SEED学園編 PHASE−23
ショート305.
ギアボルトvsアヤセ・シイナ、宿命の戦い

その1.私はあの女に、勝ちたい…

 アヤセ「くっ、どうして、どうしてあの女に勝てないのよ! 運動でも勉強でも私はあの女に、ギ
      アボルトに負けている。どうして!」
 オルガ「人気でも負けているけどな」
 アヤセ「(無視)私だって頑張っているのに! 毎晩遅くまで勉強しているし、練習だっていつも
      最後までやっている。なのにどうして!」
 オルガ「いや、だから人気…」
 アヤセ「私はあの女に勝ちたいのに、どうして!」
 オルガ「おーい、無視すんな。それとも現実を認めたくないのか? ある意味、一番過酷な現 
      実だからな」


その2.カリフラワーはブロッコリーの変種です

 アヤセ「オルガ先輩、あの女に弱点は無いんですか?」
 オルガ「弱点ねえ……。そうだな、あいつはちょっと特殊な暮らしをしていたんだけど、そのせ 
      いか一般常識に欠けているところがあるな。ビデオの録画予約が出来なかったり、カ
      リフラワーをブロッコリーを茹でた物だと思っていたり」
 アヤセ「それだわ! そのバカさ加減を付けば勝てる! 見てなさい、ギアボルト。私の大好き
      なジールを寝取った罪、その命で償わせてやる! うふふふふふふふ…」
 オルガ「けどジールは『そんなちょっとボケたところがいいんですよねえ』って言ってたぞ…っ 
      て、聞いてないな。まあ適当に頑張れ。俺は知らん」


その3.完敗

 アヤセ「勝負よ、ギアボルト! 私と一般常識をテーマにしたクイズをしなさい!」
 ギアボルト「一般常識ですか。あまり自信は無いけど、あなたなんかに背を向けるのは生涯の
        屈辱になりそうですね。分かりました、その勝負、受けます」
 アヤセ「ぐっ、相変わらず天然で嫌味なことを……。まあいいわ、出題はダン君、お願い!」
 ダン「なぜ俺が? まあ、いいか。それじゃあ第一問、羊からも食用のミルクは取れる。○か×
     か?」
 ギアボルト「×です」
 アヤセ「○よ!」
 ダン「正解は○だ。日本じゃあまり使われていないけどな。それじゃあ第二問…」

 ダン「クイズ終了。成績は……アヤセが全問正解で、ギアボルトは全問不正解。アヤセの完全
     勝利だな」
 アヤセ「か、勝った……。初めてギアボルトに勝った! やった、やったわ! 嬉しい、すっごく
      嬉しい! 私は今のこの瞬間の為に生きていたのよ!」
 ダン「そこまで言うか」
 ギアボルト「…………悔しいです。もっと勉強してきます」
 ジール「そうだね、次に頑張ればいいよ。あ、勉強するなら手伝ってあげるよ」
 ギアのファン1「俺も手伝う」
 ファン2「俺も!」
 その他のファン「俺も」「僕も」「私も…」
 アヤセ「な、何なの、この敗北感は? 勝ったのは私なのに、どうして!?」
 ダン「アヤセ、お前、スポーツマンガとかの典型的なライバルキャラになっているぞ。あるいは 
     引き立て役」
 アヤセ「!!!!!!!!!!」
 ダン「ショックで固まったか。まあ頑張れ。適当にな」


その4.狂鬼、襲来

 ガーネット「私の可愛いギアちゃんを泣かせたのは誰だあああああああっ!!」
 ダン「噂が噂を呼んで、最悪な形で伝わったか。死ぬなよ、アヤセ」



ショート306.
ダンとゼノンの因縁
(RANGEさんのリクエスト)

その1.この二人、対外的には『兄弟』ということになっています

 ゼノン「ほう。珍しい所で会うな」
 ダン「お前こそ。ちょうどいい、決着をつけようじゃないか」
 ゼノン「いいだろう。返り討ちにしてやる」
 ダン「それはこっちの台詞だ。地獄を見せてやるぜ!」

 ステファニー「デート中の彼女を放っておいて、対戦ゲームでバトル、か……」
 ミナ「似た者同士なんですね。さすが兄弟。あ、ゼノンが勝ったみたいですよ。うわー、凄く喜ん
    でる。ダンはちょっと落ち込んでますね」
 ステファニー「あれはマジ泣き寸前ね。まったく、どっちも子供なんだから」


その2.争いの原因なんて、実は意外とバカバカしいものです

 ステファニー「はいはい、二人ともゲームはその辺にしなさい。これ以上やるとリアルファイトに
          なりそうだし」
 ダン「そうだな。ステファニーもいるし、今日はこの辺にしておいてやる」
 ゼノン「命拾いしたな。もう少し遊んでやっても良かったのだが」
 ダン「言ってろ、この野郎」
 ゼノン「黙れ、クズ」
 ミナ「もう、二人ともやめなさいよ。まったく、兄弟なのにどうしてそんなに仲が悪いの?」
 ゼノン「身内だからこそ許せないというのもある」
 ダン「ああ、そうだな。お前だけは絶対に許せない!」
 ステファニー「複雑な因縁がありそうね。何があったの?」
 ダン「こいつは俺が通販で買った無修正ビデオを捨てやがったんだ! それも五本も! あれ
    高かったんだぞ! 絶対に許せない!」
 ゼノン「ふん、この私の身内があんなマニアックなビデオを見るなど恥だ。そもそも無修正とい
      うのがダメだ。モザイクがかかっている方が想像力を刺激され、面白く見れる」
 ダン「モザイクそのものには反対はしないさ。けど、規制が厳しくなってから、ほとんどのメーカ
    ーはモザイクの張り方が下手になった。あれじゃダメなんだよ!」
 ゼノン「そんな事はない。いい張り方をするメーカーもあるぞ。たとえば…」
 ステファニー「はい、話はそこまで。二人とも、ちょっと私たちと一緒に来てくれない? じっっっ
          っっっくりと話したい事があるの」
 ミナ「私も話したいなあ。特にゼノンはそういうのが凄く好きみたいだから」
 ダン&ゼノン「ぐあっ」


その3.一応仲直り

 ゼノン「……ダン、すまなかった。私がもっと譲歩すべきだった」
 ダン「いや、俺こそもっと大人になるべきだった。これからは仲良くしよう」
 ゼノン「ああ、そうだな。本当に……」

 ラクス「あら? キラ、あそこにいるのはダンとゼノンさんではないですか?」
 キラ「そうだね。二人ともゴミ箱の中に頭を突っ込んでいる。そんなにお腹が空いているのか 
    な?」



ショート307.
アーノルド・ノイマンvs…  パート2
(健さんのリクエスト)

その1.ノイマンは二回目の登場です(前回はこちら

 ノイマン「久々の出番だな。よーし、今日こそバジルール先生に告白を……」
 オルガ「おっと、そうはいかねえぜ。先生は俺が狙っていたんだ。ポッと出の新キャラなんかに
      邪魔されてたまるか」
 ノイマン「新キャラじゃない! 大体、君は生徒だろう。生徒が教師を狙うとは…」
 オルガ「生徒だの教師だの、この学校じゃ関係ねーだろ。お前だって部外者だし」
 ノイマン「俺は物理の教師だ! でも、まあ確かに関係ないかな」
 デュランダル「困ったものだがね」
 タリア「そうですね」
 オルガ&ノイマン「真っ昼間からイチャついてるあんた等もな」


その2.チャイルドプレイの一種…なのか?

 デュランダル「だが、人の恋路を邪魔しないというのも我が校の方針の一つだ」
 タリア「そんな方針、知りません。いつ決まったんですか?」
 デュランダル「たった今だ。愛する女性を巡り、男と男が勝負をする。古典的だが面白くはない
          かね?」
 タリア「面白いとか面白くないとかいう以前の問題だと思います」
 デュランダル「では、勝負の方法を決めよう」
 タリア「聞けよ、人の話」
 デュランダル「(無視)今回は自動車レースだ。学校の外周を十周、自動車で回る。先にゴール
          した方がナタル君に告白する。それでいいかね?」
 オルガ「レースはいいけど、俺、車の免許持ってないぜ」
 デュランダル「そうか。では、これを使おう」

 キラ「何だか騒がしいなあ。あ、ラクス、これから何か始まるの?」
 ラクス「ええ。ナタル先生への告白をかけて、オルガさんとノイマン先生がレースをなさるそうで
      すわ」
 キラ「ふーん。でも、どうしてレース車が三輪車なの? それも子供用の」
 ラクス「校長先生がたまたま持っていたそうですわ」
 キラ「たまたま、ね。…………校長先生、ストレスが溜まっているのかな?」


その3.この光景、想像してみましょう

 オルガ「うおおおおおおおおおっ!!」
 ノイマン「はあああああああああっ!!」
 キラ「二人とも凄い気迫だね」
 ラクス「でも遅いですわ」
 キラ「三輪車だからね」
 ラクス「そして、シュールな絵ですわ」
 キラ「大の大人が一生懸命、三輪車を漕いでいる。文章にしただけでもバカバカしいからね。 
     絵にしたら破壊力は更にアップするよ」
 ラクス「このSSが文章で良かったですわ。このちょっとおかしな光景を絵にしたら、オルガさん
      やノイマンさんのファンに殺されるかもしれませんから」
 キラ「そうだね。管理人さんに絵描きのスキルが無くて良かったよ」


その4.三輪車レース、終了

 オルガ「くっ、こ、この俺が負けるとは……」
 ノイマン「ハァハァ……。か、勝ったあああああっ!! よーし、この勢いでバジルール先生に 
       告白を…」
 キラ「ナタル先生なら今日は風邪でお休みですよ」
 ノイマン「ぐあっ!」
 キラ「あ、気絶しちゃった。校長、ナタル先生が休みだって、どうして教えなかったんですか?」
 デュランダル「教えない方が盛り上がると思った。そしてレースは面白かった。今は少しだけ反
          省している」
 ラクス「校長もすっかりこの学園の色に染まりましたわね」
 タリア「教育者としては、かなり道を踏み外しているがな」


その5.この後、ノイマンは『地獄』を見ました

 ノイマン「ここがバジルール先生の自宅か……。あれくらいでは挫けないぞ。お見舞いをして、
       いい雰囲気を作って、その勢いで告白をしよう。えーと、チャイムを押して、と…」
 ナタル「誰だ! この忙しい時に……ん? ノイマン先生、どうして私の家に?」
 ノイマン「あ、バ、バジルール先生、あの、今日はお見舞いに…」
 ナタル「見舞い? ああ、そうか。そういう理由で休んでいたんだったな。悪いが今は忙しい。ま
      た今度…」
 フレイ「先生、早く戻ってきてください! 今日中にこの原稿を書き上げないと冬コミに間に合い
      ませんよ!」
 ナタル「分かっている。すぐに戻る」
 ノイマン「えっ、今の声はフレイ君? どうしてここに…」
 ナタル「いい所に来てくれた。人手不足だったんだ。ノイマン先生、手伝ってくれ」
 ノイマン「えっ、あ、あの……うわあああああああっ!!」



ショート308.
ミネルバ寮の怪人

その1.生と死は紙一重

 ルナマリア「エルスマン先輩。最近、ミネルバ寮の周りを変な男がうろついているって噂がある
         んですけど、それって先輩ですか?」
 ディアッカ「何で俺に訊くんだよ。んな事しねーよ。絶対に!」
 ルナマリア「ミリアリア先輩に怒られるからですか?」
 ディアッカ「いや、殺されるから」
 ルナマリア「そうでしたね。すいませんでした」
 ディアッカ「いや、そこは肯定しないでくれ。面白い冗談ですねー、って笑ってくれ。頼むから」


その2.染まっています

 メイリン「お姉ちゃん、噂の男だけど、ただの変質者じゃないみたい。警戒厳重な寮の中でも見
       た人がいるのよ」
 ルナマリア「そいつの顔は見たの?」
 メイリン「ううん、誰も見てない。暗がりでチラッと動いたのを見ただけ。でも、こっちが呼びかけ
       ても何も言わずに消えたそうよ。不気味だわ」
 ルナマリア「正体不明の怪人か……」
 メイリン「機械帝国の残党とか、妖精とかじゃないの?」
 ルナマリア「あいつらはこの学園の恐ろしさを知っているわ。女子寮に忍び込むなんて自殺行
        為はしないわよ」
 メイリン「そうね。寮の周りには罠もたくさん張り巡らせているし。……お姉ちゃん、今更だけど
       私たちの会話って、学園もののキャラがする会話じゃないわよね」
 ルナマリア「少なくても女子高生がする会話じゃないわね。私たちもこの学園の空気に染まって
         きたのね」


その3.怪人の正体

 ルナマリア「あ、マリュー先生、実はミネルバ寮で…」
 マリュー「ああ、その人は警備員よ。寮のセキュリティシステムの最終防衛ラインよ」
 メイリン「なあんだ、そうだったんですか」
 ルナマリア「幽霊の正体見たり枯れ尾花、ってやつね。でも、それなら挨拶ぐらいしてくれれば
        いいのに」
 マリュー「それはまだ無理よ。会話機能はついてないから」
 ルナマリア&メイリン「えっ?」

 ロボ警備員(頭部はハロ)「ジュンカイ、ジュンカイ。サーチアンドデストロイ、サーチアンドデスト
                  ロイ…」

 メイリン「正体不明の怪人より怖いんだけど……。消灯時間を過ぎたら私たち寮生にも銃を向
       けるし」
 ルナマリア「あれは脱走防止用のロボットでもあるのね。アスラン先輩、あんな怖くて厄介なロ
         ボットを作らないで!」



ショート309.
マユラ・ラバッツの苦悩と決断

その1.彼女たちの顔を思い出せない人は公式サイトでご確認を

 マユラ「久々の登場ね。読者の人たちの中には私たちの事を忘れている人もいるかも」
 ジュリ「そうね。作者も忘れかけていたぐらいだし。でも私は眼鏡っ子ってチャームポイントがあ
      るから、すぐに思い出してもらえるわね」
 アサギ「チャームポイントって、自分で挙げるものじゃないと思うけど。それなら私だって、金髪
      ってチャームポイントがあるわ。マユラにだって…」
 マユラ「…………」
 アサギ「…………」
 ジュリ「…………」
 アサギ「………………え、えーと、マユラのチャームポイントって……」
 マユラ「もういい、もういいわよ! どうせ私は地味よ。目立たないわよ! クソッ、クソッ、ちくし
      ょおーーーーーーっ!!」
 ジュリ「マ、マユラ、落ち着いて! キャラ変わってるし!」
 アサギ「地味って言ったら、私たち三人ともそうなんだけどね……。はあ」


その2.吠えるマユラ

 マユラ「ハァ、ハァ……。つ、疲れた」
 ジュリ「マユラ、最近怒りっぽくなってるわね。何かあったの?」
 マユラ「何も無いわよ。ええ、何も! あいつも何もしてくれないし! オルガの奴、私と付き合
      っているくせにバジルール先生に声をかけるなんて何考えてるのよ! あのスケコマ 
      シがああああっ!!」
 ジュリ「またキャラが変わってるわよ、マユラ。スケコマシなんて言葉、久々に聞いたわ…」
 アサギ「でも確かに最近のオルガの態度には呆れるわね。恋人がいるのに、他の女性にモー
      ションかけるなんて」
 ジュリ「ナタル先生は全然相手にしていないみたいだけど」
 マユラ「男なんて、男なんて、うがーーーーッ!!」
 アサギ「男性不信になっちゃったみたいね。こんなマユラにはとても言えないわ。卒業したらク
      ロトと同棲する予定だなんて」
 ジュリ「私も言えないわ。シャニとは既に家族ぐるみの付き合いだなんて」
 マユラ「言ってるじゃない! 女の友情より男の愛情優先ですか、お前らーーーっ!!」
 ジュリ「だからキャラ変わりすぎだって」


その3.共同戦線

 ギアボルト「マユラさん」
 マユラ「! ギ、ギアボルト……。おほほほほ、な、何か御用かしら?」
 ジュリ「今更取り繕っても遅い気がするけど」
 マユラ「うるさい」
 ギアボルト「マユラさんはオルガ先生とお付き合いしていると聞いています。ですが最近の先生
        はバジルール先生にご執心のようです。お二人は別れたのですか?」
 マユラ「わ、別れてないわよ! そりゃあ最近はデートもしてないし、手も握ってくれないけど…」
 アサギ「捨てられる寸前ね」
 ジュリ「認めたくないのね、自分が捨てられそうな事を」
 マユラ「外野、うるさい!」
 ギアボルト「そうですか。恋人がいるのに他の女性と親しくするなんて、不道徳すぎます。私も 
        不愉快です。先生には制裁を加える必要がありますね。マユラさん、協力してもら
        えませんか?」
 マユラ「制裁……。そうね、あいつには誰かがガツンと言ってやらないとダメよね。そしてそれ 
      は恋人である私の役目。あの女ったらしに天誅を下してやる!」
 ジュリ「燃えてるわね、マユラ」
 アサギ「でもギアボルトちゃんが不愉快になっている理由も考えた方がいいと思うわよ。ライバ
      ルに手を貸すだけになるかも」
 ジュリ「どっちにしてもオルガ君は災難ね。ご愁傷様」

 オルガ「!? 今、誰かに心の底から同情された気がする。気のせいか?」



ショート310.
オルガ・サブナック、最大の危機

その1.十日ぶりだそうです

 オルガ「えーと、ナタル先生はどこだ? ノイマンの奴はいないし、今日こそデートに……」
 ギアボルト「オルガ先生」
 オルガ「ん? ギアボルトか、何の用…」
 マユラ「オルガ君」
 オルガ「! マ、マユラ……」
 マユラ「久しぶりね。彼女を放り出して他の女の尻を追いかけるなんて、いい度胸して…」
 オルガ「すまん! 金の返済はもう少し待ってくれ! 必ず返すから!」
 マユラ「久しぶりに会った彼女への第一声がそれかーっ!! お金は返してもらうけどね!  
      利子は十日に一割、忘れないで!」
 ギアボルト「金の切れ目が縁の切れ目、というやつですね。奥が深いです」


その2.オルガはわざと、ギアボルトは天然

 マユラ「お金の事は後にしましょう。今日はあんたに話があるの」
 ギアボルト「私もです」
 オルガ「何だよ、二人揃って。手短にしろよ」
 マユラ「それじゃあ単刀直入に聞くわ。あんた、私とバジルール先生、どっちが好きなの?」
 オルガ「…………」
 ギアボルト「先生、質問に答えてください」
 オルガ「……あー、『単刀直入』って、何かスケベな言葉だな」
 マユラ「ごまかすな」
 ギアボルト「そうなんですか?」
 マユラ「そっちも真顔で聞かないで。どう答えろって言うのよ」


その3.マユラの決め技はアッパー

 マユラ「さあ、答えて。私と先生、どっちが好きなの!」
 ギアボルト「返答次第では先生といえど容赦しません。抹殺します」
 オルガ「俺、殺されるのかよ! ってちょっと待て。これは俺とマユラの問題だろ? どうしてギ
      アボルトが絡んでくるんだよ」
 ギアボルト「不愉快だからです。それにマユラさんとは友人になりました。友人の苦悩は見過ご
        せません」
 オルガ「ふーん、お前、成長したな。昔のお前はそもそも友達なんて作らなかったし。俺も嬉し
      いぜ」
 ギアボルト「そ、そうですか? 先生に喜んでもらえるのは嬉しいです……」
 オルガ「ん? 何で赤くなってるんだよ。マユラ、俺、何か変な事を言ったか?」
 マユラ「こ……の、天然女たらしがあああっ!!」
 オルガ「ごぶおっ!? ほ、星が見える……」

 キラ「? 今、誰かが僕のあだ名を呼んだ気がしたんだけど、気のせいかな? 気のせいだよ
     ね。今はラクス一筋だし」


その4.オルガの地獄は始まったばかり

 マユラ「もういい、あんたなんか最低! こっちから別れてやる! さよなら! でも、お金はち
      ゃんと返してよね! 利子プラス慰謝料も含めて!」
 オルガ「慰謝料って何だよ、オイ! そんなの払えるか!」
 デュランダル「君の気持ちは分かる。だが、恋愛関係による金銭のもつれは後々まで尾を引く
          ぞ。相手とよく相談して、適正な金額を払うべきだ」
 オルガ「って、どっから出てきたんだよ、あんたは。それに払いたくても金が無いんだよ」
 ギアボルト「私が貸しましょうか? 利子は一日一割ですが」
 オルガ「カラス銭かよ。まあいい、背に腹は変えられねえ」
 デュランダル「借金で身を崩す第一歩だな。こういう人間を見ると心が痛むな」
 タリア「心が痛んでも止めないんですね。あなたらしいですけど」



ショート310.
切っ掛けは些細なものだけど、思いは真剣

その1.見てたのかよ。だったら止めろよ(byオルガ)

 アサギ「覗き見していたんだけど、見てられないわね。ギアボルト、そこまでにしておきなさい。
      カラス銭は利息制限法違反よ」
 ギアボルト「双方が合意していれば問題ありません。何なら裁判で争いますか?」
 アサギ「うーん、よく考えたらオルガ君を助ける義理は無いわね」
 ジュリ「そうね。こんな女たらし、骨の髄まで搾り取っちゃいなさい」
 オルガ「極端だな、オイ」


その2.痛みと快感は紙一重だそうです

 アサギ「そもそもこうなった原因はオルガ君が女たらしだからよ。マユラって恋人がいるのに他
      の女に色目を使うなんて、どういう神経してるのよ」
 ジュリ「そうね。こればかりは同情できないわ」
 ギアボルト「最低です」
 オルガ「ぐっ、しょうがねえだろ。人を好きになるって事は理屈じゃないんだよ」
 ジュリ「それはそうだけど、そもそもどうしてナタル先生を好きになったの? あなた、昔は先生
      の事を嫌ってたじゃない」
 アサギ「そうね。素行が悪いからいつも怒られてて、あんたも『あんな行き遅れ、さっさと学校を
      辞めればいいんだ』とか言ってなかった?」
 オルガ「ああ、確かに昔は嫌いだった。けど、今は違う」
 ギアボルト「嫌悪感が好意に変わったんですね。でも、どうしてなんですか?」
 オルガ「ああ、それは…」
 アサギ「ま、まさか、何度も何度も怒られているうちに、それが快感に変わっちゃったとか?」
 オルガ「おい」
 ジュリ「そういえばシャニもちょっとそんな趣味があるのよ。類は友を呼ぶってやつね」
 オルガ「おいおい。ってシャニってそういう奴だったのか!?」
 アサギ「クロトもそうなの。Sだと思っていたんだけど、あいつ、Mでもいけるって…」
 オルガ「おいおいおいおい!」
 ギアボルト「参考になりますね」
 オルガ「するな!」


その3.バカップル、公認します

 オルガ「冗談はそれくらいにしてくれ。切っ掛けなんて大した事じゃねえよ。俺は趣味で小説を
      書いているんだけど、たまたまそれを見た先生が褒めてくれたんだ。すげえ優しい笑 
      顔をしてさ」
 ジュリ「オルガ君が小説を書いていたなんて知らなかったわ。でも、それ以外は平凡な理由ね」
 ギアボルト「ええ。オマケして三十点です」
 アサギ「オチが弱いわ。出直してきなさい」
 オルガ「お前らなあ」
 タリア「そうかしら? 私は素敵だと思うけど」
 デュランダル「うむ。教師と生徒のロマンスの切っ掛けとしては王道だな」
 オルガ「どっから出て来た! それに教師のあんたらがそんな事を言ってもいいのか?」
 デュランダル「私もこの学園に染まったようだ。今更、この程度では文句を言わんよ」
 タリア「言っても無駄ですしね」


その4.現時点でのナタルの気持ち

 ナタル「……オルガ・サブナックか。素晴らしい小説だったな。彼の才能なら、ボーイズラブも書
      けるかもしれん。交渉してみるか」



ショート311.
ナンバーワンよりオンリーワン?

その1.一芸だけ、というのは凄いと思います

 デュランダル「最近は一芸入試を行なう大学が増えているそうだな。学力だけではない、何か 
          優れたものを持つ人材を集めるにはいい制度だからな」
 タリア「うちの学園の大学部でも来年度からやるそうです」
 デュランダル「そうか。こういう受験なら、うちの生徒はどの高校よりも強いだろう。一芸に秀で
          た生徒が多いからな」
 タリア「そうですね。キラ君のコンピュータープログラム技術、アスラン君のロボット製作、ラクス
      さんの歌、ニコル君のピアノ……。どれもプロ顔負けです」
 デュランダル「実際、ラクス君はプロだからな。他にも大勢いる。まさに人材の宝庫だ」
 タリア「素晴らしい学園ですね。そういえば校長にも自慢できる芸がありますね」
 デュランダル「ほう、何かね?」
 タリア「シャ○・アズ○ブルの物真似」
 デュランダル「いや、本物なんだが」


その2.スーパースキル?

 オルガ「小説には自信があるぜ。ナタル先生にも褒められたしな」
 クロト「ゲームだな。特にシューティング。必勝、爆勝、大勝!」
 シャニ「歌。聞くのも好きだなあ〜」
 ギアボルト「狙撃です。今まで狙った的は外した事がありません」
 スティング「テニスだ。俺様の美技に…」
 アウル「はいはい、そこまで。えーと、俺は水泳! 公式設定じゃないけどな」
 ステラ「ステラは……熱帯魚。見るのも育てるのも好き……」
 アヤセ「えーと、私は…」
 アウル「あ、言わなくてもいいぜ。俺たちみんな知ってるから」
 スティング「ああ、ギアボルトのストーキングだろ?」
 アヤセ「違ーーーーう!!」
 ギアボルト「迷惑な話です。私にそんな趣味は無いのに」
 アヤセ「違うっつってんだろ!」
 ガーネット「私のギアちゃんに付きまとって泣かせているのはお前かーーーっ!」
 アヤセ「あー、もー、どいつもこいつも!!」
 ギアボルト「泣いてません。だからストーカー1号は大学部に帰ってください。早急に。迅速に。
        2号も連れて行ってください」
 アヤセ「2号じゃない!」
 オルガ「いい反応(ツッコミ)だ。あれも一種の『一芸』だな」

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