ファンタジー編 PHASE−13
ショート133.
魔界ってどんな世界なの?

その1.赤い空と黒い雲

 ダン「着いたぞ。ここが魔界だ」
 キラ「空が赤い……。夕方なの?」
 ステファニー「あれが魔界の空の色よ。昼間は赤く、雲の色は黒。あなた達の世界の空とはま
         ったく逆の色」
 ラクス「そうなのですか。神秘的ですわね」
 ダン「住んでいる奴にとっては、それどころじゃないぞ。黒い雲から降る雨も黒い。干してあった
     洗濯物を取り込み忘れたら、あっという間に黒く染まる」
 ラクス「そうなのですか。だから魔界の方の服は黒が多いのですね」
 マリュー「ラクスさん、それは違うと思うわよ」
 ダン「いや、正解だ。黒い服なら黒い雨に打たれても、全然平気だからな」
 マリュー「嘘。知らない方が良かった事実ね。イメージが…」
 ステファニー「でも、年中黒い服を着るのも嫌よ。もっとカラフルな服が着たい。そう思う人は多
          くて、だからみんな人間界を征服しようとしているのよ」
 ムウ「おいおい、幾らなんでもそれは……ないとは言い切れないのが怖いな」
 キラ「ギャグSSですからね。それに、くだらない理由で始まった戦争って、現実でも結構ありま
     すし」
 ムウ「笑えない冗談だな。色々な意味で」


その2.強い駒は安易に動かさない方がいい

 アスラン「キ〜〜〜ラ〜〜〜〜〜〜〜〜……」
 キラ「あ、アスラン。君達も魔界に来れたんだね。良かった」
 アスラン「良くない! 貴様ら、楽な近道があるならどうして俺達に教えなかった!」
 ムウ「いや、お前さん達、ドリルがお気に入りだったみたいだからな。快適な旅だったろ?」
 シン「ムウさん、あんたワザと言ってますね。ウエップ」
 ルナマリア「シン、吐いちゃダメよ。こいつ等の前で吐いたら負けよ!」
 カガリ「人としての意地だな。気持ちは分かる」
 ラクス「ケンカはそのくらいにしましょう。敵が来ましたわ」
 レイ「モンスターの軍団か。ほう、かなりの数だな」
 ダン「気を付けろ。魔界のモンスターは人間界の奴らより手強いぞ」
 ステラ「そう。でも、強い敵の方が倒し甲斐、ある」
 メイリン「ステラさんの言うとおりね。ドリル城で地獄を見たストレス、発散させてもらうわ!」
 影太郎「今回ばかりはメイリンを全面的に支持する。みんな、行くぞ!」
 夏「応! 拙者の太刀筋は魔界でも健在でござる!」
 樹里「わ、私だって、今日はやるわよ! てやーっ!」
 イザーク「どけ、馬鹿ども。先陣は俺が切る!」

 ラクス「あらあら、皆さん、先に行ってしまいましたわ」
 マリュー「キラ君、追わなくてもいいの?」
 キラ「ここはみんなに任せましょう。邪魔したら後ろから襲われそうだし」
 ダン「襲われるかもしれないという自覚はあるんだな。だが、それを冷静に読んでいる」
 ステファニー「さすがは勇者、敵にしたら怖いけど、味方にしたら頼もしいわ」
 ムウ「そうか? 俺は味方にしても怖いんだが」


その3.大魔王グランドクロスのたった一つ?の弱点

 グランドクロス「偵察部隊は全滅か。さすがゼノンが選んだ勇者、なかなかやってくれる」
 吟「連中の強さは本物です。こちらもそれなりの駒を送るべきかと」
 グランドクロス「分かっている。行け、四天王! この城を守る四大魔関で奴らを仕留めろ!」
 フレイ「はい。お任せください」
 ウラノス「勇者どもは必ず、我らの手で…」
 ネプチューン「始末してみせます」
 プルート「グランドクロス様、どうかご安心ください。ええ、もうぐっすり寝ちゃってもいいですよ」
 グランドクロス「そうか。ではそうしよう。吟、寝る前に本を読んでくれ」
 吟「はっ。今日は先日読んだ絵本の続きを読みましょう」
 グランドクロス「うむ、楽しみだ。今日はいい夢が見られそうだな」
 フレイ「…………グランドクロス様は凄い方だけど、あのクセだけは何とかした方がいいと思う
     わ。誰か忠告したら?」
 他の三人「嫌。死にたくない」
 フレイ「そうよねえ。トップが強すぎると非難できない。そして暴走する。独裁組織の欠点だわ。
      まあ私は楽しいからいいんだけど」
 ネプチューン「ほっほっほっ。その内、強烈なしっぺ返しを食らいそうな気がするのう。いや、も
          うその時は近いのかのう?」



ショート134.
四大魔関を突破せよ!

その1.トラウマになっているみたいです

 アスラン「四大魔関?」
 ダン「大魔王の城を守る結界を張っている、四つの関所だ。ここにある魔法玉を破壊しない限
     り、大魔王の城には入れない」
 キラ「お約束の設定だね」
 メイリン「じゃあ早速行きましょう。これだけの人数なんです、戦力を集中して一気に…」
 ダン「それは無理だ。四つの魔法玉は、四つ同時に壊さなければ再生してしまう。そして関所 
     から出たら二度と入れない」
 シン「つまり四つの関所を同時に攻略して、玉も同時に壊さないとダメなのか。面倒だなあ」
 ステファニー「関所には、グランドクロスの配下で最強の四天王が待ち構えているはずよ。み 
          んな、気を引き締めて」
 ルナマリア「お約束設定の連発ね」
 カガリ「でも、こういうのは好きだぞ」
 ムウ「そうだな。燃えてきたぜ」
 イザーク「おお! どんな強敵だろうと、俺のこの手で打ち砕いてみせる!」
 キラ「何だかんだ言っても、みんなこういうのが好きなんだね。ドリルとか好きなのも……って、
     みんなどうしたの? ブルブル震えているけど」
 アスラン「な、何でもない、気にするな」
 メイリン「ドリルは嫌、ドリルは嫌、乗りたくない、もう乗りたくない……」


その2.ラク〜なツアーで行きましょう(料金はちょっと高め)

 マリュー「その四つの関所はどこにあるの?」
 ステファニー「魔界の東西南北に設置されているわ。ここからだと、ちょっと遠いわね」
 アスラン「そうか。長い旅になりそうだな」
 ダン「そうでもない。あれに乗れば、すぐに着く」

 茜(バスカイド)「魔界の名所、四大魔関行きのバス乗り場はこちらでーす! もうすぐ東にある
           『水の魔関』行きのバスが出ますよー。お乗りの方はチケットを買って、急いで
           乗ってくださーい!」

 ダン「あのバスに乗れば一時間で着ける。急いで乗れ」
 キラ「観光名所になっているんだ。魔界って意外と平和なんだね」
 ラクス「楽しみですわ。地上の皆さんへのお土産は売っているのでしょうか?」
 ステファニー「それは期待していいわよ。じゃあ行きましょう」
 アスラン「おー……と素直に言えないのはなぜだ? 何か間違っているような気がするんだが」


その3.大丈夫。他のパーティーも似たり寄ったりだから

 キラ「東の関所には僕達が行くよ。みんな、気を付けて」
 アスラン「俺は北へ行く。ダンとステファニーも一緒に来てくれ」
 ダン「分かった」
 ステファニー「ええ。手伝うわ」
 シン「俺とルナ達は西の関所を攻略します」
 メイリン「私達は南ですね。どんな所なんだろう? ちょっと楽しみ」
 影太郎「メイリン、浮かれるな。俺達は敵の城を落としに行くんだぞ」
 メイリン「そうね、ちゃんと準備しないと。えーと、カメラとお弁当と水筒、あとレジャーシートも忘
       れちゃダメよね」
 影太郎「完全にピクニック気分だな。うちのパーティー、ダメかもしれない」



ショート135.
四大魔関の戦い・パート1

その1.車に乗る前に、酔い止め薬を飲んでおこう

 シン「ここが西の魔関か……」
 ウラノス「ようこそ、勇者ども。ここが魔界の西を守る『風の魔関』だ。ここを守る万の軍勢を持
       って、貴様らを歓迎し…」
 シン「…………うえっぷ」
 ウラノス「人の演説中に吐くな!」
 ルナマリア「バスに酔ったのね。ドリル酔いのダメージも合わせて、かなりダメージを受けてい 
        るわ」
 ステラ「ステータス画面が緑になってる。シン、解毒呪文、する?」
 シン「た、頼みます。おえ〜〜〜〜〜」
 レイ「酔って吐く主人公というのも珍しいね。そして、そういうシーンが良く似合う主人公というの
     も新鮮だ。さすがはシンだな」
 ルナマリア「それ、褒めてるの?」


その2.皆さんも甘い言葉には気を付けましょう

 シン「ふう、すっきりした。解毒の呪文って、車酔いにも効くんだな」
 ステラ「ステラはバスに乗る前から使ってた。酔い止めにもバッチリ」
 ウラノス「もういいか? そろそろバトルを始めたいんだが」
 ルナマリア「あ、ごめんなさい。うわー……。凄い数のモンスターね。本当に一万ぐらいいるわ」
 シン「俺達四人だけで、この数を相手にするのか? 厳しいな」
 ウラノス「ふっ。いくら勇者でもこの数には敵うまい。物量で押して、圧殺してやる」
 レイ「ここは俺に任せろ」
 シン「レイ、いくらお前でも、一人でこの数を相手にするのは…」
 レイ「大丈夫だ。魔界のモンスター諸君、そんな男の下にいるより、我々に着いた方が得だ  
    ぞ。給料は倍出すし、可愛い女の子はいるし、何より、正義のモンスターになれば人気が
    出てギャラも大幅アップ。君もスターにならないか?」
 ルナマリア「あらら、半数以上のモンスターが寝返っちゃった」
 ウラノス「お、お前らあああああああああああ!!」
 ステラ「魔界のモンスターは人間界のより野心が強くて、欲も深い。だからホイホイ口車に乗る
      ……」
 シン「詐欺に騙されやすいタイプだな。俺も気を付けようっと」


その3.小説では意味の無い攻撃

 ウラノス「仲間割れとは、我が部下ながら情けない連中だ。こうなったら、俺自ら相手をしてや 
       る!」
 ルナマリア「うわー、典型的なボスキャラの台詞ね」
 ステラ「うん。しかもラスボスじゃなくて、中ボスレベルの台詞」
 シン「別にいいんじゃね? こいつ、中ボスだし」
 ウラノス「くっ、大魔王の四天王をナメるなよ。食らえ、真空列斬(エアロ・デスピア)!」
 レイ「む、風の刃か」
 シン「そんなありきたりな攻撃が通じるかよ!」
 ルナマリア「きゃあ!」
 ステラ「あ。風でステラのスカートがめくれた」
 ウラノス「ふっ、どうだ、男心を刺激するこの攻撃は。この隙に…」
 シン「うおりゃあ!」
 レイ「ふん」
 ウラノス「ぐあっ! な、なぜだ、なぜこの攻撃が通じない?」
 シン「いや、ちょっとドキッってしたけど、結局見えないからなあ」
 レイ「女子のパンツは映さない。というか映せない。放送コードは妙なところで厳しいのだ」


その4.台風の目

 ウラノス「ふん、今のはお遊びだ。本気を出してやる。受けよ、我が最強の技、列風大竜巻(デ
       スピア・トルネード)!」
 ルナマリア「きゃあ! す、凄い竜巻だわ。巻き込まれたら吹き飛ばされるかも」
 レイ「ああ。だが、竜巻の中心は無風状態だ」
 シン「竜巻の中心って、あいつがいる場所だな」
 ステラ「私達もそこにいる。竜巻は私達の周りで吹いている……」
 ウラノス「あ。し、しまった、この技は接近戦では意味が無かったんだ」
 シン「バカだな」
 ルナマリア「バカね。それじゃあ…」
 ステラ「とどめ」
 ウラノス「ぐあーっ!!!!」
 レイ「俺達を近づけた時点で、こいつの負けは決まっていたな。大軍相手なら、この風でかなり
    活躍したんだろうが」
 ルナマリア「少数精鋭の私達とは相性が悪かったわね。やっぱり中ボスだわ」
 ステラ「南無」



ショート136.
四大魔関の戦い・パート2

その1.ここは魔界で地獄に最も近い場所、だそうです

 メイリン「ここが南の関所ですか。それにしても…………暑〜〜〜〜い。体が焼けそう〜〜〜
       〜〜〜」
 夏「あちらの山が噴火したでござるぞ。ここは魔界の火山地帯みたいでござるな」
 樹里「きゃっ! マ、マグマがあちこちから噴き出しているんだけど、大丈夫なの?」
 影太郎「いや、マグマにしては熱くないぞ。お湯ぐらいの温度だ」
 メイリン「え? 溶岩みたいに見えるけど、これってお湯なの? って事は……」
 影太郎「ここは魔界の温泉らしいな」
 夏「ふむ。道理で浴衣を着たモンスターばかりだと」
 樹里「モンスターも、温泉では浴衣を着るのね。何だかちょっとシュール」
 メイリン「平和そうで良いじゃない。汗かいちゃったし、私達も温泉に入りましょう」
 影太郎「いや、それはダメだろ。ここに来た目的を忘れるなよ」
 三人「………………」
 影太郎「何で俺をそんなに冷たい目で見るんだ。俺、何か間違った事を言ったか?」


その2.お酒も持ち込んでいます

 プルート「はーい、勇者パーティーの皆さん。魔界の南を守る『炎の魔関』へようこそ。ここは魔
       界一の大温泉だけど、あんた達は入れないわ。あんた達が入るのは死の世界の血
       の池よ。覚悟してね、あははははははは!」
 メイリン「あの子がここのボスみたいね。分かりやすい悪役キャラだわ」
 夏「だが、なかなかの腕でござる。隙がまったく無いでござるよ」
 影太郎「そうか? 温泉に入って、頭にはタオル乗せて、完全に気を抜いているようにしか見え
       ないんだが」
 樹里「彼女を倒す為には、私達も同じ土俵に上がらないとダメだと思います」
 メイリン「そうね。私達も入りましょう。炎のように熱いお湯の地獄へ」
 影太郎「だから入るなっての。女ってのは、どうしてこんなに温泉が好きなんだ?」


その3.HPギリギリだったけど、何とかなりました

 影太郎「『男の子が女湯に入るな』って、追い出されてしまった。確かにそうだけど、俺がいなく
      て大丈夫なのか? そろそろ一時間経つんだが」
 メイリン「………………」
 夏「………………」
 樹里「………………」
 影太郎「あ、出て来た。で、戦いはどうなった?」
 メイリン「か、勝ったわ。凄く手強い相手だったけど、何とか勝った……」
 夏「拙者達三人を相手に、あそこまで粘るとは……。敵ながら天晴れでござる」
 樹里「の、のぼせちゃった。影太郎君、お水ちょうだい。お水を…」
 影太郎「ああ、どうせそんな事だろうと思って、冷たい水を用意してある。たっぷり飲め。それ 
      からこの戦闘の事は他のパーティーには話すなよ。絶対に、だ。ガマン比べで勝った
      なんて、恥ずかしくて言えるか」
 メイリン「えー、普通の戦闘よりずっと辛かったのに〜〜〜。努力が評価されないのって、辛い
       んだけど」
 影太郎「のぼせるまで温泉に入る奴に、努力云々を言う資格は無い。そう思う俺は間違ってい
       るか?」


その4.答・ダメ人間のレベルです

 プルート「ふっ、温泉対決でこの私に勝つなんて、さすが勇者、やるわね。でもまだ終わらない
       わ。今度は温泉卓球で勝負よ! あ、急に立ち上がったらクラクラして、あーっ!」

 プルートは自滅した!
 メイリンパーティーはレベルが上がった!

 影太郎「何のレベルだ。いや、知りたくないから教えるな」



ショート137.
四大魔関の戦い・パート3

その1.答え・類は友を呼ぶ

 アスラン「ここが北の関所か。さすがに寒いな」
 カガリ「雪もかなり積もっているぞ。歩くのも大変だ」
 イザーク「ダンの言ったとおり、スノーシューズを履いてきて正解だったな」
 ダン「ここは魔界屈指の豪雪地帯だ。普段着で来たら凍死する。防寒対策は万全にしておか 
     ないと死ぬぞ」
 ステファニー「魔関の中も、氷とか雪を使ったトラップで一杯らしいわ。みんな、気を付けて」
 カガリ「ああ、RPGとかでよくある氷を滑らせたり、壊したりするパズルみたいなやつだな。私 
      はああいうのは苦手だ。アスラン、任せた」
 アスラン「やれやれ……。まあいい、関所の中に入るぞ。うわっ、何だ、この暑さは! まるで 
       常夏じゃないか!」
 ネプチューン「ほっほっほ。よく来たのう、歓迎するぞ。年寄りは寒いのが苦手なんじゃ。だから
          暖房をガンガンかけておる。いろりやコタツもあるぞ」
 アスラン「氷のトラップは?」
 ネプチューン「暑くし過ぎて溶けてしもうた。ほっほっほ」
 ダン「笑って誤魔化すな」
 ステファニー「地上も魔界も、魔王の部下ってこんな人ばかりなのね。どうしてなのかしら?」


その2.あと演歌とか、落語も好きだよね

 ネプチューン「トラップはダメになってしもうたが、その分は我が力で補うぞ。さあ勇者ども、掛 
          かってきなさい」
 イザーク「いきなりボス戦か。まあ手間が省けて良いがな」
 カガリ「行くぞ、モンスター召喚!……って、あれ? 召喚魔法が無効化された!?」
 ネプチューン「ほっほっほ。この関所の中には結界が張ってある。魔法は使えんぞ」
 アスラン「くっ、ならば剣で!」
 ネプチューン「ほっほっほ。剣ならこちらも得意じゃ。それ!」
 アスラン「ぐっ!」
 イザーク「つ、強い。俺とアスランの同時攻撃を、あっさり捌くとは……」
 ダン「さすがは大魔王の側近、強いな」
 ステファニー「魔法が使えないんじゃ、私もサポート出来ないわ。治療魔法も使えないから、長
          期戦は不利よ」
 カガリ「これは、かなりヤバいかもしれないぞ。アスラン、どうする?」
 ネプチューン「ほっほっほ。勇者も大した事ないのう。それ、とどめじゃ!」
 アスラン「うっ!……な、何だ、この音は。拍子木の音?」
 ネプチューン「む、もう大相撲の時間か。いかん、今日の取り組みは見逃せんのじゃ。テレビ、
          テレビ」
 アスラン「テレビっ子ならぬテレビ爺さんか。タイマーセットまでしていたとは筋金入りだな」
 カガリ「お年寄りって、相撲が好きな人が多いな。どうしてなんだろう?」
 イザーク「知らん。最近の不祥事連発の相撲界には失望しているかもしれんな」


その3.正義って何だ?

 ダン「隙あり!」
 ネプチューン「ギャー!」

 アスラン達はテレビを見ていたネプチューンを後ろからおそった!
 ネプチューンをたおした!

 アスラン「勝ったな。だが、これで良いのか? 俺達は本当に勇者なのか?」
 イザーク「気にするな。は○れメタルに毒針を使って確実にダメージを与える本家勇者も、よく
       考えればかなりエグいぞ」
 ダン「そのとおりだ。正義とは、勝ってこそ証明される。どんな手を使っても勝たなければ意味
     が無い」
 アスラン「それはそのとおりなんだが、だけど……」
 ステファニー「あー、コタツが暖かいわー。あ、カガリちゃん、そっちのみかん取って」
 カガリ「ほら。うーん、本当に温いなあ。もうここから出たくないぞー」
 アスラン「…………まあいいか。ほら、そこのダメ女二人、コタツから出ろ。ダンも、鍋焼きうど
       んを作るな」



ショート138.
四大魔関の戦い・パート4

その1.運命の、そして悪夢の出会い

 ラクス「着きましたわ。ここが東の関所みたいですわね」
 キラ「うわあ、凄く大きな建物だね。駐車場には車が一杯止まっているし」
 ムウ「中も広いぞ。店もたくさんある。レストランには行列も出来ているぞ」
 マリュー「関所と言うより、ほとんどショッピングモールね。服も靴も、売られているのはブランド
       ものばかりみたい」
 フレイ「そうよ、ここは私の夢の国。魔界屈指の一流ブランドショップや一流レストランばかり集
      めた、最高のショッピングモールよ!」
 ラクス「あなたがここの責任者ですか?」
 フレイ「ええ。グランドクロス様に仕える四天王の一人、フレイよ。あんた達が勇者のパーティー
      ね。ここがあなた達の墓場…」
 キラ「? 僕の事をじっと見てる。あの、僕の顔に何か付いてますか?」
 フレイ「………………素敵」
 キラ「えっ?」
 ラクス「ピクッ」
 ムウ「お、おい、あの女、今とんでもない事を言ったぞ。おお、ラクスのこめかみがピクピク動い
     ている。ヤバい、ヤバいぞ、これは!」
 マリュー「そうね。ここにいる人達を避難させましょう。そして私達も」
 ムウ「賛成、情けないけど逃げるが勝ちだ!」


その2.キラの鈍感さは、ある意味凄い

 キラ「あ、ムウさんもマリューさんもどこに行くんですか? 戦いはこれからなんですよ」
 ムウ「だから逃げるんだよ! モンスターとの戦いならともかく、女の戦いに巻き込まれるのは
     御免だ!」
 マリュー「ごめんなさい、キラ君。命があったら、また会いましょう」
 キラ「ちょっ、ちょっと、マリューさんまで、どうして逃げるんですか? …………ショッピングモ 
     ールの人達も居なくなっちゃった。みんな、どこへ行ったんだろう?」
 ラクス「………………」
 フレイ「………………」
 キラ「この二人はずっと睨み合ったままだし。僕は加勢しなくてもいいのかな?」


その3.予想と結果は違うもの、ではありませんでした

 マリュー「キラ君を置いてきちゃったけど、あれで良かったのかしら?」
 ムウ「連れて来たら、あの二人までこっちに来たぞ。それじゃあ逃げた意味が無いだろ。それ 
     にしても敵の幹部を惚れさせるとは、キラの奴、なかなかやるな」
 マリュー「本人は自覚ゼロで、気付いていないのが困るんだけど」
 ムウ「天然ジゴロで天然ボケか。クソッ、ラブコメマンガの主人公には必須のスキルを持ってや
     がる。うらやましいぜ」

 ドッカーン!!!!

 ムウ「あ。ショッピングモールが爆発したぞ」
 マリュー「避難して正解だったわね。何が起こったかは想像したくないわ」
 ムウ「簡単に想像できちまうけどな。女の嫉妬は怖いねえ」


その4.お互いに魔力が尽きたので、決着は持ち越し

 フレイ「ふっ、に、人間にしては、なかなかやるわね。キラを魔法のバリアで守りながら、私と互
      角に戦うなんて……。私もキラの事が気になって全力を出せないし、勝負は預けるわ。
      あんたは大魔王様の御前でブチのめしてあげる」
 ラクス「楽しみにしてますわ。大魔王とご一緒に、冥府へ送って差し上げます。では、ごきげん 
      よう」

 フレイは逃げていった!
 ラクス(とキラ)は戦いに勝った!

 ラクス「倒してはいないので、経験値は入らないのですね。残念ですわ。でも、キラを守れたの
      ですから良かったですわ。キラ、わたくしから離れないでくださいね。永遠に」(ニッコリ)
 キラ「う、うん。僕もラクスの事が好きだから、離れるつもりは無いよ。でも、君の笑顔を見ると
    体がガクガク震えるんだ。どうしてだろう?」
 ラクス「風邪ですわ。ゆっくりお休みなさい。わたくしが子守唄を歌って差し上げますわ。いえ、
      勝利の凱歌の方がよろしいかしら?」


その5.実は一番の被害者(になる予定)

 大魔王グランドクロス「な、何だこの悪寒は。我が城が地獄と化すような、そんな気がするぞ。
               気のせいだろうか?」



ショート139.
魔法玉の秘密

その1.セーブ&休憩はこちらでどうぞ

 グランドクロス「四大魔関が落ちたか……。だが、四つの魔法玉は同時に破壊しないと再生す
           る上、強力な魔物が現れるようになっている。四天王との戦いで疲れ切った奴
           らに勝てる相手ではないし、関所から出たら二度とは入れんから、町に戻って
           休む事も出来ん。ふっ、終わったな」

 メイリン「えー、魔法通信は通じてますか? こちらメイリン、ここのボスを倒しました。これから
      魔法玉を壊しますけど、他のみんなはOKですか?」
 シン「こっちも四天王の一人ってのを倒した。いつでも壊せるぜ」
 キラ「ちょっと待って。魔法玉を壊したら、絶対に何かあるだろうから、休憩ポイントまで戻って
     休もう」
 アスラン「関所の中に体力回復できる場所があるとは、助かるな」

 グランドクロス「し、しまったあああああああっ!! あんな場所、作るんじゃなかった!」
 フレイ「昔のRPGは、ダンション途中のセーブポイントなんて無かったのよね。あの頃に比べた
      ら、ボスキャラって優しくなったわよね」


その2.最終決戦前のお約束?

 キラ「それじゃあいくよ、せーの」
 メイリン「えいっ!」
 シン「やあっ!」
 アスラン「とおっ!」

 四人の勇者は魔法玉を壊した!
 大魔王の城を守る結界が消えていく…

 シン「やった! これでいよいよ最終決戦だな」
 ルナマリア「いいえ、まだよ」
 ステラ「そう。この関所、まだ全部見ていない」
 レイ「取り逃した宝箱があるかもしれん。行くぞ」
 メイリン「私達もまた全部は見てないわね。探しましょうか?」
 影太郎「やめておこう。時間の無駄だし、どうせ大魔王の城にはもっといい物があるだろうし」
 夏「世知辛いが、的確な考えでござるな」
 ラクス「いいえ、こういう場所にあるアイテムこそ、役に立つ物が多いのですわ。キラ、わたくし
     達も探しましょう」
 アスラン「合流するのは、当分先になりそうだな。まあラストダンジョンに入る前のレベル上げ 
       だと思っておこう。カガリ、俺達も行くぞ」
 カガリ「アイテム探しは否定しないんだな。さすがは勇者、と言うべきなのか?」



ショート140.
最終決戦前のひと時

その1.キラパーティーの場合

 キラ「ラクス、この戦いが終わったら、僕と結婚してくれないか?」
 ラクス「キラ……。その言葉、待っていましたわ。喜んでお受けします」
 ムウ「おーおー、青春だねえ。でも気を付けろよ、キラ。決戦前のプロポーズはかなりの死亡フ
     ラグだぞ」
 キラ「大丈夫です。そのフラグは主人公には適用されませんから」
 ムウ「そうか。じゃあ俺は危ないな。マリューとの事で責任を取るのは、もう少し後にしよう。そ 
     れまでの間は遊びまくって…」
 マリュー「ムウ。私と一緒に死んでみる?」
 ムウ「冗談です、ジョークです、マリュー様。結婚しましょう。いえ、させてください。お願いしま 
     す!」
 ラクス「まあ。土下座してプロポーズするなんて、ムウ様はマリューさんの事がそんなにお好き
      なのですね」
 キラ「好きなのは間違いないけど、それだけじゃない気もするよ。ムウさん、ジャンピング土下 
     座、決まりすぎです」


その2.アスランパーティーの場合

 カガリ「ア、アスラン、この戦いが終わったら私と一緒に…うわあっ!」
 アスラン「うわっ、空から丸い巨大物体が降ってきたぞ。それも三つも。カガリ、大丈夫か?」
 カガリ「あ、ああ。何なんだ、この運動会の球押しに使う巨大球みたいな物は?」
 ディアッカ「お〜〜〜、アスランとカガリじゃないか〜〜〜。久しぶりだなあ〜〜〜」
 アスラン「お、お前、ディアッカか!? しばらく姿を見なかったが、どこに行ってたんだ? それ
       にその姿は…」
 ディアッカ「いや〜〜〜、ネットカフェ界って場所に飛ばされたんだけど、そこで食っちゃ寝てば
        かりいたら太っちまって。そしたらそこの連中が、俺達を食おうとしてさあ。奴らの 
        次元移動装置を使って、逃げて来たんだ」
 スティング「うぐ……」
 アウル「げふう。もう、食えない。誰か助けてくれ……」
 ディアッカ「あー、久々に運動したら腹が減った。アスラン、飯をくれ。っておーい、どこに行くん
        だよ、アスラーン!」


その3.シンパーティーの場合

 ステラ「シン、この戦いが終わったら…」
 ルナマリア「ま、待って! シンとは私が先に約束するのよ。シン、この戦いが終わったら私の
        故郷へ…」
 レイ「シンならいないぞ。さっき凄い剣を見つけたと言って、出て行った。ちなみにその剣は見 
    た目が豪華なだけのパチモノだったな」
 ルナマリア「あ、あのバカ! 決戦前に何サギにやられているのよ、連れ戻してくるわ!」
 レイ「ステラは追いかけないのか?」
 ステラ「いい。ステラはこの戦いが終わったら、遊園地に連れて行ってもらいたかっただけ。戦
      いが終わってからでもお願いできる」
 レイ「意外と冷静だな。無垢の余裕、と言うべきか?」


その4.メイリンパーティーの場合

 メイリン「影太郎君、私の下着、どこにあるの? 洗濯、ちゃんとやったんでしょうね?」
 夏「影太郎殿、稽古に付き合ってほしいでござる。大丈夫、この前のように真剣は使わないで 
    ござる。ささ、いざ!」
 樹里「影太郎君、買い物頼んでもいいかな? 私が買ってくると、すぐに予算オーバーしちゃう
     から」
 影太郎「ふっ、この女地獄ももうすぐ終わるんだ。もうすぐ……。早く決戦を始めてくれーっ!」


その5.番外・大魔王とその部下の場合

 フレイ「ふふふふふ、さあ、早くいらっしゃい、ラクス。この城があんたの墓場になるのよ。うふ 
      ふふふふ、あはははははははははははは!!!」
 吟「彼女、大魔王様よりラスボスっぽくなっていますね。で、本物の大魔王様は…」
 グランドクロス「ぐごー、ぐごー」
 吟「お昼寝中ですか。余裕ですな。逃げる準備をしておいた方がいいかも」



ショート141.
ようやく最終決戦

その1.およそ一ヵ月半ぶりの更新。お待たせして、すいません

 吟「大魔王様、勇者達が乗り込んできました」
 グランドクロス「ふっ、来たか。待ちくたびれて熟睡してしまったぞ。……本当に随分と待ったか
           らなあ。管理人め、サボりまくりやがって」
 吟「ここ最近、仕事が殺人的に忙しかったそうですから」
 グランドクロス「ふん、仕事など辞めればいいのだ。そうすればネットの更新に力を注ぎこめる
           というのに、なぜ働く?」
 吟「働かなければお金が手に入りません。食べ物が買えず、飢えて死にます」
 グランドクロス「死んだら魔界に来ればいい。私の元で小説やSSを書きまくれるぞ」
 吟「大魔王様、魔界にインターネットはありません。多分。それ以前に色々なところでズレてい
   ます」


その2.キャラが多すぎるので、ちょっと減らします

 キラ「ふう、凄い数のモンスターだったね」
 アスラン「城の外にいた連中は何とか片付けたが、城の中にはまだまだ敵がいるだろうな」
 シン「前途多難ってやつですね」
 メイリン「つまり、いつもどおりのモンスター退治って事ね。リラックスして行きましょう!」
 影太郎「こういう場面でもマイペースなお前には、ちょっとだけ感心する」
 ルナマリア「腐っても勇者の端くれね。我が妹ながら大したものだわ」
 ムウ「で、これからどうするんだ? 全員で正面から乗り込むのか?」
 夏「うむ。正々堂々と勝負を挑むのでござるな。拙者は望むところでござる」
 カガリ「お前が望んでも、相手は望まないだろ。城の中は罠だらけだと思うぞ。迂闊に飛び込 
      むのは危険すぎる」
 イザーク「カガリが冷静だな。スパロボKモードか?」
 カガリ「うるさい」
 マリュー「でもカガリさんの言うとおりよ。このまま行くのは危なすぎるわ」
 アスラン「大丈夫です。心強い援軍が来てくれました。おーい、お前達、出番だぞ!」
 ディアッカ「お」
 スティング「む」
 アウル「えっ?」
 樹里「あー、この時点でオチが見えましたね」
 ステラ「うん。でもステラは止めない。みんなの役に立てて死ねるなら、スティングとアウルも喜
      ぶと思う。だから止めない。スティング、アウル、さようなら」
 レイ「目的の為なら兄弟のように育った者も犠牲にする。女性とは薄情なものだな」
 ラクス「ディアッカさんのお友達というだけで、そういう役になってしまうのですわ。オチ担当キャ
     ラの運命ですわね」
 キラ「アニメ本編で運命を否定したのに、こっちでは…ってツッコミはしちゃいけないんだね。我
     慢するよ」

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