SEED学園編 PHASE−26
ショート331.
鏡伝アストレイキャラ、連載開始からわずか3話目で登場

その1.使ったのはお金か、それとも?

 デュランダル「隣町のブレイブ学園が我々の傘下に入る事になった。これでまたSEED学園の
          勢力が拡大した。全国制覇の日も近いだろう。皆、頑張ってくれ」
 タリア「あーもうどこからツッコめばいいのか」
 ムウ「こういうヤンキー漫画みたいな展開は嫌いじゃないけどな」


その2.まずは主人公です

 影太郎「という訳で、今日からこの学園の生徒になった宇流影太郎だ。みんな、よろしくな!」
 キラ「質問してもいいかな? 影太郎君はどう見ても小学生にしか見えないんだけど、どうして
    高等部にいるの?」
 影太郎「人を見た目で判断するな。俺は見た目は子供で頭脳は大人なんだ」
 アスラン「どこかの名探偵みたいだな」
 キラ「もう一つ質問。君、ガーネットさんのお父さんに似ているけど親戚なの?」
 影太郎「ああ、俺はあいつの隠し子だからな」
 ラクス「まあ。アルベリッヒ叔父様は、奥様一筋かと思っていましたのに」
 カガリ「最低だな」
 影太郎「いや、浮気じゃない。俺の母親はアルベリッヒの奥さんだからな」
 キラ「えっ? 夫婦の間に生まれたのに、どうして隠し子なの?」
 影太郎「あの二人、大喧嘩してな。で、アルベリッヒが出張先でホテトル嬢を呼んだら、キレた 
       あまり変なバイトを始めた奥さんだったんだ。その時出来たのが俺」
 カガリ「…………やっぱり最低だな。どっちも」
 ラクス「ガーネットお姉様のお父様とお母様ですから」
 キラ「ラクス、フォローになってないよ」


その3.強引な設定ですが

 キラ「じゃあ君はガーネットさんの弟なんだね」
 ニコル「僕も知りませんでした。アルベリッヒさんもガーネットさんも話してくれなかった…」
 影太郎「ガーネットは俺の存在を知らないからな。俺は生まれてからずっとアルベリッヒの親戚
      の家で暮らしてきたから、顔を会わせた事も無い。そしてこれからも会うつもりは無い」
 ニコル「そんな! 実の姉弟じゃないですか。どうして会わないんですか?」
 影太郎「あの女の噂は聞いている。そして調査した結果、あの女は俺にとって危険な存在だと
      判断した」
 キラ「危険?」
 影太郎「あの女をよく知るお前達に尋ねる。もしあの女が俺の存在を知ったら、どうすると思 
       う?」
 ラクス「抱きつきますわね。身内には甘い人ですから」
 ニコル「思いっきり可愛がるでしょうね。年下が好きだし」
 アスラン「力の限り抱きしめて、家の外には出さないかもしれんな」
 影太郎「それが理由だ」
 全員「納得。君の事は内緒にします」

 ガーネット「ん? 誰かにバカにされたような、もの凄い偏見の目で見られたような気が」



ショート332.
影太郎の出演を喜ぶ人、困る人

その1.喜んでいます

 ロウ「いやー、よく来てくれたな、影太郎! これで俺達アストレイキャラの出番も大幅に増える
     ぞ!」
 リーアム「そうですね。私達は今まで肩身の狭い思いをしてきましたから」
 樹里「ホント、出番少なかったもんね……」
 劾「俺が教師役で出演している事を忘れている者も多いだろうな」
 イライジャ「そうかもしれないな。だが、これで俺達の出番も増えて、人気もアップするはず…」
 プロフェッサー「甘いわね。本編キャラより人気が出て、他のオリジナルキャラの出番を大幅に
           減らした『ギアボルトの悲劇』再び、になるかもしれないわよ。人気出そうなオリ
           ジナルキャラは大勢いるし」
 ロウ「う」
 劾「身内にいる敵こそ脅威という事か。用心しよう」
 レウ「ワン!」
 リーアム「あ、強敵になりそうなキャラ第一号が」
 劾「排除する。イライジャ、サポートしろ」
 イライジャ「犬に本気にならないでくれ、劾……」


その2.困っています

 メレア「マズいな。『可愛いショタキャラ』なんて、僕と被るじゃないか」
 ダン「待てコラ」
 メレア「僕にも固定ファンは大勢いるだろうけど、日本人は新しいものが好きだからなあ。きっ
      と新キャラの方に目を移すよ。ああ、心配だなあ」
 ダン「待てと言っているだろうが。心配しなくても影太郎とお前は被らない。絶対に。そしてお前
     が人気キャラになる日も来ない。絶っっっっっっ対にだ!」
 メレア「黙れよ。主人公のくせに地味カップルな奴」
 ダン「ぐっ!」
 シン「うっ!」
 メレア「あ、違う奴のトラウマも刺激しちゃった。ま、いいか。事実だし」



ショート333.
SEED学園の怪談
(虎狼さんのリクエスト)

その1.いきなりオチがついてしまった

 ディアッカ「この学園の怪談? ああ、あるぜ。とびっきりのが。『こんな無茶苦茶な学園が存在
        する』。これ以上の怪談は無いだろ?」
 ミリアリア「それを言ったら何もかもオシマイよ」


その2.音楽室の怪談

 キラ「よく聞く話だと、音楽室の肖像画の目が動くとか」
 アスラン「ピアノが勝手に鳴るという話も聞いたぞ」
 ラクス「黒板の五線譜に、いつの間にか音符が書き込まれているという話も聞きましたわ」
 シン「よくある話だなあ。この学園ならでは、ってのが無いですね」
 キラ「そうだね。全部、昼間に起きてる事を除けば」
 シン「怪談の常識無視かよ」
 ルナマリア「そういうところはSEED学園っぽいのね」


その3.答えはみんなの胸の中に(オイオイ)

 バルトフェルド「職員室の怪談か。そういえば以前、金庫の中に入れていたテストの答案用紙 
           が消えた事があったな」
 キラ「それは盗まれたんじゃないんですか?」
 バルトフェルド「いや、金庫が開けられた様子は無かった。そもそもその金庫は鍵が壊れてい
           て、扉を開けることが出来ないシロモノだったんだ」
 キラ「そうなんですか。……あれ?」
 バルトフェルド「気付いたか。こいつは頭の悪い奴には永遠に分からない怪談だ。開かない金
           庫にどうやって答案用紙を入れる事が出来たのか。これはお前達への宿題に
           しよう。いいオチを考えて来い」
 キラ「オチを思い付かなかったからって、僕達に丸投げしないでください」


その4.「コーディネイターは病気にかからないだろ」というツッコミはご勘弁を

 カガリ「この学園にはトイレ絡みの怪談は無いんだな」
 ラクス「ええ。噂が上がった事はあるのですが……」

 ミリアリア「夜中の女子トイレから不気味な声が聞こえてきたですって? ディアッカ、あんたの
        仕業ね!」
 ディアッカ「ち、違う、俺は何も、ぐわーっ!」

 ラクス「怪談が成立する前に、オチがついてしまうんです。ちなみに男子トイレの怪談は、既に
      卒業なされたあの方のせいにされています」
 カガリ「本人が知ったら怒るだろうな」

 ガーネット「くしゅん! うーん、夏が近づくとクシャミが止まらなくなるわね。夏風邪かな?」



ショート334.
ファミリー・コンプレックス?
(ymaさんのリクエスト)

その1.場所は寮の一室

 シン「はあ……」
 ダン「どうした、シン?」
 シン「いや、最近、父さんの金遣いが荒くなって、それを母さんが怒って大喧嘩しちゃったんで 
     すよ
 ダン「また喧嘩したのか。お前の親は仲が悪いな」
 シン「ホント、どうして別れないのか不思議ですよ。ダン先輩の両親は…」
 ダン「知らない」
 シン「え?」
 ダン「本当に知らないんだ。母親は俺が物心つく前に家を出たらしいからな」
 シン「え……すいません、なんかマズい事を聞いちゃって」
 ダン「気にするな。ちなみに出て行った原因は、うちのバカ親父が母さんのヘソクリを使い込ん
     だからだ。それを怒った母さんは親父の貯金を全部引き出して、ブランド物を買いあさっ
     たり、ホストに貢いだり、超一流店のケーキを買い占めて一人ケーキバイキングをやった
     りしたそうだ」
 シン「他人の俺が言うのもなんですけど、どっちもダメダメですね」


その2.SSではダンとゼノンは実の兄弟です

 ダン「だが、俺はお前が羨ましいよ。マユちゃんみたいな可愛い妹がいるからな」
 シン「……」
 ダン「俺は末っ子だから、弟や妹が欲しかった…って、どうしたシン、そんなにガタガタ震えて」
 シン「な、何でもないです。ゴメン、マユ。わざとじゃないんだ。わざとじゃないんだ。だからやめ
     てくれ。石を投げないでくれ。そんな目で見ないでくれ。マユーッ!」
 ダン「シ、シン、落ち着け、おい!」


その3.ホントに前途多難だ

 ダン「まあそういう俺も嫁さん貰って、家族を持ったわけだ。バツイチだし、ストーカー化した元
     奥さんに付きまとわれたりして前途多難だけど、頑張ってみるよ」
 シン「頑張ってください。けど先輩」
 ダン「ん?」
 シン「嫁さん貰ったりとか、バツイチとか、高校生のする会話じゃないですね」
 ダン「今更言うな」



ショート335.
ある少女の憧れ
(虎狼さんのリクエスト)

 マユ「お兄ちゃん」
 シン「マ、マユ! ごめんなさいごめんなさい許してください、どうか…」
 マユ「それはもういいから。それよりお願いがあるの。ガーネットさんの事を知りたいんだけど、
     お兄ちゃん、何か知ってる?」
 シン「ガーネット先輩の事を? いや、そんなには知らないけど、どうしてあの人の事を知りた 
     がるんだ?」
 マユ「この前、町で会ったんだけど、凄くカッコいいの! ニコル先輩とデートしていたんだけ 
     ど、途中でチンピラ達に囲まれて、庇ったニコルさんが殴られたら烈火の如く怒って、チ
     ンピラ五人をノックアウト! そして連中の事務所に乗り込んで、きっちり落とし前をつけ
     たのよ。ああ、キラ先輩もいいけど、ガーネット先輩も素敵……」
 シン「おーい、マユー、戻ってこーい。でないとお前も色々な意味で間違った存在になるぞー」



ショート336.
フレイとエリナ、ある男について語り合う
(グラトニーさんのリクエスト)

その1.子供の頃の夢は〜♪(byうたわれるものOP歌)

 フレイ「エリナはイザークの従兄弟なのよね」
 エリナ「ええ。子供の頃はよく一緒に遊んだわ。あの頃は『お兄ちゃん』なんて呼んでたわ」

 ディアッカ「くっ、彼女持ちな上に、可愛い妹分までいたのかよ。イザーク、てめえは俺をかなり
        怒らせた」
 イザーク「はあ?」


その2.褒めてるのか、貶しているのか

 フレイ「イザークってどんな子供だったの?」
 エリナ「うーん、今とそんなに変わらないわよ」
 フレイ「変わらないんだ。じゃあ今みたいに負けず嫌いで、かなり短気で…」
 エリナ「でも絶対にナンバー1にはなれない」
 フレイ「つまらないミスをして、後で死ぬほど後悔して」
 エリナ「素直になれないツンデレ属性」
 フレイ「でも、いいところもあるわよね」
 エリナ「うん、一応」

 ディアッカ「イザーク、お前も苦労してるんだな」
 イザーク「だから何なんだ、さっきから?」


その3.人間ですから

 エリナ「フレイこそ、よくあの人と付き合う気になったわね。私が言うのもなんだけど、欠点だら
      けの人よ」
 フレイ「そうね。でも、だから惹かれるのかも。完璧な人間なんてつまらないし」
 エリナ「そうか。何もかも出来る人と付き合ったら、こっちが疲れちゃうわね」

 ディアッカ「そうか、俺がどうもモテなかったのは、俺が完璧すぎるからか。ふっ、出来る男って
        のは過酷な運命を背負っているんだな」
 イザーク「よく分からんが、その妄想は間違っていると思うぞ。絶対に」



ショート337.
トレイン・トラブル

その1.痴漢はダメ、絶対

 デュランダル「最近、我が校の生徒も利用している電車に痴漢が出没しているらしい。そこで 
          警察の方から注意してくれという要請が来た」
 タリア「女子生徒がその電車に乗らないように、ですか?」
 デュランダル「いや、痴漢に合った生徒が痴漢を殺さないように注意してほしいとの事だ。殴る
          くらいならOKだそうだが」
 タリア「警察にとっては、うちの生徒は痴漢よりも危険な存在らしいですね。今更ですが」


その2.虎の尾、もしくは危険物扱い

 デュランダル「それからスリにも注意してくれとの事だ。サラリーマンがかなりやられているらし
          い。そういえばこの前、フラガ先生が財布を掏られたそうだが」
 タリア「ええ。でも翌日、郵便で送り返されてきたそうです。中身も全部そのままでした」
 デュランダル「何も盗らずに返してきたのか。おかしなスリもいたものだ」
 タリア「詫び状も添えられていたそうです。『SEED学園の教員の方とは露知らず、掏ってしまっ
     て申し訳ありませんでした。お許しください』と」
 デュランダル「名刺が役に立ったようだな。私も財布には必ず名刺を入れておくようにしよう」
 タリア「素直に喜ぶべきなのかどうか、少し悩みますけどね」


その3.褒めるべきか、咎めるべきか。それが問題…にしないのがSEED学園

 デュランダル「電車といえば、最近は電車内でのマナーを守らない若者が多いそうだな。我が
          校の生徒は大丈夫なのかね?」
 タリア「悪い噂は聞いていません。お年寄りに席を譲ったり、ホームから落ちかけた人を助けた
      り、迷子になった子供の親を探したり」
 デュランダル「素晴らしいな。さすがは我が校の生徒だ」
 タリア「座席を占領していた酔っ払いを投げ飛ばしたり、女性に暴力を振るおうとしたヤクザを
      叩きのめしたり」
 デュランダル「勇ましいな。さすがは我が校の生徒だ」
 タリア「そうですね。ええ、本当に。自分達で後始末までしているところなんて特に」
 デュランダル「学園にまでトラブルを持ち込まなければ構わんよ」
 タリア「そういう姿勢が問題なんだと思いますけど」



ショート338.
新妻の悩み

その1.節度は守りましょう

 ステファニー「はあ……」
 レヴァスト「どうしたのよ、ため息なんかついて。何か悩みでもあるの?」
 ステファニー「ええ……」
 レヴァスト「もしかして旦那の事? 新婚夫婦なんだからもっとラブラブだと思ってたけど」
 ステファニー「ええ、ダンの事も悩んでいるんだけど……」
 レヴァスト「何よ、他にもあるの?」
 ステファニー「取り合えず今は、勝手に職員室の私の椅子に座って、隠していたお菓子をバリ
         バリ食べている図々しい生徒について悩んでいるわ。教師にもタメ口だし」
 レヴァスト「ふん。ダブリまくっている女生徒に怖いものなんて無いわよ」
 ステファニー「開き直らないで。お菓子のお金は払ってもらうわよ」
 マリュー「レヴァストさんも悪いけど、教師が学校にお菓子を持ってきているのも悪いんじゃな 
       いかしら?」


その2.ヤジ馬根性丸出し

 レヴァスト「冗談はこれくらいにして。悩みがあるなら相談に乗るわよ」
 マリュー「そうね。人生の先輩として何かアドバイス出来るかもしれないわ。話してみなさい」
 ステファニー「ああ……。二人とも、ありがとうございます」
 レヴァスト(気にしないで。私達、友達じゃない)「いい退屈しのぎになりそう。他人の不幸は蜜 
       の味って言うし」
 マリュー(そうよ。だから気軽に話しなさい)「週刊誌の芸能人のスキャンダル話より楽しめそう
       だわ」
 ステファニー「口に出す声と心の中の声が逆になってますよ。でも、そんな正直なあなた達も好
          き」
 レヴァスト「うわ、こんな私達を信用するなんて、相当追い詰められているわね」
 マリュー「そうね。本気で聞いてあげましょう」


その3.それもまた世界の法則

 ステファニー「最近のダンは私に全然構ってくれないんです。付き合っていた頃は二日に一度
         はデートしてくれたのに」
 レヴァスト「教師と生徒なのに二日に一度はデートしてたの? 色々な意味で凄いわね」
 マリュー「この学園のカップルなら平均値だけど」
 ステファニー「それに家族とケンカばかりしているんです。お父さんのメレアさんとも、お兄さん 
         のゼノンさんとも仲が悪いし」
 レヴァスト「あの家族に仲良くしろっていう方が無理よ」
 マリュー「そうね。他にも悩みがあるの?」
 ステファニー「ええ。一番の悩みは……私達が結婚した事を知らない人が多いんです! 子供
          まで出来たのに、みんな平然として! 教師と生徒が結婚して、しかも妊娠した
          なんて、そのままドラマになりそうな話なのに、どうして!?」
 レヴァスト「いや、だってあんた達って、地味カップルだし」
 マリュー「それにここはSEED学園だし」
 ステファニー「結局、その理屈で片付いちゃうんですね。うううう……」



ショート339.
SEED学園ワンワンパニック
(虎影さんのリクエスト)

その1.ペットの面倒はちゃんと見ましょう

 影太郎「大変だ、レウがいなくなった!」
 キラ「レウって誰?」
 アスラン「ラウならクルーゼ先生だが」
 影太郎「レウをあんな変態仮面と一緒にするな!」
 アスラン「お前も仮面キャラじゃないか」
 影太郎「俺の仮面は便利アイテムだからいいんだよ。それよりレウだ」
 キラ「だからレウって誰なの? 君の友達?」
 影太郎「俺の家で飼っている犬だ。時々、学園に連れて来ているんだが」
 アスラン「学校にペットを連れて来るなよ」
 影太郎「俺、今、一人暮らしなんだ。俺が学校に行ってる間、あいつは一人ぼっちになるんだ 
      ぞ。そんな可哀想な事、出来るか!」
 アスラン「こいつ、犬バカだったのか」
 キラ「ペットを可愛がるのはいいけど、可愛がりすぎるのもどうかと思うよ」


その2.校則はきちんと守りましょう

 影太郎「とにかく、レウがどこを探してもいないんだ。キラ、アスラン、レウを見なかったか?」
 アスラン「犬なんて見てないぞ」
 キラ「僕も見てないよ。心配だから、一緒に探してあげようか?」
 影太郎「ありがとう、キラ! あ、これがレウの写真だ。探す時の参考にしてくれ」
 キラ「ありがとう。ふーん、可愛い子犬だね。あれ? レウの隣にいる人って…」
 影太郎「バジルール先生だ。あの人はレウのファンクラブの第一号会員だからな」
 アスラン「先生……」


その3.校内放送は私用では使わないでください

 キラ「レウがいなくなった事、ナタル先生には教えたの?」
 影太郎「さっき教えた。そうしたら顔を真っ青にして……」

 ピンポンパンポーン

 ナタル「私はナタル・バジルールだ。レウファンクラブの会員に告ぐ。先程、校舎裏にいるはず
      のレウが行方不明になった。ファンクラブの会員で手の空いている者は、ただちに捜索
      活動に参加せよ。繰り返す…」
 アスラン「何をやっているんだ、あの先生は」
 キラ「学校中が一斉に騒がしくなったよ。ファンクラブの会員って何人ぐらいいるの?」
 影太郎「百人から先は数えていない!」
 アスラン「数えろよ」


その4.制裁は「生かさず殺さず」ですよ。ね?

 キラ「みんな動物好きなんだね」
 アスラン「好き過ぎてバカになっている気がするがな。ん? おい、あそこの草むらで寝ている
       犬、あれがレウじゃないのか?」
 キラ「うん、間違いない。写真よりも本物の方が可愛いね」
 アスラン「確かにそうだな。この可愛さならみんなが夢中になるのも頷ける」
 シン「あーっ! キラ先輩にアスラン先輩、何してるんですか! レウの寝顔を独り占めしよう 
     なんてズルいですよ! 俺にも見せてくださいよ!」
 アスラン「ここにも動物好きのバカがいたか」
 キラ「シン、そんなに大声を出すと…」
 レウ「フア……アフウッ」
 キラ「あ、起きちゃった」
 シン「えっ、そ、そんな……」
 ルナマリア「シン、あんた、何やってるのよ!」
 ステラ「レウのお昼寝の邪魔した。シン、悪い人」
 シン「あ、いや、違うんだ、俺だってそんなつもりは…」
 メイリン「レウファンクラブの皆さーん、判決を取りまーす。シンは有罪ですか? それとも無罪
      ですか?」
 ラクス「それはもちろん」
 樹里「有罪ですね。気の毒だけど」
 カガリ「聞くまでもないだろう」
 シン「そ、そんな! 誰か、助けて、うわああああああああああっ!!」
 キラ「ラクスやカガリもファンクラブに入っていたんだね。僕も入ろうかな?」
 アスラン「気にすべきところはそこだけじゃない気もするが、まあいいか。シン、成仏しろよ」



ショート340.
シン・アスカ、人生最大の危機…かも?
(ymaさんのリクエスト)

その1.タダより高いものは無い

 シン「もしもし、ステラ? 父さんが取引先から遊園地のチケットを貰ったんだ。明後日の日曜 
    日、一緒に行かないか?……うん、それじゃあ。はああああああ〜〜〜〜、緊張したあ〜
    〜〜〜。よーし、これで今度こそステラと!」
 マユ「デートをOKしたもらったくらいでガッツポーズを決めるなんて、お兄ちゃんって子供ね」
 シン「うるさいなあ。あ、ルナから電話だ。もしもし……ああ、うん、分かった。それじゃ」
 マユ「ルナマリアさん、何の用事だったの?」
 シン「明後日、一緒に遊園地に行かないかって。お金はあいつが出してくれるそうだからOKし
    た。…………あ」
 マユ「お兄ちゃん、バカすぎ」


その2.女の戦いなんだけど傷付くのはシン

 ルナマリア「…………シン」
 シン「は、はい」
 ルナマリア「私はシンだけを誘ったはずなんだけど、どうしてステラが一緒に来ているのかし 
         ら?」
 シン「い、いや、これには色々と事情があるんだ。だから、ニッコリ笑いながら拳を握らないでく
     れ。凄く怖いから」
 ステラ「ステラはシンに呼ばれた。一緒に遊ぼうって」
 ルナマリア「ふーん。シンが自分から呼んだんだ」
 ステラ「うん。遊園地のチケットを貰ったから一緒に行こうって」
 ルナマリア「ふーん……」
 シン「ス、ステラ、もうその辺で」
 ステラ「どうして止めるの? ステラは本当の事を言ってるのに」
 シン「そ、そうなんだけど、何だかどんどんヤバくなってるから。ルナも落ち着け、なっ?」

 覗き見しに来たマユ「さすがお兄ちゃん、ただその場に居るだけで状況を悪化させているわ」
 (同じく)レイ「ああ。それでこそシンだ」
 (同じく)メイリン「お姉ちゃん、頑張って。骨は拾ってあげるわ」


その3.実は有名なんです

 ルナマリア「はあ……。もういいわ。ケンカしても仕方ないし、今日は三人で遊びましょう」
 ステラ「うん。二人だけより三人の方が楽しいし。ね、シン?」
 シン「あ、ああ、そうだね。ははははは……」
 ルナマリア「乾いた声で笑わないで。それじゃあ行きましょう。まずはジェットコースターよ!」

 マユ「ルナマリアさん、怒りを抑えましたか。大人ですね」
 レイ「ここで喧嘩をしても得は無いからな。お、移動し始めたぞ」
 メイリン「追いかけましょう。一定の距離を保ちつつ、絶対に見つからないように!」

 通りがかりの子供「ママ、あのコソコソ隠れながら人の後を付いていってる人達は何?」
 通りがかりの母親「あれはSEED学園の名物の恋愛覗き見部よ。あなたは将来、あんな大人
             になっちゃダメよ」



ショート341.
シン・アスカ、人生最大の危機、の続き

その1.男一人に女二人

 シン「そ、それじゃあ行こうか。まずはジェットコースターだ。ここの遊園地のやつはかなり怖い
     って評判なんだ」
 ルナマリア「ふーん。で、席はどうするの?」
 ステラ「シン、ステラの隣に座るの?」
 シン「うっ」
 ルナマリア「シン……」
 シン「そ、そんな冷たい目で睨まないでくれ! え、えーと、その……」

 メイリン「お姉ちゃんとステラが隣同士で、シンはその後ろの席に座ったみたいね」
 レイ「名案のようだが、それは色々な意味で危険だと思うぞ、シン」
 マユ「でも、そんなおバカなお兄ちゃんが好き♪ 見てて楽しいし」


その2.遊園地の食事所はイマイチなのが多い。それでいて高いし

 ルナマリア「こ、怖かった……。いくらジェットコースターだからって、あんなに回らなくても……。
         ううっ」
 ステラ「大丈夫、ルナマリア? シン、ルナマリアが気持ち悪いって」
 シン「そうか。ならちょっと休憩しよう。そこのカフェで…って満員だな。すいませーん、空いてる
     席はありませんか?」
 店員「ただいま二席空きました。お二人でよろしければ、ご案内しますが」
 シン「え、二人だけ? そ、それじゃあ……」

 メイリン「ステラとお姉ちゃんを先に座らせたわね。当然よ。女の子を一人で立たせておくなん
       て男のする事じゃないわ。シン、1ポイントゲットよ」
 レイ「ふっ。そうかな? まだまだ読みが甘いぞ、メイリン」
 メイリン「えっ?」
 マユ「ああ、一人で寂しそうに佇んでいるお兄ちゃん……。哀れで素敵♪」


その3.フラグが立った?

 メイリン「お化け屋敷にメリーゴーランド、その他もろもろ行ってるけど、シンってば結局どちらと
       も二人っきりにはならなかったわね。シンを巡る女の戦いが見られると思ったのに、 
       残念だわ」
 レイ「そうだな。だが面白い結果になったようだぞ」
 メイリン「えっ?」

 ステラ「楽しかった。ルナマリア、今日は一緒に遊べて良かった。ありがとう」
 ルナマリア「ううん、私の方こそ楽しかったわ。また一緒に遊びに行きましょう」
 ステラ「うん!」
 ルナマリア「ふふっ、ステラって可愛い」

 メイリン「…………お姉ちゃん、そっちの道は修羅の道よ。そういう趣味に走ったら、姉妹の 
      縁、切るからね」
 レイ「可愛いものを愛でるのは人類として当然の事だが、悪例が身近にいるからな。気を付け
     た方がいいぞ」

 ガーネット「クシュン! やだ、風邪かしら? あー、ギアちゃんは今日も可愛いわね。お姉さん
        と一緒に遊ばない?」
 ギアボルト「遊びません。変態は帰ってください」


その4.兄と妹

 シン「ルナとステラの奴、俺を置いて帰っちまった……。俺、何しに来たんだろう」
 マユ「置いてけぼりにされた惨めなお兄ちゃん、素敵♪」

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