SEED学園編 PHASE−13
ショート185.
SEED学園の教師マニュアルより・外部からの侵入者に対して

 レベル1−変質者などの単独犯
  発見次第、ただちに撃退。相手が武器を持っている場合に限り、武器の使用は許可
  されます。

 レベル2−他校の暴力組織など
  生徒と力を合わせて迎撃。武器の使用は全面的に許可されますが、くれぐれも相手を
  殺さないように。

 レベル3−ロボットや猛獣など、人間以外の存在
  敵戦力に合わせ、適切な対応をするように。逃走も可。

 レベルMAX−ガーネット・バーネット
  戦闘しても勝ち目無し。速やかに逃亡するか、ニコル・アマルフイの居場所を教えまし
  ょう。

 ガーネット「ふーん。私は猛獣以上に怖い存在ですか。そーですか。…………殺っちゃおうか
        なあ。思いっ切り」



ショート186.
考えてみれば

その1.不幸な男

 ダン「怪盗、ロボット、コスプレモドキの魔法少女……。もう何でもありだな、この町は。俺が不
     幸なのは、こんなとんでもない町にいるからじゃないか?」
 ストライク「そんな事は無い。俺たちは君と知り合えて良かったと思っているぞ」
 ハイネ「そうそう、元気出しなって。明けない夜は無いんだぜ?」
 ラクス「お二人の言うとおりですわ。ダンさん、頑張ってください」
 ダン「……えーと、皆さんの気持ちは嬉しいんですけど、すっごく説得力がありません。だから
    帰れ」


その2.でも、よーく考えてみれば……

 ダン「けど、この街にいなかったらSEED学園にも入れなかったし、ステファニーとも知り合え
     なかったんだよな。そう考えると、そんなに悪い事ばかりでもないかも…」
 メレア「やっほー、ダン! また来ちゃった。ステファニー先生に僕の事、紹介してよ」
 ダン「ああ、そうか。諸悪の根源はお前なんだな。誰かショットガンを持ってないか?」



ショート187.
学園編・それぞれのブロックワード

その1.大人の関係

 タリア「校長」
 デュランダル「何だね?」
 タリア「遅れていましたが、ようやく出来ました」
 デュランダル「……………」
 タリア「先日、整理するように頼まれた書類がようやく……校長、どうかしましたか? 顔が真
     っ青ですよ」


その2.強力です

 ルナマリア「バカ」
 シン「………」
 レイ「ダメ人間」
 シン「………」
 ヴィーノ「無能」
 シン「………」
 ヨウラン「役立たず」
 シン「………」
 メイリン「大ッ嫌い」
 シン「………」
 ルナマリア「以上、キラ先輩からサイン一つもらえないお兄ちゃんへのマユちゃんからの伝言
        でした」
 シン「うわあああああーーーーーん!」
 レイ「兄の愛情は報われないようだな。やれやれ」


その3.いつかは分かる事だけど

 ステファニー「ねえ、ダン君のご家族って、どんな人達なの?」
 ダン「その話だけはしないでくれ。二度と、絶対に」
 ステファニー「?」



ショート188.
ジェス・リブルのSEED学園取材記録
(蜘蛛さんのリクエスト)

その1.魔界への突入

 ジェス「どうも、週刊アストレイの記者ジェス・リブルです。本日はうちの雑誌の『素晴らしき学 
      生たち』のコーナーに協力していただき、ありがとうございます」
 デュランダル「いやいや、こちらこそ光栄です。素晴らしい才能を持った学生達を紹介するこ 
          の特集は、毎週楽しみに拝見しています。我がSEED学園には優秀な生徒が 
          多い。彼らの事を取材して、いい記事を書いてください。我々も協力は惜しみま
          せんよ。ですが…」
 ジェス「分かっていますよ。生徒のプライベートは記事にはしません。うちの雑誌はスキャンダ
      ルで売っている三流雑誌じゃありませんから」
 デュランダル「分かっているなら結構です。ですが、くれぐれも取材は慎重にお願いします。君
          の命を守る為にもね」
 ジェス「ええ、分かっていますよ……って、命? これって、生死をかけた取材なのか?」


その2.ようこそ地獄(ここ)へ

 カイト「という訳で、お前さんのお目付け役兼ボディガードとして校長に雇われた、元傭兵で探
     偵のカイト・マディガンだ。よろしく頼む」
 ジェス「ああ、よろしく…って、あんた、この学校の関係者じゃないのか? しかも元傭兵?」
 カイト「ああ。先生達はみんな忙しいし、俺のようなプロじゃないと、この学園で『人を守る』の 
     は難しいからな」
 ジェス「そ、そんなにこの学園って危険なのか? 荒れている様には見えないんだけど…」
 カイト「ああ、勘違いするな。この学校が危険っていうのは、そういう意味じゃない。この学園は
     なあ……」

 ダン「また来やがったのか、この若作り! ここには来るなって言っただろうが!」
 メレア「何で僕が君の言う事を訊かなくちゃならないのさ。僕は何度でも来るよ。ステファニー 
      先生にデートを申し込むまで」
 ダン「!……いいだろう、この前、科学部の連中に造ってもらった斬星刀『シャイニング・エッ 
    ジ』の錆にしてやる。行くぞ、サンライトクラッシュ!」
 メレア「はは、遅い遅い。そんな未熟な腕じゃ僕は斬れないよ。お返しだ、くらえ、ヘル・ザ・リ 
      ング!」
 ダン「そ、それはゼノンの武器じゃないか! 勝手に使いやがって!」
 メレア「あははははは。君たちの物は僕の物、僕の物は僕の物なんだよ」
 ダン「こ…の! そんなジャ○アニズムが通用すると思うな! ぶった斬る!」
 メレア「やってみなよ、未熟者君♪ あははははは!」

 ジェス「…………」
 カイト「この学園は戦場なんだよ。色々な意味でな」


その3.恐ろしきモノたち

 ジェス「す、凄いところだなあ……。でも、あんな事をやっていて、ケガ人や死人が出たら…」
 カイト「ガキはケガするのが仕事みたいなものだ。それにケガをする事で痛みや、人を傷つけ
     る事の怖さを知る。それにここの連中はそんなにバカじゃない。死人は絶対に出ない 
      し、出さない。ケンカの引き際って奴を心得てるからな」
 ジェス「名門学校の生徒に対するものとは思えないコメントだな」
 カイト「けど、ああやってケンカしている連中は、近づかなければそれほど危険じゃない。厄介
     なのは…って、危ない、避けろ!」
 ジェス「えっ?」

 ドーーーーーーーン!

 カイト「あーあ、遅かったか……」
 ガーネット「あら、カイトさん。こんな所で何してるの?」
 カイト「仕事だよ。お前さんこそ、大学部から全力疾走してきたようだが、何の用だ?」
 ガーネット「合唱部とニコルの楽器演奏部の合同練習を見に来たのよ」
 カイト「なるほど。お目当てはニコル・アマルフィか」
 ガーネット「ええ。あと最近、合唱部の女子の間でニコルの人気が上がっているって噂を聞い
        たから、その確認に」
 カイト「確認、ねえ……。頼むから『確認』だけですませてくれよ」
 ガーネット「善処するわ。ところで、あの壁にめり込んでいる人は誰?」
 カイト「この学校で一番危険な存在、『バカップル』の片割れに跳ね飛ばされた男だ。一般人に
     は耐え切れない衝撃だったか……」
 ガーネット「?」


その4.病院のベッドにて

 ジェス「くそっ、このままじゃ終わらない、いや、終われない! 記者としてのプライドをかけて、
      必ずあの学園の生徒を取材してやる!」
 カイト「地獄に魅入られた男がまた一人、か……。人は危険なものにほど引き寄せられるんだ
     な。やれやれ」



ショート189.
寮生活の問題点

 レイ「寮生活には利点も多いが問題もある。騒音、共同生活によるプライパシーの侵害。こじ
    れた人間関係からの衝突。小さなものでは食事の好き嫌いや、風呂の順番など。だが、
    やはり最大の問題は……」

 メレア「やっほー、ダン。また来ちゃった♪」
 ダン「可愛い子ぶるな! そして来るな! 帰れ、つーか消えろ!」

 ドゴオオオオオオオン!

 レイ「また壁が壊れたか……。修理の際の音が五月蝿くて、勉強がはかどらない。これがこの
    寮の最大の問題点だな」
 インパルス「いや、レイ、その評価は正しいけど間違っている気がする」



ショート190.
ゼノンとミナ・邂逅編(このSSにギャグはありません)
(芳野秋生さんのリクエスト)

その1.ミナは寮生です。ある日、ショッピングの帰りにバスに乗りました

 ミナ『うわあ、結構込んでるなあ。ぎゅうぎゅうで動けないわ……。! だ、誰かが私のお尻を 
    触っている? まさか、チカン? で、でも、もしかしたら私の勘違いかもしれないし、私な
    んかをチカンするような物好きな人なんているとは思えない……きゃあ! ま、また触ら
    れた。ど、どうしよう?』
 ?「ギャアアアアアアア!」
 ミナ「えっ?」
 ゼノン「ふん。動けない女の尻を触って楽しいか? このクズが!」
 見知らぬ中年男性「ぐわっ! う、腕が折れる! か、勘弁して…」
 ゼノン「駄目だ。同じ男として、貴様のようなクズは見過ごすわけにはいかん。腕の骨を折らせ
      てもらうぞ」
 中年男性「ぐわあああああああっ!!」
 ミナ「や、やめてください! わ、私は平気ですから…」
 ゼノン「貴様の為にやっているのではない。大体、貴様も貴様だ。あんな屈辱を受けて黙って
      いるとは、この臆病者め。私の一番嫌いなタイプの女だ」
 ミナ「……た、確かに私は臆病者だけど、でも! 私のせいで誰かが傷付くのは嫌です! だ
    からその人を放してください! お願いします!」
 ゼノン「…………」

 (ゼノン、静かに手を放す)


その2.バスから降りた後、チカンは警察に引き渡しました。警察と話をした後、
二人で喫茶店へ

 ゼノン「ミナ・ハルヒノか。ふん、自分を辱めた男を助ける為に頭を下げるとは、変わった女だ
      な、お前は」
 ミナ「ううん、ゼノンさんの言うとおり、私はやっぱり臆病者なんです。だから私のせいで人が傷
    付く事に耐えられない。誰かが傷付くぐらいなら、自分が傷付いた方がいいと思うんで  
    す。友達には『もっと自分を大切にしなさい』って怒られますけど…」
 ゼノン「その友達の言うとおりだな。お前は自分の事を理解し、大切にするべきだ。だが…」
 ミナ「?」
 ゼノン「私はそういうバカな人間は嫌いではない。自分を大切にし過ぎて、何もしないクズのよ
      うな臆病者よりはマシな人間だ。賢い人間でもないがな」
 ミナ「あ、あははははは……(褒められてるのかな? それとも、呆れられている?)」
 ゼノン「む、もうこんな時間か。私はこれで失礼する。大学のレポートをまとめないといけない 
      からな」
 ミナ「あ、はい。あの、助けていただいて、どうもありがとうございました」
 ゼノン「礼などいらん。それに次は助けない。自分の力で何とかしろ。いいな?」
 ミナ「は、はい! 何とかします!」
 ゼノン「ふん。……どうも危なっかしいな。私の携帯電話の番号を教えておく。チカンぐらいな 
      らお前で何とかしろ。だが、チカンより厄介な事があったら私を呼べ。暇なら駆けつけ
      てやる」
 ミナ「は、はい。あの、ありがとうございます」
 ゼノン『ちっ、何をやっているんだ、私は。なぜこんな、今日出会ったばかりの小娘に電話番 
      号など教えている? 私らしくない』
 ミナ『ゼノンさんか……。ちょっと厳しいけど、悪い人じゃないみたい。頼りにしても……いいの
    かな?』

 通りがかりのレヴァスト「ん? あれはミナ……って、一緒にいるあの男は、まさか!?」



ショート191.
ゼノンとミナ・親密?編
(芳野秋生さんのリクエスト)

その1.ゼノンとレヴァスト・この二人の関係はSSオリジナルです

 レヴァスト「はーい、ゼノン。お久しぶり。元気だった?」
 ゼノン「ふん、お前か」
 レヴァスト「あら、何よ、その態度。それにその冷たい眼。昔の恋人に向ける目じゃないわよ」
 ゼノン「昔も言ったはずだ。私は無能な人間が嫌いだ。だがそれ以上に、努力しない人間が 
      嫌いだ。特に、本気を出せば誰よりも優秀なくせに、くだらない理由で高校に居続ける
      女はな」
 レヴァスト「価値観の相違ね。あんたにとってはくだらない理由だけど、私にとっては命をかけ
        るに値する理由なのよ」
 ゼノン「私には理解できんな」
 レヴァスト「だから別れたんでしょ、私たち。でも、私の事は理解できないくせに、ミナちゃんの
        事は理解してあげるんだ」
 ゼノン「!」
 レヴァスト「うわ、本気で驚いてる。あんたのそんな顔、初めて見たわ」
 ゼノン「………どこで私達の事を見たのかは知らないが、お前が想像しているような関係じゃ
     ない」
 レヴァスト「ふーん。でも、そういう関係にはなりたいんでしょう? あんたが携帯の番号を他人
        に教えるなんて、ひょっとして初めての事じゃない? 私も知ってるけど、私の場合
        はあんたに無理やり教えてもらったから」
 ゼノン「……………」
 レヴァスト「ま、あんたがミナちゃんの事を好きになるのは自由よ。でも、これだけは言っておく
        わ。あの子はいい子なの。本当に、本当にいい子なの。幸せになってほしいのよ。
        だからもし、あんたがあの子を泣かせたりしたら…!」
 ゼノン「そんなつもりは無い。それから、私からも言っておくぞ。私とあの女はただの知り合い
      だ。くだらない推測を言いふらすなよ」
 レヴァスト「OK。口を塞いで置くわよ。貝のようにね」

 (翌日)

 ガーネット「はーい、ゼノン。あんた、高等部の女の子と付き合っているんですって? しかも 
        あんたからナンパしたそうじゃない。意外と手が早いのね」
 ゼノン「レヴァストか! ああそうだった、あいつは昔からそういう女だった! 私の嫌がること
      ばかりやる女だった! 忘れていた、そしてもう二度と忘れない!」

 レヴァスト「貝の口はいつも閉じてるわけじゃないのよ。ま、頑張ってねー♪」


その2.流す前に内容を確認しましょう

 エド(大学部の学生。三浪して入学)「あ、ゼノン様。ご結婚、おめでとうございます」
 コートニー(大学部の学生。現役で入学)「おめでとうございます。式場も決まったそうですね。
                          式にはぜひ、私たちも…」
 ゼノン「結婚などしない。当然、式場も決まっていない」
 コートニー「それは失礼しました、ゼノン様。大学部の学生や教授たちが噂しているので、てっ
        きり事実かと思って…」
 ゼノン「教授たちにまで広まっているのか。まったく、困ったものだ」
 ガーネット「人の口には角が立てられないからね。でも、人の噂も七十五日って言うし、自然に
        消えるのを待ちなさいよ」
 ゼノン「ふん。だが、確かにそれが一番有効な対処法だな」
 コートニー「もっと強烈な噂話を流して、ゼノン様の噂を消すという方法もありますが」
 エド「お、それいいアイデア。けど、ゼノン様の結婚以上に強烈な噂って…あ、いいのを思いつ
    いた!」

 ニコル「ガーネットさん! 性転換するって本当ですか!? いくら男っぽい性格だからって、
      そんなバカな事を…」
 ガーネット「エドワード・ハレルソン! ぶっ殺す!」


その3.ゼノン親衛隊、ただいま隊員募集中

 ミナ「えっ、ルーヴェ君、ゼノンさんの知り合いなの?」
 ルーヴェ「ああ。けど、ただの知り合いじゃない。俺はゼノン親衛隊の一員だ。メンバーは俺と
       大学部のエドさんとコートニーさん。俺たち三人はゼノン様に仕え、あの方の力にな
       る事を誓ったんだ」
 ミナ「そ、そうなんだ。ゼノンさんってそんなに凄い人なの?」
 ルーヴェ「凄い。そして強い。俺はあの人に仕える為にこの世に生まれたんだ」
 ミナ「はあ……」
 ダン「ふん。ゼノンなんかのどこがいいんだか。ミナ、あの男には近づかない方がいいぞ。あ 
     いつは危険な男だ。あいつと一緒にいると不幸になる」
 ルーヴェ「やれやれ。生まれた時から一緒に生活しているくせに、ゼノン様の偉大さを理解で
       きないとはな」
 ダン「一緒に暮らしていたから分かるんだよ。あいつはヤバい男だ。この世界の頂点に立つ 
     事を本気で考えているんだからな」
 ルーヴェ「夢を持つのが悪い事なのか? それにあの人は、その夢を叶える為に努力してい
       るじゃないか。資金を稼ぎ、自らを高め…」
 ダン「世界征服なんてマジに考えている奴を身内に持てば分かるさ。あいつのせいで、俺は昔
     から…!」
 ミナ「ちょっ、ちょっと二人とも、落ち着いて…」
 レヴァスト「はいはい、二人ともケンカはそこまでにしな。それにダン、ゼノンが身内っていうの
        も悪い事ばかりじゃないわよ」
 ダン「はあ? 何言ってるんだ、あんたは。あんただって昔ゼノンに…」
 レヴァスト「もしゼノンとミナが結婚すれば、ミナはあんたの義姉になる。かつての同級生がお
        姉さん。……このシチュエーションに萌えないかい?」
 ダン「……………………」
 レヴァスト「うわ、マジで萌えてる。冗談で言ったのに」
 ダン「ち、違う! 俺は、その、大体、俺にはステファニーが…」
 レヴァスト「サイテー」
 ルーヴェ「最低」
 ミナ「…………」(顔を真っ赤にしている)
 ダン「うわああああああ! 憎い、特殊なシチュエーションに反応してしまう俺の心が憎い!」
 レヴァスト「見た目は子供、中身はオッサンか。ステファニー先生も苦労しそうね。いや、案外
        上手く行くかも?」



ショート192.
天才とバカは紙一重

その1.BGMは「未来の世界のネコ型ロボット」が道具を取り出す時のアレでお
願いします

 ノイズ「ふふふふふふふ……。出来た、ついに出来たぞ! 一週間の徹夜の研究の結果、つ
      いに試作品が完成! 世紀の大発明、奇跡のスーパードラッグガス、その名は『反転
      しちゃうぞ』!」
 ルーヴェ「ふわあああ……。うーん、ネーミングセンスがまったく感じられない名前だな。で、そ
       の効果は?」
 ノイズ「このガスを吸った人間は、性格が反転するんだ。大人しい性格の奴は活発な性格にな
      り、逆に騒がしい奴は静けさを好む奴になる」
 ルーヴェ「それは凄いな。でも、まだ完成してないんだろう?」
 ノイズ「うん。という訳で人体実験してみよう。未完成品だけど、短い時間なら性格が反転する
      はずだ。ただ問題は、こんな危険なガスの実験体になってくれる奴がいるかどうかな 
      んだよなあ」
 ルーヴェ「うーん、俺たちはデータを取らなきゃならないし……」
 ノイズ「…………」
 ルーヴェ「…………」
 ノイズ「ま、いっか。無差別にやっちゃおう」
 ルーヴェ「そうだな。説明するのも面倒だし」

 (二人とも、徹夜続きで思考回路が壊れています。皆さんは二人の真似をしないように)


その2.第一のターゲット、ステラ・ルーシェ

 ノイズ「実験開始。まずは通りかかったあの子にしよう。風上に回って、煙をあの子のところへ
      ……」
 ステラ「? 何、この匂い。とっても、気持ち、いい……」

 ステラ「オラオラオラオラオラーーーーっ! 今日からこのSEED学園はアタイのもんだあーー
      っ! 文句のある奴はかかってこいやーーーっ!」
 シン「うわーっ! ど、どうしちゃったんだよ、ステラ、君はそんな事をする子じゃないだろ!」
 ステラ「うっさいんだよ、ボケがあーーーっ! 死にさらせーーーっ!」
 シン「うわああああああっ!」

 ルーヴェ「……『性格が反転した』というより、『頭にヤのつく自由業の人みたいになっちゃっ 
       た』だけのような気がするんですけど。ドス持ってるし」
 ノイズ「逃げよう。もっとデータを集めないと」

 (シン、重傷。数分後、ガスの効果が切れたステラ、暴れすぎて筋肉痛に)


その3.第二のターゲット、アスラン・ザラ

 ノイズ「あ、アスラン先輩だ。バスケットの練習をしているのか。よーし、あの人に第二の実験 
     体になってもらおう」
 アスラン「ん? 何だ、この…けむ…り…は………」

 カガリ「お、アスラン、早いな。もう練習をしているのか。私も付き合おう」
 ルナマリア「あーっ、ズルい! カガリさんは女子バスケの部長なんですから、後輩の練習を 
        見る義務があります。アスラン先輩とは私が一緒に…」
 アスラン「ははははははは。こらこら、いくら僕がハンサムでナイスガイだからって、ケンカは 
       ダメだぞ」(爽やかな笑顔)
 カガリ「!?」
 ルナマリア「えっ、あの、アスラン…先輩?」
 アスラン「そんな事をしなくても君たちの愛は僕の心にちゃんと届いている。だから安心したま
       え。そして僕の胸の中に飛び込んできたまえ。なあに、大丈夫! 男は自分を愛し 
       てくれる女全てを愛する義務がある。君たち二人、一緒に愛してあげるよ。さあ、さ
       あ!」
 ルナマリア「あ、あ……きゃああああああっ! アスラン先輩が壊れちゃった!」
 カガリ「ア、アスランが……アスランが……あ、あはは、あははははははは」
 ルナマリア「こっちも壊れちゃった! カガリ先輩、しっかりしてください! ああ、もう、どうなっ
         てるのよーっ!」
 アスラン「ははははは。おいおい、どうしたんだい、そんなにうろたえて。さあ二人とも、僕の熱
       いベーゼを!」
 ルナマリア「嫌ーっ! ちょっと嬉しいけど、やっぱり嫌ーっ!」


 ノイズ「真面目なキャラが、最低のナンパ野郎になったか。よし、実験成功だね」
 ルーヴェ「そうだな。それじゃあ、最高にムカつくキャラになっちゃったアスラン先輩を殴ってき
       てもいいかな?」
 ノイズ「OK。僕もムカつくから、気絶するぐらい殴ってきて」

 (アスラン、背後から殴られて気絶。ルナマリアとカガリ、精神的ショックを受けて気絶)


その4.第三のターゲット、ギルバート・デュランダル

 ノイズ「大人のデータも取りたいなあ。お、あそこを歩いているのはデュランダル校長。よーし 
     ……」
 デュランダル「む? 何だ、この煙は。誰かが火を使って…いる…のか……?」

 タリア「仕事が終わっていないのに、校長はどこに行ったのかしら? あ、いたわ。校長、そん
      な所にうずくまって何を…」
 デュランダル「う…」
 タリア「う?」
 デュランダル「うわあああああああん! タリア、僕、僕!」
 タリア「な、ななななななな!? な、何をなさるんですか、校長! いきなり抱きついたりして 
     …あ、その……」
 デュランダル「タリア、みんなが、みんなが僕を虐めるんだ! 『何考えているか分からない腹
          黒校長』とか『安月給で人をこき使うエゲツない校長』とか『暇さえあればグラデ
          ィス教頭とイチャイチャしているムッツリスケベ校長』とか根も葉もない噂を言っ
          ているんだ! うわあああああああああん!」
 タリア「あ、あの、と、とにかく落ち着いてください。生徒たちも見てますから、その、あの…」

 ノイズ「あらら。ただの泣き虫になっちゃった」
 ルーヴェ「実験失敗だな。でも、校長の泣き言って、根も葉もない噂どころが全部事実なんじ 
       ゃ…」

 (それは言わないお約束。デュランダル校長、タリアからの愛情度、大幅に低下)


その5.実験の結果

 ノイズ「うーん、このガスは効果が不安定だなあ。安定した効果が出なければ、薬としては失 
     敗作だよ。はあ、苦労したのになあ」
 ルーヴェ「くじけるな、ルーヴェ。失敗は成功の母とも言う。次はもっといい薬を作ろう」
 ノイズ「うん、そうだね。あーあ、夢の薬への道はまだまだ遠いなあ。早くこの手で作りたいよ。
      ソノウ○ホントとかバイバ○ンとかクイック&ス○ーとか」
 ルーヴェ「本当に作ったら、どれもノーベル賞ものだな。あ、ク○ック&スローはマンガでは薬
       だったけど、アニメではなぜかコロンになっていたな。なぜだ?」


その6.治験のバイトじゃないんだから…(byノイズ)

 アスラン「ノイズ・ギムレット! 君が作ったガスのおかげで、俺は…!」
 ステラ「許さない……!」
 デュランダル「安心したまえ。退学などにはしないよ。学園内で、地獄を見せてあげよう」
 ノイズ「あ、あわわわわわわ、ど、どうしてバレたんだ?」
 ルーヴェ「実験に協力してくれた人たちに謝礼を送ったんだ。封筒にこちらの名前を書いたの
       がマズかったかな?」
 ノイズ「バカーーーーっ! そして、ギャアアーーーーッ!」
 ルーヴェ「ぐえ」

 (ノイズ・ギムレット、ボコボコにされて入院。ルーヴェ・エクトン、同じく入院。アンド大量の宿題
  を与えられる)



ショート193.
ホスピタル・クライシス(ショート192の後日譚です)
(ゼロさんのリクエスト)

その1.君は病院には来ちゃダメだ。いろんな意味で

 (ノイズが作った妙なガスのせいでシンをボコボコにしてしまったステラさん。筋肉痛も治った 
 ので、シンのお見舞いに来ました)

 ステラ「レイ、ルナマリア、一緒に来てくれてありがとう…」
 ルナマリア「ううん、暇だったから別にいいわよ。(レイの耳元に近づき)ねえ、レイ、どうして私
         たちがステラのお守り役なのよ。ステラのお守りならスティングやアウルの方が適
         任でしょ?」
 レイ「あの二人が来たら大変な事になるぞ。シンはあの二人の事をライバルだと思っているか
     らな」
 ルナマリア「あら、シンのライバルはキラ先輩じゃないの?」
 レイ「恋のライバル、という意味だ。もっともスティングたちはステラの事は女性としては見てい
    ないようだから、シンの空回りだがな」
 ルナマリア「ふーん……。(ボソッと)本当にバカね」
 レイ「何か言ったか?」
 ルナマリア「何でもないわよ。あら? ステラ、あいつはどこへ行ったの?」
 ステラ「あいつ…って?」
 ルナマリア「ほら、さっきまであなたの隣にいたインパルス…」

 ミハイル・コースト医師「どうだ、いたか?」
 看護士「いいえ、こっちにはいません!」
 ミハイル「ちっ、一体どこへ逃げた。あんな珍しい患者はいないんだぞ。全身がロボットのよう
       に硬質化しているとは、何という奇病……。探せ、病院内をくまなく、徹底的に!」
 看護士「はっ!」

 レイ「…………」
 ルナマリア「………えーと、彼は病気じゃないって言った方がいいかしら?」
 レイ「いや、自分に降りかかった火の粉は自分に振り払わせよう。行くぞ」
 ステラ「うん♪」
 ルナマリア「非情ね。寮のルームメイトなのに。あ、だからなのかな?」


その2.お見舞いの品を選んだのはステラです

 シン「ス、ステラ!? それにレイとルナマリアも、どうして…」
 ルナマリア「何って、あんたのお見舞いに来てあげたのよ。それとも、お見送りの方が良かっ 
         たかしら?」
 レイ「ルナマリア、病院内でそういうジョークは厳禁だぞ。見舞いに来た、と言っても、俺たちは
    ステラの付き添いだがな」
 ステラ「シン、ステラ、お見舞いに来た……。これ、シクラメンの鉢植え。たくさん咲いているで
      しょう? 全部で13本も咲いているの」(注1)
 シン「あ、ああ、ありがとう、ステラ。大切にするよ」
 ステラ「ケーキも買ったの。ショートケーキとチーズケーキの詰め合わせ……。たくさん買った
      の。シン、どっちが好き?」(注2)
 シン「ど、どっちも好きだよ。普段ならね……。あはは、ホントにたくさんある……」

 ルナマリア「ねえ、ステラってシンの事、嫌いなのかしら?」
 レイ「あれは天然だろう。と思う。いや、思ってやろう。シンの為にもな」

注1:シクラメンは「死」「苦」「暗い」などを連想させるので、お見舞い用の花としては適し
ていません。また、鉢植えの花は「根付く=寝付く」と考えられ、こちらもお見舞いの品とし
てはタブーです。『13本』は論外ですね。ここまで揃うと、完全に嫌がらせです。

注2:お見舞いの品に生菓子は向いていません。日持ちしないので、その日の内に食べ
なければならず、食生活が乱れるからです。相手は『入院患者』だという事を忘れずに。

 ルナマリア「私はシンがこういうのを知っていた事に驚いているんだけど」
 レイ「話の都合によるものだ。あまり気にするな」


その3.完治の日は遠い

 ルナマリア「あ、花瓶に花が飾られてる。私たちの他にもお見舞いに来た人がいるんだ。ヴィ
        ーノ? それともヨウラン?」
 シン「あいつらも来たけど、花なんてくれると思うか? その花はダン先輩とステファニー先生
     が持ってきてくれた物だよ。『うちのクラスの生徒がご迷惑をかけて、申し訳ありません 
     でした』って」
 ルナマリア「さすがステファニー先生。フォローはバッチリね」
 ステラ「ステファニー先生、優しい人だから、花も優しく見える……」
 レイ「そうだったのか。俺はてっきりマユちゃんが買った物かと思ったんだが」
 シン「…………あいつの事は言うな。言わないでくれ。ううううううう……」
 ルナマリア「まだ、お見舞いに来ていないのね」
 ステラ「シン、マユとケンカしてるの? 仲悪いの?」
 レイ「ケンカじゃない。憧れの先輩からサインを貰ってくきてくれない無能な兄に愛想を尽かし
     ているだけだ。重傷だな」
 ルナマリア「こっちの病気は治る見込みは無いわね」
 ステラ「シン、お大事に……。あと、ご冥福をお祈りします」
 ルナマリア「ステラ、それ、使う時期も場所も違うから」
 レイ「病院で言ってはいけないセリフ・パート2だ。読者の皆さんも気を付けるように」



ショート194.
ノーフェイスの休日
(秋水さんのリクエスト)

 AM04:30……起床。今日は月に一度の休日なのに早起きしてしまった。習慣とは恐ろしい
           ものだ。
 AM06:00……朝食の準備。休日だが、食事は私が作る。メレア様は私が作った物しか食さ
           ないのだ。使用人冥利に尽きる。
 AM06:20……寮に顔を出す。こちらの食事は料理人に任せてあるが、週に一度、味をチェ
            ックする。食は生活の基本です。
 AM07:00……家に戻って朝食。食べ終わると同時にメレア様が起床。一分で着替えて、五
           分で食事を済ませ、学校に向かう。相変わらず、時間を無駄にしない人だ。
 AM08:00……食事の後片付けをした後、軽く掃除。
 AM08:30……外出。公園を散歩。なぜか犬に吠えられるが、いつもの事なので慣れてしま
            った。なぜ犬には嫌われるのだろう? この仮面が良くないのだろうか?
 PM09:00……駅前のコンビニで立ち読み。やはりジャ○プは面白い。ワン○ースの最新刊
           が出ていたので、さっそく購入。美味し○ぼの最新刊も出ていたが、こちらは
           スルー。このマンガは昔は面白かったのだが……。
 PM10:00……駅前のデパートが開店。紳士服売り場に行き、新しいタキシードを購入。
 PM12:00……昼食。今日はイタリアンレストランでランチコースを食す。店の人たちだけで 
           なく、お客さんたちも私の方を見ていたが、なぜだろう? 仮面を付けたまま
           食べる技術が珍しかったのだろうか?
 PM13:50……帰宅。メレア様の明日のスケジュールを確認し、調整。休日とはいえ、やるべ
           き事はやっておかないと。
 PM14:30……勉強時間。図書室に入り、科学誌や語学誌を読む。人間、一生勉強だ。無 
           知なる者にメレア様にお仕えする資格は無い。
 PM15:00……ゼノン様がご帰宅。昨夜は帰って来なかったが、ご友人の家に泊まっていた
            らしい。顔色が優れないので気になったが、病気ではない様だ。精神的なも
            のだろうか? 何か悩みでも抱えているのだろうか?
 PM16:10……夕食の準備。ゼノン様も食べられるとの事なので、今日は奮発する。ダン様
            もお誘いしたのだが、「メレアとゼノンがいるだと? 冗談じゃない!」と断ら
            れた。家族の溝は予想以上に深いようだ。早く仲直りしてほしい。
 PM17:00……メレア様がご帰宅。途中でダン様の学校に顔を出していたらしい。女性につ
           いての贈り物について相談される。恋でもしているのだろうか? だとしたら、
           それはとても素晴らしい事です。心から応援します。
 PM18:30……夕食。本日のメニューは子羊のラム肉・バルサミコソースがけと、トリュフの 
           サラダ。デザートはストロベリーのジェラード。
 PM19:40……入浴。この家の風呂は和風。木の香りが気持ちいい。あとゼノン様、こっそり
           覗くのは止めてください。私の素顔など見ても、つまらないですよ。
 PM20:30……メレア様のお仕事を手伝う。ユニオン学園の書類整理、決算報告書のまとめ
           など、やる事は山のようにある。これらの仕事を見事にこなすメレア様は、や
           はり素晴らしい人だ。私の方が仕事量が多いのは、それだけ私の事を信頼
            してくれているのだろう。感謝。
 PM23:00……仕事を終えて、就寝。寝る前の歯磨きは忘れないように。明日も早い。頑張
           ろう。

 ダン「休日なのに、結構働いているじゃないか。仕事が道楽みたいなものなのかな。ジャパニ
     ーズビジネスマンの鏡? ていうか、メレア、お前、もっと働け」
 メレア「子供は遊ぶのが仕事なんだよ」
 ダン「黙れ、この若作りジジイ。貴様、今年で幾つになった?」
 メレア「男の年を聞くなんて、君もヤボだねえ。ま、ステファニー先生と結婚しても問題ない年 
      なのは確かだよ。ふふふふふ」
 ダン「殺す。いつか絶対に殺す」



ショート195.
天才とバカは紙一重、そして大迷惑
(ほりさんのリクエスト)

その1.誰かこいつらを止めてくれ

 ノイズ「完成だ……。ついに完成したよ、ルーヴェ兄さん! 我がケミカル人生最大にして最高
     の発明! これを飲んだ人間は本音を口にしてしまうという究極の薬、その名も『ホン 
     ネバラッシー』!」
 ルーヴェ「そうか、ついに完成したのか。早速、人体実験をしてみよう」
 ノイズ「『動物実験』じゃなくて、即座に『人体実験』という発想が出るとは、さすがルーヴェ兄さ
     ん。でも、そんなに慌てなくてもいいよ。既に実験は始まっている。今日の朝食のスープ
     にこの薬を混ぜておいた。朝食から三十分が過ぎた。そろそろ効いてくる頃だ」
 ルーヴェ「そうか。それは楽しみだ」(ニヤリ)
 ノイズ「うん。楽しみ楽しみ」(ニヤリ)

 (真の悪とは、自分が悪だと自覚していない悪です。トラブルメーカーもしかり)


その2.ちなみに今日は日曜日。朝なので、ほとんどの寮生は寮に居ます

 シン「あれ? ダン先輩、出かけるんですか?」
 ダン「ああ、ちょっと実家の方へ、いや、ステファニーとデートにな。純真な年下の子供を演じ 
     るのは今日で終わりにして、そろそろ大人の…って、えっ? あれ?」
 シン「……へー、先輩、デートに行くんですか。しかも大人の。何をするつもりなんですか?」
 ダン「ち、違う! いや、確かにそのとおりだけど違う、いや、違わない! あ、あれ? どうな
     っているんだ、これは? 俺が話そうとしている事とは全然違う事を言って…」

 インパルス「レイ、明日の掃除当番、俺と代わってくれないか?」
 レイ「断る。明日は図書館で勉強、いや、ギルと一緒に食事に行く予定だからな」
 インパルス「えっ?」
 レイ「あ」

 アウル「おーい、スティング。来週、合コンやるんだけど、お前も来ないか? ただの数合わせ
      だけどさあ。全然モテないお前にも幸せのチャンスを与えてやる…って、えっ?」
 スティング「アウル! てめえええええ!」

 ルーヴェ「寮が賑やかになってきた。まるでお祭りだな」
 ノイズ「うんうん、人間、隠し事をしちゃいけないよね。本音で話すのが一番。よーし、次、行っ
      てみよう!」

 (くどいようですが、真の悪とは、自分が悪だと自覚していない悪です)


その3.ちなみに薬の効果は一時間です

 ノイズ「実はミネルバ寮の食事にも薬を混ぜておいたんだ。そろそろ効果が現れる頃だ。仕掛
      けておいた盗聴マイクで、ミネルバ寮の様子を調べてみよう」

 (ミネルバ寮の音声が伝わる)

 ノイズ「…………」
 ルーヴェ「…………」

 (翌日)

 ナタル「ノイズ・ギムレットとルーヴェ・エクトンは欠席か。何かあったのか?」
 ダン「二人とも部屋に引きこもっています。『もう女は信用できない』『女は魔物、いや、悪魔 
     だ』『女怖い、ミネルバ寮怖い』とブツブツ言っています」
 ナタル「ミネルバ寮だと? 昨日、女子が大喧嘩して、ミネルバ寮が半壊した事を言っている 
      のか?」
 ダン「喧嘩というレベルじゃありませんでしたけどね、あれは。確かに女は怖い」

 (真の悪さえも震え上がらせる存在。女は男にとっての永遠の謎であり、宿敵かも)



ショート196.
部活動に関する悩み

その1.テニス部

 スティング「いや、だから俺はオーラも出せないし、無我の境地とかも使えないから。って、何 
        だ、その下等生物を見るような眼は。エクステンデッドにだって、出来る事と出来 
        ない事があるんだよ!」


その2.クレー射撃同好会

 レイ「実弾を使ったら怒られてしまった。なぜだ?」
 ギアボルト「そうですね。人のいない山奥で使ったのに、どうしてでしょう?」
 ルナマリア「いや、そもそも高校の部活動にこんな同好会がある事そのものが間違っていると
        思うんだけど」


その3.女子バスケ部

 カガリ「最近、試合に勝てなくなった。部内の空気も悪いし……。私はキャプテンに向いてない
      のか?」
 ルナマリア「いいえ、部長は悪くありません!」
 カガリ「ルナマリア……」
 ルナマリア「悪いのは放送部のインタビュアーとしてアスラン先輩とイチャつこうとしているメイ
         リンです! これから注意してきます!」
 カガリ「って、おい、ちょっと待て! 放送部との仲も微妙なものになっているのは誰のせいだ
      と思っているんだ!」


その4.番外編(犯罪スレスレです)

 ギアボルト「…………」
 ステラ「…………」
 ギアボルト「……………」
 ステラ「………あ、猫」
 ギアボルト「子猫ですね。猫、好きなんですか?」
 ステラ「うん、ステラ、猫が好き。ギアボルトは猫、好き?」
 ギアボルト「嫌いではありません。犬も好きです」
 ステラ「ふふふ。ニャーニャー」
 ギアボルト「………ニャーニャー」

 ジュリ「どうですか、この録音テープ? 二人が猫の鳴き真似をしている時の写真もセットにし
     て、このお値段で譲りますけど…」
 ガーネット「買ったあああああああああっ!!」

 ジュリ「という訳で、私たちに強力なスポンサーがつきました。これで『オルガ・マユラ・ギアボル
      ト・ルーヴェ・ステラ・ガーネットの六角関係を見守る会』は資金面では何の問題も無い
      わ。これからもあの六人を見守り続けるわよーっ!」
 クロト・シャニ「おーーーーっ!」
 アサギ「おーっ! ……入っちゃいけない道を進んでいるような気がするのは、私の気のせ 
      い?」



ショート197.
命知らずな泥棒の末路

その1.この町は地獄だ

 ダン「噂で聞いたんだが、最近この町に下着ドロが出没しているらしい。かなりの被害が出て
     いるそうだ」
 シン「ふーん。そいつ余所者ですね。この町に住んでいる人なら、そんな事絶対にしないから」
 ダン「そうだな。自分の死刑執行を願い出るようなものだからな」
 シン「うん」
 ダン「…………」
 シン「…………」
 シン「俺、何だか常識的な感覚を失っているような気がする」
 ダン「気にしない方がいい。この町で生き延びたかったらな」


その2.大爆発五秒前

 カガリ「ラクスもやられたのか?」
 ラクス「ええ、外に干してあった物を……。高かったのに、お気に入りだったのに、キラも『素敵
      だね』と言ってくれたのに……」
 ミリアリア「許せないわね」
 フレイ「万死に値するわ。というか殺す。『絶対に殺す』と書いて、絶対に殺すわ」
 ルナマリア「フレイ先輩、日本語がおかしいですよ」
 メイリン「それだけ頭に血が上っているって事ね」
 ミナ「私だって許せません!」
 ステファニー「そうね。下着ドロなんて女の、いえ、全人類の敵よ」
 ステラ「殺すのならステラも手伝う……」
 ガーネット「ダメよ、ステラ。ひとおもいに殺すなんて幸福は与えない。じっくりじわじわと苦しめ
        て、身も心もボロボロにしてから……ふふふふふふふふ」

 シン「う、な、何て嫌な気配……」
 ダン「俺たちに出来る事は唯一つ。犯人の冥福を祈ってやろう」


その3.下着ドロ役はスカーツです。ファンの人、ゴメンナサイ

 (深夜。ミネルバ寮の全ベランダに可愛い下着が干されている)

 ジャック・スカーツ「……おお、何という素晴らしい光景! これぞ桃源郷! よし、全ての宝物
            をこの手に!」

 (スカーツが下着を手にした途端、ミネルバ寮そのものが大爆発)

 ラクス「かかりましたわ」
 カガリ「ニセの寮を作ってトラップにするとは、さすがだな、ラクス」
 ラクス「張りぼての建物だと気付かない方にも問題ありですわ。あとはガーネットさん達にお任
     せします」
 ガーネット「OK。さあみんな、狩りの時間よ♪」
 女子一同「おーっ!」

 シン「女子寮で火の手が上がってる! それに絹を引き裂くようなこの声は…」
 ダン「俺たちは何も見なかった。聞かなかった。それでいいんだ、それで」

 (翌日、警察署の前に半死半生のスカーツが転がされていた。『この男、下着ドロで女の敵』と
  書かれたカード付き)



ショート198.
新聞部のアンケート・ゴキブリを見つけたらどうしますか?

 キラ……殺虫剤を使う
 アスラン……新聞紙で叩き潰す

 ミリアリア「まあ、この二人の答えが一番適切な方法よね。他の人の答えも似たようなものだ 
        し。けど……」

 ノイズ……捕獲して新薬の実験材料に使う

 ミリアリア「どういう薬を作っているのかしら? そもそも薬を作る為の免許を持っているのかし
        ら? それから…」

 ニコル……ツブス

 ミリアリア「どうしてカタカナ? そして、たった三文字? ちょっと怖いんだけど……」

 ステラ……ナイフで切り刻む

 ミリアリア「女の子の答えじゃないわね」

 ギアボルト……狙撃します

 ミリアリア「エアガンは人には向けちゃダメよ。…………エアガンよね? 本物の銃じゃないわ
        よね?」

 ダン……捕まえて、実家の父の寝室に放り込む

 ミリアリア「自分で自分の首を絞めているような気がするのは、私の気のせいかしら?」

 ディアッカ……逃げる。けど、愛するミリィが見ていてくれるのなら、俺は戦うぜ! とい
う訳でミリィ、今夜は俺の部屋で一緒に…

 ミリアリア「本物のバカね」(ためらう事無く、シュレッダーに放り込みました)


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