SEED学園編 PHASE−25
ショート321.
「女の戦い」と書いて、ダイエットと読むそうです

その1.困った上司に怒りの鉄拳を

 カガリ「最近、運動をしていなかったせいか体重が増えた……。ダイエットをしようと思っている
      のだが、やった事が無いのでどうすればいいのか分からない。ラミアス先生、私にダイ
      エットを教えてくれ」
 マリュー「別にいいけど、どうして私に聞くの?」
 カガリ「あの年であんな凄いプロポーションを保っているのは奇跡を通り越して異常レベルだ。
     絶対に何か秘密がある、とデュランダル校長が言っていた。その秘密を聞き出してダイ
     エット本を出せば大儲けできると…あ、先生、どこへ行くんだ? 先生!」


その2.目標への道は果てしなく遠い。けど頑張れ

 マリュー「おバカな校長を殴り飛ばしてスッキリしたわ。ダイエットだけど、そんなに難しい事は 
       しなくていいのよ。適度な運動と食事療法、これが基本で、そして一番効果的な方法
       なのよ」
 カガリ「なるほど。何事も基本が一番という訳か」
 マリュー「食事は野菜と果物が中心。でも、栄養のバランスを取る為に肉類も適度に取ってお
       きましょうね。それから……」
 カガリ「ふむふむ、なるほど」
 フレイ「へえ、そんなのも食べていいんだ」
 ラクス「充実した食生活ですわ。これなら無理なく、そして長期的に続けられますわね」
 ミリアリア「運動もそんなに過激なものじゃないわね」
 ミナ「そうですね。これなら運動オンチの私でもやれそう」
 ステファニー「明日から、ううん、今日から始めてみようかしら?」
 ガーネット「思い立ったが吉日ってやつね。みんな、頑張ってやせようー!」
 全員「おーっ!」

 カガリ「……あれ? いつの間にこんなに人が。それに高等部以外の人もいたような」
 マリュー「美容やダイエットを話題にされると、すぐに集まってしまう。女の悲しいサガね」



ショート322.
掃除の時間です

その1.SEED学園は裕福? 貧乏?

 アスラン「キラ、もう授業は終わったぞ。部活に行かないのか?」
 キラ「今日は掃除当番だからね。後で行くよ」
 アスラン「そうか、大変だな。俺もそうだが、部活をやっている奴にとって掃除当番は辛いもの
       があるな」
 キラ「仕方が無いよ。でも、掃除道具はもう少しいい物を揃えてほしいね。ほうきもちり取りも雑
     巾もボロボロだよ」
 アスラン「確かに酷いな。ラミアス先生、何とかなりませんか?」
 マリュー「何とかしたいけど予算が無いのよ」
 アスラン「そうなんですか? うちの学園はかなり金を貯め込んでいると聞いたんですが」
 マリュー「貯めてもすぐに使っちゃうから。生徒が壊した施設の修理費とか、災害保険の更新 
       料とか、バカップルが起こした騒動の後始末とか」
 キラ&アスラン「SEED学園のバカップルを代表して謝ります。ごめんなさい」


その2.そもそも必要な機能じゃないし

 キラ「でも、せめてほうきぐらいは何とかなりませんか? こんなにボロボロのやつじゃ、ゴミを
     集められませんよ」
 アスラン「ほうき自体がゴミと言えるレベルだからな」
 マリュー「何とかしたいけど……。雑巾は家で作ってもらえるけど、他の道具は無理ね」
 アスラン「いや、そうでもないですよ。俺が掃除道具を作りましょう」
 マリュー「本当? 助かるわ」

 キラ「アスランが作るって聞いて、ちょっと嫌な予感がしたんだけど……」
 マリュー「的中しちゃったわね」
 アスラン「スクラップから作った掃除機ですが、性能は保証しますよ。旧式ですがコンピュータ 
       ーを搭載して、校内を自動走行。どんな小さなゴミも見逃さずに吸い取ります!」
 マリュー「いい掃除機だけど、どうしてこんな形なの?」
 アスラン「狭い所にも入るので、小型でこういう形をした方がいいと思って」
 キラ「アスラン、それでもムカデ型は無いと思うんだ」
 ムカデ型掃除機「トリィ!」
 キラ「声もダメだし」
 アスラン「進藤尚美ボイスじゃダメか。じゃあ三石琴乃ボイスで…」
 マリュー「それはやめて。絶っっっっ対に!」


その3.騒動の後にも掃除をしましょう

 キラ「それでもアスランがせっかく作ってくれたから、試しに使ってみたけど…」

 「ギャーッ!」「ゲッ!」「キャアアアアアア!」

 アスラン「そこら中で悲鳴が上がっているな……」
 イザーク「物陰から大きなムカデが出て来たらビックリするのは当然だろうが。まったく、バカな
       物を作ったな」
 アスラン「この学園の生徒なら、ムカデくらい平気だと思ったんだ」
 ディアッカ「確かに。カガリやフレイなら素手で掴みそうだぜ」
 イザーク「そのイメージは否定しないが、そんな非常識な奴ばかりじゃない」
 カガリ「そうだな。どんなに強くても、虫が苦手という人は多い」
 イザーク「あ」
 フレイ「私もあまりムカデって好きじゃないわ。そこのところをおバカさんな二人にも説明してあ
      げる。じっっっっっくりとね」
 ディアッカ「グ、グゥレイト……じゃないぜ。助けてミリィ、ぎゃああああああああ!」
 アスラン「…………」
 キラ「アスラン、そっち掃いて。あと、血をふき取る為の雑巾を用意して」



ショート323.
これで終わりか始まりか
(ymaさんのリクエスト)

その1.女心は複雑かつデリケート

 シン「うーん……」
 メイリン「シン、何悩んでるの?」
 シン「ああ、メイリンか。昨日、町を歩いていたら偶然ステラと会ってさ。話をしていたらルナが
    通りかかって、『このスケベ』とか『女たらし』とか言われたんだ。話をしていただけなのに
    さ。最近のルナ、怒りっぽくなってないか?」
 メイリン「うーん、まあ、そうね。ちょっとストレス溜まっているみたいだから」
 シン「ストレス? そういえばマユが『女の子は時々、理由も無く機嫌が悪くなる時があるから注
    意して』って言ってたけど、それか!」
 ルナマリア「そうじゃないわよ。でもそういう事を教室で、しかも大声で言うあんたのデリカシー 
         の無さは嫌い!」
 シン「あぼっ!」
 メイリン「うわあ、見事な右ストレート。でもこれはシンが悪いわね」


その2.姉へのイメージ

 メイリン「シンも悪いけど、お姉ちゃんも悪いわよ。シンの事が好きならさっさと告白しなさいよ。
       このまま照れ隠しでケンカを続けていたら、シンに嫌われるわよ」
 ルナマリア「わ、分かっているわよ。でもシンはステラの事が好きで……」
 メイリン「振られる可能性が高いから告白しないの? そんな臆病なお姉ちゃんなんて、お姉ち
       ゃんじゃないわよ! 私の知っているお姉ちゃんは、根拠も無く自信満々で、退かず
       媚びず省みず、とことん突き進んで暴走しちゃって自滅するけど、それでも負けずに
       同じミスを繰り返す、そんな人よ! 頑張って!」
 ルナマリア「メイリン、応援してくれるのは嬉しいんだけど、あなたとは一度じっくり話し合う必要
         があるわね」


その3.告白は他人任せにしちゃダメ

 シン「何だよ、ルナ。校舎裏なんかに呼び出して。金なら無いぞ。それとも、この前の事でまだ
     文句があるのか?」
 ルナマリア「そ、そうじゃないわよ、えーと、その、あの……」
 シン「?」
 ルナマリア「え、えええーとね、私、シンの事…」
 ステラ「あ、シンとルナマリア。こんな所で何してるの? 遊んでるのならステラも混ぜて」
 ルナマリア「ス、ステラ!? 違うの、これは遊びじゃなくて、その、真剣に…」
 シン「あ、予鈴が鳴った。そろそろ昼休みも終わるか。ルナ、教室に戻ろうぜ。ステラも来いよ」
 ルナマリア「シ、シン、あ、あの……」
 ステラ「…………いい。ステラは一人で帰る。シンはルナマリアの話を訊いてあげて」
 シン「えっ?」
 ステラ「女の子が男の子を人目のつかない所に呼び出す。この前見たアニメでおんなじ場面が
      あった。ステラ、邪魔しないから」
 ルナマリア「ステラ、あなた……」
 ステラ「うん、ステラは邪魔しない。だからルナマリアは愛の告白、頑張って」
 シン「え」
 ルナマリア「あ」
 ステラ「…………あ」
 覗き見していたメイリン「うーん、恐るべき天然。どうする、お姉ちゃん?というところで次回に 
                続きます」
 覗き見していたレイ「面白くなりそうだな。色々な意味で」



ショート324.
これが始まり

その1.キラ・ヤマトの恋愛相談室

 シン「はあ……」
 キラ「どうしたんだい、シン。練習に気が入っていないようだけど」
 シン「部長……。部長はラクスさんと付き合っているんですよね。向こうから付き合ってくれって
     申し込まれた、って聞きましたけど」
 キラ「うん、そうだよ。初対面でいきなり交際を申し込まれた」
 シン「いきなりですか。それでよく付き合うなんて思いましたね」
 キラ「そうだね。でも断る理由は無かったし、僕もラクスの事は可愛いと思ったんだ。ラクスは 
     僕に一目惚れしたそうだけど、僕もラクスに一目惚れしたんだよ」
 シン「そして今じゃ、このSEED学園でも一、ニを争うベストカップルか……。はあ、俺もそんな
     風になりかったなあ」
 キラ「恋の悩みなんだね。ルナマリアとステラの事?」
 シン「! ど、どうして分かったんですか?」
 キラ「君達の事はみんな知ってるよ。でも、君はステラが好きで、ステラは君の事は友達としか
     思っていない。みんな一方通行だ。哀しい関係だね」
 シン「……ええ、俺もそう思います。俺がルナの事を好きになれば解決するんだろうけど、今の
     俺にはルナは友達としか思えない。部長がラクスさんに一目惚れしたみたいにはなれな
     いんですよ」
 キラ「恋愛は強制されてやるものじゃないよ。そして、他人のためにやるものでもない」
 シン「…………」
 キラ「シンはステラの事が好きなの?」
 シン「……分かりません。ルナの気持ちを知ってからは特に」
 キラ「そう。じゃあまずは自分の気持ちを整理しよう。自分が今、誰の事が好きなのか気付か 
     ないとね。色々考えるのはそれからだよ」
 シン「はい。ところで部長、俺達の事、誰から聞いたんですか?」
 キラ「メイリンとレイが話しているのを立ち聞きしたんだ。明日、学校新聞に載るそうだよ」
 シン「部活、早退します。あいつらーっ!」


その2.恋する乙女は最強です

 シン「はあ、何とか記事を止めるのに間に合った。新聞部の連中も悪ノリしすぎ…」
 ルナマリア「シン」
 シン「ル、ルナ!」
 ルナマリア「そんなに驚かないでよ。シンも新聞部に何か用なの?」
 シン「あ、ああ、いや、もう用事は終わったんだ。俺たちの事を記事にしようとしてたんだ。そん
     な事になったらルナが困るだろ? だから…」
 ルナマリア「あら、私は別にいいわよ」
 シン「えっ!?」
 ルナマリア「私のシンへの気持ちは本当で本物だもの。むしろ世界中に伝えたい気分よ。私は
         シン・アスカが好きって」
 シン「ル、ルナ……」
 ルナマリア「あ、ゴメン。シンは恥ずかしいわよね。好きでもない女の子にこんな事言われて。 
        でも、私は恥ずかしくないの。むしろ自分の気持ちに気付かないフリをしていた頃 
        の方が恥ずかしい。誤魔化して、好きな人を傷つけて、あー、もう、私ったら何やっ
        てたんだろ。もっと早く素直になれば良かった」
 シン「…………」
 ルナマリア「シン、私なんかが好きになっちゃってゴメンね。それじゃ」
 シン「あ、ああ、それじゃあ……。ルナ、ちょっと変わったな。強くなったと言うか、可愛くなった 
     というか。あれ? 何だろ、このモヤモヤした気持ち。えっ、あれ?」


その3.だから覗き見はダメだって

 覗き見していたステラ「良かった。シンとルナ、仲良くなりそう」
 覗き見していたメイリン「うーん、お姉ちゃんがあそこまで吹っ切っちゃうとは。いや、あれでこ 
                そお姉ちゃんか」
 覗き見していたレイ「これからあの鈍感小僧がどう動くか、楽しみだな」
 メイリン「うん。あと、賭けの配当金も楽しみよね。レイ、ちゃんと払ってよね」
 レイ「この時受けた賭けの事だな。分かっているさ。しかしいい恋愛話の余韻が台無しにしてま
     で求めるとは、メイリン、君はしっかりしているな」
 ステラ「ふわ……。ステラ、眠い」



ショート325.
裸の付き合い(エロスはありません)
(聖魔鳳旬さんのリクエスト)

その1.『石鹸広場』の事を昔はこう言っていたんです

 キラ「アスランが銭湯に来るなんて珍しいね。僕もめったに来ないんだけど」
 アスラン「家の風呂が壊れたんだ。銭湯なんて子供の頃以来だ」
 キラ「お父さんに連れて来られたの?」
 アスラン「ああ。父は風呂好きだったからな。シーゲルさんの話では、若い頃はよく『トルコ風 
       呂』という風呂に行っていたそうだ」
 キラ「アスラン、それは君が考えているようなお風呂じゃないよ。あと、その話はお母さんにはし
     ない方がいいと思う。パトリックさんの為にもね」


その2.銭湯のマナーの一つ

 キラ「アスラン、腰にタオルなんか巻いちゃダメだよ。銭湯では裸の付き合いをしないと」
 アスラン「あ、ああ、分かってはいるんだが、それでも恥ずかしいな……」
 キラ「気持ちは分かるけど、僕だって裸なんだし」
 アスラン「そうだな。それじゃあタオルを取るか。……ん? 今、どこかで女の子の歓声が上が
       らなかったか?」
 キラ「絵にしていたらもっと声が上がっただろうね。このSSが文章オンリーで良かった」
 アスラン「?」


その3.頑張れオトコノコ

 ムウ「お、キラとアスランじゃないか。こんな所で何をしているんだ? 裸のデートか?」
 キラ「先生、誤解されるような事を言わないでください」
 ムウ「冗談だよ、冗談。しかしお前ら……」
 キラ「?」
 アスラン「何ですか?」
 ムウ「いや、分かってはいたけど、最近の子供は進んでいるな。俺の子供の頃はまだまだ未熟
     な奴が多かったんだが」
 キラ&アスラン「????」


その4.お風呂の後は

 ムウ「く〜〜〜っ! 美味い! 風呂上りの冷えたビールは最高だ。この一杯の為に生きてい
     るようなものだな」
 キラ「そうなんですか? 僕は風呂上りにはコーヒー牛乳だと思いますけど」
 アスラン「いや、フルーツ牛乳だ。これは絶対に譲れん」
 ムウ「ふっ、そういうところはまだまだ子供だな。まあお前らの年でビールの方が美味いと言っ
     たら問題だが…」
 イザーク「風呂上りにビールというのは賛成だ。だが、貴様が飲んでいるビールは混ぜ物だら
       けの邪道物だ。そんなのは認めん。麦芽100%こそ本物のビールだ!」
 ディアッカ「はっ、硬いねえ。ビールなんて美味けりゃいいんだよ。それにこっちの方が安い」
 ムウ「あいつらも来てたのか。おーい、お前ら、ちょっと来い。教師として説教してやる」



ショート326.
ダン・ツルギの「めざせ! バカップル」

その1.絵は想像しない方がいいと思います

 ダン「最近、俺とステファニーの仲が進展していない。デートに誘っても、忙しいからと断られて
     いる」
 レヴァスト「あらら。でも、それも仕方ないわね。あんた、別の相手とばかりイチャついてるし」
 ダン「イチャついてなどいない! 俺はステファニー 一筋だ!」
 レヴァスト「そう? 噂じゃお父さんと禁断の関係になっているって」
 ダン「どこのバカだ、そんな根も葉もない事を言っているのは!」

 ナタル「フレイ、このダン&メレアという組み合わせは無理があるのでは? この二人、会えば
      即ケンカしていると聞くぞ」
 フレイ「いいえ、これは『ケンカするほど仲がいい』というタイプのカップリングなんです。お互い
      を意識しているからこそ衝突し、そして憎しみと愛を深め合う……。ああ、素敵♪」
 ナタル「そうか。私もまだまだ甘いな。よし、次の本はこの二人で行こう」
 フレイ「はい!」


その2.見た目は子供だけど、中身はオッサンですから

 レヴァスト「冗談はさておき。あんたとステファニーの仲って、そんなに冷え切ってるの?」
 ダン「いや、冷え切っていると言うほどではないと思う。週に一度はデートをしているし、ケンカ 
     をした事も無いし」
 レヴァスト「でも、この学園の他のカップルと比べたら淡白な感じよね。ガーネットとニコルみた
        いにイチャつかないの?」
 ダン「学園内で教師と生徒がイチャイチャできるか!」
 レヴァスト「それはそうだけど、妙なところで常識人なのね」


その3.比較対象が間違っている気がします

 レヴァスト「学園の外ではどうなってるのよ。イチャイチャしてるの?」
 ダン「それなりには。ステファニーの家に行って、一緒に食事をしたり、テレビを見たり…」
 レヴァスト「お泊りしたり?」
 ダン「いや、翌日に授業がある日は泊まらない。迷惑をかけたくないからな」
 レヴァスト「うわあ、何て品行方正。女としてはちょっと自信を無くすわね。ガーネットだったら仕
        事を休んで、昼までずっと一緒にいるわよ」
 ダン「いや、あの女だったら翌日の朝まで逃がさないと思う」
 レヴァスト「そしてそのままエンドレスね。恐ろしい女……」
 ニコル「レヴァストさん、ガーネットさんを悪く言うのは止めてください」
 レヴァスト「あら、ニコル君。二年の教室に来るなんて珍しいわね」
 ニコル「たまたま通りかかったんですよ。僕とガーネットさんの事より、ダンさんの相談に乗って
      あげてください」
 レヴァスト「ああ、もういいのよ、こいつらは。やる事はやっているみたいだし」
 ニコル「えっ?」
 レヴァスト「翌日に授業がある日は泊まらない。つまり、授業が無い日は泊まってるんでしょ?」
 ダン「ああ。だが、週に一度だけだそ! それは少なすぎるんじゃないのか?」
 レヴァスト「ニコル先生、バカップルの大先輩として一言どうぞ」
 ニコル「あはははは……。ノーコメントです」


その4.年貢の納め時ですか?

 ステファニー「ダンの事? もちろん愛しているわよ。それがどうかしたの?」
 レヴァスト「あのバカ、あんたに嫌われてるんじゃないかって、私に相談に来たのよ。でも大丈
        夫そうね。ゴチソーサマでした」
 ステファニー「ふふ、心配してくれてありがとう。私達は大丈夫よ。しっかりとして絆があるから」
 レヴァスト「ふーん、絆ねえ……。えっ、どうしてお腹を擦っているの? ま、まさか!?」
 ステファニー「ふふふふふふふふ。逃がさないわ、絶対に。ふふふふふふふふ……」



ショート327.
エロ本読んでたら彼女が来ちゃいました。つまり、地獄開始
(永遠の狭間さんのリクエスト)

その1.キラとラクスの場合

 キラ「あ」
 ラクス「……」
 キラ「ち、違うんだ、ラクス! これはディアッカが置いていって…」
 ラクス「でも、読んでいたのはキラですわね」
 キラ「うっ」
 ラクス「そんなに焦らなくてもいいですわ。男の方にこういう本が必要なのは分かっていますか
      ら。わたくしがずっと側にいられればいいのですが……」
 キラ「ラクス……ごめん、君を悲しませるなんて、僕は最低だ。もう二度とこんな本は読まない 
    から」
 ラクス「キラ……」(ニヤリ)


その2.アスランとカガリの場合

 アスラン「! カ、カガリ、違うんだ、この本はディアッカの忘れ物で…」
 カガリ「……いや、いい。むしろ安心した」
 アスラン「えっ?」
 カガリ「うん、お前は健全な男子だったんだな。良かった良かった」
 アスラン「カガリ、意味が分からないんだが」
 カガリ「知らなくていい。あれは妄想だけの世界なんだ、うん」
 アスラン「?」


その3.シンとこの三人の場合

 ルナマリア「へー、シンってこういうのが好きなんだ」
 ステラ「この人、ステラより胸が大きい……。ちょっと悔しい」
 シン「勝手に人の部屋を漁って、隠してあるエロ本を読むな! 大体、どうして隠し場所を知っ
     てるんだよ!」
 マユ「ルナマリアさんがお兄ちゃんの趣味が知りたいって言うから、私が教えたの。ステラさん
     はついでよ。お兄ちゃん、愛されてるわね」
 シン「これは愛じゃねーっ! そもそもどうしてお前が隠し場所を知ってるんだよ!」
 マユ「お兄ちゃんがこういうのを隠す場所なんて簡単に分かるわよ。お父さんと一緒のパターン
     だし」
 シン「この家じゃ男のプライバシーは無いのかよ!」


その4.ニコルとガーネットの場合

 ニコル「見つかるも何も、僕はそういうのは持ってませんから」
 ガーネット「必要ないしねー」
 ニコル「ええ、まったく必要ありません。溜まったら、ガーネットさんにお願いしてますから」
 キラ「ラブラブなんだね。けど、それはそれでどうかと思うよ」



ショート328.
ダン・ツルギ最大の危機 接触編

 ステファニー「ダン、私、子供が出来たの。もちろん貴方の子よ。だから結婚しましょう。今すぐ
          とは言わないけど、貴方が卒業してからでも…」
 ダン「ちょっ、ちょっと待ってくれ、ステファニー。子供だって? いや、心当たりはあるけど、い
     きなりそんな事を言われても…」
 ?「困るわよね。だってこの人は私のものなんだから」
 ダン「お、お前はヤヨイ! 別の県に引っ越したお前が、どうしてSEED学園にいるんだ?」
 ヤヨイ「兄さんから『面白い事が起こっているから、ぜひ来い』と」
 ダン「ノーフェイスか。あいつは…!」
 ステファニー「ダン、この人、誰?」
 ヤヨイ「初めまして。私、ダン・ツルギことデューク・アルストルの『妻』、ヤヨイ・ツルギです」
 ステファニー「…………妻? それにデューク・アルストルって…」
 ヤヨイ「この人の本名です。そんな事も知らなかったんですか? あなた、愛されてないんです
      ね。うふふふふふ」
 ステファニー「」
 ダン「ま、待て、ステファニー、これには色々と事情があるんだ。それにヤヨイ、お前はもう俺の
    妻じゃないだろ。離婚届は出したはずだ」
 ヤヨイ「私、間違っていたわ。もう一度やり直しましょう」
 ダン「いや、悪いが俺にその気は…あ、待ってくれ、ステファニー!」
 ヤヨイ「デューク、もう一度私と一緒に!」
 ダン「放せ、放してくれーっ!」

 メイリン「す、凄い修羅場だわ。これが『大人の世界』なんですね」
 レイ「ああ。俺達はまだまだ甘かったな」
 ノーフェイス「いえいえ、お二人ともこれから精進すればいいのですよ。覗き見の道は一日にし
         て成らず。じっくり焦らず楽しみましょう」
 レイ&メイリン「はい!」



ショート329.
ダン・ツルギ最大の危機 死闘編

その1.まな板の上の鯉(ダン)

 ダン(捕まりました)「…………」
 ステファニー「それじゃあ、色々聞かせてもらいましょうか。まず、あなたの本名がデューク・ア 
          ルストルっていうのは本当なの?」
 ダン「はい、本当です。あのクソ親父がつけた名前なんて、名乗るのも嫌だったので改名しまし
     た。手間も掛かったし、お金もかなり使ったけど、何とかなりました」
 ヤヨイ「そして私と結婚して、ツルギの姓になったのよ。ツルギの姓は私達の愛の証だわ」
 ステファニー「……この人と結婚したのも本当なのね?」
 ダン「あ、ああ。けどもうとっくの昔に別れたぞ。離婚届だって出したし」
 ヤヨイ「確かに離婚したけど、あれは私の間違いだったわ。復縁しましょ♪」
 ダン「断る! お前、しつこいから嫌」
 ヤヨイ「そんな、酷い……。復縁しましょ♪」
 ダン「断る!」
 ヤヨイ「そんな、酷い……。復縁しましょ♪」
 ダン「断る!」
 ヤヨイ「そんな、酷い……。復え」
 ステファニー「無限ループはやめなさい。イライラするから」


その2.オシオキ

 ステファニー「話してもらえなかったのはショックだけど、離婚しているのなら問題は無いわね。
         ダン、私と結婚しましょう。今すぐに」
 ヤヨイ「ダメよ。この人は私と再婚するの」
 ステファニー「ふっ」
 ヤヨイ「何よ、その勝ち誇った笑みは」
 ステファニー「私、妊娠しているんです。もちろんダンの子供ですよ」
 ヤヨイ「私だって妊娠しているわ。もちろん、この人の子供よ」
 ステファニー「…………え?」
 ダン「な、何を言っているんだ! お前とは離婚して以来、全然会ってなかったじゃないか!」
 ヤヨイ「ほほほほほ。今は精子さえあれば妊娠できるのよ。便利な世の中になったものね」
 ダン「俺の精子なんかどこで手に入れたんだよ!」
 ヤヨイ「兄さんが家のゴミ箱の中から。ステファニーさんと付き合ってからも一日一回はシテい
      たんですね。それってステファニーさんに魅力が無いから? うふふ」
 ステファニー「ダン……」
 ダン「ま、待て、ステファニー。これは男の性(サガ)というか習性みたいなものというか、食事と
    デザートは別腹みたいなものだというか、その…」
 ステファニー「ええ、分かっているわ。でも…………オシオキの電撃♪」
 ダン「うがーーーーっ!! スタンガンは、スタンガンはやめてくれーーーーーっ!!」


その3.このSSはフィクションであり、現実の事件や人物とは関係ありません

 ノーフェイス「実に面白い展開ですね。レイ君、ビデオは撮っていますか?」
 レイ「はい。録音も完璧です」
 メイリン「見ている方は面白いけど、本人には地獄ね。ダン先輩、黒焦げになってますよ」
 ノーフェイス「あれもまた愛の証です」
 メイリン「嫌な証ね。ギャグSSだからすぐに復活するでしょうけど」
 レイ「俺達の覗きも犯罪行為に近い。ギャグSSだからこそ許されるものだ」
 ノーフェイス「だからこそ楽しめるのです。読者の皆さんは我々の真似はしないように」
 メイリン「しないわよ、絶対に」



ショート330.
ダン・ツルギ最大の危機 決着?編

その1.これが本編でヤヨイがデュークと別れなかった理由です(嘘)

 ヤヨイ「さあダン、いえ、デューク、私ともう一度一緒に暮らしましょう」
 ダン「嫌だ! それにデュークって呼ぶなと何度も言ってるだろ。今の俺の名前はダン・ツルギ
     だ!」
 ヤヨイ「そうですね。でも私はデュークと呼びます」
 ステファニー「ダンはデュークって呼ばれる事を嫌がっているのに、どうしてその名で呼ぶの  
          よ。愛する人の嫌がる事をするなんて最低よ!」
 ヤヨイ「…………ふっ。見かけは大人だけど、中身はお子ちゃまなんですね」
 ステファニー「えっ?」
 ヤヨイ「嫌がる事をするほど彼は快感を感じているのよ。嫌よ嫌よも好きの内ってやつね。私も
      そうだし。冷たくされればされるほど私は……ああ」(うっとり)
 ステファニー「ダン……?」
 ダン「ち、違う、断じて違う! だから俺をそんな目で見るな!」


その2.SSに出るとまともなキャラも変態になる法則、発動中

 ステファニー「このままじゃラチが開かないわ。こうなったら当人に決めてもらいましょう」
 ヤヨイ「そうですね。さあデューク、私とこの女のどっちを取るの?」
 ダン「え、えーと、それは……」
 ヤヨイ「もちろん私ですよね? ええ、分かってます。貴方が私を心から愛している事は。そっ 
      けない態度も、冷たい言葉も、全ては私に究極の快楽を味あわせるため。ああ、何て 
      凄い愛情……」(再びうっとり)
 ダン「こういう奴だから、俺が何を言っても無駄なんだ。女に手を上げるのは嫌だし、だから逃
     げてきたんだが」
 ステファニー「この人に離婚届に判を押させただけでも凄いと思うわ。どう言いくるめたの?」
 ダン「『離婚というのは究極のSプレイだ。試してみないか?』と言って」
 ステファニー「あなた達、歪みすぎ。個性があり過ぎるカップルって大変なのね」
 ヤヨイ「ああ、素敵……」(自分の世界に入っています)


その3.恐るべきノーフェイス

 ヤヨイ「……………………あら? いつの間にか日が暮れているし、あの二人もいないわ。ど
      こへ行ったの?」
 ノーフェイス「あの二人なら役所へ行きましたよ。そして婚姻届を提出しました」
 ヤヨイ「お兄様! そんな、あの二人が結婚するなんて……。お兄様、見ていたのならどうして
      止めてくれなかったんですか!」
 ノーフェイス「落ち着きたまえ。ヤヨイ、彼が結婚したと聞いて、今の心境は?」
 ヤヨイ「それは……ちょっとドキドキワクワクしています。そして、あの二人をどうやって別れさ 
      せようか考えています」
 ノーフェイス「さすが我が妹。何事にも前向きですね」
 ヤヨイ「ええ、これもあの人の愛の一種なんですね。私を苦しめて、嫉妬の炎で焼き尽くさせよ
      うとするスーパージェラシープレイ! お兄様、私、あの女には負けません。この愛の 
      試練を乗り越えて、必ずあの人を私のものにします!」
 ノーフェイス「それでこそです。頑張ってください。私も応援していますよ」

 メイリン「ヤヨイさんがああいう性格になったのって、ノーフェイスさんのせいじゃないかしら?」
 レイ「兄としては完全に失格だな。俺達としては、まだまだ面白くなりそうだからOKだが」

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