SEED学園編 PHASE−17
ショート235.
天才とバカは紙一重、恐れを知らぬ者(バカ)たち
(ザクさんのリクエスト)

その1.マッドサイエンティストの条件とは、『懲りない事』です

 ノイズ「よーし、新しい薬の完成だ! 惚れ薬の研究過程で生まれた、名付けて『モテる奴に天
     誅! これを飲んだ奴は見た者悉くに一目惚れするんだ! そんな醜態を彼女の前で
     見せれば、そいつは振られる事間違い無し! ざまーみろ、コノヤロー!』だ!」
 ルーヴェ「やけに『!』マークが多い薬だな。それで、誰に飲ませるつもりだ?」(もう慣れた)
 ノイズ「この薬、男にしか効かないんだ。だから最初はキラ・ヤマト。次はアスラン・ザラ。そして
     ニコル、ダン、イザーク、ディアッカ……。彼女持ちの男共全員に飲ませて、最後は大学
     部のゼノン! あいつとミナの仲をズタズタに引き裂いてやる!」
 ルーヴェ「やれやれ。前回の件が相当頭に来ているようだな。無理も無いが」

 ディアッカ「あ、今、俺とミリィの仲が認められたような気がする。グゥレイト! 今日はいい事が
        あるかもしれないな」
 イザーク「妙に具体的だな。俺はむしろ嫌な予感がするんだが」


その2.ある意味、最強のカップル

 ノイズ「という訳で実験開始。実はもう、キラ・ヤマトの飲み物に薬を混ぜておいたんだ。そろそ
      ろ効き目が…」

 「キャーーーーッ!」「オオオオーーーーッ!」「お、おいおい……」「これは……いいのか?」

 ルーヴェ「キラ・ヤマトの教室の方から悲鳴が上がっているな」
 ノイズ「ふふっ、成功したみたいだね。さあて、キラ・ヤマトは誰に惚れたのかな? 今日はラク
      ス・クラインはTVドラマのロケに行っている筈だから、彼女じゃないのは確かだ。誰に 
      惚れたとしても、これでラクスに振られる事は確実だね。ふふふふふふ……」
 ルーヴェ「…………教室を覗いてみたけど、それは微妙だな」
 ノイズ「え?」

 キラ「トリィ……。ああ、何て可愛いんだ。大好きだ!」
 トリィ「トリィ! トリィ! トリーーーーィ!!!!」

 ノイズ「ふっ。無機物まで愛情の対象にさせるなんて、僕の薬って凄いな」
 ルーヴェ「誤魔化すな」


その3.最強(最凶)の女

 キラ「トリィ……」
 トリィ「トリィ! トリィ、トリィ、トリーーーーィ!!!!」

 ルーヴェ「どうするんだ、あれ。さすがにあれは人としてマズいだろう」
 ノイズ「ふん、僕の知った事じゃないね。薬の効き目が切れるまで、あのままでいてもらって…」
 ?「あら。それは困りますわ」
 ノイズ&ルーヴェ「!」
 ラクス「ロケが早く終わったので来てみれば、何だか面白い事になってますわね。しかもあれ 
     は、あなた方お二人の仕業だそうで。詳しくお話を聞きたいですわ。解毒剤の製法も含
     めて」(ニッコリ)

 ノイズ「…………あの時は殺されると思いました。まるで飢えたライオンの前に立っているよう
     な気がしましたよ。ルーヴェ兄さんとも誓いましたが、あの女、い、いえ、ラクス様にだけ
     は逆らいません。今後、二度と、絶対に。ええ、命は惜しいですから」(体はブルブルと 
     震えている)



ショート236.
天才とバカは紙一重、番外編
(アークさんのリクエスト)

 ノイズ「ふっ、ようやく入手したぞ。これがミナ・ハルヒノの手作り弁当か」
 ルーヴェ「こんな物をどうするつもりだ?」
 ノイズ「以前、ゼノンはこいつをバクバク食べていた。でも、噂ではミナ・ハルヒノの料理の腕は
     あまり、というか、かなり悪いらしい。けど、そんな弁当をゼノンは米粒一つ残さず平ら 
     げている。この弁当にはゼノンの味覚を刺激する、特別な何かが含まれているに違い 
     ない。それを解明して、あの男を地獄に落とす為の薬を作ってやる!」
 ルーヴェ「本当に懲りない男だな、お前は。今回は俺は協力しないぞ。勝手にやれ」
 ノイズ「ああ、勝手にやらせてもらうよ。それじゃあ、まずは味見を…」

 レヴァスト「ミナ、弁当は見つかった?」
 ミナ「ううん、無い……。どうしよう、ゼノンに『今日は特製のお弁当を作ってあげる』って約束し
    たのに。朝早く起きて、すっごく張り切って作ったのに……」
 レヴァスト「仕方ないわ。あいつに正直に話して、『約束破ってゴメン』って謝ってきなさい。許し
        てくれないのなら、そんな心の狭い男、フッてやりな。私みたいにね」
 ミナ「う、うん……。でも、お弁当、どこにいっちゃったんだろう?」
 レヴァスト「さあねえ。けど、こんなバカな事をする奴は、きっと天罰を受けるわよ」

 パーポー、パーポー

 ミナ「あ、救急車が来た。誰かケガでもしたのかな?」
 レヴァスト「そんなヤワな奴はこの学園にはいないと思うけど……あ、ノイズがタンカに乗せら 
        れて運ばれていくわ。顔色が七色に変化していたけど、変な薬でも飲んだのかし 
        ら?」



ショート237.
メビウスの輪

 ギアボルトとステラは友人
 ステラはシンとちょっといい仲
 シンはマユが大好き
 マユはキラの大ファン
 キラはラクスの恋人
 ラクスとミーアは顔がそっくり(つーか整形してる)
 ミーアはアスランを狙っている
 アスランはメイリンにも狙われている
 メイリンとルナマリアは姉妹
 ルナマリアとカガリと部活の先輩後輩
 カガリとガーネットは親友
 ガーネットとニコルは誰もが認めるバカップル
 ニコルとディアッカは友人
 ディアッカはミリアリアを追いかけている
 ミリアリアはフレイの友人
 フレイはイザークと恋仲
 イザークとレイは部活の先輩後輩
 レイとクルーゼは兄弟のような関係
 クルーゼとデュランダル校長は親友
 デュランダルとタリアは昔、恋人関係だった
 タリアとマリューは友人
 マリューとムウは夫婦
 ムウはネオ・ロアノークに変装して、ユニオン学園に潜入している
 ネオの正体をメレアは知っているが、あえて放置している
 メレアとダンは親子
 ダンとステファニーは現在交際中
 ステファニーとレヴァストは因縁のライバル
 レヴァストとミナは友人
 ミナとゼノンは現在交際中
 ゼノンの事をルーヴェは尊敬している
 ルーヴェはギアボルトの事が好き
 ギアボルトは……

 キラ「この学園編に登場している人達の人間関係をまとめてみたけど、上手く繋がっているよう
    な、いないような。これでもまだ出ていない人もいるし、みんな大変だなあ」
 アスラン「他人事みたいに言うな、キラ。あと助けてくれ。メイリンとカノンとミーアに言い寄られ
       て、怒ったカガリに追われているんだ。しばらく匿ってくれ」
 キラ「アスラン、君はどこに行っても苦労人キャラなんだね」



ショート238.
デンジャラス・アングラー

 ガーネット「………………うー、もう一時間も糸を垂らしているのに、一匹も釣れない。レヴァス
        ト、この港って魚がいないんじゃないの?」
 レヴァスト「そんな訳ないでしょ。釣れないのは、単にあんたの腕が悪いからよ」
 ガーネット「悪いも何も、釣りなんてほとんどやった事がないんだから。そう言うあんただって、
        全然釣れてないし」
 レヴァスト「う。い、いつもはもっと釣れているのよ! おかしいわね、波は穏やかだし、この時
        間なら魚だってもっといるはずなのに……って、ちょっと待った。あそこで網を投げ 
        て、魚を大量ゲットしている、あのバカ集団は何?」
 ガーネット「あー、あれはゼノン・マグナルドと三人の手下どもね。魚、たくさん捕まえているわ 
        ね。あんなに捕まえていたら、そりゃあこっちには全然ヒットしないわ。あはははは」
 レヴァスト「そういえば、昨日ミナが『最近、不漁で魚が高くなって、困っているんです。ゼノンへ
        のお弁当の具も肉ばかりになって、栄養バランスが悪いし…』って言ってたわね。 
        なるほど、あの魚はミナへのプレゼントか。恋人想いね、ゼノン君は。私と付き合っ
        ていた頃とは大違い。成長したのねえ。でも、ちょおおおおおっと、やり過ぎなんじ
        ゃないかしら? あはははははは」
 ガーネット「そうね、やり過ぎつーか捕り過ぎね。どうしましょうか、レヴァストさん?」
 レヴァスト「訊くまでもないでしょう、ガーネットさん。三バカは私が引き受けますので、ゼノンは
        よろしくお願いします」
 ガーネット「さり気なく、一番厄介な相手を押し付けますね。さすがはレヴァストさん。でも、いい
        です。お任せください。ギッタンギッタンにブチのめしてやります」

 (その後、この港は戦火に包まれた。皆さん、釣りをする際のマナーは守りましょう。網を使っ 
  たりするのはもちろん、ケンカをするのもダメです)



ショート239.
SEED学園がある町で働く人たちの会話
(注意:このSSにSEEDキャラは登場しません)

その1.警察署にて

 警官A(新人)「この町、これだけの大都市なのに、あまり凶悪な事件とか起こらないですね。 
          暴力団の事務所とかも無いし。不思議だなあ」
 警官B(ベテラン)「不思議でも何でもない。この町には、ヤ○ザより強くて怖い連中がいるから
             な」
 警官A「えっ!?」
 警官B「いいか、この町で長生きしたかったら覚えておけ。SEED学園には近づくな。バカップ 
      ルには関わるな。これはこの町の鉄則だ。いいな!」
 警官A「は、はい……」


その2.消防署にて

 消防士A(新人)「先輩、この町って火事が少ないですね」
 消防士B(ベテラン)「ああ。市民の防火運動が盛んだからな。それにみんな分かっているの 
              さ。この町で火事なんか起こしたら大変な事になる、って」
 消防士A「どうなるんですか?」
 消防士B「町の地下にある核兵器貯蔵庫に火が点いて、町がぶっ飛ぶ」
 消防士A「……………」
 消防士B「冗談だ」
 消防士A「この町に住んでいると、それは冗談に聞こえません」


その3.病院にて

 看護士A「先生、急患です! 交通事故の被害者で、肋骨が何本か折れています!」
 医師「ただちに手術の準備! 私もすぐに行く!」
 看護士B「先生、こっちも急患です! 患者はSEED学園の生徒で…」
 医師「適当な病室に放り込んでおけ。寝かせていれば、マンガキャラ補正で明日には直る」
 看護士B「確かにその通りですけど、あなたは医師失格です」


その4.税務署にて

 税務署員A(新人)「先輩、どうしてこの町の税務署では、税務調査の前に遺書を書かされるん
             ですか? 傷害保険と生命保険、入院保険の増額も薦められたし」
 税務署員B「すぐに分かるさ。クライン家とかデュランダル家とかを訪問すればな」
 税務署員A「?」


その5.本屋にて

 店員「店長、どうしてこの店には占いの本とか置かないんですか?」
 店長「この町には、そういうのに頼る人間が少ないから。みんな心が強いから、自分の力で恋
     人ゲットしちゃうんだ。やれやれ」


ショート240.
悲恋…なのか、これは?

 妖精ユウナ「! う、美しい……。彼女こそ僕の理想とする女性だ! そこの君、ぜひ、僕と結
         婚を前提にした交際を!」
 プルート「いいわよ。でも私、機械帝国の一員なの。妖精の王子様、あんたを殺してもいい?」
 ユウナ「えっ?」

 ユウナ「という事があったんだよ。いやあ、びっくりしたねえ。でも、僕は諦めないよ。恋愛は困
      難が大きいほど燃える! まるで『ロミオとジュリエット』のような運命だけど、僕は負け
      ない! 必ず彼女をゲットする!」
 アスラン「組み合わせ的には確かに『ロミオとジュリエット』だが、相手の気持ちを無視している
       時点で何もかも間違っている気がするぞ。まあ、俺も強くは言えないけどな」



ショート241.
ホームページを作ろう

その1.仕方がありません

 デュランダル「SEED学園の実態を知ってもらう為にHPを作ろうと思う。グラディス教頭、電脳
          部の生徒達に協力してもらって、製作してくれ」
 タリア「分かりました。ですが、この学園の『実態』を本当に伝えてもいいんですか?」
 デュランダル「訂正する。情報の正確さは問わない。人々が興味を持つようなHPを作ってくれ
          たまえ」
 タリア「賢明な判断です。教育者としては問題アリですけどね」


その2.電脳部の面々

 メイリン(放送部と兼任)「学園のHPの製作ですか?」
 タリア「ああ。頼めるか?」
 キラ(サッカー部と兼任)「作るのは構いませんけど、でも、僕達も忙しいですから……。ほとん
                 ど部長に任せる事になりますけど、それでもいいですか?」

 クロト「あ、そういえば俺が部長だったっけ。HPの製作? んなのやった事ないぞ。俺、ゲーム
     で遊ぶのは好きだけど、ゲームを作った事はないからなあ」

 タリア「どうしてこんなのが部長なのよ……」
 キラ「三年生の部員で一番暇だったからです。僕はサッカー部の部長で忙しいですし」
 クロト「おーい、メイリン、HPの製作ソフト買ってこい。金は学校が出すそうだ。あと最新のゲー
     ムソフトも…」
 タリア「学校の予算でゲームを買うな! メイリン、ちゃんと領収書を貰ってきなさい!」


その3.三日後、HP完成しました

 クロト「よし、完成!」
 タリア「あら、結構見れるものになってるわね。動画もあるし。一番高い製作ソフトを使っただけ
     の事はあるわね」
 クロト「ああ、あの製作ソフトは高度すぎて俺じゃ使いこなせなかった。だからHP製作のプロに
     頼んで作ってもらった。これ、料金の請求書」
 タリア「…………クロト・ブエル君、私と一緒に校長室に来なさい。校長にたっぷりお説教を受 
     けてもらいます。学校の予算は無限じゃないのよ」
 メイリン「私は止めたんですけどね……。あ、掲示板が早速荒れてる。書き込み削除しないと」
 キラ「HPの運営で一番大変なのが、掲示板の管理なんだよね。書き込んでくれるのは嬉しい 
    んだけど、荒らされるのは嫌だなあ」
 メイリン「このHPを見てくださっている皆さん、掲示板にコメントを書き込む時はルールとマナ 
      ーを守ってくださいね♪」



ショート242.
私達、デートではこの場所には行かない事にしています

その1.ダン&ステファニー一流コックの料理店

 ダン「料理好きのステファニーが料理の分析に夢中になって、デートそっちのけになる。あいつ
     の前では酒も飲めないし」
 ステファニー「料理の事については謝るわ。けど、教師の目の前で未成年者がお酒を飲んじゃ
          ダメ!」
 ダン「ぐ、反論したい……。でも、迂闊なことは言えない。我慢だ、我慢」


その2.キラ&ラクス

 キラ「ミーアが現れてから、必要以上に他の人のサイズを気にする様になっちゃったんだ。お 
    かげで今年は海に行けなかったよ。僕は全然気にしないのに」
 ラクス「それは分かっています。でも……。はあ、影武者役の人選、間違えましたわ」


その3.アスラン&カガリ格闘技の試合会場

 アスラン「行くだけじゃなく、一緒にテレビで見るのも禁止だ。技の実験台にされた日の翌朝は
       体中が痛くて起きられなくなる。最近のあいつは手加減というものを知らないからな」
 キラ「大変だね。でも、それってアスランの自業自得じゃないかな? ヤキモチぐらい受け止め
     てあげたら?」
 アスラン「じゃあお前が代わって…って、逃げるな、キラ!」


その4.シン&ステラ・遊園地

 シン「すぐに迷子になるし、何でも乗りたがるし……。デートっていうより、子供の面倒を見てい
     る親のような気分だ。楽しめないんだよなあ」
 ルナマリア「ふーん。だ、だったら私が一緒に行ってあげましょうか? 遊園地、前から行きた 
         かったし…」
 シン「え? いや、いいよ。ルナにも予定があるんだろ? 俺なんかに付き合う必要は無いか 
     ら、他の誰かと楽しんで来いよ」
 ルナマリア「…………バカ!」
 シン「なぜ!?」
 ステラ「シン、ステラより鈍感」


その5.ニコル&ガーネット・映画館

 ニコル「映画館って、映画を上映する時は真っ暗になりますよね。みんなが映画に夢中になっ
      ている時を見計らって、ガーネットさんが僕の…」
 アスラン「ニコル、それ以上言うな! このSSでは18禁の話題は禁止だ!」
 ニコル「は、はい……。ガーネットさんが僕のポップコーンとかフライドポテトとかつまみ食いし 
      て、全部食べちゃう事は18禁なのかな? 最近は規制が厳しいんだなあ」



ショート243.
僕の、私の、タカラモノ(バカップルネタ以外で)

 キラ……パソコン
 シン……マユから貰ったサッカーボール
 ダン……この前買った模造の剣
 ラクス……最初に出した曲のCD
 カガリ……子供の頃、お父様から貰った金ぴかのぬいぐるみ
 ガーネット……『お宝写真』専用アルバム
 ニコル……ピアノ
 ゼノン……自分についてきてくれる部下
 ミナ……父から譲り受けた工具
 レヴァスト……バイトして揃えた釣り道具一式
 ノイズ……自分で集めた薬品のデータ
 クルフ……筋力アップ用の健康器具
 ステファニー……ケリオン家に代々伝わる料理の秘伝ブック
 メレア……子供の振りをして手に入れた色々なモノ(詳細は秘密)
 デュランダル……学園。だから皆さん、校舎を壊さないように。修理費がバカにならないので

 アスラン……平穏な日々

 アスラン「いや、本当に、本気で大切なものだと思っています。最近は特に」



ショート244.
シスコン男相手の恋愛は大変です

 シン「はあああああああ……」
 ルナマリア「どうしたのよ、ため息なんかついて」
 シン「最近、マユが…」
 ルナマリア「あー、もういい、全部言わなくても分かるわ。まったく、シスコンもいい加減にしなさ
        いよ。そんな風だからマユちゃんに嫌われるのよ」
 シン「昔のマユはもっと素直で可愛かったのになあ。ステラみたいに」
 ルナマリア「今度はステラ? 彼女はマユちゃんの代わりなんだ。ふう、シスコンもここまでくる
         と重傷ね」
 シン「うるさいなあ。妹のことを気遣って、何が悪いんだよ!」
 ルナマリア「過保護すぎるのよ、シンは。同じ『妹』を持つ身としてアドバイスするけど、少しマユ
        ちゃんと距離を置いた方がいいと思うわよ。今のままじゃ、あんた、マユちゃんに嫌
        われる一方だから」
 シン「う……。確かに、そうかもしれないな。サンキュー、ルナ。相談に乗ってもらって」
 ルナマリア「いいわよ、別に。私にとっても他人事じゃないし」
 シン「他人事じゃないって、あ、そうか。ルナにも妹がいるもんな」
 ルナマリア「ええ。それにマユちゃんは将来、義理の妹になるかもしれないし」
 シン「へー、マユがルナの義理の妹に……って、えっ? それ、どういう意味……はっ、もしかし
     て、ルナ、お前…」
 ルナマリア「…………」
 シン「うちの養子になるつもりなのか!?」
 ルナマリア「そうボケたか、この恋愛天然ボケ男。私、どうしてこんなバカを……はああああ」



ショート245.
アルストル家の家訓

 メレア「突然だけど、アルストル家の家長として、この家の家訓を決めようと思うんだ」
 ゼノン「ふん」
 ダン「どんな家訓だ?」
 メレア「ふふふ、どんなものだと思う?」
 ダン「『殺せ、奪え、焼き尽くせ!』」
 ゼノン「『口八丁手八丁、卑怯未練恥知らず』」
 メレア「どっちもハズレ。惜しいけどね」
 ダン「惜しいのかよ」
 メレア「正解は『君たちのものは僕のもの。僕のものは僕のもの』。という訳だから、君達の彼 
      女も僕のもの。ステファニーちゃんとミナちゃんも…」
 ダン&ゼノン「ふざけんな、コラアアアアッ!!」
 ノーフェイス「メレア様、からかうのも程々にしなさい。この家の家訓は『みんな仲良く』とすべき
         ですな。守れそうにありませんが」



ショート246.
SEED学園・秋のスーパーカーニバル 文化祭編

その1.デュランダル校長はお祭り好き

 キラ「今年は文化祭と体育祭を一緒にやるの? 無茶苦茶なスケジュールだね」
 アスラン「ああ。この三日間は戦場になるな」
 ダン「この三日間、校舎内では各クラスや部の出し物をして、運動場や体育館では各種競技 
     が行なわれる。まさに『スーパーカーニバル』だな」
 シン「凄い祭りだな。けど……」
 ダン「ん?」
 シン「普通に文化祭と体育祭を分けてやった方が楽なんじゃ…」
 キラ・アスラン・ダン「それは言わないお約束だ。祭りが盛り上がれば全て良し!」
 シン「いいのかなあ……」


その2.各クラスの出し物

 シン達のクラス・1−A……演劇「シンデレラ」。シンデレラ役はステラ、王子役はシン

 ルナマリア「私は意地悪な姉役か。みんな、私に何を期待しているのかしら? 私とステラの仲
        は悪くないわよ」
 レイ&メイリン「…………」
 ルナマリア「な、何よ、その眼は」
 レイ&メイリン「いや、別に」

 ダン達のクラス・2−A……コスプレ喫茶店。バニーもあるよ♪

 ステファニー「え、私までコスプレをするの? ちょっ、ちょっと待って……あああああ!」
 ダン「!」
 ノイズ「あ、ダンが鼻血を出して倒れた」
 レヴァスト「オヤジ趣味の割には純情ね」

 キラ達のクラス・3−A……自主制作映画の上映会

 アスラン「凄い行列だな」
 キラ「ラクスも出演しているからね」
 ラクス「上映後にDVDも発売しますわ」
 アスラン「ネットオークションで高値で取引されそうだな」


その3.各部活の出し物

 サッカー部(キラ、シン、ステラ)……キラ・ヤマトのサイン会。ラクス・クラインも来るよ!

 ダン「あざといなあ」
 ラクス「行くだけですわ。サインはしません」
 ダン「さすが芸能人。仕事とプライベートはきちんと分けているな」

 女子バスケット部(カガリ、ルナマリア)……フリースロー大会。ゴールに入れたら十万円

 ダン「十万円って、そんな金があるのか?」
 ルナマリア「デュランダル校長の金庫から持ち出しました。大丈夫、絶対に入りませんから」
 ダン「そうか? ボーリングの球ぐらいなら投げられる奴はたくさんいるだろ」
 カガリ「これは一般客用の球だ。学園の生徒用にはもっと重い球を用意してある」
 ダン「さすがだな。……どうも世間の常識とズレているような気がするのは気のせいか?」

 郷土資料研究会(イザーク、フレイ、レイ、ストライク、インパルス)……資料発表

 ダン「資料発表とは地味な内容だな」
 イザーク「黙れ。他の連中がやり過ぎなんだ。うちの部は真面目にやっている」
 フレイ「でも、人が集まらないと資料を見てもらえないわ。だからストライクとインパルスに人集
      めを頼んだんだけど」
 レイ「知人や家族を呼んだそうです。…………今の轟音は何でしょう? 二階にあるうちの部 
    の展示室からの方でしたが」
 フレイ「部屋の底が抜けたみたい。体重制限を設けるべきだったわね」
 イザーク「あいつらあああああああああっ!!」

 電脳部(キラ、メイリン、クロト)……自作ゲームの展示&発売

 アスラン「へー、このゲーム、キラが作ったのか? よく出来てるじゃ…って18禁!? しかも 
       ヒロインがカガリに似ている……。すいません、このゲームください。全部!」
 メイリン「お買い上げ、ありがとうございましたー♪」
 キラ「アスラン専用のゲームだよ。うちの部って予算が少なくて大変なんだ」
 メイリン「部長がバカですからねー」
 クロト「はははははは! 滅殺!」

 クレー射撃同好会(レイ、ギアボルト)……射撃体験。標的は部員の頭の上のリンゴ

 ガーネット「…………ダメ、私には撃てない! ギアちゃんの頭を狙い撃つなんて!」
 ギアボルト「勝利(ビクトリー)です。ぶい」
 オルガ「いや、こんな事で勝ち誇るなよ」



ショート247.
SEED学園・秋のスーパーカーニバル 体育祭編

その1.売れっ子は忙しい

 キラ「あ、もうこんな時間だ。それじゃあサイン会は一旦終了します。ニ時間後に再会しますの
     で、その時に来てください」
 ラクス「キラ、急いでください。100m競走の一次予選開始まで、あと十分ですわ。その後は2
      00m競争の二次予選、玉入れの一次予選、それから…」
 アスラン「芸能人並のハードスケジュールだな」
 カガリ「出来る奴のところに仕事は集まるものだ。優秀すぎるというのも考えものだな」
 フレイ「ホント大変よねえ。イザーク、変わってあげたら? って、あんた、クラス内予選でキラ 
     に負けたから無理だったわね」
 イザーク「分かってて言うな! 貴様だって女子のクラス内予選でカガリに負けただろうが!」
 サイ「はいはい、二人ともケンカはそこまで。ワキ役の僻みはみっともないぜ?」
 カズイ「そうだよ。キラはキラ、僕達は僕達なんだからさ」
 トール「そうだな。マイペースでこの祭りを楽しもうぜ」
 イザーク「うっ……。お前達が言うと説得力があるな」
 フレイ「そうね。ちょっと涙が出てきたわ……」
 サイ「いや、別に泣かせるつもりは無いんだけど」


その2.普通は死にます。比喩的表現じゃなくて

 デュランダル「体育祭の方はケガ人が続出しているそうだな」
 タリア「生徒も教師も疲れているみたいです。立ったまま寝ている生徒もいました」
 デュランダル「やれやれ、一日目からこれでは……。この学園の生徒や教師なら、どんな事で
          も出来ると思ったのだが、私の買い被りだったか」
 タリア「買い被り以前に、私達は常識というものを忘れているような気がします。SEED学園の
     生徒=超人じゃありませんから」
 デュランダル「そうかな? この学園の生徒なら、キ○肉バスターとかマッ○ル・スパークとか、
          簡単に出来ると思ったのだが」
 タリア「いえ、幾らなんでもそれは無理……と言い切れないところが、この学園の怖いところな
     のよね。勘違いするのも仕方ないかも」


その3.勝利の栄光は……遠い

 シン「体育祭は一年・二年・三年の対抗戦だ。経験豊富な三年生が有利だって言われている 
     けど、俺達一年の方が体力はある! 絶対に優勝するぞ!」
 一年生一同「おーっ!!」
 スティング「けど、キラ・ヤマトに勝ったら、マユちゃんにますます嫌われるだろうな」
 シン「う」
 アウル「いやいや、うちのリーダーは公私混同なんかしないよ。勝負は勝負、きっちりケリをつ
      けてくれるさ。たとえ可愛い妹に嫌われても。な、シン?」
 シン「あ、ああ、そうさ、俺はキラ・ヤマトを倒す! たとえマユに嫌われても……!」
 スティング「さすがだな。けど、泣きたいのを我慢しているように見えるのは、俺の気のせい  
        か?」(ニヤニヤ)
 アウル「俺もそう見えるな。気のせいなのかなあ?」(ニヤニヤ)
 ルナマリア「二人とも、アニメ本編でシンに負けたからって、こんなところで仕返ししないで」
 メイリン「一年って、チームワークがあるようで無いのよねえ」
 ステラ「優勝、難しそう……」



ショート248.
スーパーカーニバル編 皆様、天国or地獄へようこそ

その1.ユニオン学園の皆さん、ようこそ

 メレア「学園祭なら、生徒の身内として堂々と入れるよね。ふふふ、楽しくなりそうだなあ♪」
 ノーフェイス「メレア様、あまりはしゃぎ過ぎないように……」
 ジブリール「我々もお邪魔しよう。ユニオン学園の文化祭や体育祭を盛り上げる為に、データ 
        収集をさせてもらう」
 サンダルフォン「そうだな。特に出店の味は要チェックだ。むっ、この焼きそばのソースは独自
           にブレンドしたものだな。たこ焼きの中のタコは上物で、かなり大きい。うう  
           む、侮れないな…。あ、すいません、領収書をお願いします。名前は『ユニオ 
           ン学園』で」
 ネオ「あ、じゃあ俺も恋人(正確には妻。マリュー)へのプレゼントを領収書で…」
 メレア「ダメ。ユニオン学園のお金は僕のものだから」
 ノーフェイス「メレア様、それは正しい様で違います」


その2.機械帝国の皆さん、ようこそ

 プロヴィデンス「ここが機械帝国からの逃亡者や、妖精会の協力者たちが通っているという学
           園か。なかなか盛況だな。偵察してみるか」
 プルート「賛成〜! 美味しい物がたっくさんありそう! うふふふふふ♪」
 ウラノス「プルート、はしゃぎ過ぎだぞ」
 ネプチューン「ほっほっほ。そういうお主も、はっぴにハチマキなどして、気合が入っておるでは
          ないか。だが、学園祭の衣装としては不適格じゃぞ。データ収集を怠ったようじ
          ゃのう。ほっほっほ」
 ウラノス「………ふははははははは!」
 レジェンド「あ、笑って誤魔化した」
 デスティニー「ステラちゃん、この学園にいるって言ってたな。会えるかなあ?」
 レジェンド「こっちはこっちで色ボケしてるし」
 ちっちゃいデストロイ「きゃー! うわー! み、みんな、どこに行ったんですかー? 置いてか
              ないでくださーい!」
 レジェンド「すぐに迷子になる奴はいるし。はあ、前途多難だな」
 ネプチューン「ほっほっほ。それも青春の一ページ、というやつじゃよ」
 レジェンド「そうかなあ?」


その3.……招かれざる人たちも、ようこそ

 ガーネット「盛り上がっているわね。うん、学園祭はこうでなくっちゃ! よーし、私も頑張るわ 
        よ! ニコル〜〜〜〜♪」
 ゼノン「ふん、バカ女が。あいつは大学部の恥だな。まあいい、私もミナと合流しよう」
 エド「人の事言えないな、うちの大将も」
 コートニー「まあ、あの人らしいがな」

 ユウナ「ふふふふふふ……。来たよ来たよ、僕も来た! こんな面白そうなイベントの事を隠し
      ていたなんて、アスランも人が悪いなあ。よーし、みんなからは見えないけど、僕も参 
      加させてもらうよ!」

 アスラン「! な、何だ、この猛烈な悪寒は……」



ショート249.
スーパーカーニバル編 人間の血でもOKな特注品だそうです

 ユウナ「やあ、アスラン。盛況だねえ。僕もお祭に参加させておくれよ。ははっ、そんなに怖い 
      顔をしなくても、僕の姿は君や魔力を持つ人にしか見えない。だから女子の着替えも 
      覗き放題。カメラを貸してくれれば写真を撮ってきてあげるよ。それを売って、この祭 
      を楽しむ為の軍資金に……って、アスラン、君が持っているその日本刀は何? どこ
      かで見たような気がするんだけど…ああ、思い出した。SEEDデスティニーの後番組 
      に出てくる女の子が使ってる刀に似てるんだ。あの刀、自分の血を刀身に流すと、バ
      ケモノも倒せるんだよね。って、あれ? 僕、バケモノ扱い? ぎゃーーーーーーーー 
      ーーっ!」

 ジブリール「校長、さっき日本刀を振り回しながら『この学園の、いや、世界の平和の為に、お
        前を斬る!』と言っている学生を見ました。物騒な学園ですな、ここは」
 メレア「そんなのこの学園では日常茶飯事だよ。君も早く慣れるんだね」
 ネオ(ムウ)「確かにそのとおりなんだが…………頭が痛い」



ショート250.
スーパーカーニバル編 最強バカップル決定戦、開始

その1.一日目のメインイベントです

 イザーク「おい、誰だこんな危険なイベントを考えたのは! この学園を灰にするつもりか!」
 レイ「灰にする、とは、なかなかオーバーな比喩表現ですね」
 ストライク「いや、比喩で言ってるんじゃないと思う」
 ディアッカ「イザーク、お前の不安は分かるけど大丈夫だと思うぜ。コンテスト会場(第二体育 
        館)には武器の持ち込みは厳禁だからな」
 イザーク「そ、そうか。それなら少し安心できるな」
 レイ「……ストライク先輩、イザーク部長にツッコミを入れてもいいでしょうか?」
 ストライク「やめておけ。こっちが疲れるだけだ」
 フレイ「その内慣れるわよ。私達みたいに」


その2.観客席にて

 キラ「もうすぐ始まるね。ちょっとワクワクするなあ」
 アスラン「ああ。って、キラ、お前はラクスと参加しないのか?」
 キラ「ラクスも僕も忙しくて、スケジュールが合わなかったんだ。アスランこそ参加しないの?」
 アスラン「いや、しようと思ったんだが……」

 カガリ「…………」
 メイリン「…………」
 カノン「…………」
 こっそり来てたミーア「…………」

 アスラン「今回は見学する事にしたよ」
 キラ「賢明だね」


その3.コンテストの裏側で

 キラ「アスラン、このコンテスト、裏で『誰が優勝するか?』で賭けが行なわれているんだ」
 アスラン「とんでもない話だな。で、これが参加者のエントリー表か。予想や賭けの倍率も載っ
       ているのか。まるで競馬新聞だな」
 キラ「参加する人は、馬より強くて怖い人ばかりだけどね」

 ニコル&ガーネット……◎(本命) 1.1倍
 ゼノン&ミナ……○(対抗) 2.0倍
 ダン&ステファニー……▲(単穴) 5.8倍
 シン&ステラ……△(連下) 12.4倍
 イザーク&フレイ……×(注意) 25.4倍
 ディアッカ&ミリアリア……無印 41.2倍
 バルトフェルド&アイシャ……無印 67.8倍
 デュランダル&タリア……無印 85.3倍
 サイ&ルミナ……無印 128.7倍

 アスラン「ダンとステファニー先生のカップルは参加してもいいのか?とか、サイとルミナの参 
       加は自殺行為じゃないのか?とか、色々とツッコミを入れたいが、その前にやるべき
       事をやっておく。ニコル&ガーネットに千円」
 キラ「手堅いね、アスラン。あ、いよいよ始まるみたいだよ」

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