ファンタジー編 PHASE−04
ショート31.
魔王ガーネット誕生秘話

その1.とある森の奥にて

 アルベリッヒ「ほう、こんな森の奥までよく来たな」
 キラ「魔法使いのアルベリッヒさんですね。あなたが魔王ガーネットの父親だと聞いてやって来
     ました。魔王についての情報を教えてください」
 アルベリッヒ「あのバカ娘の事など思い出したくもないが、ここまで来た者を追い返すのも気の
         毒だ。いいだろう、話してやる。まずは私が妻と出会った運命の時から…」

 (一時間経過)

 アルベリッヒ「あの子が生まれた時、私は心から喜んだ。どんな名前をつけるか頭を悩ませ…」

 (二時間経過)

 アルベリッヒ「ついにあの子は歩いた。初めて歩いたんだよ。一歩、二歩と力強く…」

 (三時間経過)

 アルベリッヒ「そして私たち三人は手に手を取って小学校の門をくぐった。これから始まる学校
         生活に対して、あの子はちょっと不安そうな顔をしていたが…」
 ムウ「おいキラ、そろそろツッコミを入れてくれないか? このオッサン、止めないと延々と喋り
     続けるぞ」
 マリュー「キラ君もラクスももう寝てるわよ。私ももう寝るわ。お休みなさい」
 ムウ「っておい、俺一人だけ残して寝るな!」
 アルベリッヒ「ムウ君、どこへ行くのかね? 話はまだ終わっていないぞ。このアルバムを見て
          くれ。これにはあの子が生まれてから取り続けた写真が…」
 ムウ「い、いい加減にしろ、このバカ親め! 誰か助けてくれーっ!」


その2.結局、一晩中語り続けたようです(当然ムウは睡眠不足)

 アルベリッヒ「では、本題に入ろうか。君たちが知りたいのはどんな情報なのかね?」
 キラ「魔王ガーネットは元々は人間だったと聞きました。それなのに、どうして魔王になってしま
     ったのですか?」
 アルベリッヒ「その事か……。あの子は魔族の少年を愛してしまったのだよ。名前はニコル。緑
         の髪をした、魔族とは思えないくらい心の優しい少年だった」
 ラクス「その方のせいでガーネットさんは魔王になってしまったのですか?」
 アルベリッヒ「ああ。私たち三人は同居していたのだが、朝食は彼はパン派で私はご飯派だっ
         た。私はそれがどうしても我慢できなくなって彼を追い出したのだが、娘も彼に着
         いて行ってしまった。所詮、人と魔族の共存など不可能なのだ」
 キラ「結論を出すのは早いと思いますよ。特にあなた達の場合は」


その3.見事なまでに無駄足でした

 アルベリッヒ「いや、問題はそれだけではないのだ。彼は目玉焼きを食べる時、醤油をかける
         のだ。目玉焼きにかける物はマヨネーズに決まっている! 君たちもそう思うだろ
          う、ってどこへ行くのかね? おーい!」
 ムウ「俺は何のために徹夜してまで……グゥ」
 キラ「ムウさん、歩きながら寝ないでください」
 マリュー「器用な人ね」



ショート32.
準備はきちんとしましょう

 シン「今度のダンジョンはかなり長くて、敵も強いらしい。装備や道具を整えておこう」
 ルナマリア「そうね。まずはダンジョンについての情報を集めましょう。ダンジョンがどこにある 
         のか、出来ればどんな構造なのかも知りたいわね」
 レイ「物資の補給も大切だな。特に水は必需品だ。水分補給はマメに行なわないと体調を崩す
    事になる」
 ステラ「前の日には睡眠をしっかりとっておくのも大事……。ダンジョン探検は体力勝負。徹夜
      はダメ、絶対」
 シン「先客がいたら、マナーも守らないとな。押したり、ケンカしたりするのはダメだぞ」
 レイ「騒ぎ立てるのもダメだ。ダンジョンは遊び場ではないのだからな」
 ステラ「ゴミを捨てるのもダメ……。ゴミはちゃんと持ち帰る」
 ルナマリア「スタッフの指示に従って、行列は列を乱さずきちんと並びましょうね。横入りなんて
         もっての外よ」
 シン「ああ。って、ダンジョンで横入り? ルナ、何の話をしているんだ?」
 ルナマリア「シンは気にしないで。でも、聖戦に行くつもりの人は気にしてね。マナーを守って、
        楽しいイベントにしましょうね」
 レイ「ああ、ルナの言うとおりだ」
 ステラ「マナーを守れない人、ステラ、嫌い。お祭りは楽しく、でも騒ぎすぎないように……」
 シン「???」



ショート33.
魔王たちの悩み

その1.ボスキャラは大変です

 メレア「…………出番が無い」
 ダン「しょうがないだろ。お前はラスボスなんだから、城から出ちゃダメなんだよ」
 メレア「退屈だ。何か芸をしろ。ダンはどじょうすくい、ステファニーちゃんは僕にお酌を…」
 ダン「するか! そしてさせるか!」
 メレア「魔王に逆らう気? 面白い、相手をしてあげるよ!」
 ステファニー「勇者が来る前に城が潰れそうね……」


その2.固定型のコンピューター

 クルーゼ「ダブルG様は退屈にはならないんですか?」
 ダブルG「退屈も何も、私はコンピューターだからここから動けん。諦めているよ」
 リヒター「さすが魔王様。ご立派な覚悟です」
 シャロン「移動システムを付ければいいのに……」
 アズラエル「しっ。それは言わない方がいいんです。外へ出られたら私たちがサボリ旅行をして
         いることがバレますからね」
 シャロン「腐っているわね、魔王軍」


その3.いつでもどこでもイチャイチャと

 ガーネット「退屈なんてしないわよ。ニコルが一緒なんだもん」
 ニコル「ガーネットさん、僕もです。あなたと一緒にいられれば、それだけで僕は幸せです」
 アヤセ「あー、このバカップルは!」
 ギアボルト「城の中の温度が上がっている気がします。クーラーが欲しいですね」



ショート34.
船GET!

その1.港町ディオキアにて

 町長「勇者様、この町にすくっていたモンスターを倒していただき、ありがとうございました。お 
     礼といっては何ですが、船を一艘差し上げます。この町で一番の船、アークエンジェル 
     号です。どうぞ使ってください」
 キラ「ありがとうございます。うわあ、立派な船だなあ」
 ムウ「これで俺たちの行動範囲はグッと広がるぞ。いよいよ冒険も本番だな」
 マリュー「そうね。さっそく出港しましょう」
 ラクス「ええ。ところで、この船はどなたが動かすのですか?」
 キラ「……えーと、ムウさん?」
 ムウ「いや、俺、帆船なんか動かした経験無いぞ。マリュー?」
 マリュー「あー……ごめんさない。ギブアップ」
 ラクス「困りましたわね。町長様、自動操縦装置がついた船はございませんか?」
 町長「世界観を無視した要求ですな」


その2.キラ達が何とか出港した翌日

 アスラン「あの、すいません。この町に来れば船が貰えると聞いたのですが……」
 町長「ああ、キラ様と同じ勇者の方々ですね。キラ様からお話は伺っております。どうぞ」
 カガリ「これが私たちの船か。名前は……クサナギ号か」
 ディアッカ「あんまりいい名前じゃないな。最後まで生き残るけど全然目立たない船みたいな名
        前だぜ」
 イザーク「文句を言うな。ただで貰えるだ。ありがたいと思え」
 ディアッカ「そうか? ただより高いものは無いって言うぜ」
 町長「すいません、船を差し上げる代わりにお願いしたい事があるのですが……」
 ディアッカ「ほら来た」
 アスラン「何ですか? 俺たちに出来ることなら何でもしますよ。モンスター退治ですか?」
 町長「いえ、それはもうキラ様たちにやってもらいました。ですが…」

 イザーク「どうして俺たちがキラ達がモンスターとの戦いの最中に壊した建物の片付けをしなく
       ちゃならんのだ! こういうのは壊した本人にやらせるべきだろうが!」
 アスラン「キラ達はやろうとしたが、町の人たちが『私たちに構わず先に行ってください』と断っ
       たそうだ。でも思ったよりキツかったらしくて…」
 イザーク「俺たちに押し付けたわけか。自分の発言には責任を持て!」
 カガリ「ほら、みんな頑張れ。私の召喚獣にも手伝わせるから」
 ディアッカ「やれやれ、グゥレイトじゃないぜ。あー、腰が痛い」


その3.これくらいしかイベントが残ってませんでした

 シン「ふう、やっと着いた」
 ルナマリア「ステラが道草したせいで予定より遅れちゃったわ。さあ、イベントをこなして船を貰
        いましょう」
 町長「おお、勇者様ですな。お待ちしておりました。あなた方にはミネルバ号という船を用意し 
     ております。ですが、その前にやってもらいたい事が…」
 シン「ああ、やってやるよ。で、何をすればいいんだ? モンスター退治か?」
 町長「それはもうやってもらいました。特にトラブルも起こっておりません。なので…」

 シン「って、どうして勇者がドブ掃除なんかしなくちやならないんだよ!」
 レイ「文句を言うな。これも船を手に入れるためだ」
 ルナマリア「女の子にこんな事させないでよ。あー、臭い!」
 ステラ「……みんな、頑張れー……」
 ルナマリア「そこ、サボるな!」
 ステラ「くー」
 ルナマリア「寝たフリも禁止!」



ショート35.
船員募集中。報酬は…

その1.やっぱり人手は必要

 キラ「うーん、やっぱり僕たちだけじゃこの船を動かすのは無理だよ。帆を畳むだけでも一苦労
    だし」
 ムウ「四人だけが乗る船にしては大きすぎるな。かと言って、小さい船じゃ冒険は無理だぞ」
 マリュー「どこかの町に行って、乗ってくれる人を募集しましょうか?」
 ラクス「でも、わたくし達の目的は魔王退治です。わたくし達と一緒に行けば、魔王やモンスタ 
      ーから狙われます。普通の方が乗るのは危険すぎますわ」
 ムウ「報酬を弾めば…って、金に釣られるような奴はすぐに逃げ出すか。それじゃあ船を動か
     せなくなる」
 マリュー「お金もそんなに無いわよ」
 キラ「船を操縦できて、普通の人より強くて、勇気もあって、お金を出さなくても働いてくれる人、
     か。そんな都合のいい人、いるかな?」

 パイレーツグーンがあらわれた!
 パイレーツゾノがあらわれた!
 パイレーツアッシュがあらわれた!
 キャプテンヨップがあらわれた!

 キャプテンヨップ「そこの船、止まれ! 俺たちは海賊だ! 有り金全部置いて…」
 四人「あ、いた。いや、来てくれた」
 キャプテンヨップ「えっ?」


その2.仲間ではなく、ノンプレイキャラクターとして扱われます

 パイレーツたちを倒した!
 そして全員捕まえた!

 ヨップ「えっ? そういうシステムもあるんですか?」
 キラ「細かい事は気にしないで。実はカクカクシカジカ」
 ヨップ「なるほど。それで俺たちにこの船を動かせと? ふん、お断りだ。俺は魔王メレア様の
     部下だぞ。勇者なんかに手を貸せるか」
 ムウ「ほう。声の演技は変だが、言うことは立派だな」
 ラクス「ヨップさん。わたくし達に協力していただければ、とてもいい事がありますわよ」
 ヨップ「ふん。いい事って何だよ?」
 ラクス「ヤラレ役でなくなります。もしかしたらレギュラー入りも…」
 ヨップ「よろしくお願いします!」
 グーン・ゾノ・アッシュ「お願いしマース!」
 ムウ「分かりやすい奴らだ」
 マリュー「いいじゃない、扱い易くて。出番が増えれば人気も出るかもしれないし」
 ムウ「出番が増えても人気がイマイチな奴もいるけどな」

 アヤセ「クシュン! やだ、風邪かな?」



ショート36.
宝探しは漢のロマン

その1.せめてSEEDネタにしましょうよ

 イザーク「ディアッカが船を動かせるとは。どんな奴にも取得の一つはあるんだな」
 アスラン「イザーク、言い過ぎだぞ」
 カガリ「そうだ。あいつが船を動かしてくれるおかげで、私たちは宝探しに集中できるんだ。もう
      少し評価してやれ」
 ディアッカ「そうだぜ、イザーク。さあ、目標の海域に着いたぞ。イザークは潜水服を着けて潜り
        な。これは船長命令だ」
 イザーク「ちっ、調子に乗って。潜るのはいいが、本当に宝はこの辺りに沈んでいるのか?」
 ディアッカ「間違いない。この地図にも書いてある」
 イザーク「そうか。じゃあ行ってくる」
 アスラン「気を付けてな」
 イザーク「おう」
 カガリ「宝探しか。ロマンがあるな。ところで、一体どんな宝なんだ?」
 アスラン「そういえば俺も聞いてないな。情報を持ってきたのはディアッカだったな。どんな宝な
       んだ?」
 ディアッカ「いや、俺は地図を買っただけだ。結構高かったけどな。でも、宝を手に入れれば元
        は取れる。この地図によると、この海域には伝説の大海賊の秘宝が眠っているそう
        だ。サメも多いけどな」
 カガリ「伝説の大海賊? 誰なんだ、それは」
 ディアッカ「ゴールド・ロ○ャー。いや、モン○ー・D・ル○ィだったかな?」
 アスラン「イザークを引き上げろ! すぐに町に戻って、地図を売った奴を捕まえる!」
 ディアッカ「へっ、何で? あいつら、伝説の大海賊じゃないのか?」
 カガリ「アスラン、こいつの目を覚まさせてもいいか? ちょっと荒っぽくなるが」
 アスラン「頼む。つーか、やってくれ。いや、殺ってくれ」


その2.お宝ゲット!……だぜ?

 アスラン「イザーク、無事だったか!」
 イザーク「ああ。サメが襲ってきたが殴ってやった。ほら、宝箱を持ってきたぞ」
 カガリ「宝、見つかったのか!? そうか、ディアッカに悪い事をしたな……」
 イザーク「奴がどうかしたのか?」
 アスラン「急に腹痛に襲われて休んでいる。今は棺桶の中だ」
 イザーク「そうか。じゃあ箱を開けるぞ」
 アスラン「ああ」
 カガリ「開けられるのか?」
 イザーク「鍵は脆くなっている。簡単に開けられるぞ。いくぞ、そらっ!」
 カガリ「開いた!」
 アスラン「こ、これは……」

 ディアッカ「…………ん? ここは町の教会じゃないか。ああ、そうか、俺は死んで生き返らせ 
       てもらったんだな。どうして死んだのか思い出せないけど、まあいいか。お、アスラ 
       ン、カガリ、イザーク、お前らは無事…って、何だよ、その足元に積まれたエロ本の 
       山は。お前らが買ったのかよ」
 イザーク「違う。そしてこれはただのエロ本じゃない。昔の船は大変だったんだなあ、という事を
       今に伝えてくれる貴重な資料だ」
 ディアッカ「?」
 カガリ「昔の本は今のと比べて修正箇所が少ないな」
 アスラン「カガリ、読むな。そしてお前のイメージを崩すような発言は止めてくれ。頼むから」



ショート37.
嵐の中で輝いて?

その1.自分の発言には責任を持ちましょう

 シン「くっ、港を出た途端、大嵐かよ!」
 レイ「シン、早く帆を畳め! このままでは船が沈むぞ!」
 ルナマリア「キャア! な、何て風よ。立ってられないわ」
 ステラ「風の音、うるさい。ステラ、眠れない」
 ルナマリア「こんな時に眠らないで、お願いだから!」
 シン「ルナ、ステラ、嵐を鎮める魔法ってないのかよ!?」
 ルナマリア「そんな便利な魔法、あるわけないでしょ!」
 ステラ「無い。戦闘以外の魔法は移動魔法以外は微妙な効果。これ、魔法の法則。ウラ」
 レイ「ステラ、その語尾は危険だ。ある意味、嵐以上に」


その2.サクリファイス

 シン「くっそーっ! どうにかならないのかよ!」
 ルナマリア「移動魔法を使えば港には戻れるわ。でも船は…」
 レイ「船がなければ先へは進めん。海の藻屑になるか、町の永遠の住人になるか、二つに一 
     つというわけか」
 ステラ「もう一つ方法がある。嵐、鎮める」
 レイ「出来るのか?」
 ステラ「生贄を捧げて、嵐の神様をなだめる」
 ルナマリア「何バカな事を言ってるのよ。そんな迷信…って、ステラ、その目は何?」
 ステラ「生贄は女の子がいい。ステラは儀式をするから生贄にはなれない。ルナ、お願い」
 ルナマリア「ならないわよ! シン、レイ、この子を止めて!」
 シン「あ、ああ、おいステラ、止めろ…」
 ステラ「大丈夫、生贄用の衣装は用意してある。神様にアピールする為、ちょっとセクシー。バ
      ストアップ機能付き」
 シン「…………」
 ルナマリア「シン、あんたが止まってどうするのよ!」
 レイ「男の悲しいサガだな」


その3.生贄の衣装は色々な意味で『ギリギリ』です

 レイ「ドタバタやっている間に嵐は過ぎ去ったか。俺たちは神に救われたようだな」
 ステラ「うん。めでたしめでたし」
 ルナマリア「めでたくないわよ! こんな恥ずかしい服、もう着てられない! ステラ、私の服を
         返して!」
 ステラ「風で飛んでいった。ゴメン」
 シン「ステラ……グッジョブ!」
 ルナマリア「黙れ、この発情期真っ盛り男!」
 レイ「思春期だろ」
 ステラ「ステラ、眠い……」



ショート38.
魔王たちの退屈しのぎ

その1.あまりに暇なので

 ダブルG「勇者どもが船を手に入れたそうだな」
 リヒター「はい。これで連中の行動範囲は拡大し、我々の作戦も積極的に妨害してくるでしょ 
       う。今の内に潰すべきかと」
 クルーゼ「だが、今、奴等がいる海域は魔王メレアや魔王ガーネットの勢力範囲だ。我々は手
       を出せんぞ」
 アズラエル「そうですね。僕達は勇者どもと戦いたいんですけど、領域外ではどうする事も出来
         ません。本当に残念です」
 シャロン『うそ臭いわね。サボる口実にしているだけだわ』
 ダブルG「そうか。ではメレアとガーネットに連絡を取れ。奴等と手を組んで、勇者どもを潰す。
       喜べ、お前達も存分に戦わせてやろう」
 三人「………………………………ははー。ありがとーございます」
 シャロン『セリフが見事に棒読みだわ。この人達、サボりすぎて本当の怠け者になっちゃったみ
       たいね。別にいいけど』


その2.ダメ親子、世界征服する気無し?

 ステファニー「メレア様、魔王ダブルGから同盟の申し込みが…」
 メレア「もう一度言って」
 ステファニー「は、はい。魔王ダブルGから…」
 メレア「そうじゃない。『メレア様』って言って。何度も言って。僕を崇めて。そして僕のものに…」
 ダン「やめろ、この変態魔王!」
 メレア「父親を変態呼ばわりかい。無礼にも程があるよ」
 ダン「息子の恋人に手を出す親が言うな!」
 ステファニー「あ、あのー、二人とも落ち着いて…」
 ダン「今日こそ息の根を止めてやる!」
 メレア「お前には無理だよ、バカ息子。返り討ちだ!」
 ノーフェイス「またいつものパターンですか。平和ですねえ」
 ステファニー「はあ……。転職しようかなあ」


その3.息ピッタリ

 アヤセ「ガーネット様、ダブルGから同盟の申し込みが来ましたけどー」
 ギアボルト「いません」
 アヤセ「ニコル様もいませんね」
 ギアボルト「二人で旅行に行っちゃいました」
 アヤセ「…………」
 ギアボルト「…………」
 アヤセ「どうしよう?」
 ギアボルト「どうしましょうか」
 二人「はあああああああ〜〜〜〜〜……」



ショート39.
ギアボルトの冒険、始まり始まり

その1.代行、選考

 ギアボルト「魔王かこのまま不在というのはマズいので、私が探しに行って来ます。アヤセさん
         は城に残って、あのバカ女の代理をしてください」
 アヤセ「えっ、私が魔王の代理!? い、いいのかなあ」
 ギアボルト「構いません。アヤセさんなら出来ると信じています」
 アヤセ「ギア、あんた……」
 ギアボルト「今後の出番は減りますけどね」
 アヤセ「私も行くわ。あんたが嫌だと言ってもついて行く。絶対について行くから!」


その2.代行、決定

 ギアボルト「仕方がありませんね。分かりました、一緒に行きましょう。ツッコミ役がいないと不 
         便そうだし」
 アヤセ「私の事を軽く見ているのか重く見ているのか分からないコメントね。でも、魔王の代理
      はどうするの?」
 ギアボルト「ご心配なく。いい人材を連れて来ました。後は任せて行きましょう」
 アヤセ「そうね、さっさとあのバカップルを見つけ出しましょう。レッツゴー!」

 デュランダル「いや、私は人間で、しかも魔王退治を命じた王様なんだが。ふむ、だが魔王の 
          椅子は座り心地がいいな。しばらくは堪能させてもらおう」


その3.前途、多難

 アヤセ「まずはどこへ行くの?」
 ギアボルト「あの二人が立ち寄りそうな所に行きましょう」
 アヤセ「…………」
 ギアボルト「…………」
 アヤセ「18禁な場所しか思い付かないわね」
 ギアボルト「Hなのはいけないと思います」


その4.御供、選抜

 ギアボルト「城の外では何が起こるか分かりません。仲間を連れて行くべきです」
 アヤセ「でもモンスターを連れて歩くわけには行かないわよ」
 ギアボルト「大丈夫です。役に立つ人達を雇っています」
 スティング「おお、雑用係から幹部直属に昇格か。俺達にも運が向いてきたぜ!」
 アウル「うわあ、久しぶりの日の光だ……。ははっ、頑張るぞーっ!」
 アヤセ「ああ、そういえばいたわね、こんなの」
 ギアボルト「護衛としてはまったく期待していませんが、人間世界のガイドとしては役に立つでし
        ょう。それでは行きましょう」
 スティング「おお、行くぜ!」
 アウル「あははははは、ゴメンね、眩しくってさあ! あはははははは!」
 アヤセ「………このメンバーで旅をするのかあ。すっごく不安」



ショート40.
ギアボルトの冒険、色々と大変です

その1.禁断の方法

 ギアボルト「人間の世界を旅するには、お金が必要です。ですが城にある宝物はガーネットの
        物なので持ち出せません」
 アヤセ「じゃあ勇者達がやっているみたいに、モンスターを倒してその賞金を…」
 ギアボルト「モンスターは私たちの仲間ですよ。それを倒してお金を得るなんて、非常識です」
 アヤセ「じゃあ、お金を持ってる人間を襲う?」
 ギアボルト「それではただの盗賊です。アヤセ、貴方には魔王軍の幹部だという自覚は無いん
        ですか?」
 アヤセ「む。じゃあどうするのよ」
 ギアボルト「ご心配なく。その為にスティングとアウルを連れてきたのです」
 スティング「ぐー」
 アウル「がー」
 ギアボルト「食事に仕込んだ睡眠薬が効いたようですね。商人さん、この二人、どうですか?」
 奴隷商人「うーん、男は買い手が少ないからなあ。このくらいの値段なら引き取るよ」
 ギアボルト「それは足もとを見すぎです。せめてこのくらいに」
 アヤセ「ちょっと待てーーーーーーーっ!! そしてあんた達も寝るなーーーーーっ!!」
 スティング&アウル「ぐー」


その2.暇潰しでトラウマを刺激

 アヤセ「まったく……。ギアボルト、あんた、時々とんでもない珍プレーをするわね。常識知らず
      にも程があるわよ」
 ギアボルト「私のした事はそんなに常識外れだったんですか?」
 アヤセ「自覚が無いのが怖いわね。旅の仲間を売り飛ばすリーダーなんて聞いた事も無いわ
      よ」
 ギアボルト「そうですか。すいません」
 アヤセ「分かればよろしい。お金は真面目にバイトして稼ぎましょう。遠回りだけど、そっちの方
      が確実だわ。大穴狙いのギャンブルなんてしない方がいいのよ」
 ギアボルト「地味な方法ですが堅実ですね。人気も実力も地味なアヤセさんらしいです」
 アヤセ「ケンカ売ってるの?」
 ギアボルト「…………22位」
 アヤセ「うがあーーーーーーーーっ!!」


その3.知らぬは…

 スティング「ふわあああああ……。あー、よく寝た。ん? ギアボルトとアヤセはどこへ行ったん
        だ?」
 アウル「追いかけっこをやってるみたいだね。まったく、早く魔王を探さなくちゃいけないのに、
      呑気なもんだよ」
 スティング「ふっ、魔王軍の幹部と言っても、中身はまだまだガキだな。特にギアボルトは見か
        けからしてガキだ。俺達がしっかりしないと」
 アウル「そうだな」



ショート41.
ギアボルトの冒険、戦闘はこんな感じです

 山賊の手下「親分、獲物が来ましたぜ」
 山賊の親分「ほう、小娘二人と若いのが二人か。女は二人ともなかなかの上玉だ。高く売れそ
          うだな。よし、捕まえるぞ!」
 山賊たち「おーっ!」
 山賊の親分「という訳で、待ちな、ガキども。ここから先は通行止めだ。大人しく…」

 山賊たちが現れた!

 山賊の親分「えっ? 何、この音楽と雰囲気」
 ギアボルト「なるほど。私達にとっての敵キャラはこういう連中ですか」
 アヤセ「自分が悪の大ボスになって、敵の勇者たちを倒す、か。そういえば昔、そんなゲーム 
      があったわね」
 スティング「『ウィザードリィ4』とかだな。アヤセ、よく知ってるな」
 アウル「スティングもな。さーて、久々に暴れるぞーっ!」
 山賊の親分「はっ、ガキどもが粋がりやがって。お前ら、やっちまえ!」
 山賊たち「おおっ!」

 アヤセの攻撃!
 スティングの攻撃!
 アウルの攻撃!
 山賊たちをあっさり倒した!

 山賊の親分「つ、強すぎる……。ガフッ」
 ギアボルト「当然です。こう見えても魔王軍の幹部ですから」
 アヤセ「いや、あんたは何もしてないでしょ」
 ギアボルト「敵が弱すぎて戦う気になれませんので、本を読んでました。あとお菓子もいただき
         ました。甘いお菓子は最高ですね」
 アヤセ「戦闘中に何やってるのよ! あんたはどこぞの遊び人か!」
 スティング「アヤセ、そのネタもちょっと古いと思うぞ」
 アウル「それにすぐに反応するスティングもな」



ショート42.
とある島にて

 ラクス「うーん、いい島ですわ」
 マリュー「明るい太陽、優しい風、そして透き通った海……。最高のリゾートね」
 キラ「たまにはこうやって休むのもいいですね」
 ラクス「そうですわね。キラ、一緒に泳ぎませんか?」
 キラ「うん。行こう、ラクス」
 マリュー「ふふっ、いいわねえ、若い人は。私はのんびりしましょう」

 ムウ「…………キラは楽しんでいるのに、何で俺は船の番なんだよ」
 ヨップ「普段の行いが悪いからじゃないですか?」
 ムウ「この日の為に、俺は自腹でマリューとラクスの水着を買ってきたんだぞ! 目測だがサ 
     イズもばっちりだし」
 ヨップ「だからダメだったんですよ。特にラクスさんは」
 ムウ「そうなのか? ううむ、女心は難しいな」



ショート43.
武術大会、開幕!

その1.ネーミングもちょっと変だし

 アスラン「港町ディオキアか。随分と賑やかなだな。お祭りでもやっているのか?」
 イザーク「町の中心にある闘技場で武術大会が開かれるそうだ。国中から猛者が集まってい 
       るらしい」
 ディアッカ「グゥレイト。俺達も出てみないか? 腕試しにちょうどいいぜ。優勝した奴には商品
        が出るそうだし」
 アスラン「そうか。じゃあ出てみるか」
 カガリ「魔法使いや召喚士は参加できないのか。残念だ。私は観客席で応援しよう」
 アスラン「ありがとう、カガリ。ところで優勝商品は何だ?」
 イザーク「強力な鎧だ。名前は『アサルトシュラウドアーマー』。ほう、名前からして強力そうな鎧
       だな」
 アスラン「……」
 カガリ「……」
 ディアッカ「……」
 イザーク「何だ貴様ら、その微妙な表情は」


その2.アスランパーティーとシンパーティーの強さはほぼ同等

 アスラン「ん? あれはシン達じゃないか。おーい!」
 シン「げ。あんた達も来てたのかよ」
 イザーク「げ、とは何だ。失礼な奴だ」
 ルナマリア「だって、アスランさん達が大会に出たら私達の優勝する確率が減っちゃうし」
 ディアッカ「何だ、そっちも大会に出るのかよ」
 ステラ「シンとレイが出る……。ステラとルナはお休み……。ふわ……」
 ルナマリア「いや、寝てないで応援しましょうよ」
 レイ「そういう訳です。対戦するかもしれませんが、その時はお手柔らかに」
 アスラン「ああ、こちらこそ。……もしかして、キラ達も来ているのか?」
 レイ「港に彼らの船はありません。どうやらこの町には来ていないようですね」
 シン「来なくていいよ。あいつら、今一番レベルが高いから」
 カガリ「そうだな。でも、だったらあいつら、今、何をやっているんだろう?」

 ラクス「キラ、ボールがそっちへ行きましたわ〜」
 キラ「うん、それ!」
 ラクス「きゃあ! もう、キラったら、そんなに強く返さないでください」
 キラ「ごめん、ごめん。はははっ」
 ラクス「うふふふ」
 マリュー「青春してるわね。…………あら? 今、どこかで『何バカンス楽しんでるんだよ、こっ
       ちは頑張っているのに!』って妬みの感情が爆発したような気がしたけど、気のせい
       かしら? うん、気のせいね。あー、ジュースが美味しい」


その3.こいつらも来ちゃいました

 ガーネット「へえ、武術大会なんてやるのね。面白そう。ニコル、私達も出るわよ」
 ニコル「出るのは構いませんけど、ガーネットさんが出たらあっさり優勝してしまいますね。大会
      が盛り上がらないんじゃ……」
 ガーネット「大丈夫。特殊な魔法をかけているから、今の私は魔力は使えない。普通の人間み
        たいに力と技でしか戦えないわ」
 ニコル「それなら大丈夫ですね。僕にもその魔法をかけてください。一緒に頑張りましょうね」
 ガーネット「ええ。決勝で会いましょう」

 ギアボルト「武術大会ですか。あの女が好きそうなイベントですね。私達も参加しますよ」
 スティング「OK。仲間同士で当たっても、手加減無しな」
 アウル「望むところだ。俺の強さを見せてやるぜ!」
 アヤセ「手加減無し……。ギアボルトと対戦したら合法的に殺れる……。ふふ、ふふふふふ」
 ギアボルト「不気味な笑みを浮かべる前に、自分の実力と相談してください。返り討ちにします
        よ。あっさりと」

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