ファンタジー編 PHASE−09
ショート91.
大・混・迷

その1.転職失敗?

 アスラン「第五の宝はこの森の奥にあるのか。不気味な森だな」
 イザーク「通称、地獄の森。この森には獣一匹、虫一匹さえいない。入った者は生きて出られ 
       ず、魔物も恐れて寄り付かない。まさに死の森だ」
 カガリ「恐ろしい森だな。だが、数日前にこの森に入った連中がいるそうだ。恐らく魔王の手下
      だろう。グズグズしてはいられないぞ。行こう!」
 ディアッカ「森の中なら俺に任せろ。狩人の俺にとって、森は庭みたいなものだぜ。こっちだ!」

 アスラン「…………で、ここはどこだ? 帰り道も見失ったようだが」
 ディアッカ「あれ? おかしいなあ。狩人の俺が森の中で道に迷うはずが…」
 イザーク「ちょっと待て。貴様、この前、転職したんじゃないのか?」
 ディアッカ「あ、そうだった。スナイパーになって戦闘力は上がったけど、狩人の特性は無くなっ
        てたんだ。はははははは、ミスったぜ」
 カガリ「アスラン、こいつ、埋めてもいいか?」
 アスラン「よせ。ここで埋めたら森が気の毒だ」


その2.何やっているんだ、ガーネット軍

 オルガ「クソッ! 行けども行けども木ばっかりじゃないか。出口はどこだ! お宝はどこだ!」
 クロト「腹も減った〜〜〜〜。空腹〜〜〜〜〜」
 シャニ「も、もう動けない……。体力の限界……」
 オルガ「だらしないぞ、お前ら!って言う俺もさすがに疲れた。牢屋暮らしが長すぎたせいで体
      力が落ちてやがる。クソッ、このままじゃヤバイぞ」
 クロト「ん? この匂いは……食い物の匂いだ! 行くぞ、暴食、完食、そして復活!」
 オルガ「本当に食べ物の匂いだ。この森に俺達以外にも誰かいるのか?」
 シャニ「誰でもいいよ、お腹が満腹になれば。うわ〜〜〜〜い〜〜〜〜」
 オルガ「おい、待て、クロト、シャニ! ちっ、しょうがない、俺も行くか」
 クロト「うわあ、美味そうな料理! 俺達にもくれ!」
 シャニ「食べ物くれよ。でないと……殺すよ?」
 オルガ「強盗みたいな事やってんじゃねえ! ったく、すまないが食べ物を分けてくれないか。
      金なら払うからよお」
 ギアボルト「お金なんて要りませんよ」
 オルガ「ギ、ギア! てめえ、何でこんな所にいやがる!」
 ギアボルト「あなた達の帰りが遅いので迎えに来たんですよ。食べ物ならあげます。その代わ
        り、私と魔王様に永遠の忠誠を誓ってください。ほら、どうしました? 忠誠を」
 オルガ「こ、この卑怯者め……。って、ちょっと待て。お前、脱出不可能ともいわれているこの 
      森からどうやって出るつもりだ?」
 ギアボルト「…………」
 オルガ「ひょっとして、お前も迷ったのか?」
 ギアボルト「私のせいじゃありません。アヤセが用意した中古の方位磁石が悪いんです。帰っ
        たら地獄を見せてあげます」

 アヤセ「ハックション! うー、風邪かしら? まあいいわ、ギアボルトのバカもいない事だし、 
      のんびり過ごしましょう。天国天国、うふふふふふふ〜♪」


その3.こいつらも来たのかよ

 ゼノン「迷ったのか?」
 エド「ええ。完全に迷いましたね」
 コートニー「さすがは地獄の森。簡単には攻略できないようです」
 ルーヴェ「ゼノン様、どうしますか?」
 ゼノン「そうだな。取り合えず…」
 三人「取り合えず?」
 ゼノン「家を作ろう。私とミナの新居だ。部屋数は…」
 コートニー「ゼノン様、冗談を言ってる場合ではありません」
 ゼノン「いや、割と本気なんだが」
 ミナ「ゼノン……」(ポッ)
 エド「さすがゼノン様、こんな時でもラブラブを忘れないとは、大物だねえ」
 ルーヴェ「かなり紙一重な気もするが」



ショート92.
大・開・拓

その1.やり過ぎです

 アスラン「完全に迷ったな。手持ちの水や食料も無くなった。どうしようか……」
 カガリ「おい、アスラン、あそこに家があるぞ! 行ってみよう!」
 アスラン「こんな森の中に家だと?」
 イザーク「似たような話を聞いた事があるぞ。お菓子の家とか」
 アスラン「! 待て、カガリ、それは敵の罠だ!」

 ミナ「あ、いらっしゃいませ。迷いの森の宿『ホテルゼノン』にようこそ。ただいま開店記念として
    宿代半額サービスを実施中です。お泊りになられますか?」
 アスラン「…………」
 カガリ「アスラン、どうした? 助かったのに嬉しくないのか?」
 イザーク「なんでこの森にこんな豪華な宿があるのか、そして客が一杯いるのか分からず思考
       停止したようだな。しかも温泉もあるようだし」
 ミナ「最初は普通の家を作ろうとしたんですけど、地面を掘ってたら温泉が沸いたんです。みん
    なにも楽しんでもらおうと、このホテルを作ったんです」
 イザーク「やり過ぎたろ、色々な意味で」
 ディアッカ「何だ、お前らまだ浴衣に着替えてないのかよ。早くグレイト温泉に入ろうぜ!」
 イザーク「貴様はやり過ぎと言うより、ただのバカだ。せめて宿代を払え」


その2.『ホテルゼノン物語』の始まり?

 ミナ「裏の方では宿の拡張工事をしているんです。このホテルを中心にして、将来はこの森に 
    一大テーマパークを作る予定なんです」
 カガリ「それは楽しそうだな。でも自然を壊すのは良くないぞ」
 ミナ「大丈夫です。貴重な動植物がいるエリアはそのまま残しますし、自然の環境は出来るだ
    け残して楽しめるようにします」
 イザーク「客の足はどうするんだ? こんな森の奥にまで客が来るとは思えんが……って、もう
       かなりの客が来ているな。どうやって連れて来た?」
 ミナ「森をまっすぐ切り開いて、道路を作りました。ゼノンやみんなが頑張ってくれました」
 アスラン「こ、ここまで来るのに多数のモンスターと戦ってきた俺達の苦労は…」


その3.ドムーパーはドムトルーパーの略称

 ユグドラドムーパーがあらわれた!

 ユグドラドムーパー「こらー! 貴様ら、ここは私の森だぞ! 勝手にホテルや道路を作るんじ 
             ゃない!」
 カガリ「うわっ、な、何だ、この樹のお化けは」
 アスラン「この森のボスモンスターか! みんな、戦うぞ!」
 ミナ「あのー、ここはあなたの土地じゃありませんよ。ここはこの森を管理していた国の土地で
    す。私達は国から許可を貰っています」
 ユグドラドムーパー「国など関係ない! ここは私の魔力で作った森だ、だから…」
 ミナ「じゃああなたの土地だという証拠書類を出してください。土地の権利書とか無いんです  
    か?」
 ユグドラドムーパー「あるわけないだろ! 私はモンスターで…」
 ミナ「書類が無いんですか? それじゃあ話になりませんね。お引取りください」
 ユグドラドムーパー「ま、待て、小娘! 私の話を聞け! ここは私の森…」
 ミナ「お引取りください。それとも裁判で争いますか?」
 ユグドラドムーパー「ぐっ」

 ミナは『とちのしょゆうけん』をかくとくしていた!
 ユグドラドムーパーはやり込められた!

 ユグドラドムーパー「む、無念……。ちゃんと法律を勉強すべきだった」

 ユグドラドムーパーはたおされた!
 ミナは第五の宝「神の地図」を手に入れた!

 ミナ「世界中の宝が記された、神様の地図ですか。凄いけど今の私達にはいりませんね。差し
    上げます」
 アスラン「ど、どうも……。いいのか、こんな展開で?」


その4.優秀な部下がいると楽だな(byゼノン)

 エド「おーい、アルバイトども、昼飯だぞー!」
 シャニ「はーい……。つ、疲れた……」
 オルガ「我慢しろ。金を貯めて車を買って、さっさとこの森から出るぞ!」
 クロト「先は長そうだけどね。車、高額」
 ギアボルト「何やってるんですか。さっさと食事を済ませて仕事を再開してください。現場監督し
         てサボリは見逃しませんよ」
 オルガ「ったく、何でお前が現場監督なんだよ」
 ギアボルト「優秀だからです。ゼノン社長は人を見る目がありますね。魔王軍より稼げます」
 オルガ「いや、それはダメだろ。俺達、一応悪役だし」



ショート93.
メイリンパーティー、ちょっと遅くなったけど転職します

その1.人間、堕ちるのは速いものです

 影太郎「決めた。俺も転職するぞ」
 メイリン「そうだね。レベルも上がったし、みんなで転職しましょう」
 樹里「ちょっと時間が掛かったけど、ようやくパワーアップできるんだ。ちょっと感激〜。あ、影 
     太郎、そこの本、片付けといてね」
 夏「拙者もますます剣の道に励むでござるよ。ああ、影太郎殿、拙者の鎧はどこにいったでご 
    ざるか?」
 影太郎「お前らは人間としてのレベルを上げるべきだな。そっちはむしろダウンしてるぞ」
 メイリン「怠け癖って、一度染み付いちゃうとなかなか取れないのよ。あ、私もお願い。ジュース
       買ってきて」
 影太郎「あー、もう、どいつもこいつも!」


その2.DQ3では重宝しました

 影太郎「転職だ、転職だ、転職だ! 遊び人という名のお手伝いから転職するんだ!」
 メイリン「気合入っているわね。それじゃあみんな、転職するわよ」

 メイリンたちは転職した!
 メイリンは勇者から、可愛い勇者になった!
 夏は剣士から、サムライになった!
 樹里は白魔道士から、桃魔道士になった!
 影太郎は遊び人から、パワーファイターになった!

 樹里「パワーファイターって何?」
 影太郎「普通の戦士より力の強い戦士の事だ。戦士の上級職だな」
 夏「ほう。そんな職業にいきなり転職できるとは、凄いでござるな」
 メイリン「遊び人が転職したら強くなるのは、お約束だから。でも力が強くなったのなら、今まで
       よりも役に立つわね。影太郎、あの重い荷物、宿まで運んでね」
 影太郎「えっ?」
 樹里「あ、私のもお願い」
 夏「拙者の荷物も頼むでござる。サムライの武器や防具はなかなか重いので、気を付けてくだ
    され」
 影太郎「そう注意するのなら自分で運べ! あ、でも楽々運べるぞ。さすがパワーファイター、
       戦闘でも活躍できそうだ。でも、ちっとも嬉しくないのはなぜだろう……」



ショート94.
ゼノン軍、侵攻開始

 ミナ「ホテルの経営は順調よ。お金もたくさん溜まったわ」
 コートニー「豊富な資金を元手に兵士を雇い、武器も揃えました」
 エド「兵士達の訓練完了! みんな、やる気満々だぜ」
 ルーヴェ「情報収集は滞りなく。敵軍の防備の手薄な地帯を突き止めました」
 ゼノン「……そうか。機は熟した! これより我が軍は世界を手に入れる! 全軍、進撃!」

 ムウ「おい、聞いたか? ゼノン軍を名乗る軍隊によって、各国の城が次々と落とされているそ
     うだ」
 キラ「ゼノン軍って、新しい魔族の軍団ですか?」
 ムウ「いや。どうやら人間の軍団らしい」
 マリュー「取られた城や国の人達はどうなっているの? 圧制で苦しめられているとか…」
 ムウ「そういうのも無いそうだ。不正をやっていた官僚や汚職政治家をクビにして、民衆第一の
     政治をしているらしい。治安もいいってさ」
 キラ「それなら良いじゃないですか」
 ラクス「良い国が出来るのなら、わたくし達も歓迎いたしますわ」
 ムウ「そうだな。んじゃ残りの宝を探しに行くか!」
 キラ「はい」
 ラクス「分かりましたわ。その方達とはジャンルも違うようですし」
 マリュー「確かに、普通のRPGと、シミュレーションRPGは似ているようで違うわね。でも、似て
       いるのも事実だわ。いずれは…?」



ショート95.
雪山の秘宝

その1.冬の登山は危険なので、準備は万全に

 アスラン「神が作った七つの宝も、残りはあと二つか。場所は『神の地図』に記されているが、 
       どちらも厄介な場所だな」
 イザーク「一つは雪深い山の奥深く、もう一つの宝は魔神の谷にあるのか」
 アスラン「魔神の谷は難所中の難所だ。キラ達に準備を整えてもらおう。その間に俺達は雪山
       に行くぞ」
 ディアッカ「げ、何でわざわざ寒い所に行くんだよ。アスラン、お前、Mだったのか?」
 カガリ「だが、そういう場所にある宝の方が凄いアイテムだと思うぞ」
 ディアッカ「よーし、行こうぜ、アスラン! 目指せ、究極のお宝!」
 アスラン「分かりやすい奴だな」
 イザーク「防寒具は三人分だけでいいな。あいつは絶対に風邪を引かないだろう」


その2.撤退ではない。新天地への船出だ!

 ディアッカ「うー、寒っ! 何だよ、この吹雪は! 寒いってレベルじゃねーぞ!」
 イザーク「うるさい奴だ。心頭滅却すれば火もまた涼し、という言葉を知らないのか」
 カガリ「ディアッカには一番縁が無い言葉だからな。でも、確かに寒過ぎるな。この吹雪には魔
     力を感じるぞ」
 アスラン「モンスターの仕業か。そいつを倒さない限り、吹雪も止まないという事か」
 イザーク「お約束だな。ん? 吹雪の勢いが弱まったぞ。なぜだ?」
 カガリ「あそこに洞窟があるぞ。強力な魔力を感じるが……」

 モンスター・ブリザードレイダー「おおっと、もうすぐ6時だ。やっぱり土曜日の6時はアニメだよ
                    なー。頑張れ、吾郎! メ○ャー万歳!」
 アスラン「せめてTBSのアニメを見ろ。いや、見てくれ。もう手遅れか」
 カガリ「最近はこういう人が多いみたいだな」
 ディアッカ「妖奇士が半年で打ち切られた時から嫌な予感はしてたけどな」
 イザーク「日曜5時に移動か。頑張れよ、OO(と書いて後輩と読む)」


その3.適材適所

 ブリザードレイダー「お前達、宝を盗るつもりだな。そうはさせんぞ。宝の番人として千年戦って
             きた、俺の誇りにかけて!」
 アスラン「こたつに入ってみかんを食べながらアニメを見ている奴が言うな」
 イザーク「暖房もガンガンに効いているぞ。雪山なのに暑いくらいだ」
 ブリザードレイダー「いいだろ、別に。俺は寒いのは嫌いなんだよ!」
 カガリ「雪山のモンスターとは思えない発言だな」
 ブリザードレイダー「うるさいうるさい、行くぞ!」

 ブリザードレイダーがあらわれた!
 ブリザードレイダーは口からふぶきをはいた!
 アスランがこおりついた!
 カガリがこおりついた!
 イザークがこおりついた!
 デイアッカがこおりついた!

 ブリザードレイダー「どうだ、俺の吹雪は! この山に入った者を全て俺が凍らせてやる! は
             はははははははは!」

 アスランの氷がとけた
 カガリの氷がとけた
 イザークの氷がとけた
 ディアッカの氷がとけた

 ブリザードレイダー「あれ? 何でこんなに早く溶けるんだ?」
 ディアッカ「そりゃあ、こんな暑い部屋の中にいればな」
 イザーク「当然の結果だ」
 ブリザードレイダー「し、しまったあ! 何というイージーミスを!」
 アスラン「ミスとか言う以前の問題だろ、これは」


その4.ある意味、最高のアイテム

 ブリザードレイダーをたおした!
 アスラン達は第六の宝「強奪の手袋」を手に入れた!

 アスラン「どんな相手からでもアイテムを掏り取れる手袋、か……」
 イザーク「ある意味、勇者に最も相応しいアイテムだな」
 カガリ「別に問題は無いだろう。お前達は本編でもイージスとかデュエルとか盗んでるし」
 アスラン「カガリ、まだ根に持っているのか」
 カガリ「当然だ。あれはオーブが作った物だからな。いずれ賠償金は払ってもらうぞ」
 ディアッカ「すいません、今月はちょっと苦しいんで、分割払いでお願いします」
 イザーク「他人から強奪する前に、俺達が強奪されるのか。皮肉だな」



ショート96.
「強奪の手袋」を使ってみました

 ディアッカ「どんな奴からでも大切な物を掏る事が出来る『強奪の手袋』か。面白いアイテムだ
        ぜ。ちょっと使ってみるか。よっと!」

 ディアッカは『強奪の手袋』を使った。
 イザークから『戦いの記録』を掏り取った。

 ディアッカ「ふーん、あいつ、こんなメモをつけてたのか。よし、アスラン他のパーティーの奴ら 
        からも擦ってみよう。それっ!」

 ディアッカは『強奪の手袋』を使った。
 アスランから『装備していた剣』を掏り取った。
 カガリから『召喚の宝玉』を掏り取った。
 キラから『ラクスから送られた指輪』を掏り取った。
 ラクスから『キラの写真』を掏り取った。
 マリューから『勇者一行の家計簿』を掏り取った。
 ムウから『マリューの下着』を掏り取った。
 シンから『主役をアピールする魅力』を掏り取った。
 ルナマリアから『ヒロインとしての華』を掏り取った。
 ステラから『天然キャラとしての人気』を掏り取った。
 レイから『デュランダルへの親愛』を掏り取った。
 メイリンから『ツインテールなヘアステイル』を掏り取った。
 影太郎から『何気にモテる性質』を掏り取った。
 夏から『一晩かけて研いだ刀』を掏り取った。
 樹里から『とある伝説の人の記念グッズ』を掏り取った。

 ディアッカ「何だか変な物まで盗った気がするけど、まあいいか。お、あれはミリィじゃないか。 
        よーし、ミリィからも掏ってみよう。いや、待てよ……」

 たまたま通りかかったミリアリアから『ディアッカとの思い出』を掏り取った。

 ディアッカ「てな事になったらどうしよう。いや、間違いなくそうなる。そうなったらミリィは俺の事
        を忘れて……ああ、どうしよう! グゥレイトな究極の選択だぜ」
 ミリアリア「妄想も程々にしないと、殺すわよ。ファンタジー世界ならモンスターは殺しても罪にな
        らないし」
 ディアッカ「モンスター扱いかよ。あれ? みんな、どうしてここに? そしていつの間に俺を囲 
        んで……」
 全員「自分の胸に聞いてみろ!」
 ディアッカ「グギャー!!」
 ミリアリア「極め付けのバカだわ」



ショート97.
最後の秘宝を求めて

その1.集結した勇者達

 キラ「神が創った七つの秘宝も六つまで集めた。あと一つだね」
 アスラン「最後の秘宝は魔神の谷にある。あの谷は神や悪魔をも超える魔神が住むといわれ
       ている禁断の地。あの谷に入って、出て来た者はいない。厳しい旅になりそうだな」
 シン「だから四つの勇者パーティー全員で行く事にしたんじゃないですか。大丈夫、このメンバ
    ーなら魔神だって敵じゃないですよ」
 メイリン「それにこっちには、今まで集めた六つの宝もありますからね。これで負ける方が難し
       いですよ」
 アスラン「確かにそのとおりだが、君達に励まされても大丈夫という気持ちにならないな」
 キラ「ネガティブ過ぎるよ、アスラン。気持ちは分からなくもないけど」


その2.魔王達も

 メレア「六番目の宝も勇者達の手に落ちたか……。これはちょっとマズいかな」
 ダブルG「最後の宝まで奴らの手に渡すわけにはいかん。我らも総力を結集して、勇者どもを
       片付けて、最後の宝を手に入れようではないか」
 ガーネット「そうね。遊びはここまでにしましょう。これからは本気を出すわよ。そしてこの世界 
        を私達の手に!」

 三人揃って『そして宝も私だけの手に! こいつ等には絶対に渡さん!』

 ステファニー「口ではああ言ってるけど、何を考えているのかバレバレだわ。はあ、ここまで追
          い詰められても力を合わせられないなんて……」
 ノーフェイス「そういう人達だから魔王なんてやってるんですよ。悪役のお約束ですな」


その3.そして、この男も動く

 ゼノン「ほう、最後の神の宝とはそれ程凄いものなのか」
 ルーヴェ「ええ。何でも手にした者には無限の富と栄光が与えられるとか」
 ゼノン「そうか。よし、我々も行くぞ。その宝を手に入れる」
 ルーヴェ「はっ! その宝の力を使って、ゼノン様がこの世界の王となるのですね」
 ゼノン「馬鹿者。このゼノン・マグナルド、宝の力など使わなくても世界を手に入れてみせる。そ
      んな宝など、俺の覇業の邪魔になるだけだ。この手で破壊する。行くぞ!」
 ルーヴェ「は、ははっ!」
 ミナ「何だか凄い事になりそうね。勇者さん達とは戦いたくないけど……」



ショート98.
いざ魔神の谷へ

その1.16人パーティー

 キラ「ここが魔神の谷か。不気味な場所だね」
 アスラン「ああ。霧が立ち込めていて視界も悪い。みんな、気を付けろ」
 シン「モンスターの気配も感じる。あちこちに潜んでいるみたいだな」
 メイリン「みたいね。それもかなり強い奴ばかり。私達も強くなったけど、それでもちょっと厳し 
       いかも…」
 ラクス「いいえ、わたくし達が力を合わせれば恐れるものなど何もありませんわ」
 イザーク「そのとおりだ。この程度の苦難など今までにも乗り越えてきた」
 夏「最後の宝、必ず手に入れるでござる」
 ルナマリア「それじゃあ行きましょう、いざ、魔神の谷へ!」
 全員「おーっ!!」

 レイ「と、勢い良く谷に入ったところまでは良かったんだが」
 ステラ「狭い……」
 ムウ「み、道が狭くて動きが取れん。谷底がこんなに狭くなっているとはな」
 樹里「きゃっ! ム、ムウさん、押さないでくださーい」
 影太郎「やれやれ。普通に歩けるのは子供の俺だけか」
 マリュー「これは一列になって進むしかないわね」
 ディアッカ「そうだな。で、何で先頭が俺なんだよ。こういう場合、一番強い勇者とか、タフな戦 
        士が先頭だろ」
 カガリ「大丈夫だ。お前は殺しても死なない。ある意味、戦士よりタフだからな」
 ディアッカ「うわー、全然嬉しくねー」


その2.魔王達も谷に到着

 ガーネット「道が狭いわね。谷を壊して道を開きましょう」
 ニコル「駄目ですよ。そんな事をしたら谷のどこかにある宝も壊してしまいます」
 ステファニー「少数精鋭で行くしかありませんね」
 メレア「じゃあ僕が行くよ。体が小さいから、こんな道でもスイスイさ♪」
 ノーフェイス「メレア様、表現が古すぎます。年がバレますよ」
 ダブルG「私の体ではこの道は通れん。外で待つとしよう」
 クルーゼ「我々も残ります。主を守るのが我らの役目ですから」
 アズラエル「そうですね。非常に残念ですが、ここは皆さんにお任せします。ああ、本当に残念
         だなあ」
 ダン「パーティーセットを広げながら言っても説得力無いぞ。俺も行くか」
 ギアボルト「私も行きます。厳しい戦いになりそうですが、役立たずの誰かさんが行って失敗す
         るよりはマシです」
 アヤセ「誰が役立たずよ! いいわ、私も行く。あんたの前で私の実力を見せてあげるわ。ス 
      ティング、アウル、あんた達も来なさい!」
 アウル「うげー。コキ使われそうな予感」
 スティング「我慢しろ。手柄を立てれば時給も上がるはずだ」
 ステファニー「私も行きます。このメンバーだと途中で喧嘩しそうだし」
 ガーネット「そうね。まったく、こいつ等、どうしてこんなに仲が悪いのかしら?」
 ニコル「仲の良い魔王軍なんていないと思いますよ。いたら勇者を即フルボッコにしそうだし」
 ノーフェイス「内紛は悪の組織のお約束ですからな。本編でもSSでも気苦労が絶えません」


その3.泣くなエド&ルーヴェ

 ゼノン「ちっ、谷に入った途端に霧が濃くなった。前も後ろも見えん。全員いるか?」
 コートニー「ゼノン様、エドがいません」
 ゼノン「奴なら大丈夫だ。放っておけ」
 コートニー「ルーヴェもいません」
 ゼノン「心配いらん。ああ見えてあいつはタフな男だ」
 コートニー「ミナ様もいません」
 ゼノン「探せ。全力で探せ。絶対に見つけろ!」
 コートニー「エド、ルーヴェ、さすがに同情するぞ」



ショート99.
遭遇

その1.ラッキースケベ魔王メレア

 ミナ「どうしよう、ゼノン達とはぐれちゃった……きゃっ! ご、ごめんなさい、大丈夫ですか?」
 メレア「っ、痛いなあ。お前、どこ見て歩いているんだ…っと、これは失礼、美しいお嬢さん。そ
      ちらこそ、お怪我はございませんか?」
 ミナ「あら、子供? ボク、どうしてこんな所にいるの? お父さんやお母さんは?」
 メレア「う、うん、ボク、おとーさんやおかーさんとはぐれちゃったの。おねーちゃん、いっしょにさ
      がして」
 ミナ「ええ、いいわよ。お姉ちゃんもはぐれちゃったんだけど、強い仲間がいるから大丈夫。君
    のお父さんとお母さんも探してあげるわ」
 メレア「うわーい、ありがとー! おねーちゃん、ボク、つかれちゃった。だっこして」
 ミナ「いいわよ」
 メレア「うわーい、たかーい。それに、やわらか…いや、ゴホンゴホン」
 ミナ「? どうしたの?」
 メレア「な、なんでもないよー。(小声で)ふうー、危なかった。でも、この心地よさは極楽だね。
      ふふふふふふふふ」

 ゼノン「! 今、急に誰かを殴りたくなった。いや、殺したくなったぞ。気のせいか?」
 コートニー「分かりません。私を殴らなければ結構です」


その2.谷の広場にて

 ディアッカ「ふう、やっと狭い道を抜けたぜ」
 アスラン「随分と広い所に出たな。それに霧も深い」
 ムウ「一寸先は白い闇、ってところか。みんな、はぐれないように手を取り合え」
 ルナマリア「ちょっと遅かったみたいです。私達以外のメンバーがいません」
 ムウ「何!? あいつら、迷子になったのか。しょうのない奴らだ」
 ルナマリア「いや、どちらかと言うと私達の方が迷子になったんじゃ…」
 アスラン「! みんな、伏せろ!」
 ディアッカ「うわあ!」
 ルナマリア「きゃ! ま、魔法攻撃? 誰の…」
 ギアボルト「私達です。勇者パーティーの皆さん、この魔神の谷で葬って差し上げます」
 アヤセ「それはいいんだけど、あんたの魔法弾、こっちに向かって飛んでこなかった? 私を狙
      ってなかった?」
 ギアボルト「気のせいです」
 アヤセ「眼を背けながら言うな! あー、あんたってホントにムカつく!」
 ディアッカ「何だろう。あの赤毛の女には妙に親近感を感じるぜ。はっ、もしやこれは新しい恋 
        心!? だ、駄目だ、俺にはミリィという恋人が!」
 アスラン「ムウさん。あいつは無視してください。ああなったら戦力になりませんので」
 ムウ「了解。お前も大変だな」


その3.勇者が二人もいますからね。他のメンバーも優秀だし

 キラ&ラクス&シン&カガリ「あ」
 ダン&スティング&アウル&ステファニー「あ」
 キラ「…………」
 ダン「…………逃げるぞ」
 ステファニー「そうね。四対二じゃ勝ち目は無いわ」
 アウル「えっ、俺達って戦力外?」
 スティング「我慢しろ。あのパーティー相手じゃほとんどの奴は戦力外だ」


その4.光の先には

 メイリン「キラさんやアスランさん達とははぐれてしまったみたいですね。どうしよう……」
 影太郎「あいつらも勇者だ。そう簡単にはくたばりはしないだろう。今は秘宝の獲得を優先しよ
       う」
 樹里「そ、そうね。あれが魔王軍の手に渡ったら、大変な事になるみたいだし」
 夏「霧も少しずつ晴れてきたでござる。このまま真っ直ぐ進もうでござる」
 マリュー「そうね。あら、道の先に光が見えるわ」
 ステラ「谷の出口……?」
 イザーク「ようやくか。さすがの俺も歩き疲れたぞ」
 レイ「浮かれない方がいいと思いますよ。こういう場合、無事に出口に付ける可能性は極めて
     低い」
 影太郎「スタート地点に戻ってきたって事はないよな?」

 ダブルG「ん?」
 クルーゼ「おやおや」
 アズラエル「これはこれは」
 ガーネット「あらら」
 ニコル「どうも、お久しぶりです」
 メイリン「…………えーと、すいません。私達、もしかして最悪の道を選んじゃってましたか?」
 ノーフェイス「微妙ですね。魔王様達の暇潰し相手にはなりそうですが」


その5.忘れられた人達

 エド「こ、ここはどこだ〜。おーい、誰か、助けてくれ〜〜〜〜〜〜」
 ルーヴェ「ああ、花が見える。あっちには妖精さんがいるぞ。ふふ、ふふふふふふふ」

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