時代劇編 その一
しょーと零一.
はじまり、はじまり…の前に

その1.SD戦国伝の当て字方式

 キラ「という訳で時代劇編がスタートします。舞台は江戸時代っぽい架空の時代、一応平和な 
    世界で着物を着た僕達が頑張るストーリーです」
 アスラン「ちょんまげはしないのか?」
 キラ「キャラのイメージが変わるから無し、だって。文章だけだから、やっても面白みが無いし」
 アスラン「最初からいい加減だな。まあいい、俺達のキャラ設定はどうなっているんだ?」
 キラ「それは作品の中で説明するよ。あと僕達の名前だけど、ここでは時代劇っぽく漢字で書く
     そうだよ」
 アスラン「どんな字になるんだ?」
 キラ「こんな字だって」

 キラ→輝羅
 アスラン→明日蘭
 ラクス→螺句素
 カガリ→香雅里

 アスラン「俺の字がラクスやカガリより、女の子っぽいんだが……」
 キラ「そうだね。じゃあこういう字に」

 アスラン→悪須乱

 アスラン「悪役か! 作者は俺に恨みでもあるのか!」
 キラ「悪意は無いと思うよ。弄りやすい名前だからじゃないかな? 色々な意味で」


その2.こっちの方がメンド臭くないし(本音)

 きら「漢字は読み難いという事で、ひらがなにしてみました」
 あすらん「子供の絵本みたいな感じになったな」
 らくす「あら、わたくしは構いませんわ。いつもとは違う感じがして、微笑ましくなりますわ」
 かがり「…………私はそうでもないな。カタカナでもひらがなでも、あまり変わらないからか。何
      となく損をした気分だ」
 いざあく「俺の名前だが、『あ』の部分は『ー』でいいだろ。何となく間抜けな感じがして嫌だ」
 にこる「そうですか? 親しみやすくて、僕はいいと思いますけど」
 でぃあっ「おーい、俺の名前、四文字しか入ってないぞ」
 きら「名前は四文字しか入れられないんだって」
 でぃあっ「ファミコンのRPGかよ!」
 あすらん「容量を節約する為に、ひらがなの『り』とカタカナの『リ』は同じ字にしたそうだな。知ら
       れざる苦労話だ」
 でぃあっ「これホントに時代劇なのか? ファンタジー編の続きじゃねーの?」
 きら「違いを出せるよう頑張るって。それじゃあ、幕を開けるよ」
 あすらん「嫌な予感しかしない幕開けだな。無事に終わってくれる事を祈ろう……」



しょーと零二.
それでは、はじまり、はじまり

その1.お城ではお馴染みの光景のようです

 むう「上様! 上様はおられるか!」
 まりゅー「あ、南町奉行のむう様。上様なら先程、城下にお忍びで出掛けられましたわ」
 むう「くうっ、またか。仕事が溜まっているというのに。まりゅー殿、乳母として一言言ってあげて
    ください!」
 まりゅー「上様に私から何か言うなど、恐れ多くて……。大丈夫、上様は剣の達人ですし、お庭
       番のあの二人も一緒ですから」
 むう「いや、それでも心配なので、私も城下に行って来ます。まりゅー殿、後はよろしく」
 まりゅー「いいえ、逃がしませんわ。溜まっているお仕事、片付けるのを手伝ってください」
 むう「うう、上が仕事をしないとこっちに回ってくる。いつの時代も中間管理職は哀しいな」
 まりゅー「ブツブツ言ってないで、仕事をしてください。はい、こっちの書類に判子を押して」
 むう「うう〜、早く戻ってください、上様〜〜〜〜!!」


その2.「むう様ですわ」byらくす

 きら「くしゅん」
 らくす「あら、きら様、お風邪ですか?」
 きら「ううん、大丈夫だよ。それより らくす、二人きりの時は『様』は止めてよ。今の僕は将軍じ
     ゃなくて、旗本の三男坊の きらだよ」
 らくす「ですが、わたくしは上様にお使えするお庭番、上様を呼び捨てにする訳には…」
 かがり「それに二人きりじゃないぞ。きら、私の事を忘れているだろ?」
 きら「ああ、ごめん、かがり。君は僕の事を呼び捨てにしてくれるんだね。嬉しいよ」
 かがり「そうしないとお前が気を使うからな。らくすも呼び捨てにしてやれ。そうすればこいつは
      喜ぶんだから」
 らくす「呼び捨てにされると喜ぶ……。分かりました、きら様は えむなのですね?」
 きら「ちょっと、いや、かなり違うよ。ところで誰が らくすにそんな言葉を教えたの? 成敗しな 
    いと」
 かがり「落ち着け、きら! 街中で刀を抜くな!」


その3.名前の文字は六文字まで入るようになりました

 あすらん「ん? 何だ、あの若侍は。道の真ん中で刀を抜くとは物騒な。同心として黙って見て
       られん、行くぞ、いざーく、でぃあっか」
 いざーく「はっ。って、どうして俺がお前の部下役なんだ!」
 でぃあっか「怒るなよ、いざーく。こういうのは気にしたら負けだぜ。出番があるだけマシだと思
         うぜ」
 いざーく「くっ、出番の事を言われたら仕方が無い。我慢してやろう。ん? あすらんはどこに行
       った?」
 あすらん「先に行ったぞ。ほれ、あっちで刀を抜いた若い侍とケンカしてるぜ」
 いざーく「な、何をやっているんだ、あの馬鹿は!」
 でぃあっか「意外と短気な奴だからなあ。あすらん親分、頑張れー」


その4.逆刃刀ならぬ無刃刀

 あすらん「この町の平和を乱す奴は放ってはおけん! 腕ずくででも奉行所に来てもらうぞ!」
 きら「待って、平和を乱すなんて、僕はそんなつもりは無いよ」
 あすらん「刀を抜いておいて、何を言っている!」
 きら「よく見て。この刀、刃が無いから」
 あすらん「む。確かに。これでは何も切れんな。すまなかった、許してくれ」
 きら「ううん、分かってくれればいいんだよ。僕は きら。これも何かの縁だと思う、仲良くしてくれ
    ないかな?」
 あすらん「そうだな。南町の同心あすらんだ。よろしく頼む」

 らくす「きら様、いいえ、きらの刀には刃が無いのですね」
 かがり「時代劇の主人公だからな。刃のある刀で切りまくって、血の海地獄を作るのはダメだ 
      ろ。どんな奴でも切れない、安全な刀だ」
 らくす「でも金属製なのですわね。重さはかなりのもので、当たったらケガではすまないと思うの
     ですが……」
 かがり「気にするな。時代劇では何かを気にした方の負けだ」



しょーと零三.
バカ殿にならないように、しっかり監視しましょう

その一.お殿様、ちょっとはしゃぎ過ぎです

 きら「へえ、そんな事があったんだ」
 あすらん「ああ、この前は…」
 らくす「あの二人、すっかり仲良くなられましたわね」
 かがり「ああ。きらには友達がいないからな。ああいう心を許せる友達を、もっと多く作ってほし
      い。そうすればこの国を守り、収めようという気持ちにも力が入るだろう」
 らくす「そうですわね。きらには頑張ってほしいですから。仕事をサボって、お城の中を勝手に 
     歩き回ったり…」
 かがり「お忍びで城下をうろついたり…」
 らくす「食事が冷めるのは嫌だ、と毒見を拒んだり」
 かがり「妙な本とか南蛮渡来の品を手に入れて、そのお金はこっちで支払う事になったり」
 らくす「………………」
 かがり「………………」
 らくす「かがりさん、わたくし達は きらを甘やかしているのではないかしら?」
 かがり「諦めろ。こうして一緒にいる以上、私達も同罪だし」


その二.真の『殿』はこっちかも

 あすらん「最近、城下に妙な連中が入り込んでいる。近い内に何か起こるかもしれん。お前達
       も気を付けた方がいいぞ」
 きら「何が起こるの?」
 あすらん「それが分かれば苦労はしないさ。まったく、上の連中がしっかりしてくれれば、妙な 
       奴らがこの国に入る事も無いのだろうが……。じゃあな」
 きら「あすらん……。上の連中、つまり僕達の事だよね」
 らくす「そうですわね。きら、あすらん殿のご苦労を和らげてあげませんと」
 きら「そうだね。よし、城に戻ろう」
 かがり「はっ! 仕事をされるのですね?」
 きら「うん。まずは変な連中を入れた関所の人達を全員クビにして、怪しい奴らは全員捕まえ 
    るようにして、それから…」
 らくす「きら、やる気を出す方向を間違えてますわ。冗談も程々にしましょうね?」(ニッコリ)
 きら「は、はい、ごめんなさい」
 かがり「きらはちょっと不安だけど、らくすはしっかりしてるから、この国は大丈夫だな。いや、 
      別の意味で心配か。きら、頑張れ」



しょーと零四.
平和そうだけど

その1.町の平和を守る三役、平和な日々を過ごす

 北町奉行ばるとふぇるど「平和ですなあ」
 南町奉行きさか「いやまったく」
 火付盗賊改方たりあ「ええ、小さな事件は起きてますけど、概ね平和ね。手前味噌だけど、私
               達や部下達がきちんと働いているからかしら?」
 ばるとふぇるど「ええ、ワイロも受け取らず、悪徳商人と組んで悪事もせずに頑張ってますから
           ねえ」
 きさか「平和すぎて、暇すぎますな」
 たりあ「でも、これじゃあ物語が始まらないわ」
 ばるとふぇるど「大抵の時代劇では奉行が悪役なのに、我々は真面目に働いていますからな 
           あ。どこぞの黄門様シリーズは悪人の奉行が多すぎる気もしますが」
 たりあ「あのシリーズ、日本中に汚職役人がいるわね。きちんと働いている人の方が少ないん
      じゃないかしら?」
 ばるとふぇるど「現実の日本はあんな世界にはならない、と信じていいのかな?」


その2.町の平和を乱す悪役、登場?

 くるーぜ「間もなく時は来る。その時こそ、この暗い地の底から出て上の世界の連中に復讐を
       してやる!」
 あずらえる「復讐なんて、最近では流行りませんよ。地の国の王くるーぜ殿、我々と手を組みま
         せんか? 富と栄光、そして確実な勝利をお約束しますよ」
 くるーぜ「……………………」
 あずらえる「あ、仮面は被ったままで構いません。その仮面があなたの本体で、予備の体と切
        り離すと大変なんですよね」
 くるーぜ「ふっ、まずはつまらない誤解を解く事から始めよう。話はそれからだ」(ちょっと怒って
       る)


その3.時代劇の『お約束』は大事にしましょう

 くるーぜ「それで、貴様はどこの誰だ?」
 あずらえる「私の名は、あずらえる。とある店の主です。店の名前は内緒にさせてください。あ
         る御方のご命令で、貴方に協力いたします」
 くるーぜ「ある御方とは何者だ?」
 あずらえる「それはまだ……。もう少し貴方が我々と親しくなられたら、お教えいたしますよ」
 くるーぜ「ふん、まあいい。ところで越後屋」
 あずらえる「はい」
 くるーぜ「…………」
 あずらえる「…………どうして私が越後屋の主だと分かったんですか?」
 くるーぜ「悪の商人の店の名は越後屋。これはお約束だろう」
 あずらえる「本当の越後屋はいい迷惑ですよ。三越グループの元になった、歴史に残る名店な
         んですけどね」
  くるーぜ「そういうシャレを笑って許せる店だからこそ、あそこまで大きくなれたのだろう。寛容
        の精神は大事にしよう」
 あずらえる「そうですね。我々が言っても説得力ありませんけど」

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