SEED学園編 PHASE−24
ショート312.
交換留学生がやって来た
(健さんのリクエスト)

その1.どうもすいません(by作者)

 デュランダル「教師諸君、明日、我が校と友好条約を結んでいるスターゲイザー学園とデルタ 
          学園から交換留学生が来る事になった。迎える準備をしてくれ」
 タリア「そんな話、聞いていませんよ。いつ決まったんですか?」
 デュランダル「昨日の夜だ。両校の校長と飲み屋でばったり会って、その席で」
 タリア「…………まあ、悪い事ではないようですから反対はしません。ですが、明日というのは
     急すぎます。こちらからも学生を留学させるんですから、その人選も…」
 デュランダル「こちらからの留学生なら私が選んでおいた。最近、全然出番の無い連中をリスト
          アップしておいた。これなら物語の運行に何の支障も無い」
 タリア「校長にしてはマトモなやり方ですね」
 マリュー「やり方は確かに。でも、こちらからの留学生、学園のほとんどの生徒がリストアップさ
       れているんですけど」
 デュランダル「文句は作者に言いたまえ。あの男はキャラクターを生かす技術に欠けている」
 バルトフェルド「うーん、否定できないのが辛いねえ」
 ムウ「それくらいにしておけ。俺たちまで干されるぞ」


その2.原作では彼女は28歳

 ラクス「…という事があったそうですわ」
 アスラン「学園の生徒の半数がいなくなっているのはそのせいか。無茶苦茶だな」
 オルガ「そうか? 静かでいいじゃねえか」
 ニコル「ええ。雑音が少ないからピアノの練習には最適な環境ですね」
 ミリアリア「お気楽ねえ。ところで、どうしてあんたが残っているのよ? サイやトール、クロトや
       シャニでさえ留学メンバーに入れられたのに」
 ディアッカ「おいおい、ミリィ、そりゃないぜ。俺は立派なレギュラーじゃないか」
 フレイ「オチ担当の間違いでしょ」
 イザーク「一番騒がしい奴を残すとは。校長も抜けたところがあるな」
 カガリ「いや、交換留学ってそういうものじゃないだろ」
 キラ「みんな、話はそれくらいにして。先生が来たよ」

 バルトフェルド「…という訳で、スターゲイザー学園とデルタ学園から留学生を迎え入れる事に
          なった。三年生はこの5人が来てくれた」
 ナーエ「デルタ学園から来たナーエ・ハーシェルです。皆さん、仲良くしてくださいね?」
 スウェン「スウェン・カル・バヤン。スターゲイザー学園高等部から来た。三年だ」
 ミューディー「ミューディー・ホルクロフト。スウェンのクラスメイトよ。よろしくね」
 シャムス「シャムス・コーザだ。SEED学園の噂は聞いているぜ。色々とな。ま、よろしく頼む」
 ?「…………」
 バルトフェルド「どうした? 最後の君、自己紹介をしたまえ」
 セレーネ「……セ、セレーネ・マクグリフ、です。スターゲイザー学園の高等部の三年生………
       …くっ!」
 ニコル「あ、逃げちゃいましたね」
 イザーク「無理がありすぎると自分でも分かったんだろう。確かに無茶すぎる設定だからな。作
       者も酷な事をする」
 オルガ「面白くなりそうだけどな」


その3.SEED学園ではこんなのは日常茶飯事ですよ

 ナタル「二年生のクラスにはこの2人が来てくれた。みんな、仲良くするように。では自己紹介 
     をしてくれ」
 アグニス「アグニス・ブラーエだ。デルタ学園では生徒会の副会長をしていた。デルタ学園のた
       め、この学園の良いところを学んで帰りたい。よろしく頼む」
 ディアゴ「ディアゴ・ローウェルだ。セトナ会長と一緒のクラスになりたかったんだけどなあ…」
 アグニス「姉上と貴様は年齢が違うだろうが。ルールを無視するな」
 ダン「シスコンっぽい弟と、姉の彼氏が一緒か。人間関係が複雑な事になりそうだな」
 ミナ「ディアゴ君、彼氏なのかな? ちょっと違う気がするけど」
 ゼノン「ミナの言うとおりだ。私の調査ではあのディアゴという男が一方的に付きまとっているだ
     けらしい。ダン、貴様はまだまだ人を見る目が無いな」
 ダン「そうらしいな。で、どうして大学部のお前がここにいるんだ?」
 ゼノン「退屈なのでミナの顔を見に来た。バカ親父も来ているぞ。今頃は職員室でステファニ 
      ー・ケリオンに…」
 ダン「あの色惚けがああああああああっ!!」
 ナタル「どこへ行く、ダン・ツルギ! 授業はまだ終わっていないぞ!」
 ダン「授業は後で受けます! でも、その前にあの男をブッ殺してきます!」
 アグニス「む、これがSEED学園名物『バカップルの色惚けによる授業放棄』か。早速この目で
       見れるとは、俺は運がいい」
 レヴァスト「ただの痴話ゲンカよ。でも。名物と言えばそうかもね。退屈はしないし」


その4.ツッコミは程々に

 セトナ「デルタ学園から来たセトナ・ウィンターズです。デルタ学園では生徒会長をやっていま 
      す。SEED学園一年生の皆さん、短い間ですが、よろしくお願いしまーす!」
 タリア「セトナさんは見た目は幼いですが、皆さんよりも年上です。ですが諸事情により、皆さん
      と同じ一年生として勉強しています。仲良くしてあげてください」
 アウル「はーい。でも先生、諸事情って何ですか? すっごく気になるんですけど」
 セトナ「実は……ちょっと妙な薬を飲んじゃって。飲んだら見た目は子供だけど頭脳は大人の 
     ままで、行く先々で殺人事件が起きるって薬を…」
 全員「それはその薬の効果じゃない!」
 セトナ「えっ、そうなんですか? じゃあどうしてあの子の周りではあんなに事件が起きるんです
      か?」
 タリア「セトナさん、世の中には知らない方がいい事もあるの。だからお願い、ね?」
 ステラ「あの作品にツッコんじゃダメ……。みんな、不幸になる」
 セトナ「は、はい、気を付けます。…………どうしてもダメですか?」
 全員「ダメ、絶対」
 セトナ「うう、厳しいです」



ショート313.
交換留学生、授業を受ける

その1.まったく困ったものです

 ミューディー「教科書は私たちの学園のと同じなのね。でも、授業はこっちの学園の方が分かり
         やすいわ。どうしてかしら?」
 シャムス「うちの学園の教師が教えるのが下手なんだろ。いい教師ってのは、いい生徒より少
       ないらしいぜ」
 ナーエ「生徒の皆さんも授業中には騒ぎませんしね。静かな雰囲気はいいのですが、少し息 
      が詰まりませんか?」
 スウェン「問題無い。そもそも授業とはそうあるべきものだ」
 ナーエ「いえ、静か過ぎてネタにならないというのは問題では?」
 スウェン「それも問題無い。困るのは作者だけだ」
 ナーエ「それもそうですね」
 ミューディー&シャムス「おいおい」


その2.交換留学の真相

 ディアゴ「二年生の授業も同じようなものだぜ。みーんな真面目にやってるよ」
 アグニス「困ったな。こんな調査結果では、上は納得しないぞ」
 ナーエ「数多くの問題を起こしながら、全国トップクラスの学力を誇るSEED学園……。その秘
      密が『授業は真面目に受けている』というのは単純すぎますよね?」
 スウェン「まだ時間はある。もう少し詳しく調査しよう」
 セトナ「うーん、私はそういうの苦手なんですけどねえ。セレーネさんなら得意そうですけど」
 ミューディー「あれ? そういえばセレーネは?」
 スウェン「まだ落ち込んでいる。授業にも顔を出していない」
 シャムス「無理も無いよなあ。もう28なのに学生服を着せられて、どこのコスプレイヤーだよ」
 ナーエ「あれはかなり無茶ですよ。誰が彼女にあんな格好をさせたんですか?」
 スウェン「うちの学園長だ。名前はエドモンド・デュクロ。ここの学園長(デュランダル)とは飲み
       友達らしい」
 ナーエ「学園長さん直々の命令ですか。どうしてそんな命令を?」
 スウェン「俺も疑問に思ったので尋ねた。返答は『セレーネのような美人が学生服を着たら可 
       愛いと思わないか?』だった。俺は頷いた。間違った答えだっただろうか?」
 ナーエ「…………スターゲイザー学園も、かなり変わった学園のようですね?」
 ディアゴ「類は友を呼ぶ、というやつか」
 セトナ「デルタ学園も似たようなものですけどねー」
 アグニス「姉上、確かにそのとおりですけど、もう少しフォローしてください」



ショート314.
交換留学生、部活動を見学する

その1.どうでしょうかねえ(by作者)

 アグニス「SEED学園の運動部はいずれも全国レベルだ。特にサッカー部は全国優勝を何度
       もしている名門中の名門だ。デルタ学園のサッカー部主将としては、ぜひその強さの
       秘密を知りたいと思ってやって来たが、普通の練習だな。特に何かしているようには
       見えん」
 ナーエ「そうでもありませんよ? ほら、あそこの二人」

 シン「キラキャプテン、あんたは俺に倒されるんだ、今日、ここで!」
 キラ「壮行試合の前にケガはしたくないんだけど、手加減できる相手じゃないね。分かった、僕
     も本気で行くよ……!」

 ナーエ「あの二人、目の色が変わった途端にスピードが増しましたよ。あれが彼らの強さの秘
      密では?」
 アグニス「む、スピードだけなのか? オーラを出したり、物理法則を無視した動きのミラクルシ
       ュートを打ったりはしないのか?」
 ナーエ「それはさすがに……しないと思いますよ? しませんよね?」


その2.レース部にはヨウランもいますが、現在は交換留学中です

 セレーネ「レース部の部室はどこかしら? 学校の裏山にあるって聞いたんだけど……。この
       大きな洞窟の中かしら?」
 ミナ「あ、セレーネさん、こんにちわ。レース部の見学ですか?」
 セレーネ「ええ。自分たちでマシンを作っているの? 凄いわね」
 ミナ「市販のパーツの寄せ集めですけどね。セレーネさんはメカに詳しいんですか?」
 セレーネ「ええ。自慢じゃないけど、スターゲイザー学園では私以上の人はいないわね」
 ミナ「うわあ、凄いんですねえ。じゃあ私たちのマシンを見てくれませんか? もうすぐレースだ
     から色々な人の意見を聞きたいんです」
 セレーネ「ええ、分かったわ。それで、マシンはどこにあるの?」
 ミナ「えっ? 目の前にありますよ。ほら、見上げてください」
 セレーネ「…………何、このとんでもなく大きなトラックは? タイヤの直径が私の身長の倍くら
       いあるんだけど」
 ミナ「積載量400トン、世界最大のダンプトラックです」
 セレーネ「こんなバケモノ、誰が運転するの?」
 ミナ「私の恋人です。凄いんですよ、あの人、何でもできるんです」

 エド「ゼノン様、そんな真剣な顔をして何の本を読んでいるんですか? ……『初心者向けのト
     ラック運転入門』? 何だか大変そうですねえ。頑張ってください」


その3.郷土資料研究会の部室にて

 スウェン「…………」
 イザーク「…………」
 フレイ「…………」
 レイ「…………」
 イザーク『…………もう一時間近くも黙ったままだぞ。こいつは何をしに来たんだ?』
 フレイ「もう帰りたいんだけど、下手に動いたら殺されそうな雰囲気だわ。何なのよ、この人」
 レイ『隙がまったく無い。この男、かなり出来るな』
 スウェン「…………聞きたい事がある」
 イザーク「!」
 フレイ「!」
 レイ「!」
 スウェン「天文部の部室はどこだ?」
 三人「道を聞きに来ただけか! それならさっさと言え! そして、うちの学校には天文部は無
     い! 帰れ!」
 スウェン『息がピッタリ合っている。SEED学園のツッコミのレベルは噂以上だな。そして、ちょ
       っと悲しい』



ショート315.
交換留学生、バカップルについて調査する

その1.SEED学園最強の理由?

 スウェン「事前情報によると、SEED学園には『バカップル』という存在がいるらしい。この学園
       の躍進は彼らの力によるものだという説もある」
 アグニス「ほう。そいつ等は何者なのだ?」
 スウェン「詳しくは分からないが、男女のペアで行動するチームだと聞いている」
 ディアゴ「一人よりも二人、か。ただのタッグじゃないのか?」
 スウェン「分からん。やはり詳しく調査する必要があるな」

 ナーエ「あのー、そろそろツッコミを入れるべきだと思うんですが?」
 セトナ「いいえ、面白そうだから放っておきましょう」
 ミューディー「そうね」
 シャムス「ああ。楽しい祭りが始まりそうだぜ」
 ナーエ「藪から棒が出てきそうな気がするんですけどねえ。いや、もしかしたら猛獣かも?」


その2.どうやって調査したのかは謎ですが、情報は正確です

 スウェン「観察対象とするバカップルだが、どうせなら最強のバカップルにすべきだと思う。だ 
       が調査した結果、生徒の意見は分かれている」
 アグニス「どんな結果が出たんだ?」
 スウェン「キラ・ヤマトとラクス・クライン、ガーネット・バーネットとニコル・アマルフィ、アスラン・ 
       ザラとカガリ・ユラ・アスハが『三強』と呼ばれ、別格扱いされている。だが最近はゼノ
       ン・マグナルドとミナ・ハルヒノの評価も上昇している」
 ディアゴ「ガーネットとゼノンって人は、確か大学部の人だろ? 卒業しても影響を与えている 
       のか。凄いな」
 アグニス「ああ、要注意人物だな。バカップルはその四組だけなのか?」
 スウェン「いや、他にもイザーク・ジュールとフレイ・アルスター、ダン・ツルギとステファニー・ケ
       リオン等の名も挙げられている」
 ディアゴ「ステファニー・ケリオンって二年の教師だったよな。教師と生徒がコンビを組んでいる
       のか。手強そうだな」
 スウェン「それから、彼等とは別に『本物のバカップル』もいるらしい」
 アグニス「本物?」
 スウェン「ディアッカ・エルスマンとミリアリア・ハウ、ギルバート・デュランダル学園長とタリア・グ
       ラディス教頭は『本物のバカップル』だそうだ。意味は不明だが」
 アグニス「そうか。その二組は要注意だな」

 ディアッカ「へっくしょん! うー、風邪かな? いや、きっと可愛い女の子がグレイトビューティ 
        フルな俺の事を噂して…」
 ミリアリア「黙れバカ」


その3.バカップルになれそうでなれない女たち

 ルナマリア「どうして私とシンの名前が挙がっていないのよ…って、理由は分かるけどね。うー
         ん、そろそろ本気で勝負しようかな?」
 メイリン「わ、私は……どうしようかな? 勝ち目、ちょっと無さそうだし、でも諦めきれないし」
 ギアボルト「何ですか、アヤセさん。私の顔に何か付いていますか?」
 アヤセ「ううん、別に。私も他人の事は言えないか。ふう」



ショート316.
交換留学生、とあるイベントに参加する

その1.愛情の形は様々です

 ナーエ「レース部を手伝う?」
 セレーネ「ええ。今度の日曜日にレース部がレースに参加するんだけど、人手不足で困ってい
       るの。私も手伝うけど、それでも足りなくて……。みんな、手伝ってくれない?」
 アグニス「俺は構わん。どうせ暇だしな」
 スウェン「同じく」
 セトナ「面白そうですね。私も参加しまーす」
 ディアゴ「セトナ様だけを行かせる訳には! 俺も行きます!」
 シャムス「んじゃ俺も」
 ミューディー「私も良いわよ。でも、珍しいわね。セレーネって人の手伝いをするタイプじゃない
         のに」
 シャムス「そういやそうだな。レース部にいい男でもいたのかよ?」
 セレーネ「男の子なんていないわよ。女の子が一人いるだけ。でも……この子がとっても一生
       懸命にやってて、助けてあげたくなっちゃったのよ」
 ナーエ「えっ、女の子を助けてあげたいって、セレーネさんはそういう趣味だったんですか?」
 アグニス「ナーエ、差別するような言い方はよせ。愛の形は人それぞれだ」
 セレーネ「妹みたいに思っただけなのに、どうしてそういう見方をするのかしら?」
 セトナ「思春期のオトコノコですから」


その2.レース当日のハプニング

 アグニス「…………どこだ、ここは?」
 スウェン「南太平洋にあるクライン家所有の小島だ。今回のレースはここで行なう。最も早く島
       を一周したチームの勝利だ」
 アグニス「何だ、この山のように大きなトラックの群れは?」
 スウェン「レースの参加車だ。今回のレースはこのモンスタートラック達を使って行なわれる。 
       危険すぎる為、通常のレース場ではレースは不可能と判断され、この無人島で行な
       われる事になったそうだ」
 アグニス「高校生の参加できるレベルのレースじゃないと思うんだが」
 スウェン「参加資格に年齢制限は無い。大型自動四輪の免許は必要だが」
 アグニス「SEED学園のレース部は、どうしてこんな危険で常識外れのレースに参加する気に
       なったんだ?」
 スウェン「過酷で過激で危険なレースを制すれば部の名前が上がる。高校生でも参加できるレ
       ースで最も過酷で過激で危険なレースがこのモンスタートラックレースだったそうだ。
       質問はもういいか?」
 アグニス「まだだ。で、どうして俺達がそのモンスタートラックに乗っているんだ?」
 スウェン「予定されていたドライバーが急な腹痛を起こして入院した。俺とお前はたまたま大型
       自動四輪の免許を持っていたので代役に選ばれた。本当は大型四輪の免許は二 
       十歳以上でないと取得できないのだが、ギャグSSという事で見逃してくれ」
 アグニス「分かった。ところで正規ドライバーの腹痛の原因は何だ?」
 スウェン「恋人が優勝の前祝いとして作った食事を食べ過ぎたらしい。ゼノン・マグナルド、愚 
       かな男だ」
 アグニス「なるほど。さすがは要注意レベルのバカップルだな」


その3.あふれる冒険魂

 セレーネ「はい、文句はそこまで。そろそろスタートの時間よ、二人とも準備はいい?」
 スウェン「問題無い。ナビは任せろ」
 ミナ「すいません、アグニスさん。私のせいで……」
 アグニス「いや、構わん。レースというものを一度は体験してみたかったしな」
 セトナ「アグニス、しっかりね。お姉ちゃんも応援するわ」
 アグニス「ありがとうございます。姉上、勝利の栄光を貴方に捧げます」
 シャムス「アグニス、そのセリフは別の世界じゃ裏切りの前振りだぜ」
 アグニス「む、そうなのか。そんなつもりは無いのだが」
 スウェン「ミナ・ハルヒノ。このトラックについての説明書を読んだのだが、意味不明な箇所があ
       る。この『フォーミュラー、ジャイロ、ドーザー、マリンとの合体機能』というのはいつ使
       えばいいんだ?」
 シャムス「おい」
 ミナ「すいません、それはまだ未完成なんです。完成していればこのレースも楽に勝てたんです
    けど……」
 シャムス「この女、マジで作る気だったのかよ」
 ミューディー「このSS、ガンダムSEEDが元ネタなんでしょ? 他の番組までネタにしてもいい
         の?」
 ナーエ「そういう事を気にしたら負けです。あ、今回の元ネタについてはこちらをご覧ください」



ショート317.
交換留学生、スーパートラックレースを戦う

その1.by有楽町アニメタ○ン?

 ヨップ「さあ、ついに始まりました。第一回クライン杯争奪、スーパートラックレース。実況は私、
     ニッ○ン放送の名アナウンサー、ヨップ・フォン・アラファス、ゲストはこの島の所有者で
     あり人気ナンバー1アイドル、歌姫ラクス・クラインさんです」
 ラクス「よろしくお願いいたしますわ。わたくし達の声による放送はどこかで聞いたような組み合
      わせですが、気にしないでください」
 ヨップ「ええ、どうせ文字ですからね。さて、超重量のモンスタートラックたちが爆走するこのレ 
     ース、世界各国から有名自動車メーカーも参加しており、第一回とは思えない盛り上が
     りを見せています」
 ラクス「お父様がこういうイベントが大好きなんです。お金とコネを使いまくったそうですわ」
 ヨップ「黒い話、どうもありがとうございます。さて、何が起こるか分からないこのレースですが、
     それでもやはり優勝候補はスゴウ、アオイなど有名レースに出場しているメーカーでしょ
      うか? アスハ家の関連企業であるモルゲンレーテも侮れませんが…」
 ラクス「いいえ、優勝候補ナンバー1はSEED学園のレース部ですわ」
 ヨップ「えっ、学生チームが優勝候補ですか? 失礼ですが、それは無いかと…」
 ラクス「ヨップさんはSEED学園の方たちの凄さを知らないのですね。彼らは異世界からの侵 
     略者も追い返したほどの人達です。必ず奇跡を起こしますわ」
 ヨップ「異世界からの侵略者って、ラクスさんもジョークがお上手ですね。ははははは」
 ラクス「うふふ。事実は小説より奇なり、そして、百聞は一見にしかず。楽しみですわ」
 ヨップ「はははははは」
 ラクス「うふふふふふ」


その2.レーススタート!

 アグニス「ぐっ! 何て悪路だ!」
 スウェン「問題無い。この超重量トラックなら、大抵の悪路は簡単に走破できる」
 アグニス「確かにそうだが、転倒したら俺達の命は終わる。慎重かつ大胆に走るべきだ」
 スウェン「賛成だ。序盤はあまり飛ばさないようにしよう」

 セレーネ「スウェン達は中盤グループの中にいるわね。飛び出す機会を窺っているみたい」
 ミナ「正解ですね。レースはまだ始まったばかりです。序盤から焦る必要はありません」
 ナーエ「乗っている車が怪物レベルですからね。道も悪いし、慎重に行くべきだと?」
 ミューディー「まどろっこしいわねえ。みんな追い抜いてやればいいのに」
 ディアゴ「だよなあ。もっとガーッ!と行って、バーンッ!ってやるのかと思ってたのに」
 シャムス「レーサーがみんなお前らみたいな奴らだったら、この島は大変な事になっていたな」
 セトナ「でも、どう転んでも大変な事になりそうですけどね。そんな予感がします。だって…」

 アグニス「…………」
 スウェン「アグニス、どうした?」
 アグニス「ダメだ」
 スウェン「ん?」
 アグニス「こんな後方にいるなど我慢ならん! 前に出るぞ!」
 スウェン「ま、待て、アグニス、作戦を……」
 アグニス「アクセル全開! 全車を抜き去る! うおおおおおっ!」

 セトナ「あの子って物分りは良いけど、実は意外と短気だから」
 ナーエ「そうでしたね。スウェンとは最高に見えて最悪な組み合わせだったかも?」


その3.いつの間に撮ったとか、どんな内容なのかは秘密です

 アグニス「よし、トップグループに入ったぞ! このまま一気に…」
 スウェン「トップの連中は百戦錬磨のドライバーだ。そう簡単には抜かせてはくれんぞ」
 アグニス「ならば、強引にでも!」
 スウェン「落ち着け。そんな事では最後まで持たんぞ。今は機を待て」
 アグニス「いや、待てん! ここは強引に抜く!」
 スウェン「……仕方が無いな。おいアグニス、こっちを向け」
 アグニス「何だ? !!!! そ、それは……」

 ミナ「あ、アグニスさん達の車がスピードを落としましたよ。アグニスさん、落ち着いたみたいで
    すね」
 セトナ「ええ。どうやらスウェンさんが私が差し上げた秘密兵器を使ったみたいですね」
 セレーネ「秘密兵器?」
 セトナ「アグニスの子供の頃の写真をまとめたアルバムです。あの子、小さい頃は…ふふっ」
 セレーネ「敵は身内にあり、か」
 ナーエ「僕のコレクションからも提供させてもらいました。これも一つの友情の形ですよね?」
 シャムス「微妙だな」


その4.今更ですね

 ヨップ「さあ、レースはいよいよクライマックス! トップはスゴウ、アオイ、そして……おお、SE
     ED学園レース部もいます! 三車、凄まじいデットヒート! 巨大トラックが互いをぶつ
     け合い、壮絶な戦いを繰り広げています!」
 ミナ「頑張れーっ! あと少しでゴールですよーっ!」
 セレーネ「スウェン、アグニス、もう少しよ! もっとスピードを出して!」
 スウェン「くっ、もう限界だ……。ここまでか」
 アグニス「諦めるな! 自分の力を、そして、仲間達が力を合わせて作ったこの車の力を信じ
       ろ!」

 ヨップ「おお、SEED学園レース部、強烈なラストスパート! スゴウとアオイを抜き、ついにトッ
     プに! そしてそのまま……ゴール! 優勝はSEED学園レース部です!」
 ミナ「やった! やりました! 皆さんのおかげです、ありがとうございます!」
 セレーネ「ううん、私たちこそ楽しませてもらったわ」
 セトナ「いい思い出ができました。ミナさん、楽しいイベントに呼んでいただき、ありがとうござい
      ます」
 ナーエ「アグニスとスウェンも頑張りました。元の学園に帰っても自慢できますね?」
 ディアゴ「ちぇっ、二人ともカッコいいなあ。俺も参加すれば良かった」
 シャムス「そうだな。来年は俺と組んで参加しないか?」
 ディアゴ「お、いいなあ。よし、今から早速特訓だ!」
 ミューディー「…………盛り上がっているところ悪いけどさあ。スターゲイザー学園にもデルタ学
         園にもレース部って無いわよ」
 シャムス&ディアゴ「えーっ!?」
 ミューディー「普通、高校の部活にそんな部って無いでしょ」
 ミナ「うちの学園が常識外れなんですね。すいません」


その5.後始末

 ヨップ「レースは大成功でしたが、島はメチャクチャになりましたね。まああんなバカデカい車が
      たくさん走れば、こうなるのが当然ですが」
 ラクス「だから離れ小島をレース会場にしたのですわ。ご心配なく、この島は人工島です。木や
      草花は全て作り物ですし、島もボタン一つで消滅しますわ」
 ヨップ「無駄に金をかけてますね」
 ラクス「お父様の税金対策の一環ですわ」
 ハロ「ハロ! シーゲル、アタマイイ! ハロ!」



ショート318.
交換留学生、帰る

その1.さらばSEED学園

 セレーネ「短い間でしたが、お世話になりました。この学園で学んだ事を私達の学園でも生か 
       したいと思っています」
 ラクス「ええ。皆様のこれからの活躍をお祈りしていますわ」
 スウェン「世話になった」
 アグニス「いい勉強になった」
 キラ「こちらこそ、楽しかったよ」
 アスラン「元気でな」
 ダン「また遊びに来いよ」
 ニコル「いつでも歓迎します」
 セトナ「レース、とても楽しかったです」
 ミナ「私もです。優勝できたのは皆さんのおかげです。ありがとうございました」
 デュランダル「留学生諸君、この本は私からのプレゼントだ。持っていきたまえ。これからの君
          達の学生生活にきっと役に立つはずだ」
 セレーネ「ありがとうございます」
 シャムス「くれるから貰ったけど、何だ、この本は?」
 ミューディー「えーと、『気になるあの子とカップルになる百の方法』、『未成年者の為の性生活
         講義』、『男と女のラブ&ボディ』……」
 ナーエ「教師が推薦するような本ではない気がするんですが?」
 アグニス「む……。い、いや、ここは我慢しなくては!」
 スウェン「…………」
 セレーネ「スウェン、そんな本を丁寧にしまわないで」
 デュランダル「ふむ。彼らには喜んでもらえたようだな。性に興味がある年頃だからこそ、正し
          い性の知識は大切だ。しっかり学びたまえ」
 タリア「そのとおりだと思いますけど、やっぱり間違っています。常識的な意味で」


その2.ただいまスターゲイザー学園

 エドモンド(教師)「よお、戻ったか、セレーネ」
 ソル(エドの甥で学生)「お帰りなさい、セレーネ、スウェン、ミューディー、シャムス。SEED学園
                はどうだった?」
 スウェン「…………凄かった」
 ソル「えっ?」
 ミューディー「ホント、凄かったわね」
 シャムス「ああ。モロだったな」
 セレーネ「あの本は貴方達には早すぎます。だから没収。記憶からも消去しなさい」
 スウェン「それは無理だ」
 セレーネ「堂々と言わないで。ああ、あの校長も余計な本を…」
 エドモンド「おい、セレーネ、本って何だ? 俺にも見せてくれ…」
 セレーネ「ダメ!」
 エドモンド「ごふっ!」
 ソル「うわっ、凄いキック。セレーネ、随分と逞しくなったな。これがSEED学園効果?」


その3.ただいまデルタ学園

 アグニス「久しぶりのデルタ学園だな」
 ナーエ「ええ。懐かしいですか?」
 アグニス「二週間ぶりだからな。SEED学園と比べて平和だな」
 ナーエ「あの学園が異常なんですよ。……そうですよね、セトナ様?」
 セトナ「自信が無いんですか? 貴方も大分あの学園の影響を受けているようですね」
 ナーエ「はははは……」
 ディアゴ「笑ってごまかしたな」
 アグニス「気持ちは分かる。SEED学園、あそこは戦場だったが楽しい場所だった。デルタ学 
       園もあのような学園にしたいものだな」
 三人『うーん、それはやめた方がいい気が……しないでもない、かな?』



ショート319.
おめでとうございます

 ニコル「…………じーっ」
 オーマ「な、何だよ? 久しぶりに会ったのに、その冷たい目は?」
 ニコル「いーえ、別に。おめでとーございます」
 オーマ「何だよ、その棒読みの祝辞は?」
 ニコル「はあ……」
 ガーネット「大丈夫よ、ニコル。『私』はいつまでもニコルと一緒だから」
 ニコル「ガーネットさん……。そうですね、僕、心が狭かったです。これからは、あのお二人の 
      事を心からお祝いします」
 ガーネット「それでこそ私のニコルよ。さ、行きましょう」
 ニコル「はい!」
 オーマ「行っちまった。何だったんだ、一体? あ、俺のイメージ声優の森久保祥太郎さん、ご
      結婚おめでとうございます。浅川悠さんとお幸せに」



ショート320.
第○次イザフレ大戦、勃発
(グラトニーさんのリクエスト)

その1.教室内で大声でする発言じゃありませんね

 イザーク「いい加減にしろ、このバカ女!」
 フレイ「バカとは何よバカとは! この無神経男!」

 サイ「あの二人、またケンカしてるのか」
 ミリアリア「ええ。ケンカする程仲がいいって言うけど、最近ちょっと多いわね。心配だわ」
 キラ「そうだね。早く仲直りすればいいんだけど」

 イザーク「目覚まし時計を勝手に取り替えるな! 俺はあの目覚ましでないと起きられないん 
       だ!」
 フレイ「あの時計はベルがうるさすぎて私まで目が覚めちゃうのよ! どうして私があんたの朝
     練に合わせて起きなくちゃいけないのよ。早起きしたいならあんただけにしてよね!」

 サイ「放っておいてもいいんじゃないか?」
 キラ「そうだね」
 ミリアリア「心配して損しちゃった。色々な意味で」


その2.その気持ちは悪くは無いんですけどね

 イザーク「クソッ、フレイの奴、今度という今度は許さん! あいつが謝るまで口をきかんぞ!」
 ディアッカ「おーおー、無理しちゃって。まあ自分の物を勝手に捨てられたら怒るのは当然か。
        親しき仲にも礼儀あり、って言うし」
 ニコル「そのことわざ、ディアッカが言うと説得力が無いですね」
 カガリ「だがフレイが怒るのも分かる気がするぞ。早起きするつもりは無いのに起こされるのは
      気分が悪い。私もなかなか起きられず、父上に叩き起こされた事がある」
 アスラン「ギリギリの時間まで寝ていたいというのは、学生なら誰でも思っている事だからな・も
       う少しお前が気を使えば良かったんじゃないのか?」
 イザーク「確かにあの目覚ましは少し音が大きかった。だが、俺にはあの目覚ましが必要なん
       だ。あの時計は大事な物だしな」
 ディアッカ「何でだ? 誰かの形見とか、初恋の女の子からのプレゼントとかか」
 イザーク「俺が生まれて初めて出した懸賞で当たった物だ。ついでに初めて改造した時計でも
       ある。俺に機械をいじる才能が無かったせいで、音が異常に大きくなってしまったが
       な。戒めとして今でも使っているのだが…」
 全員「迷惑だからさっさと取り替えろ、このバカ」


その3.真実の奥の真実

 フレイ「あー、もう、腹が立つ! あの白髪バカは!」
 サイ「お、落ち着きなよ、フレイ。イザークだって悪気があった訳じゃ…」
 フレイ「そういう台詞は朝の四時に起こされてから言ってほしいわね。ちなみに就寝時間は午 
      前一時。三時間しか寝られない乙女の苦しみがサイに分かる?」
 サイ「うっ」
 ミリアリア「三時間しか寝てないの? 肌が荒れてるのはそのせいね」
 フレイ「そうなのよ! あのバカのせいで私の体はボロボロ。化粧したり、綺麗な服を着ても全
      然効果無し。それもこれも、みんなあのバカのせいよ!」
 キラ「フレイ……。ラクス、何とかならないかな?」
 ラクス「キラ、今回はイザークさんが悪いと思いますわ。フレイさんが怒るのは当然です」
 キラ「ラクス!?」
 ラクス「イザークさんのせいでフレイさんの健康状態は悪化しています。いくらフレイさんがイザ
      ークさんの為に綺麗になっても意味がありませんわ」
 フレイ「えっ、わ、私は別にあのバカの為になんて…」
 ラクス「照れることはありませんわ。好きな男性の為に綺麗になろうとするのは、女性として当
      たり前の事ですわ。イザークさんはフレイさんがどうしてもっと寝たいのか、よく考える 
      べきですわ。わたくしがご説明しましょうか?」
 フレイ「い、いいわよ、そんな事! 私が自分でやるから…って、あ」
 ラクス「そうですか。それではお任せいたしますわ。素直な気持ちで仲直りしてください」
 フレイ「ううっ……」
 ミリアリア「さすがラクス。フレイは完敗ね」
 サイ「キラ、お前も大変だな」
 キラ「うん、僕もちょっとだけそう思った。ちょっとだけ、ね」
 ハロ「ハロ! ラクス、強イ! ソシテ、ウマイ!」


その4.昼休み、校舎裏で仲直り

 イザーク「…………」
 フレイ「…………」
 イザーク「…………あー、そのー、悪かったな」
 フレイ「ううん、私の方こそ言い過ぎた。ゴメン」
 イザーク「いや、俺も言い過ぎた。仲直りしよう。一緒にメシでも食いに行かないか?」
 フレイ「いいわよ。当然、イザークの奢りよね?」
 イザーク「うっ。あ、ああ、奢ってやるさ! 何でも食え、ハハハハハ!」

 キラ「あっさり仲直りしちゃったね」
 アスラン「いつもどおりのパターンだな」
 ラクス「お互いに意地を張っているだけですから、素直な気持ちになればすぐに仲直りできます
      わ」
 カガリ「ま、三日もすればまたケンカするだろうな。くだらない理由で、元気一杯に」
 ニコル「微笑ましいですね。はあ、僕もガーネットさんに会いたくなってきました」
 ディアッカ「待ちな、ニコル。賭けの集計が終わってないぜ。今回、あの二人が仲直りするまで
        の時間は『昼休みまで』だ。賭けた奴は、えーと…」
 サイ「色々な意味で最低だな」
 アスラン「SEED学園らしいといえばらしいんだが」

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