ファンタジー編 PHASE−11
ショート111.
魔王達も決戦準備

その1.機械魔王ダブルGの城では

 ダブルG「勇者どもがこの城に向かっているそうだ。モンスターを送り込み、奴らを仕留めろ」
 クルーゼ「そうしたいのは山々ですが、出撃できるモンスターがいません」
 ダブルG「何だと!?」
 リヒター「普通のモンスターは『幹部はサボってばかりで俺達ばかり働かせやがって!』と怒っ 
       てストを起こし、機械系のモンスターは整備を怠っていた為、全て壊れました」
 ダブルG「何という事だ、って、どちらも仕事をやらなかった貴様等のせいじゃないか!」
 アズラエル「やれやれ。無能な部下を持つと、上が苦労するんですよねえ」
 ダブルG「確かにそうだが、お前が言うな!」
 シャロン「逃げる準備をした方が良さそうね……」


その2.童顔魔王メレアの城では

 ノーフェイス「モンスターの配置は完了。勇者を迎え撃つ準備は万全です」
 メレア「そう。で、中の敵の様子は?」
 ノーフェイス「ダンとステファニー、共に動きはありません。機を伺っているものと思われます。 
         あの二人は決戦前に処分すべきだと思うのですが……」
 メレア「それじゃあ面白くならないだろ。せっかくの大決戦、大いに盛り上げないとね」
 ノーフェイス「お祭り好きですね。その性格が災いしない事を願っています」


その3.色欲魔王ガーネットの城では

 ガーネット「勇者が来る? ふーん、そう。じゃあ適当にやっといて」
 ニコル「いいんですか?」
 ガーネット「いいわよ。途中で倒れたらそれまでだし、ここまで来たら私が片付けるだけよ」
 ニコル「自信満々ですね。そんなガーネットさん、素敵です」
 ガーネット「ニコル……」
 ギアボルト(小声で)「このバカップル魔王。まあいいです、アヤセをこき使ってストレスを発散し
              ましょう」
 アヤセ「! な、何、このおぞましい寒気は。勇者よりも怖い敵が来そうな気がするんだけど」


その4.そして……

 吟「どの魔王も動き出しましたか。まあせいぜい頑張ってください。我が主も魔界から見物させ
   てもらうとの事。世紀の一大決戦、楽しみにしていますよ。ふふふふふふふ」



ショート112.
キラパーティーvs機械魔王ダブルG・突入編

その1.並のモンスターより厄介な人

 キラ「あれが三大魔王の一人、機械魔王ダブルGの城……」
 ラクス「ついにここまで来ましたわね」
 ムウ「ああ。さすがの俺もちょっと緊張してきたぜ」
 マリュー「他のパーティーも頑張っているはずよ。私達も行きましょう」
 キラ「はい。でも、ここまで来るのにモンスターと遭遇しなかった事が気になります、まさか罠が
     …」
 ムウ「魔王の城なんだ。罠の一つや二つはあるさ。ここまで来てグダグダ気にしても仕方ない 
     だろ。男ならバシッと突っ込もうぜ。あ、突っ込むと言ってもそっちの意味じゃないぞ。は
     はははははははっ!」
 ラクス「緊張を解そうと冗談をおっしゃるなんて、ムウさんは余裕ですわね」
 マリュー「いいえ、あれは素よ。あいつは緊張している時ほど下ネタに走るの。ちゃんと制御し
       ないと、このSSがオゲレツネタで埋め尽くされるかもしれないわ。注意しましょう」


その2.怠け者幹部陣の一番手は

 リヒター「ようこそ、勇者とその仲間達。私はダブルG様の部下、リヒター・ハインリッヒ。君達を
       歓迎するよ」
 キラ「あなたがこの城の門番ですか。そこを通してください」
 リヒター「出来んな。この城の門を通りたければ、私を倒すしかない」
 ムウ「シンプルだねえ。だが、そういうのは嫌いじゃないぜ。それじゃあ…」
 リヒター「ん? なぜ剣を抜く。勝負といえば、これに決まっているだろう!」
 キラ「え? お酒と酒瓶……まさか、飲み比べですか?」
 ムウ「ははははははは、ますます話が分かるじゃないか! よーし、ここは俺に任せろ!」
 キラ「ちょっ、ちょっとムウさん、敵のお酒を飲むなんて。そのお酒、毒が入っているかも…」
 ムウ「なあに、元々酒は毒みたいなものだ。人を酔わせる毒だけどな」
 マリュー「駄目だわ、完全に宴会モードに入ってる」
 ラクス「わたくしとキラは未成年ですから、この勝負には参加できませんわ。キラ、向こうでお弁
      当を食べましょう。腹が減っては戦は出来ぬ、ですわ」
 キラ「そうだね。ここはムウさんに任せよう」
 マリュー「魔王の城の前とは思えないくらい、ほのぼのとしているわね。これでいいのかしら?」


その3.勝負開始から三十分。ムウ、リヒター、共にジョッキ十杯目

 リヒター「ふっ、な、なかなかやるな……。この私と互角に飲むとは」
 ムウ「お、お前もな。うっ、それでも、さすがにちょっとキツくなってきたか……。だが、ここで引 
     き下がる訳には!」
 マリュー「…………あー、もう、何だかイライラしてきたわ。ちょっと、そこの酒樽を貸して」
 リヒター「えっ? て貴様、樽ごと飲んでるーっ!?」
 ムウ「マリューの奴、自棄酒モードに入ったな。こうなったら、もう、誰にも、止められ、ない、  
     ぜ。あとは、任せた、ガクッ」
 ラクス「あらあら、ムウさん、ノックダウンなさいましたか。そして、マリューさんは二樽目に突入
      しましたわ。本当に止まらないみたいですわね」
 リヒター「くっ、わ、私の負けだ。門を開けよう。通りたまえ」
 マリュー「ふん、門なんてどーでもいいわ。もっとお酒を出しなさーい! 今日はとことん飲むわ
       よー!」
 キラ「うーん、完全に出来上がっちゃったみたいだね。ムウさんも寝ちゃったし、今日は城に入
     るのは無理だね。ここで休もう」
 ラクス「そうですわね。あら、流れ星ですわ。世界が平和になりますように、あと人に絡む迷惑 
      な酔っ払いが、この世から消え去りますように」
 キラ「最後のは管理人さんのお願いだね。お酒は飲んでも飲まれるな。マナーと体調を考え  
     て、楽しいお酒を飲もうね」



ショート113.
キラパーティーvs機械魔王ダブルG・死闘編

その1.使用マシンはもちろん最新モデル

 クルーゼ「ようこそ、勇者諸君。まさか我が軍一の酒豪であるリヒターを倒すとはな」
 アズラエル「ですが、実力的には彼は我々の中では一番下です。天空魔城で殺されかけた屈
         辱、百倍にして返してやりますよ」
 シャロン「セリフも展開も、どう見ても私達に負けフラグが立っています。私、帰ってもいいです
       か? ダメですか。そうですか。残念です」
 キラ「ダブルG軍団の幹部が揃い踏みだね。相手にとって不足は無い、行くよ!」
 クルーゼ「ちょっと待て。なぜ剣を抜く? 我々の勝負はこれでつけるのだ!」
 キラ「…………えっ? カラオケ?」
 クルーゼ「そうだ。我々三人と君達の代表三人で歌を競い合う。合計得点が高い方の勝ちだ」
 マリュー「酒飲み対決の時から嫌な予感はしてたけど……」
 ムウ「こいつ等、マトモに俺達と戦う気は無いみたいだな。ウェッ、まだ酒が残って…」
 キラ「ムウさんは休んでいてください。ここは僕達がやります。マリューさん、ラクス、いいね?」
 マリュー「歌は苦手なんだけど、やるしかないのね」
 ラクス「…………ふっ」
 クルーゼ「む、何だ、あのピンクの髪の女の見下したような眼は」
 アズラエル「僕達の実力を知らないみたいですねえ。いいでしょう、世間知らずの小娘に、身の
         程を思い報せてあげましょう」
 シャロン「疲れるからツッコミは入れません。勝手にやっててください」


その2.歌のタイトルだけなら著作権侵害にはならないよね?

 マリュー「……以上、『ムーンライト伝説・主人公バージョン』でした」
 アズラエル「む、苦手と言う割にはなかなかの歌唱力じゃないですか。僕の『勇者王誕生! 主
        人公バージョン』と同じ得点とは……」
 キラ「4万枚を売り上げたのは伊達じゃないよ。シャイニングティア〜ズ♪」
 クルーゼ「くっ、私は思ったより点数が伸びなかった。デュエット曲の『Double-Action』を一人で
        歌ったのは失敗だったか」
 ラクス「わたくしの番ですわね。それでは定番ですが、これを歌わないと怒られるような気がす
      るので『静かな夜に』を」
 アズラエル「……な、バ、バカな、100点満点だと!?」
 クルーゼ「ちっ、少々侮っていたか。だがこちらにも歌姫はいる。シャロン!」
 シャロン「分かりました。歌います」
 キラ「えっ? この歌は…」
 ラクス「『オラはにんきもの』ですわね。あのアニメの歌の中では、わたくし、この歌が一番好き
     ですわ」
 マリュー「聞いてて楽しくなる歌ね」
 クルーゼ「確かに。って待てコラ! いい歌なのは認めるが、なぜこの場面で歌う! 見ろ、得
       点もイマイチじゃないか!」
 シャロン「宴会バカの手助けをするのにも疲れました。これが私の引退ソングにします。さよう
       なら」
 ラクス「まあ。それでしたら、わたくし達の元に来ませんか? わたくしとデュエットでデビューし
      ましょう」
 シャロン「面白そうですね。バカと付き合うよりはマシみたいですし」
 アズラエル「そ、そんな、こんな形で寝返られるとは……。だが、この二人のデュエット曲は必 
         ず買うぞ。発売日を教えてくれ!」
 クルーゼ「私もだ。保存用、鑑賞用、普及用の三枚買うぞ!」
 マリュー「この二人、ダメな大人すぎるわ。本編では真面目な悪役だったのに」
 キラ「その反動なんでしょうね。ギャグSSでは真面目なキャラほど崩すと面白いですから」

 クルーゼとアズラエルは大人として、色々なものに負けた!
 シャロンが仲間になった!



ショート114.
キラパーティーvs機械魔王ダブルG・決戦編

その1.白兵戦は不得手、つーか無理

 ダブルG「ついにここまで来たか。ようこそ、勇者とその仲間達。この城の主として歓迎するよ。
       裏切り者のシャロンも含めてな」
 シャロン「魔王様、あなたに勝ち目はありません。降参してください」
 ダブルG「降参だと? バカな、機械魔王と呼ばれた私が人間に降参するなど……」
 シャロン「でも魔王様って、あまり強くないですよね。むしろ弱い。というか無能」
 ダブルG「ぐおっ!」
 マリュー「あら、かなり動揺してるわね。本当に弱いの?」
 シャロン「脳みそだけですから、機械に頼って生きているんです。機械が無いとダメなんです」
 ムウ「進化しすぎた人類はそんな感じになるってSF、昔は結構あったな」
 キラ「でもコーディネイターみたいな存在が現れる事もあり得るんですよね。人類の未来はどう
     なるんでしょう?」
 ラクス「なるようにしかならないと思いますわ。それでも、少しでもいい選択をしてほしいもので 
      すが」
 マリュー「そうね。夢のある未来を作ってほしいわね」
 ダブルG「おいコラ、私を無視するな。クソッ、ツッコミ用の拳を持たないこの体が恨めしい」


その2.体内バトル

 ダブルG「ふん、確かに私は脳だけの存在だ。だがな!」
 キラ「!? な、何だ、この揺れは?」
 ラクス「お城が変形していますわ」
 ダブルG「ふははははははははははは! そう、この機械城そのものが私の体! お前達は 
       私の手の中に入った虫けら同然。さあ、じっくり料理して…」
 キラ「えい」
 ダブルG「ぐおっ! こ、こら、床に剣を刺すな! 私の体に傷が付く…………あ」
 シャロン「やっと気付いたみたいですね。そう、この城は魔王様の体。体の中に入られた時点 
       で魔王様の負けなんです」
 ムウ「弱点さらし放題だもんなあ」
 マリュー「体の中から攻撃されるのって、もの凄く痛いんでしょうね。でも手加減はしないわ。だ
       って私達、勇者のパーティーだから」
 ラクス「そうですわね。ちょっとお気の毒で、呆気なさ過ぎる気もいたしますが」
 キラ「行くよ。これで最後だーっ!」
 ダブルG「いや、最後の攻撃には早すぎるだろ、まだ会ったばかりじゃないか、だから落ち着い
       て話し合おうじゃ、ぐぎゃあああああああああああ!!」

 魔王ダブルGは体の中からてっていてきに攻撃された!
 魔王ダブルGを倒した!


その3.後始末と今後の伏線

 キラ「終わったね」
 ラクス「ええ、終わりましたわ」
 マリュー「あっさり終わったけど、最終決戦がこれで良いのかしら?」
 ムウ「いいんじゃないか? ギャグSSだし」
 シャロン「いいえ、まだ終わっていません」
 キラ「え? まさか、ダブルGの本当の姿になるとか…」
 シャロン「いいえ。あなた達が調子に乗って壊した機械城の修理費を払ってください。魔王様が
       死んだ今、あの城は唯一残った側近である私が受け継ぐ物です。なのにあなた達に
       壊されました。さあ、修理費を払ってください」
 ラクス「その必要はありませんわ。魔界の法律ではシャロンさんはダブルGを裏切った時点で、
      遺産を相続する権利を失っているはずです。わたくし達がお金を払う理由は全くありま
      せんわ」
 シャロン「…………魔界の法律を知っていたとは、驚きました。私の完敗です。この場は引き 
       下がる事にしましょう。しかしラクス、あなたは一体何者なんですか?」
 ラクス「勇者キラの仲間。それが今のわたくしの全てですわ。うふふふふ」



ショート115.
アスランパーティーvs童顔魔王メレア・突入編

その1.大きい建物ならではの苦労

 アスラン「ついにここまで来た。あれが魔王メレアの城か」
 カガリ「凄く豪華な作りだ。さすが魔王の城だな」
 イザーク「城のあちこちに彫刻が彫られているぞ。かなりの名工が作った物だな」
 アスラン「ん? 城門に張り紙が張られているぞ。えーと、『求人。偉大なる魔王メレア様の城で
       一緒に働きませんか? 現在、人手不足なので誰でも大歓迎です。仕事は城の掃 
       除、門番、料理などなど。優しいスタッフが丁寧にご指導いたします』……」
 カガリ「これだけ広い城だと、管理も大変なんだろうな」
 イザーク「アルバイトの未経験者にアドバイスだ。『優しい』とか『楽しい』という単語が入った求
       人広告を鵜呑みにするな。どんな仕事も大変なものだ。覚悟しておけ」


その2.住むには不便

 ノーフェイス「ついに来ましたね」
 メレア「ふん。けど、あいつら、僕がいるこの城の最上階にまで来れるかな? 五階建てのこの
      城は罠だらけのダンジョンでもある。奴らがここまで来れる可能性はどれくらいだと思 
      う、ノーフェイス?」
 ノーフェイス「100%です。ダンジョンの罠は全て解除しましたから」
 メレア「何だって!? 誰がそんな事をしたんだよ!」
 ノーフェイス「お忘れですか? 昨日の深夜、メレア様が夜中につまみ食いをしようと台所に忍
         び込もうとして、罠に掛かりましたね。怒ったメレア様は『罠なんか作ったのは誰 
         だ!』と…」
 メレア「モンスターどもを戦闘配置に付かせろ。勇者どもをここに通すな!」
 ノーフェイス「誤魔化しましたね。さすがです」


その3.新しい仲間

 ダン「勇者アスラン、ついにこの城まで来たか」
 ステファニー「ようこそ、と言うべきなのかしら?」
 アスラン「お前達はメレア軍の幹部だったな。魔王を守る為に戦いに来たのか?」
 ダン「いや、俺達を仲間にしてくれ」
 イザーク「メレアを裏切るのか?」
 ステファニー「ええ。あの見かけは子供、中身はオヤジの魔王には愛想が尽きたわ。あいつの
          為に戦うのも、死ぬのも嫌。悪い事をするのも嫌。だから仲間にして」
 カガリ「アスラン、どうする?」
 アスラン「分かった。君達の目は嘘をついている目じゃない。信じよう」
 ダン「そうか。信じてくれて、ありがとう」
 ステファニー「一緒に戦いましょう」
 イザーク「ふん。調子のいい事だ」
 カガリ「いいじゃないか。たった三人で魔王に挑むのは危険だと思っていたし、五人の方が心 
      強い」
 イザーク「それはそうだが……ん? 三人? 誰か忘れているような気が」

 ディアッカ「おーい、アスラン、イザーク、カガリ〜〜〜〜、どこにいるんだ〜〜〜?」
 アウル「ス、スティング、俺、もう、駄目かも」
 スティング「しっかりしろ、アウル! こんな所で死ぬなーっ!! ぐっ、お、俺も意識が遠くなっ
        て、き、た……」
 ディアッカ「連れの二人がヤバいんだよ〜〜〜〜。俺もそろそろ限界なんだよ〜〜〜。誰か、
        助けてくれ〜〜〜〜」



ショート116.
アスランパーティーvs童顔魔王メレア・遭遇編

その1.エンカウントしても、こうなります

 モンスター「おおっと、ここから先へは通さ…」
 ダン「どけ、お前ら。死にたくなかったらな」
 モンスター「ダ、ダン様にステファニー様! へへーっ、お二人のおっしゃるとおりに!」
 カガリ「さっきからこんな調子で、バトルにならないな」
 ダン「こいつ等は魔王軍だぞ。幹部にケンカを売るような根性のある下っ端などいない」
 カガリ「なるほど。納得した」
 アスラン「魔王メレアの為に戦おうという奴はいないのか?」
 ステファニー「いないわね」(キッパリ)
 イザーク「最悪だな。俺達が手を下さなくても、この魔王軍は自然消滅しそうな気がするぞ」
 アスラン「確かにそうだが、それじゃあ話が進まないからな。行こう」


その2.本編でも先を越されましたね

 ノイズ「どーも。久しぶりだねえ、ダン、ステファニー」
 レヴァスト「まさかあんた達が裏切るとは……思っていたから驚かないわ。ええ、バレバレだっ
        たし」
 ダン「ノイズにレヴァスト、お前達、メレアの為に戦うつもりか?」
 ノイズ「まさか。あんな奴の為に戦うつもりなんて無いよ」
 レヴァスト「でも、私達も一応魔王軍だし、個人的に勇者達とは戦ってみたかったのよ。ステフ
        ァニー、あんたとは特にね」
 ステファニー「あら、私、あなたに恨まれるような事をしたかしら?」
 レヴァスト「ええ、してるわ。結婚退職なんてさせないわよ。私が彼氏を作るまで待つって言って
        くれたのに!」
 ステファニー「それはごめんなさい。でも、あなたが結婚するまで待ってたら、私、おはあちゃん
          になりそうだし」
 ノイズも含めた全員「うん、それは確かに」
 レヴァスト「殺す。全員殺す!」


その3.例えるなら、レベル1でドラゴンに出会ったようなものです

 ディアッカ「うー〜〜〜、ここは一体どこなんだ? ワープゾーンみたいな所に入ったのは覚え
        ているけど……」
 スティング「どこかの城の中みたいだな。見た事があるような無いような……」
 アウル「腹減った〜〜〜。ダメだ、俺、もうマジでダメ」
 ディアッカ「おい、しっかりしろ。お、あの部屋からいい匂いがするぞ」
 スティング「食べ物の匂いだな。誰かが食事をしているみたいだぞ」
 アウル「く、食い物ーーーーっ!!」
 スティング「待て、アウル、迂闊な行動は…」
 ディアッカ「俺も、もう限界だ! 食べるぞ! 邪魔する奴はブッ殺す!」
 スティング「待てって言ってるだろ! あー、もう、どいつもこいつも!」
 クルフ「ん〜〜〜〜? 何だ、貴様らは。人の食事の邪魔をして」
 ディアッカ「あ」
 アウル「う」
 スティング「終わったな……」



ショート117.
アスランパーティーvs童顔魔王メレア・激突編

その1.本当にすいません

 ダン「それにしても、お前達は久しぶりの出番だな。海底編以来の登場じゃないか」
 レヴァスト「ここだけの話だけど、私は魔王軍の海軍を率いる幹部って設定だったのよ。海底 
        編の後、海のモンスターを引き連れて総攻撃を仕掛けるはずだったの」
 ノイズ「俺も活躍するはずだったんだよなあ。魔界のウィルスばら撒いて、謎の病気を流行させ
      たりとかしてさ」
 カガリ「そんなエピソード、全然無かったな」
 イザーク「作者が忘れていたんだな。こいつ等の存在そのものも含めて」
 レヴァスト「あのトリ頭め。そんなんだから小説でも設定や前の話を忘れて変な展開にしちゃっ
        て、ツッコミを受けるのよ」
 ノイズ「管理人、殺してもいいかな? 俺、結構ヤバいウィルス作ったんだけど」
 アスラン「やめろ。このHPの更新履歴をストップさせるな」


その2.ザ・冷え性

 レヴァスト「まあいいわ。今はバトルを楽しみましょう」
 ノイズ「出番が無かった分、大暴れしてやる!」
 ダン「来るぞ。油断するな!」
 アスラン「ああ、分かっている。ところでこの二人はどういう攻撃をするんだ?」
 ステファニー「レヴァストは魔王軍一のスイマーで水中戦が得意よ。ノイズは体力は無いけど細
          菌を操って、敵の力を弱めたり、味方をサポートするわ」
 イザーク「なるほど。だがここは城の中だ。水中戦は出来んぞ」
 レヴァスト「ふっ、甘いわね。ノイズ、水を流し込んで!」
 ノイズ「OK!」
 カガリ「あっ、道の前と後ろが塞がれたぞ!」
 イザーク「水が流れ込んできた! このままだと俺達全員、溺れ死ぬぞ!」
 レヴァスト「その前に私が殺してあげるわ。行くわよ、水竜巻!」
 アスラン「くっ、何て強力な攻撃! 防ぐのが精一杯だ」
 カガリ「さすが魔王軍の幹部も、手強いな」
 ダン「ああ。だがレヴァストには致命的な弱点がある」
 イザーク「弱点だと?」
 ステファニー「ええ、そろそろね」
 レヴァスト「………………寒い」
 ノイズ「え?」
 レヴァスト「寒いのよ、冷たいのよ! こんなに冷たい水を流し込むなんて、私を心臓麻痺させ
        るつもり? もっと温かい水にしなさいよ! もしくはお湯でも可!」
 ダン「あいつ、人間以上に寒がりなんだ。冷たい水を飲むだけで腹を壊すし」
 カガリ「ああ、いるなあ、そういう人。夏の暑い日でも絶対にアイスとか食べない。というか食べ
      られないんだよな。気の毒に」
 アスラン「そんな人が海軍のトップなのか。魔王軍の人材不足は深刻だな……」


その3.実験データはなるべくたくさん取りましょう

 ノイズ「レヴァストは当てにならないな。ここは俺がやるしかないか」
 ステファニー「あなたはサポート役で、戦闘はダメダメなはずよ。どう戦うの?」
 ノイズ「ふん。だったらお前達を戦わせてやるさ」
 イザーク「何だと?」
 ノイズ「この部屋には俺の作った『同士討ちウィルス』が散布してある。こいつに感染したら、味
      方を攻撃したくなるんだ。さあ、仲間同士で戦ってもらおうか! ……あれ? 全然効い
      てない? 何で?」
 ダン「ノイズ。お前、人体実験はしたのか?」
 ノイズ「もちろん! 魔王軍のザコモンスターを使って……あ」
 アスラン「モンスターと人間では、何もかも違うだろ」
 カガリ「そうだな。だとしたら、このウィルスが効くのは…」
 ノイズ「ぐはあっ!? レ、レヴァスト、どうして俺を攻撃する?」
 レヴァスト「特に理由は無いわ。ただ何となく、あんたを殺したくなって」
 ノイズ「ま、待て、待ってくれ、ぐわーっ!!」

 ノイズはレヴァストに倒された!

 アスラン「…………」
 レヴァスト「…………」
 イザーク「寒い結果だな」
 カガリ「そうだな。シベリアの氷原並に寒い」
 レヴァスト「ぐはっ」

 レヴァストは空気を読んで自滅した!

 アスラン「なあ、こんな感じで進んでいいのか? 最終決戦のはずなのに……」
 ダン「考えたら負けだと思う。急ごう」


その4.一方その頃、城の地下食堂では

 クルフ「何だ、貴様らは? ここに何の用だ?」
 ディアッカ「い、いや、俺達は、その、あの」
 クルフ「そうか。出陣前の俺の酒盛りを祝いに来たのか。ふっ、いいだろう。宴は賑やかな方 
      がいい。酒はたらふくある。貴様らも飲め」
 スティング「は、はあ、いただきます」
 アウル「っていいのかよ、スティング?」
 スティング「あいつは俺達より遥かに強い。逆らったら殺されるぞ」
 ディアッカ「はははははは、ささ、旦那、グレイトな一杯をどうぞ」
 クルフ「おー、気が利くではないか。ようし、今日はとことん飲もう!」
 スティング「見ろ、ディアッカは空気を読んで酒盛りを盛り上げている。俺達もやるぞ!」
 アウル「お、おう。命がけの酒盛りだな。俺、お世辞とか場の盛り上げとか、苦手なんだよなあ」
 スティング「俺もだ。くっ、もっと社会人としてのレベルを上げておけば良かったぜ」
 ディアッカ「ははは、旦那、もっと飲みましょう。ささ、さあ!」
 アウル「あいつはレベル上げ過ぎだけどな」
 スティング「進化の果てにあるのは自滅、か。こっちも似たようなものだな」



ショート118.
アスランパーティーvs童顔魔王メレア・決戦編

その1.トップがこれでは、部下のレベルも

 メレア「ようこそ、勇者アスラン。僕がこの城の城主、魔王メレアだ。心から歓迎するよ」
 アスラン「お前の部下は全て倒した。諦めて降伏しろ!」
 ダン「アスラン、あいつの為に誰かが戦ったような言い方はするな。正確には『倒した』んじゃな
     くて、『逃げた』もしくは『自滅した』だ」
 メレア「ふっ、部下なんて最初から当てにしてないよ。僕が本気になれば、一人で君達を倒せる
      からね」
 ステファニー「でも面倒だから、本気にはならないのよね」
 イザーク「典型的なニートの言い訳か」
 カガリ「ある意味、魔王らしいがな」
 メレア「君達、言いたい放題だね」
 ノーフェイス「申し訳ありません、皆さん。私の教育が至らなかったばかりに……」
 メレア「敵に謝るな! 僕が惨めになるじゃないか」
 ダン「でも事実だし」
 アスラン「魔王からしてこれか。魔王軍の人材不足の理由が分かった気がする」


その2.注・ギャグSSにシリアスな展開は期待するな

 メレア「はあああああああっ!!」
 アスラン「ぐっ、な、何て魔力だ」
 イザーク「強い……!」
 カガリ「私が召喚したモンスターを、一瞬で全て倒すなんて……。カオスドラゴンが倒されたの 
      には驚かなかったけどな。むしろ殺してくれ」
 カオスドラゴン「ひ、酷い。でも、そんな冷たいところが好き。ぐふっ」
 ダン「Mなドラゴンは放っておこう。しかしこの五人でも勝てないとは、クソ親父を甘く見すぎて 
     いたか」
 ステファニー「私の魔力も限界よ。どうするの、ダン?」
 メレア「ふふっ、勇者って思ったより弱いんだね。さっさと片付けて、三時のおやつを食べよう 
      か。ノーフェイス、今日のおやつは何だい?」
 ノーフェイス「今日はおやつはありません」
 メレア「え」
 ノーフェイス「最近、体重が増えてきたのでダイエットするとおっしゃられたではないですか。ま 
         ずは間食を控えましょう」
 メレア「ちょっ、ちょっと待って、そんなの僕は聞いてないよ!」
 ノーフェイス「昨日言いました。メレア様はTVゲームに夢中になっておられて、適当に頷くだけ
         でしたが」
 メレア「そ、そんなの無効だ! いいからおやつを用意して…」
 アスラン「スキあり!」
 ダン「くらえ!」
 メレア「え? うわ、ちょっと、こっちも待って、ぎゃーっ!!」

 アスランとダンのコンビネーションが決まった!
 かいしんのいちげき!
 魔王メレアを倒した!

 イザーク「倒せたのは嬉しいが、いいのか、こんな展開で?」
 カガリ「おやつのおかげで勝てたのか……。自慢は出来ないな」
 ノーフェイス「私は魔王撃破の影の功労者になってしまいましたね。新しい就職先を探しに行き
         ましょう」
 ステファニー「本編と違って、ドライな行動ね。気持ちは分かるけど」



ショート119.
一方その頃、ディアッカと他二名は

その1.流されて……

 スティング「ん? 上の方が何か騒がしいような」
 クルフ「気にするな。そう、全てがどうでもいい事だ。美味い酒と、素晴らしき戦いがあればそ 
      れでいい。はははははははは!」
 ディアッカ「いやあ、まったくそのとおりですよね。ささ、もう一杯」
 クルフ「うむ。お前、気に入ったぞ。俺の家に来て本格的に飲まないか?」
 ディアッカ「ええ、お供しますよ」
 アウル「げ、まだこの酔っ払いに付き合うのかよ」
 ディアッカ(小声で)「しょうがないだろ。ここで断ったら、何されるか分からねえ。酔っ払いの理
             不尽さは半端じゃないからな」
 スティング「そりゃあそうだが、ところでこのおっさんの家って、どこにあるんだ? この城じゃな
        いのか?」
 クルフ「今、連れて行ってやる。そおれ、瞬間移動魔法(きゅうてんかい)!」
 ディアッカ「え? こ、ここは……」
 クルフ「我ら魔族の故郷、魔界だ。さあ、存分に飲もう!」
 三人「うっそおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」
 クルフ「嘘ではないぞ。ははははは、そんなに喜んでもらえるとは思わなかった。うむ、いい事
      をすると気分がいいな。はははははははは!」


その2.『魔界』とは別世界という設定です

 クルフ「む?」
 ディアッカ「ど、どうしたんですか。モンスターでも襲ってきたんですか?」
 クルフ「いや、モンスターではない。この妙な気配は……」
 吟「これはこれは。妙なお客様が来ましたね」
 クルフ「! 貴様は…」
 吟「でも、まだ人間がこのステージに来るのは早すぎます。出直してきてください」
 ディアッカ「う、うわああああああ!」
 スティング「こ、今度はどこに飛ばされるんだ?」
 アウル「あ、でも魔界から出られるんだったら、俺、どこでもいいや」
 ディアッカ「それもそうだな。魔界より悪い所なんて無いだろうし」

 地獄の大王「地獄へようこそ。生者がこの世界に来るとは珍しい。歓迎するぞ」
 三人「最悪だああああああああああああああああああ!!!!!!!」



ショート120.
シンパーティーvs色欲魔王ガーネット・探検編

その1.今更、この程度でオロオロしないわよ(byルナマリア)

 シン「クソッ、ガーネットの城を囲んでいる森に入って、もう三日……。完全に迷って、出る事さ
     え出来ない。このままじゃ……」
 レイ「シン、獲物を取ってきたぞ。牛のモンスターだ。今日はバーベキューにしよう」
 ステラ「ステラも木の実を取ってきた。デザート、デザート♪」
 ルナマリア「はいはい、みんな、その前にちゃんと手を洗ってよ。シン、あんたは材料を切るの
         を手伝って」
 シン「あ、ああ。…………みんな、気楽だな。うろたえてるのって俺だけか?」


その2.どうしてこんな所に就職してしまったんでしょう(byギアボルト)

 ギアボルト「むむ、強力なモンスターばかりのあの森で平然としているとは、さすがは勇者達で
        すね。少し甘く見ていました」
 アヤセ「どうでもいいけど、あんな森、いつ出来たの?」
 ギアボルト「三日前にガーネットが作りました。『ニコルとの秘密のデートスポット』だそうです」
 アヤセ「いや、あの二人の仲はみんな知ってるわよ。秘密のデートなんてする必要ないでしょ」
 ギアボルト「気分の問題だそうです。レベルの高いモンスターを森に配置したのも、デートを邪
        魔されない為です」
 アヤセ「魔王の職務よりデート優先かよ。ホント、魔王失格な女だわ」
 ギアボルト「そんな女に従っているあなたも失格レベルですけどね」
 アヤセ「あんたもそうでしょーが!」
 ギアボルト「私は違います。新しい就職先を見つけました。退職金を頂くまではここにいますけ
         ど、貰ったらさっさと退職します」
 アヤセ「……ふっ、甘いわね。あの色ボケ女が退職金なんて払ってくれると思う?」
 ギアボルト「………………」
 アヤセ「タダ働き、タダ働き〜♪ あははははははは、って私もそうじゃない。うううううううう〜」
 ギアボルト「本当に最悪な職場ですね」


その3.あれ? 俺ツッコミ役? アスランとキャラ被ってないか?(byシン)

 レイ「手強いモンスターを倒しまくったせいで、レベルがかなり上がった。そろそろこの森を出よ
     うか」
 シン「出るって、どうやって出るんだよ。出口なんて見当たらないぞ」
 ルナマリア「そうね。じゃあステラ」
 ステラ「分かった。光魔法、スターライト・デストロイ!」
 シン「って、おい、ちょっと待て、って、うわあああああああああああっ!!」

 シン「も、森一面が焼け野原になっちまった……。いいのか、こんな事して?」
 ルナマリア「いいのよ。どうせ魔王が作った森だし」
 レイ「動植物は、ほとんどモンスターだったからな。気にする必要は無い」
 ステラ「あ、魔王の城は無事みたい。しぶとい」
 レイ「結界を張っていたか。ならば直接叩くまでだ。行くぞ、みんな」
 ルナマリア&ステラ「おーっ!」
 シン「おー、って、ちょっと待て。みんなテンションが上がりすぎてないか、おーい!」

HPトップページに戻る
「創作ギャラリー」トップページに戻る