?」
 シャロン「直接的な暴力はやめておいた方がいいと思います。理事長の弱味を握るというの 
       はどうでしょう?」
 フォルド「弱味って、あいつに弱味なんてあるのか?」
 シャロン「無ければ、こちらで作ればいいのです。いい作戦があります」

 (一同、頭を寄せ合って相談する)

 リヒター(ブルコス学園の教師)「……授業中に悪巧みしているこいつらを止めるべきか、けど
                     あのアズラエルに一泡吹かせられるのなら、まあ、いいか」

 (色々な意味で間違っています)


その2.シャロンの作戦は詰めが甘い

 <作戦その1、当たり屋。理事長の運転する車にわざと当たり、弱味を握る>
 オルガ「理事長は車の免許を持ってないぞ」
 ギアボルト「……いつも運転手付き」

 <作戦その2、美人局。女生徒を使って、理事長を色仕掛けで落とす>
 サキ「で、誰が理事長の相手役をやるの? 私は嫌よ」
 シャロン「私も嫌です」
 ギアボルト「…………無理」

 <作戦その3、誘拐。隙を見て、理事長を誘拐、監禁して、身代金を……>
 オルガ「シャロン、お前、ちょっとヤバいぞ……」
 シャニ「ヤバいというより、怖いね」
 フォルド「色々とストレスが溜まっているみたいだな」


その3.頭が良いのか悪いのか

 オルガ「俺たちが停学一週間!? なぜですか、理事長!」
 アズラエル「理由は説明するまでも無いでしょう。忠告してあげますが、学園内で悪巧みをす 
         るのはやめた方がいいですね。壁に耳あり、障子に目あり、ですよ」
 一同「盗聴!?」

 サザーランド「理事長、自分から違法行為している事をバラしてどうするんですか」
 アズラエル「あ」



ショート39.
異性の家庭教師という存在に妙に「期待」してしまうのは、私だ
けか?(バカだ)
(ymaさんのリクエスト)

その1.エリナはイザークの家に下宿しています

 エザリア(イザークの母)「最近、エリナさんの成績が下がっているのよ」
 イザーク「それで家庭教師を?」
 エザリア「ええ。私の友達の息子さんで、なかなか優秀な子よ。きっと、あなたたちも気に入る
       と思うわ」
 イザーク「ふうん。…………ちょっと待った。あなた『たち』?」
 エザリア「あなたも見てもらうわ。頑張ってね」
 イザーク「なぜ俺まで? 俺の成績は下がってませんよ!」
 エザリア「でも、上がってもいないわね」
 イザーク「ぐっ……」
 エザリア「中間テストも近いし、いい機会でしょう。それに、このままオバカキャラのままでもい
       いの? オバカキャラ卒業のためにも、頑張りなさい」
 イザーク「そ、それを言われると弱い……」


その2.ヴィシア君は現役の大学生です

 ヴィシア「という訳で、今日から君たちの家庭教師を務めるヴィシア・エスクードだ。よろしく」
 エリナ「……ふーん。よろしく〜〜〜〜……」
 イザーク「メチャクチャやる気が無いな、エリナ」
 エリナ「だって、勉強なんて嫌だもん」
 イザーク「それを言ったら、身も蓋も無いぞ」
 ヴィシア「はっはっは、まあ、確かに勉強なんて面白くないよね。俺もあまり好きじゃないよ」
 イザーク「こいつはこいつで、自分の仕事を否定するような事を言ってるし」
 ヴィシア「よし、今日は初めて会った挨拶代わりだ。みんなで一緒に遊びに行こう!」
 イザーク「って、おい!」
 エリナ「あら、話が分かるじゃない。早速、行きましょう!」
 イザーク「すぐに元気になるなよ」
 ヴィシア「よーし、行こう、エリナちゃん!」
 エリナ「『ちゃん』づけするな! 私は子供じゃないのよ!」
 ヴィシア「あはは、ゴメン、ゴメン。それじゃあ、まずは遊園地にでも行こうか。その後はレスト
       ランで食事でも……」
 イザーク「って、おい! お前は一体、何しに来たんだ! ………さっきからツッコミばかりや 
       ってるな、俺。こんなキャラだったっけ?」
 ラクス「ボケキャラばかりで大変ですね」
 イザーク「ああ………って、おい!? 今、何か聞こえなかったか?」
 エリナ&ヴィシア「いや、別に」
 イザーク「幻聴か? 疲れてるのかな……」


その3.明暗分かれる

 (その後、ヴィシアとエリナは勉強したり、遊んだり、色々としていました(ついでにイザーク  
  も)。そして、中間テストの結果発表)

 エリナ「やったあ! 成績大幅アップ! ヴィシア先生のおかげで、リラックスしてテストを受け
      られたわ。『ちゃん』づけで呼ぶのは気に入らないけど、お礼ぐらいしてあげようかな」

 イザーク「…………成績急降下。はは、あはははは……。あの、クソ家庭教師め!」
 エザリア「人に罪を擦り付けないように」
 ラクス「それでは、イザークさんには罰ゲームを」
 イザーク「えっ?」
 エザリア「そうね。取り合えず、一人で家の大掃除をしてもらおうかしら。その後は…」
 イザーク「ちょっ、ちょっと待ってください、母上! 今、何か変な声が……」

 (聞き入れてもらえませんでした)



ショート40.
ストライクくん家の家庭の事情

その1.カタカナ変換がメンド臭いので、これからは普通に喋らせます

 ストライク「はぁ……」
 キラ「? どうしたの?」
 ストライク「ああ、いや、最近、家の中がギクシャクしていて……」
 ラクス「まあ。何がありましたの?」
 ストライク「うん……。最近、姉さんに恋人が出来たんだけど、その人、妻子もちで、けど奥さ 
        んと別れる気は全然無くて、それを知った父さんが怒って、相手の人の家に乗り込
        んで、大ゲンカになっちゃって。そしたら姉さんが『余計な事をしないで!』って、父
        さんに怒るし、父さんも『親に向かって、その口の訊き方は何だ!』って言うし、母さ
        んは泣いちゃうし、弟たちは怯えるし……。もう、グチャグチャだよ」
 キラ「本当に大変そうだね……」
 ラクス「友達の家族が不幸になるのは放っておけませんわ。わたくしに任せてください。お父様
      の権力(ちから)で何とかいたしますわ」
 ストライク「本当かい! ありがとう、ラクス!」
 ラクス「どういたしまして。友達なら当たり前の事ですわ」

 イザーク「…………ツッコミどころが多すぎて、どこからツッコんだらいいのか、分からーーー 
       ーーーーんっ!!!」
 ディアッカ「落ち着け、イザーク! 気持ちは分かるが、焦ったら俺たちの負けだぞ!」
 フレイ「何に負けるのよ」


その2.彼女の辞書に「不可能」は無い……?

 (そして、翌日)

 ストライク「ラクス、ありがとう! 君のお陰で何とか解決したよ」
 ラクス「それは良かったですわ。やっぱり家族は、仲良くしないと」
 キラ「良かったね、ストライク」
 ストライク「ああ。それで、これは今回のお礼なんだけど、貰ってくれるかな?」
 ラクス「まあ、見事な新巻鮭。ありがとうございます」
 キラ「良かったね、ラクス」

 イザーク「…………学校に新巻鮭を持ってくるんじゃなーーーいっ! あとラクス、一体どうや
       って解決したんだーーーーっ!」
 ディアッカ「お、今回はちゃんとツッコんだな」
 フレイ「けど、ラクスからは爽やかに無視されているわね。まあ世の中、知らない方がいい事 
      もあるから……」

 (ぶるぶると震えるディアッカとフレイ。……何かあったのか?)



ショート41.
ちなみに管理人は「 I 派」です(昔、飼ってたので)

 (職員室にて)

 クルーゼ「ふっ、やっぱり貴様とは決着をつけなければならんようだな……」
 ムウ「望むところだ。受けて立つ!」
 バルトフェルド「あの愛くるしさが分からないとは……。無知というより、哀れだな」
 ナタル「その言葉、そっくりお返しします」

 シーゲル「こら、何をやっているのだ!」
 パトリック「もうすぐ授業が始まるのだぞ! ケンカなどしている場合か! ラミアス先生、ケン
        カの原因は何だ?」
 マリュー「は、はい。『ペットを飼うのなら、犬と猫、どちらがいいか?』と……」
 シーゲル&パトリック「…………何とバカバカしい!」


 シーゲル「そんなもの、犬に決まっているではないか!」
 パトリック「当然、猫に決まっている!」


 シーゲル&パトリック「…………何だと?」


 マリュー(校内放送にて)「えー、私以外の教職員がケンカで職場放棄したので、本日は臨時 
                 休校に致します。生徒の皆さんは速やかに下校してください。…… 
                 はあ。転職、考えようかな…」



ショート42.
暇人たちの集い

その1.体を動かさないと落ち着かないらしい

 カガリ「暇だ。野球をやろう」
 アスラン「唐突だな……」

 アスラン「で、当然、人が集まるはずも無く…」
 ニコル「集まったのは、僕たち暇人だけですね」
 イザーク「その言い方だと、俺たちが年がら年中暇しているダメ人間みたいじゃないか。今日
       は、たまたま暇だっただけだ」
 サイ「でも、どうするんだ? 五人だけで野球はできないだろ」
 カガリ「取り合えず、私がピッチャーな。で、変わりばんこに私の球を打っていいぞ」
 サイ「俺の話、聞いてないし」
 イザーク「ただ、球を投げたいだけじゃないのか?」
 アスラン「すまん……。みんな、もう少し付き合ってくれ」
 カガリ「アスランはキャッチャー兼審判やってくれ。それじゃあ、行くぞーーーっ!」
 イザーク「まずは俺からだな。来い!」
 ニコル「イザーク、文句を言いながら結構、やる気ですね」
 サイ「いるんだよなあ。興味が無さそうな振りして、いざ本番となると、一番ノリノリになる奴」
 カガリ「直球ど真ん中! おりゃあーーーーっ!」

 アスラン「カガリ。直球とは、キャッチャーミットに向かって真っ直ぐに投げられる球の事だ。断
       じて、バッターのみぞおちに向かって、抉りこむように突き刺さる球の事じゃない」
 カガリ「ごめん……」
 アスラン「まあ、ストライクだけど」
 サイ&ニコル「うわ、凄いヒイキ」
 イザーク「…………」(ケイレンしています)


その2.小休止(きっとシーゲルもウズミも呆れたんでしょう)

 カガリ「そういえば、うちの学校って、なぜか野球部は無いな」
 サイ「そういえばそうだな。スポーツマンは揃っているんだから、大会に出れば甲子園も夢じ 
     ゃないと思うんだけど」
 ニコル「きっと校長や理事長たちには、何か考えがあるんですよ。今の高校野球って利権が 
      絡み合ってて、とても高校生のためのものじゃないから出さない、とか」
 イザーク「けど、初等部や中等部にも無いぞ。まあ、あっても入りたいとは思わんが」
 アスラン「……………」
 カガリ「? どうしたんだ、アスラン?」
 アスラン「い、いや。……カガリはウズミ教頭から、何も訊いてないのか?」
 カガリ「何も、って、何をだ?」
 アスラン「いや、訊いてないのなら、それでいいんだ」
 カガリ「?」

 (以下、アスランの回想)

 アスラン「父さん、どうしてうちの学校には野球部が無いんですか?」
 パトリック「……レノアの初恋の相手は、高校球児だった」
 アスラン「…………」(呆れると同時に納得)


その3.気にしてるのね(ちなみにエースはキラ)

 カガリ「野球は危ないから、別のスポーツをやろう」
 サイ「本当は、そんなに危ないスポーツじゃないんだが……」
 イザーク「なら、サッカーをやるぞ。ボールもある」
 ニコル「そんなの、イザークが有利じゃないですか。サッカー部の『準』エースなんだから…」
 アスラン「なら、俺たち四人とイザーク一人でゲームをやろう。シロウト四人と、『準』エース一 
        人なら、それくらいのハンデでちょうどいいだろう」
 カガリ「そうだな。よろしくな、『準』エース」
 サイ「お手柔らかに、『準』エース」
 イザーク「…………ぶっ殺す!」


その4.結局、似た者同士

 イザーク「ふふん、どうだ! 触れる事も出来ないだろう!」
 ニコル「さ、さすがにやりますね……」
 サイ「というか、あいつ、本気出してないか?」
 カガリ「くそっ……! こうなったら、何が何でもボールを奪い取ってやる!」
 アスラン「俺に任せろ! 行くぞ、イザーク!」
 イザーク「ふん、来るなら来い! いかに貴様といえど、サッカーで俺には…」
 アスラン「あ、フレイがディアッカとデートしてる」
 イザーク「なっ!」

 アスラン「ボールを取った。俺の勝ちだな」
 イザーク「ふ、ふざけるな! あんなインチキ、認めん! もう一度、勝負だ!」
 カガリ「……取った方も取られた方も、バカだな」
 ニコル「大人気ない人たちですねえ」


その5.健全なのか子供なのか

 カガリ「お、日も随分沈んだな。そろそろ帰るか。じゃあな、みんな、また明日!」
 アスラン「ああ、さようなら」
 イザーク「元気でな」
 ニコル「また明日」
 サイ「さようなら」

 ディアッカ「……日が暮れる前に家に帰るって、お前ら、ホントに高校生か?」



ショート43.
免許、持ってますか?

 マリュー「一応……。ペーパードライバーだけど」
 ムウ「もちろん。二輪も四輪もお手の物だ」
 バルトフェルド「自動車は趣味の一つだ。休日にはアイシャと一緒に、よくドライブに行くよ」
 ナタル「…………勉強中です」
 クルーゼ「苦労したが、何とか習得した。教官どもめ、本気で殺してやりたくなったよ……」

 ガーネット「え! 子供の頃から乗ってれば、教習所に行かなくてもいいんじゃないのか? ニ
        コルとのデートに乗っていくつもりだったのに」
 教師一同「んな訳ねーだろ! さっさと取ってこい!」



ショート44.
仕事熱心なのもほどほどに…って、ちょっと違う?

 マリュー「皆さん、おはようございます。えー、出席を取る前に、お知らせがあります。今日、ス
       トライク君は風邪でお休みです」
 イザーク「ロボなのに風邪っ!?」
 ディアッカ「ロボットでも、クシャミとかするのかな?」
 マリュー「昨日の休日に温泉旅行に行ったのですが、そこで湯当たりして、体調を崩したそう 
       です」
 イザーク「温泉に入ったのか! しかも湯当たり!?」
 ディアッカ「まあ、精密機械に熱は大敵だからな」
 マリュー「キラ君とラクスさんは、彼の家にプリントを届けてあげてください。それと……勝手に
       よその教室に入ってきて、意味不明なツッコミをしているイザーク君とディアッカ君、
       あとで私と一緒に職員室に来てください」
 イザーク&ディアッカ「し、しまった! つい、ツッコミの血が騒いで!」
 フレイ(ちゃんと自分のクラスにいます)「本物のバカね」



ショート45.
という訳で、免許を取りました(ショート43を参照)

その1.初心者マークの似合わない女

 ガーネット「じゃーん! という訳で取りました、普通免許! これで大手を振って、車に乗れる
        わね!」
 アスラン「いや、今までも結構、堂々と乗ってませんでしたか?」
 ラクス「中学生の頃から乗っていたそうですし、ニコル様とお付き合いする前には、休日には 
      よく、どこかの峠に走りに行ってましたし」
 ニコル「そうなんですか?」
 ラクス「ええ。わたくしも詳しい事も知りませんが、その筋の方たちには有名みたいですわ」
 ガーネット「あ、あははははは! ま、まあ、そんな事もあったわね。けど、今日からは安全第
        一、制限速度や標識をきちんと守って走るわよ!」
 キラ「…………無理だと思う人」

 (ニコルを除く全員が手を上げる)

 ガーネット「……生徒会長権限、発動。あんたたち全員、魔のドライブにご招待〜〜〜♪」
 一同「しまった! あまりに無法な事を言ってるから、相手が生徒会長だって事を忘れてい  
     た!」
 ニコル「気持ちは分かりますけど、皆さん、命を粗末にし過ぎです」


その2.ドライブと書いて「○走」と読む

 ガーネット「まあ、さすがに全員を車に乗せるのは無理だからね。あんたたち五人を招待する
        よ。ん? どうしたの、みんな。暗いよ?」
 イザーク「……魔のドライブなんぞに招待されて、明るくなれる訳、ないだろう!」
 オルガ「くそっ! たまたまあの場にいたばかりに、地獄行きの片道切符を手にしてしまうと 
      は……!」
 ニコル「まあまあ皆さん。落ち着いて、覚悟を決めましょうよ」
 カガリ「そりゃあ、ニコルは地獄だろうがどこだろうが、ガーネットと一緒ならいいだろうけどさ 
      あ……」
 キラ「けど、確かに覚悟を決めた方がいいかも。運命からは逃げられないみたいだし」
 ガーネット「あー、そんなに深刻にならなくてもいいよ。魔のドライブ、っていうのは、言葉のア 
        ヤだからさ。普通に走って、普通にドライブするから」

 キラ「……て、出発前は言ってたのにね」
 カガリ「どうして私たち、パトカーや白バイに追われているんだろう」
 ニコル「そういえば、ガーネットさん、車を出す前にナンバープレートを付け替えてましたね」
 オルガ「ナンバープレートから足がつかないようにするためか。用意周到だな」
 イザーク「俺は、市販車でパトカーや白バイをあっさりと引き離す、この女の運転テクが怖い 
       んだが…」
 ガーネット「よーし、ノッてきた! 本気で飛ばすよーっ!」
 一同「やーめーてーーーっ!」(さすがにニコルも静止する)


その3.到着!?

 ガーネット「うーん、空気が美味しいねえ。美しい森、響き渡る鳥の歌声。絶景かな、絶景か 
        な!」
 一同「…………」
 ガーネット「ん? どうしたの、みんな。表情が暗いよ」
 一同「ガーネットさん、あなたの運転技術は凄いです。パトカーを引き離し、悪路をものともせ
     ずに突き進む。けど……」
 ガーネット「けど?」
 一同「ここは一体、どこなんですか?」

 (周りは、木、木、木。鳥の鳴き声に混じり、凶暴そうな獣の唸り声も聞こえてくる)

 オルガ「普通の市販車で、こんな森の奥に入り込むとは、ある意味、尊敬するぜ」
 カガリ「車がエンストしなかったら、もっと奥まで行ってたかも…」
 キラ「それで、一体ここはどこなんですか?」
 ガーネット「さあ、どこだろうね。海を越えてないから、日本なのは確かだと思うけど……」
 イザーク「ニコル……。俺たち、帰れるかな?」
 ニコル「何とかなりますよ、きっと。絶対に大丈夫です」
 イザーク「……あの女と付き合うようになってから、お前、少し変わったな」
 ニコル「? そうですか?」
 イザーク「ああ。精神的にタフになったように見える」
 ニコル「ええ。鍛えられましたから」
 イザーク「…………」(ちょっと同情)


その4.勘弁してください

 (その後、何とか森を脱出し、帰路につくが、帰って来た時は夜に星が輝いていた)

 ニコル「ガーネットさん、今日のは『普通』のドライブだったんですか?」
 ガーネット「あっははははは! まっさか!」
 一同「ほっ」
 ガーネット「日帰り出来るようじゃ、ドライブとは言わないよ。ただの散歩だね。来週の日曜日
        にはみんなを本当のドライブに……って、おーい、どこへ行くんだ、みんなー!」



ショート46.
新勢力登場?

その1.生徒たちは学生服着てます。…想像すると不気味な光景だ

 ディアッカ「おい、イザーク。隣町に出来た新しい学校の事、知ってるか?」
 イザーク「いや」
 ディアッカ「噂じゃ、あまり面白くない学校らしいぜ。生徒が均一化されてるっていうか、個性が
        無いっていうか、似たような奴らばかりというか」
 イザーク「ふーん。だが、そう言われると逆に見たくなるな。ちょっと行ってみるか」

 (暇な二人、新学校前に到着。そっと中を覗く)

 ズィニア「先生、オハヨウゴザイマス」
 イザーク&ディアッカ「ロボッッッ!?」
 ズィウス(身長10m)「オハヨウ」
 イザーク&ディアッカ「でかっ! そしてこっちもロボ!?」
 ズィニア@「オハヨウゴザイマス」
 ズィニアA「オハヨウゴザイマス」
 ズィニアB「オハヨウゴザイマス」
 イザーク&ディアッカ「似たような、っていうか、同じ機種!」


その2.学校名は『公立ダブルG高校』です

 イザーク「しかも公立かよ!」
 ディアッカ「国家的な陰謀の匂いがするぜ……」


その3.風邪は治りました

 ストライク「ダブルG高校? いや、知らないけど」
 イザーク&ディアッカ「嘘を付くなっ! 絶対にお前と関係あるはずだ!」
 ストライク「いや、ホントに何も知らない…」
 イザーク「嘘を付くんじゃない!」
 ディアッカ「こうなったら、腕づくでも吐かせてやる!」

 キラ「病み上がりのストライク君を脅すなんて、あの二人は一体何考えているんだ!」
 ラクス「停学になって当然ですわ」
 カガリ「ホント、最低だな」
 アスラン「友達の縁を切りたくなったぞ」
 フレイ「……気持ちは分かるけど、やっぱりバカね」



ショート47.
合唱部はこんな事もやってます

 ニコル「ラクスさん、この前のボランティア公演、ありがとうございました。おかげでたくさんの 
      寄付が集まりました」
 ラクス「そうですか。よかったですわ。わたくしの歌で皆さんの心が和んでくれたなら、こんなに
      嬉しい事はありません」
 ニコル「来月の老人ホーム慰問もよろしくお願いします」
 ラクス「ええ、こちらこそ」

 ガーネット「…………」
 キラ「…………」
 カガリ「おい、そこのストーカー予備軍。そんなに羨ましいのなら、物陰に隠れて見てないで、 
      一緒に行けばいいじゃないか」
 ガーネット「ダメだ」
 カガリ「どうして?」
 キラ「ラクスが他人に向かって微笑んでいる姿なんて、見たくない」
 ガーネット「同じく。私はニコルだけど」
 カガリ「この、ダメダメラブ人間どもめ…」



ショート48.
とある少女の初恋

その1.中等部にて

 カノン「えーっ! あなた、イザーク先輩が好きなの?」
 ?「う、うん……。私のお兄ちゃんとよく遊んでいるんだけど、あのオカッパ頭とか、鋭い目付 
   きとか、とっても素敵で、だから…」
 ルミナ「素敵、ねえ……。まあ、そういうのは人それぞれだからいいけど。でも、イザークさん 
      って、フレイさんと付き合っているんじゃなかった?」
 エリナ「うーん……。どうなんだろう? 仲は悪くないみたいだけど、付き合っているようには 
     見えないわ」
 カノン「じゃあ、まだチャンスはあるわね。頑張りなさいよ、私たちも応援するから!」
 ルミナ「そうね。親友だし」
 エリナ「お兄ちゃん、ちょっと面食いなところもあるけど、あなたなら大丈夫だわ。頑張って!」
 ?「みんな、ありがとう……」
 カノン「やだ、ちょっと泣かないでよ。親友の恋を応援するのは当然よ」
 エリナ「そうそう。頑張ってね、ルージュ!」
 ストライクルージュ「うん、私、頑張る!」

 イザーク「!? な、何だ? 今、猛烈な悪寒が……」


その2.下校時に待ち伏せて、告白タイム

 エリナ「お兄ちゃんって鈍感だから、回りくどいやり方はダメよ。ここはストレートに行きましょ 
     う!」

 ストライクルージュ「という訳で、イザーク先輩、私と付き合ってください!」
 イザーク「…………」
 ストライクルージュ「? あの、イザーク先輩?」
 エリナ「あらら、お兄ちゃん、固まっちゃったわ」
 カノン「きっと嬉しくて舞い上がっているのよ」
 ルミナ「そうかもしれないわね。ルージュちゃん、美人だし」
 イザーク「…………うわわああああああああっ!!!」
 ルミナ「あ、逃げた」
 カノン「意外と根性無いわね」
 ルミナ「そうね。オカッパ頭のくせに」
 エリナ「ルミナ、それは関係ないと思う。お兄ちゃんはただの意気地なしなのよ」
 カノン「……そっちの方がキツいわよ、エリナ」
 ルミナ「身内には容赦しないタイプね」


その3.それ以前の問題でした

 (イザーク、ディアッカの家に逃げ込む)

 イザーク「ス、ストライクの野郎、体を赤く染めて、女みたいな声出して、俺に告白して、それで
       ……。何なんだ、一体! 今まで散々、ツッコミ入れてきた事への仕返しか?」
 ディアッカ「落ち着け、イザーク。そいつはストライクの妹だろう。中等部にいる、って聞いた事
        がある」
 イザーク「妹だと? ロボットなのに妹がいるのか?」
 ディアッカ「別にいてもおかしくないだろ。鉄腕ア○ムにもウ○ンちゃんがいるし。よく考えてみ
        たら、○ランって名前は、女の子に付ける名前じゃないよな」
 イザーク「そんな事はどうでもいい! そいつが俺に『好きだ』と告白してきたんだ! 俺はどう
       すればいいんだ?」
 ディアッカ「普通に対応すればいいだろ。好きなら付き合う、嫌いなら断わる」
 イザーク「うーん、けど、そんな人間みたいな扱い方をして怒らないかな、壊れないかな。そし
       て怒った兄貴や家族が俺んちに押しかけて、修理代を請求したりして……うわわわ
       あああああ!」
 ディアッカ「相当テンパってるなあ。見てて面白いけど」


その4.で、結局

 ストライクルージュ「くすん……。振られちゃった」
 カノン「げ、元気出しなよ、ルージュ。男なんてまだまだいるわよ」
 エリナ「そうよ。失恋は次の恋への第一歩、新しい人を探しましょう」
 ルミナ「ルージュはかわいいから、きっとすぐにいい人が見つかるわよ。だから元気を出して、
      ね?」
 ストライクルージュ「みんな……。ありがとう。みんなは最高の友達よ」

 フレイ「同じ女として、友情に感動すべきか、ツッコむべきか、悩むわね」
 イザーク「悩むな」
 ディアッカ「しかし、ストライクファミリーはどんどん増殖していくなあ。そういえばあいつ、姉さん
        もいるんだっけ?」
 フレイ「ええ。教職員を目指している、ってストライク君が言ってたわね」
 イザーク「…………ちょっと待て。まさか…!」


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