ファンタジー編 PHASE−03
ショート20.
桜の森の危機…なのか?

その1.お花見はマナーを守りましょう

 アスラン「この桜の森の中心部に敵が潜んでいるらしい」
 カガリ「そいつらが妖精たちを苦しめているのか。どんな連中なんだ?」
 アスラン「レナ女王の話によれば、かなり凶暴な奴ららしい。妖精たちは近づくことさえ出来な 
       いそうだ」
 イザーク「優れた魔力を持つ妖精たちを苦しめるとは、並の相手じゃないな。気を引き締めて 
       いこう」
 ディアッカ「そうだな。お、中心部についたぞ。あそこにいるのが俺たちの敵か?」
 アスラン「そのようだな。随分と騒がしいが……」

 アズラエル「うーん、綺麗な桜に美味しい酒。これこそ至福というものですねえ」
 リヒター「確かに。アズラエル殿、一杯どうぞ」
 アズラエル「ありがとう。クルーゼ君も楽しんでますか?」
 クルーゼ「…………ぐー」
 リヒター「寝てますね」
 アズラエル「おやおや。平和ですねえ」

 アスラン「…………」
 カガリ「あいつら魔王軍の幹部のはずだよな」
 イザーク「そのはずだが」
 ディアッカ「イメージが壊れすぎだぜ。TPOってものを考えろよ」


その2.酔っ払いには気を付けろ

 イザーク「どうする? 戦うか?」
 ディアッカ「おいおい、相手は魔王軍の幹部だぜ。今の俺たちが戦っても勝てる相手じゃない 
        だろ」
 アスラン「そうだな。だが女王にあいつらを追い出すと約束しているし……」
 カガリ「あいつらは酒を飲んでいる。一人は寝ているし、奇襲をかければ何とかなるんじゃない
      か?」
 アスラン「そうだな。作戦を練って行動しよう」

 クルーゼ「…………があああああああっ!!」
 リヒター「ク、クルーゼ殿、落ち着いてください!」
 アズラエル「ああっ、酒樽がひっくり返った! 高価な酒が……。おのれクルーゼ、許しません
         よ!」
 リヒター「ア、アズラエル殿もこんな所で魔法を使わないでください! ぐあっ!」
 クルーゼ「ぎいいいいいいっ!! 誰が変態仮面だ! どいつもこいつもブッ殺す!」
 アズラエル「死ぬのは貴様だ! 大切な酒を……絶対に許さん!」
 リヒター「ぎゃああああっ!! 誰か助けてーっ!」

 カガリ「…………助けるか?」
 アスラン「放っておこう」


その3.序盤に入手する武器ですから

 ディアッカ「結局、三人ともボロボロになって勝手に逃げてった。俺たちは何にもせずに大勝利
        ってわけだ。ツイてるな」
 イザーク「経験値は手に入らなかったけどな」
 レナ「色々あったようだが、奴らが出て行ったのは事実だ。バスターダガーはお前たちに譲ろ 
     う。これで魔王を倒してくれ」
 アスラン「ありがとうございます。装備できるのは俺とイザークとディアッカか。イザーク、お前が
       使ってくれ」
 ディアッカ「なっ! どうして俺じゃないんだよ、バスターって言ったら俺だろうが!」
 アスラン「狩人用の武器なら次の町で売っている。それまで我慢しろ」
 ディアッカ「そうか。それならいいぜ」
 レナ「あまりありがたみを感じていないようだな。伝説のアイテムなのに……」



ショート21.
橋を渡ろう

その1.キラパーティー、新大陸へ

 キラ「この橋を渡れば新大陸か。これからもっと強い敵が出て来るはずです。みんな、気を付 
     けてください」
 ラクス「ええ、キラも気を付けてください」
 マリュー「あら、橋の上に誰かいるわ。私たちを行かせないつもりみたいね」
 ムウ「ボスキャラって奴か。だったら腕づくで通らせてもらうぜ!」

 シグーナイトがあらわれた!

 死闘の末、シグーナイトを倒した!

 キラ「よし、行こう。新しい大陸へ!」


その2.シグーナイトの受難

 シグーナイト「くっ、不覚を取ったが、この橋がある限り俺は何度でも復活できる。もう誰も通さ
          ないぞ。とはいえ、さっきのダメージは残っているな。傷を癒さないと…」
 アスラン「お、あれが新大陸への橋か。みんな、行くぞ!」
 シグーナイト「え」

 シグーナイトがおそわれた!

 シグーナイトは意外と簡単に倒された!

 アスラン「ボスキャラにしては呆気なかったな。まあいいけど」
 シグーナイト「きゅう」


その3.実は目と鼻の先でした

 シグーナイト「ふ、復活! あいててて……。クソッ、あいつら容赦なくやりやがって。えーと、ダ
         メージを回復させないと…」
 シン「お、橋が見えたぞ」
 レイ「あの橋を渡れば新大陸か。ん、モンスターがいるな」
 ルナマリア「じゃあさっさと倒しましょう。ステラ、ダブル魔法よ!」
 ステラ「うん……」

 シグーナイトがおそわれた!

 強力な破壊魔法によって、シグーナイトは橋ごと吹き飛ばされた!

 ステラ「あ。橋、壊しちゃった」
 ルナマリア「うーん、ちょっと魔法の威力が高すぎたみたいね。どうする?」
 レイ「泳いで渡ろう。向こう岸までそんなに距離も無いしな」
 シグーナイト「だ、だったら最初から泳いでくれ……。ぐふっ」



ショート22.
新大陸の第一歩

その1.キラパーティー、新大陸に上陸

 キラ「ここが新しい大陸、ユニウス大陸か。ちょっとワクワクするね。空気まで違っているように
     感じるよ」
 ムウ「おいおい、呑気な事を言ってる場合じゃないぞ。敵も強くなっている。早く町を見つけて休
     もうぜ」
 マリュー「そうね。まずは町を目指しましょう」
 ラクス「そうですわね。行きましょう、ユニウス大陸最初の町、セブンシティへ」
 ムウ「……なあ、キラ、俺、すっごく悪い予感がするんだけど。町が焼き尽くされたり、町がどこ
     かへ落っこちそうな気が……」
 キラ「町へ行こうって言ったのはムウさんじゃないですか。さあ、行きましょう」
 ムウ「あ、ああ。何も起こらなければいいんだが」


その2.アスランパーティー、新大陸で最初のバトル(byカブト)

 イザーク「アスラン、敵が出たぞ!」

 ザクウォーリアビートルがあらわれた!
 ディンワスプがあらわれた!
 ドラゴンフライバビがあらわれた!
 ザウートスコーピオンがあらわれた!
 ザクファントムスタッグがあらわれた!
 ダガーLホッパーがあらわれた!

 ディアッカ「おいおい、大歓迎だな。こいつはちょっとキツいぜ」
 アスラン「昆虫系のモンスターか。ディンワスプは前の大陸にいたディンビーの色違いモンスタ
       ーだな。こいつらは攻撃力が高い、気を付けろ」
 カガリ「…………」
 アスラン「カガリ、どうした?」
 カガリ「いや、なんかこいつら眼にも止まらないスピードで動きそうな気がして。私のレベルが高
      かったら、ハイパー何とかとかパーフェクト何とかを召還できたかもしれないのに…」
 アスラン「安心しろ、カガリ。こいつらはクロックアップはしない。それからこれは一応SEEDの
       SSだから、他の作品はあまりネタにしない方がいいぞ」
 カガリ「それは私じゃなく管理人に言ってくれ。……召還したいなあ」
 三人「だからダメだって」


その3.シンパーティー、新大陸で最初の町に到着

 シン「へえ、ここがセブンシティか。随分寂れた町だな」
 ルナマリア「そうね。町の人の表情も暗いし。何かあったのかしら?」
 レイ「話を聞いてきた。この町の町長が暴政を行なっているらしい。昔は真面目で優しい人物 
    だったそうだが、今では急に税金を高くしたり、悪徳商人と手を組んでこの町の名産品を
    独占したりとやりたい放題だそうだ」
 ルナマリア「酷い話ね。でもモンスターの仕業じゃないなら私たちじゃどうする事も出来ないわ 
         ね。あら、ステラ、どこへ行くの?」
 ステラ「印籠を買うの。昔読んだ本に載ってた、悪い人を懲らしめる為のアイテム……」
 三人「いや、あれはあの爺さんしか使えないアイテムだから」



ショート23.
セブンシティ町長、変心事件

その1.今となってはいい思い出…かな?

 ルナマリア「でも、それまで優しかった人が急に変わっちゃうなんて、おかしな話ね。何かあっ 
         たのかしら?」
 シン「人が急に変わる理由か……。妹に『お兄ちゃんの下着と私の下着を一緒に洗わない  
     で! お兄ちゃんのは汚いんだから!』って言われたとか」
 ステラ「年上のお姉さんに告白して振られた。アウルみたいに……」
 レイ「育ての親の女性遍歴が意外と情けないものだと知ったとか」
 ルナマリア「あんた達も苦労してるのね。あ、ステラは違うか」
 ステラ「うん。アウル、可哀想」

 アウル「へーっくしょん! うーっ、風邪かな? いや、可愛い女の子が俺の噂をしてたりして。
      ははは」


その2.実はこの世界には新聞があります

 ルナマリア「分かった! きっと今の町長は魔物が化けたニセモノなのよ。本物は殺されたか、
        どこかに閉じ込められているんだわ」
 レイ「ファンタジーものではよくある展開だな」
 シン「でも、可能性は高いと思うぜ。どうやって正体を暴く?」
 レイ「こういう場合、どこかに正体を暴く為のアイテムがあるはずだ。まずは情報を収集しよう」

 ルナマリア「町長の家のコックから話を聞いたわ。最近、味の好みが変わって血生臭い物を食
        べるようになったそうよ。昔に比べて仕事のミスも多いそうだし」
 レイ「決まりだな。あとはアイテムだが……」
 シン「北の洞窟に、人の真実の姿を写す鏡があるそうだ。それを使えば上手くいくんじゃない 
     か?」
 レイ「そうだな。では行こう」
 ステラ「新聞記者さんを連れてきた。悪人の正体を暴いて、真実の記事を書くって……」
 レイ「ステラ、君は物凄い勘違いをしているな。まあいい、どこの新聞だ?」
 ステラ「有名な新聞。えーと、アサ」
 三人「却下! そこは『真実を暴く』んじゃなくて『真実を勝手に作る』新聞だ!」
 ステラ「それって新聞じゃないね……」


その3.肩透かし

 シン「暗い洞窟だなあ。モンスターも一杯出るし」
 ルナマリア「でも、もうそろそろ終わりみたいよ。あ、あそこにあるのが例の鏡じゃない?」
 レイ「そのようだな。だがみんな、気を引き締めろ。こういう重要アイテムの前には必ず強力な
     モンスターがいるはず…」

 アイテム・アポロンの鏡を手に入れた!

 レイ「…………」
 シン「レイの奴、何でムッとしているんだ? せっかく鏡を手に入れたのに」
 ルナマリア「そうね。期待していた出し物が見れなかった子供みたいな目をしてるわ」
 ステラ「楽に手に入れられたのは嬉しいけど、でも、ちょっと拍子抜け。そんな感じ?」
 レイ「時々鋭いな、君は」


その4.ハッピーエンド?

 サトー町長「む、何だお前たちは。勝手に人の部屋に入って来るとは…」
 シン「うるさい、ニセ町長め! この鏡を見ろ!」
 サトー町長「む、ぐわああああああ! へ、変身が解ける…」

 ジンハイマニューバ2型デビルがあらわれた!

 レイ「無駄に長い名前だな」
 ジンハイマニューバ(略)「うるさい! ガーネット様に逆らう人間どもめ、殺してやる!」
 シン「へっ、お前なんかに殺られるかよ、レイ、ルナ、ステラ、行くぞ!」
 三人「おーっ!」

 16ターンにも及ぶ死闘の末、ジンハイマニュ(略)を倒した!

 シン「はあ、はあ。思ったより手ごわい奴だったな」
 ジンハイマ(略)「くっ、こ、この俺がこんなガキどもにやられるとは……」
 レイ「本物の町長はどうした? 殺したのか?」
 ジンハイ(略)「い、いや、ガーネット様は無駄な血を流す事を好まない。奴なら……」

 サトー「ふっ。青い海に白い砂浜、ここは素晴らしいリゾートだな。真面目だけが取り柄だった 
      私だが、たまにはハメを外すのもいいだろう。金をくれたガーネットとやらには感謝しな
      いと。ん? 何だ、君達は?」
 ルナマリア「はーい、呑気な町長さん、初めまして。そして……さようなら♪」
 サトー「ぎゃあああああああああっ!!」



ショート24.
コンピューターRPGでは暗黙のルールなんだけど

その1.窃盗及び不法侵入

 ラクス「キラは家の中の机やタンスなどは調べませんのね。何かアイテムが入っているかもし 
      れないのに」
 キラ「ラクス、他人の家の者を漁るのは犯罪だよ。僕たちは勇者なんだから、そんな事はしち 
     ゃダメなんだ」
 ムウ「そうそう。それに、どうせロクなアイテムが入ってないし。時間の無駄だ」
 マリュー「キラ君のいいセリフが台無しね」


その2.勇気と無謀は似ているようで違います

 カガリ「どうしてモンスターは町の中に入って来ないんだろう? 門や塀なんてモンスターの力な
      らすぐに壊せそうなのに」
 アスラン「人が多いからだろう。敵の真っ只中に飛び込むバカはいない」
 ディアッカ「俺たちは魔王の城に飛び込むつもりだけどな。あれ、俺たちってモンスターよりバカ
        なのか?」
 イザーク「ブラックユーモアはやめろ。全然面白くないし」


その3.恥ずかしいよね

 レイ「すいません、ちょっとお尋ねしますが……」
 町の住人「はい、何ですか?」

 ルナマリア「シン、町の人に話を訊く役はあんたじゃないの? ああいうのは普通、勇者の仕事
         じゃない?」
 シン「俺、話下手だから。初対面の人と親しく会話するなんて、俺には無理」
 ステラ「うん。ステラも無理」
 ルナマリア「確かに普通は無理よね。すぐに情報を教えてくれるなんて、町の人って親切すぎ」



ショート25.
鍵を求めて

その1.アニメキャラに無駄毛や剃り残しはありません

 キラ「この扉を開けるには鍵が必要らしいですね。探しに行きましょう」
 ムウ「どこにあるんだ?」
 キラ「町の西にある洞窟にドワーフが住んでいるらしい。その人が鍵を作ってくれるそうです」
 マリュー「ドワーフか。私、毛むくじゃらの男って嫌いなのよね」
 ラクス「わたくしもですわ。体毛の処理も出来ない人なんて信用できません」
 ムウ「キラ、ヘアチェックはマメにしような」
 キラ「大丈夫です。毎日ちゃんと剃ってますから」
 ムウ「さすがだな、キラ。主人公としては当然のたしなみだがな」


その2.頭ピッカピカ、体はボロボロ?

 ウェールズ「やあ、いらっしゃい。私がドワーフのシグマン・ウェールズだ」
 ムウ「ハゲ頭なのにドワーフ!? イメージが崩れるな」
 キラ「まあまあ、あの、ウェールズさん。僕たちはあの町にある扉を開ける鍵が欲しいんです 
    が、作ってもらえませんか?」
 ウェールズ「いいだろう。だが、条件がある」
 キラ「何ですか? 何かアイテムを取ってこいというなら…」
 ウェールズ「アイテムなどいらんよ。マッサージをしてくれ。最近、腰が痛くてなあ。肩も凝ってい
         るし、それに最近寝不足で。目もシバシバするし」
 キラ「栄養ドリンクを飲むか、病院に行ってください」
 ムウ「俺も他人事じゃないな」


その3.ネタが分からない人は「ミシシッピー殺人事件」で検索してみてください

 キラ「色々あったけど、何とか鍵は作ってもらえました。それじゃあ開けますよ」
 ムウ「おう。さて、扉の向こうにあるのは金銀財宝か、それとも……って、あーーーれーーーー
     ーっ!?」
 マリュー「あら、落とし穴ね」
 ラクス「斬新なトラップですわ」
 キラ「そうかな? 昔のゲームで見たような気がするんだけど」
 ラクス「あのツッコミどころが満載な推理ゲームの事ですね。懐かしいですわ」
 マリュー「事件は探偵のすぐ側の部屋で起きたのよね。どうして銃声に気が付かなかったのか
       しら? あの主人公、本当に名探偵なの?」
 ムウ「懐かしのゲーム談義はそのくらいにして、早く助けてくれーっ! うわっ、鮫が、カバが、
     ワニがーっ!」



ショート26.
召喚士の嗜好

その1.力を得る条件

 ディアッカ「なあ、カガリ。お前が呼び出すモンスターって、どうやって手に入れたんだ?」
 カガリ「あいつらをモノみたいに言うな。あいつらは私の力を認めて、私に力を貸してくれている
      んだ」
 イザーク「力を認めさせたとは、奴らを負かして従わせたのか?」
 カガリ「ああ。けど、ただ勝てば従ってくれるわけじゃない。あいつらが私の戦いを見て気に入 
      ってくれれば、たとえ負けても力を貸してくれる。逆に勝利しても、卑怯な手を使った召
      喚士には絶対に従わない」
 イザーク「プライドが高い奴らだな」
 カガリ「ああ。だから信頼できるんだ」
 ディアッカ「まあ人に従うっていうのは、勝った負けたっていう問題じゃないからな。俺たちがア
        スランと一緒にいるのも、あいつに負けたからじゃないし」
 カガリ「そうだな」
 イザーク「ふん」
 ディアッカ「まあ可愛い女の子になら従うんだけどな。SもいいけどMをやってみるのも楽しい 
        ぜ。なあイザーク?」
 イザーク「俺に同意を求めるな。そして貴様の悪趣味に付き合わせるな」


その2.あれ、否定はしないの?

 ディアッカ「なあ、アスラン。カガリって絶対にSだと思うぜ。モンスターを力づくで従わせて僕に
        するなんて、それってどこの女王様だよ?ってな」
 アスラン「お前はカガリの話を聞いているようで全然聞いてないな」
 カガリ「怒る前に呆れたぞ」



ショート27.
呪われた!

その1.BGMは「デンデロデンデロデンデロリン」という感じで

 ルナマリア「うわー、綺麗な指輪。ちょっと嵌めてみようっと」

 ルナマリアは呪われた!
 攻撃の命中率が低下した!

 シン「なあんだ。アニメ版のルナになっただけじゃないか」
 レイ「ああ。まったく全然問題ない。気にするな、ルナマリア」
 ルナマリア「それでフォローしてるつもり? もの凄く不愉快なんだけど」
 ステラ「ふわ……」


その2.それはヒロインか脇役かを決める境界線の一つ

 シン「でも落ちてる指輪を嵌めるルナも悪いと思うぜ」
 レイ「確かに。拾い食いをする子供と同じレベルだな」
 ルナマリア「ぐっ。わ、悪かったわよ。謝るから早く解呪して。気分が悪くて……」
 レイ「ステラ、解呪の呪文は知っているか?」
 ステラ「ううん。解呪の呪文を覚えるのは白魔道士。ステラは黒魔道士だから使えない」
 シン「じゃあルナも使えないのか。どうすればいいんだ?」
 レイ「町まで戻るしかないな。教会で解呪してもらおう」
 ルナマリア「うっ、気持ち悪い。は、吐きそう……」
 シン「ルナ! ステラ、エチケット袋を!」
 ルナマリア「吐かないわよ! 私はこのパーティーのヒロインなのよ、吐くなんて、吐くなんて…
        …ううっ」
 ステラ「このパーティーのヒロインはステラ……。だからルナ、吐いてもいいよ」
 ルナマリア「それって励ましてるの? それとも、この機にヒロインの座を確実なものにしようと
         しているの? どっち?」
 ステラ「…………ニコッ」
 ルナマリア「ごまかすな! ううっ……」


その3.牧師様は国王様?

 シン「ルナ、しっかりしろ。ほら、町に着いたぞ」
 ルナマリア「な、何とか堪えたわ……。ううっ、さ、最悪な気分だけど」
 ステラ「…………ちっ」
 ルナマリア「ステラ、今、舌打ちしなかった?」
 ステラ「ううん。ステラ、そんな事しないよ」
 レイ「教会に着いたぞ。牧師様、よろしくお願いします」
 デュランダル「ああ、任せたまえ」
 シン「王様! どうしてこんな所に? ついに国を追い出されたんですか?」
 デュランダル「特別出演だ。さて、呪いを解く前に、我が教団への入会の手続きをしてもらお 
          う。入会料はこんなもので。ローンでもOKだ」
 ルナマリア「人の足もと見てんじゃないわよ、この極悪牧師! ううっ……」
 レイ「払います、ギル。金はルナの財布から出しますので」
 シン「即答かよ。しかも本人の許可無しで」
 ルナマリア「こ、こいつら……うえっぷ」
 ステラ「まだ吐かない。チッ、しぶとい」
 ルナマリア「こっちはこっちで……ううっ」


その4.解呪成功

 ルナマリア「あー、すっきりした。それじゃあ牧師様、お話がありますので教会の裏に来てくださ
         い。それからレイとステラも。こら、逃げるなーーーっ!!」
 シン「三人とも逃げ足が速いなあ。ルナも元気になったし、良かった良かった。ステラの舌打ち
    は俺は聞いてない。聞いてないったら聞いてない。うん」



ショート28.
闇を打ち払え!

その1.森の町グノーにて

 ムウ「何だ? 空が急に暗くなったぞ。まだそんな時間じゃないだろ?」
 ラクス「これは……闇結界の呪法ですわ。広大な領域を闇の幕で包み込み、敵を外へ出さな 
      い呪法」
 キラ「じゃあ僕たちはこの町から出られないの?」
 ラクス「ええ、呪法を解除しない限りは」
 マリュー「私達をこの町に閉じ込めるつもりみたいね。無関係な町の人まで巻き込むなんて、 
       許せないわ」
 ムウ「ああ、絶対に許せん。必ず叩き潰してやる! ……ん? どうした、みんな。意外そうな 
     顔をして」
 キラ「いや、ムウさんはこの状況を喜ぶと思ったんです」
 ラクス「わたくしもですわ」
 マリュー「私も。ツッコミ用の巨大ハンマーも用意したのに、残念だわ」
 ムウ「お前らは俺をそんな奴だと思っていたのか。まあ仕方ないか。それからマリュー、そのハ
     ンマーは処分してくれ。たくら俺でもそんなビッグサイズなハンマーで殴られたら死ぬ」
 マリュー「大丈夫。あなたは不可能を可能にする男なんだから」
 ムウ「なあキラ、俺はこの期待に応えるべきなのかな?」
 キラ「やめておいた方がいいと思いますよ。『仲間の死』のイベントには早すぎる気がしますし」


その2.例えるなら、バカップルと熟年夫婦のやり取り

 ラクス「闇結界の呪法を解除する方法はただ一つ。この結界を作った術者を倒すしかありませ
      ん」
 ムウ「けど術者は結界の外にいるんだろ? 結界から出られない俺たちにはどうする事も…」
 ラクス「出る方法はあります。闇の魔力を光の魔力で相殺して、一時的に結界に穴を開けるの
      です。ですが、この方法で出られるのは魔力を持ち、その扱いに長けている者だけ」
 キラ「ムウさんは魔法は使えない。僕は簡単な魔法なら使えるけど、魔力の相殺なんて高等技
     術は使えない……」
 ムウ「つまり、お嬢ちゃんとマリューに頼るしかないってわけか。しかも結界を抜ける為にほと 
     んど魔力を使い切った状態の二人に」
 マリュー「確かに厳しいけど、これしか方法は無いわ」
 ラクス「わたくし達は死力を尽くすます。ですから待っていてください。必ずこの結界を解除いた
      しますわ」
 キラ「……分かった。僕は二人を信じる。ラクス、マリューさん、頑張ってください。そして、必ず
     帰ってきてください」
 ラクス「ええ、わたくし達は必ず帰ってきます。あなたの元へ」
 マリュー「あらあら、完全に二人の世界に入っているわね。ムウ、私もあなたに…」
 ムウ「術者を倒さないとずっと夜のままか。だとしたら『夜の貴公子』と言われた俺にとってはい
     い事なのかも。どう思う、マリュー?」
 マリュー「知らないわよ、バカ。それからそのダサい異名はやめて。恥ずかしいから」


その3.切り札は愛する人の魔力と…

 ラクス「くっ、な、何とか出られましたわ」
 マリュー「魔力をほとんど使っちゃたけどね……。これじゃあ強力な呪文は使えないわよ」
 ?「はっはっは。それがこちらの狙いよ!」
 マリュー「出たわね、魔王軍のモンスター」

 ゲイツマジシャンがあらわれた!

 ゲイツマジシャン「魔法の使えない魔道士など私の敵ではない。死ね!」
 ラクス「あら、そうでもありませんわよ」
 ゲイツマジシャン「何?」
 トリィ「トリィ!」
 ハロ「ハロ!」
 ゲイツマジシャン「な、何だこいつらは? 召喚獣か?」
 ラクス「いいえ、これは使い魔ですわ。キラが作ってくれた鳥と球の模型に、わたくし達が魔力 
      を注ぎ込んだものです」
 マリュー「キラ君の魔力と、魔法が使えないからムウからしぼり取った生命力も注ぎ込んである
       わ。行きなさい!」
 トリィ「トリィ!」
 ハロ「ハロ!」
 ゲイツマジシャン「な、つ、強い! バカな、メレア様の配下たるこの私が使い魔ごときに、ギャ
            アアアアア!」

 ゲイツマジシャンを倒した!

 キラ「闇の空が消えた。二人が勝ったんですよ、ムウさん!」
 ムウ「…………」
 キラ「気絶している場合じゃありませんよ、二人を迎えに行きましょう、ムウさん!」
 ムウ「………………ダメ、オレ、ギブアップ。ガクッ」
 キラ「ムウさん? ムウさーーーーーん!!」

 (でも翌日には回復しました。ファンタジーもののお約束です)



ショート29.
大当たりで〜す(ツッコミどころ満載)

 アスラン「薬草を買ったら、感謝の印として福引き券を貰った」
 ディアッカ「グゥレイト! さっそくやってみようぜ」
 アスラン「そうだな。誰がやるんだ?」
 カガリ「えっ? アスランはやらないのか?」
 アスラン「俺は微妙に運が悪いからな。運のいい奴がやってくれ」
 ディアッカ「そういう事なら俺が…」
 イザーク「いや、俺がやる。この箱の中からくじを引けばいいんだな。はっ!」
 アスラン「気合が入っているな。どうだ?」
 イザーク「…………」
 アスラン「イザーク?」
 イザーク「ぎゃあああああああっ!! 痛い、痛い、噛まれた、何かに噛まれた!」
 店員「おめでとうございます! 一等の召喚獣デュエルカーバンクルです」
 イザーク「賞品を、しかも生き物をそのまま入れるなあ! 痛い、痛い、痛い!」
 カガリ「召喚獣なら私が契約すべきなんだが、あいつはイザークが気に入ったみたいだ。面白
      いから当分あのままにしておこう」
 アスラン「カガリ、召喚獣を取られたから気に入らないのか? まあいいけど」
 イザーク「いい訳あるか! さっさと助け、ぐあわわわわわっ!!」



ショート30.
子供の頃、掃除の時間にまたがったりしませんでしたか?

 シン「あー、疲れた。歩きっぱなしで足が棒みたいになっちまった」
 ルナマリア「私も、足が太くなったみたい。女の子なのに……」
 ステラ「ステラも疲れた……。乗り物に乗りたい」
 レイ「では馬に乗るか? 料金はかなり高いが」
 シン「今、金欠だからなあ。ルナ、ステラ、お前ら魔法使いだろ? ホウキとか出して乗れない 
     のかよ?」
 ルナマリア「出せないし乗れないわよ。乗れたとしても、絶対に嫌。乗り心地悪そうだし」
 レイ「確かにそうだな。特に男は余計な物がある分、女性より乗るのが困難で苦痛を感じるだ
     ろう」
 シン「そうか? 俺は別に平気だけど」
 レイ「…………シン」
 シン「な、何だよ、その同情するような目は。俺、何か変な事を言ったか?」
 ステラ「シンはお子様……。ふふっ」

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