ファンタジー編 PHASE−12
ショート121.
シンパーティーvs色欲魔王ガーネット・謀略編

その1.久々のアヤセ専用ブロックワード

 アヤセ「ふっ。よくここまで来たわね、勇者さん達。誉めてあげるわ」
 ステラ「あ。22位&3票の女」
 アヤセ「人気投票の事は言うなーーーっ!!ってこのネタも久しぶりね。ちょっと懐かしいわ」
 ルナマリア「たった一人で出て来るなんて、いい度胸してるじゃない。それとも私達なんて一人
        で充分だと思った? ナメられたものね」
 アヤセ「ナメてなんかいないわ。でも、あの冷血女と一緒に戦って勝つくらいなら、一人で戦っ 
      た華々しく散った方がマシよ。ちょっと人気があるからってあの女、調子に乗って!」
 レイ「シン、同情はするなよ。共感もな」
 シン「しねーよ。何で俺にだけ釘を刺すんだよ」
 三人「………………」
 シン「可哀想な人を見るような眼で俺を見るな!」
 アヤセ「えっ? 君、もしかして私と同じ…」
 シン「違う! 絶対に違う、はずだーーーーーっ!!」
 レイ「違うと断言できないのが哀しいな」


その2.微妙かも

 アヤセ「いくら同類だからって、あなた達は敵。容赦はしない、行くわよ!」
 シン「だから違うっての! くそー、もういい、あの女、ボコボコにしてやる!」
 ルナマリア「勇者としては正しいんだけど、男としては最低な台詞ね」
 レイ「女でも相手がモンスターなら手加減はしない。それが勇者だ」
 アヤセ「威勢だけはいいわね。けど、その程度の力で!」
 シン「うっ! こ、こいつ、強い」
 ステラ「私の光魔法もほとんど効いてない……」
 レイ「さすがは魔王軍の幹部。やるな」
 ルナマリア「人気は無くても実力はある、か。ますます誰かさんに似てるわね」
 ステラ「…………ルナマリアの事?」
 ルナマリア「違うわよ!…ね? 違うわよね、レイ?」
 レイ「俺に聞くな。返答に困る」


その3.気付かなかった……

 シン「うおおおおおおおおっ!!」
 アヤセ「きゃあっ! な、何て鋭い一撃…」
 ルナマリア「まだまだ!」
 アヤセ「うっ!」
 ステラ「これで……」
 レイ「終わりだ。散れ」
 アヤセ「きゃああああああああああっ!!!!」

 シンたちはアヤセをたおした!

 シン「やった! よーし、このまま一気に城の中に」
 レイ「待て、シン。迂闊に飛び込むのは危険だ。罠が仕掛けられているかもしれん」
 アヤセ「ふ、ふふ、そうよ。あのクソ女の手は、この城にはたくさんの罠を仕掛けたわ。私が城
      を出ると同時に最終トラップも発動したはず。あの女が許可しなければ、もうこの城に
      は誰も入れない。ふふ、残念だったわね」
 シン「そ、そんな……」
 ルナマリア「って、ちょっと待って。それじゃあアヤセ、あなたも城には入れないわよね。もし私
        達に勝っても、あなた城に帰れなかったんじゃないの?」
 アヤセ「……………………あ、あの鉄面皮女あああああああああああっ!!!!」
 レイ「これが女の戦いというやつか。怖いな」
 ステラ「違う。これはバカと人気者の戦い。面白いけど、眠い。ふわ……」



ショート122.
シンパーティーvs色欲魔王ガーネット・対立編

その1.魔王ガーネットvsギアボルト?

 ギアボルト「魔王様、アヤセが敗れたようです。あの女、役に立ちませんね」
 ガーネット「そう。じゃあそろそろ私の出番かしら?」
 ギアボルト「その必要はありません。私が出ます」
 ガーネット「ううん、ギアちゃんはニコルと一緒にここに残って。可愛い部下を死なせたくはない
        のよ」
 ギアボルト「ガーネット……様」(ちょっとだけ感動)
 ガーネット「そう、ギアちゃんってホント可愛いわ。だから今日こそこのゴスロリ衣装を着てちょ
        うだい。そして勝利の記念に私と記念写真を!」
 ギアボルト「お断りします」(感動したのを激しく後悔)


その2.魔王軍(おまえ)は既に死んでいる

 ギアボルト「ニコルさん、あの女、何とかしてください。日に日に暴走が酷くなっていますよ」
 ニコル「あははは、無理だね。僕はもう色々やられているし」
 ギアボルト「既に調教済みですか。この軍はもうダメですね。分かっていましたけど」


その3.ある意味、最高の作戦(ガーネットは本気で言っています)

 ガーネット「という訳で、わざわざ来てあげたわよ。さあ、バトルしましょう」
 シン「い、いきなり魔王かよ。ボスってのは普通はダンジョンの奥で待っているもんだろ」
 ガーネット「そんなの退屈よ。私は私のやりたい事をやりたいようにやるの」
 ルナマリア「ストレスとは無縁の生き方ね。羨ましいわ」
 レイ「そういう生き方をするには、桁外れの力が必要だがな」
 ガーネット「私は強いわよー。殺しちゃうかもしれないけど、その時は許してね。あ、でも君達ち
        ょっと可愛いから、降伏するなら可愛がってあげるわよ。勇者君には女の子の衣 
        装を着せてみたいし」
 シン「はっ、バカ言うなよ。誰が降伏なんて…」
 ステラ「…………」
 ルナマリア「…………」
 シン「えっ、ちょっ、二人とも、何ボーッとしてるんだよ。どうして俺の顔を見てニヤニヤしてるん
     だよ」
 レイ「ふむ。似合うかどうかは別として、面白そうではあるな」
 シン「レイまで!? や、やめろーっ!!!!!!」


その4.「ええ、幸せですよ」(byニコル)

 ニコル「女装ぐらいで悲鳴を上げるなんて、可愛いですね。そんなの僕はガーネットさんに出会
      ってから一週間目に済ませましたよ」
 ギアボルト「過酷な人生を送っていますね。いえ、本人が幸せなら構いませんが」



ショート123.
シンパーティーvs色欲魔王ガーネット・困惑編

その1.どうもお久しぶりです

 ガーネット「ふっ、弱いわね。この程度の攻撃でグロッキーなんて」
 シン「あ、あんたが強すぎるんだよ。ホントに元人間なのか?」
 ガーネット「これが愛の力ってやつよ。それじゃあ、とどめを……」
 アルベリッヒ「待て、バカ娘!」
 ガーネット「あ、バカ親父。何であんたがここにいるのよ?」
 アルベリッヒ「探したぞ。お前とニコル君にどうしても言いたい事があってな」
 ルナマリア「あの人って、確かガーネットのお父さんよね?」
 ステラ「うん。ステラ、キラから聞いた。ガーネットのお父さんで…」
 アルベリッヒ「目玉焼きにはやっぱりマヨネーズだ! お前達は間違っている!」
 ステラ「うん、キラが言ってたとおり、とってもバカな人」
 ガーネット「帰れ、アホ親父」


その2.悲しい常識

 レイ「父親の説得でガーネットが弱体化するイベントが起きるのかと思ったが、期待外れだった
     な。いや、あの男に期待した俺達がバカなのか」
 アルベリッヒ「ふっ、相変わらずだな、バカ娘。だかいいのか? 私はお前の弱点を知っている
          んだぞ」
 ガーネット「な、何ですって!?」
 シン「お、これは…」
 ルナマリア「イベント発生?」
 アルベリッヒ「お前の弱点、それは可愛いものに弱い事だ! 子供の頃はミッ○ーマウスやド 
          ナ○ドダックのぬいぐるみを抱いてないと眠れなかったな。大人になってからも 
          可愛い男の子や女の子を見ると、衝動的に抱き締めたり、キスしたり……」
 全員「いや、それもうみんな知ってるから」
 アルベリッヒ「え、そうなの?」
 ギアボルト「このHPでは常識です。私も被害者の一人ですし」
 ガーネット「最初の頃の私は、そういうキャラじゃなかったんだけどね。鏡伝の初期の頃が懐か
        しい……」


その3.別世界とは、ぶっちゃけ原作の世界です

 アルベリッヒ「ふっ、ならば弱点第二弾! お前の弱点はもう一つある。それは……」
 ガーネット「何よ。ニコルだったら私の弱点じゃないわよ。むしろパワーアップアイテムよ」
 アルベリッヒ「確かに。だが、この『ニコル・アマルフィ』はどうかな? 召喚!」
 ガーネット「なっ!? ニ、ニコルがもう一人!!??」
 もう一人のニコル「え? こ、ここはどこですか? 僕はブリッツに乗ってストライクと戦っていた
             はず……」
 アルベリッヒ「別世界のニコル・アマルフィを召喚した。さあ、このニコルを倒せるかなへぶちゃ
          らあ!」
 ルナマリア「あ。アルベリッヒさんが空の彼方に消えて行くわ」
 レイ「見事なアッパーだ。さすがは魔王ガーネット」
 別世界のニコル「あ、あのー、ここはどこなんでしょうか。それにあなた達は……」
 ガーネット「うふふふふふふ。何も心配しなくていいのよ。ニコルは私が守ってあげるから。うふ
        ふふふふふふふ」
 別世界のニコル「え? あ、あの、ちょっと、誰か助けてくださーい!」
 ギアボルト「いいんですか、放っておいて?」
 この世界のニコル「うーん、どうすればいいのか迷っています。別世界とはいえ彼は僕と同じ存
             在だし、自分に嫉妬するのはバカバカしいし」
 ギアボルト「ややこしくなりましたね。あのバカ親父は余計な事ばかりします」
 この世界のニコル「ガーネットさんのお父さんですからねえ」(しみじみと)



ショート124.
シンパーティーvs色欲魔王ガーネット・決着編

その1.最後のニコルの台詞は、間違ってはいないかも

 ガーネット「うふふふふふふ。ニコルが二人もいるなんて、最高に幸せ。こっちのニコルもいい
        わ〜〜〜」
 別世界のニコル「な、何するんですか、やめてください、来ないでください! うわーっ!」
 ステラ「…………」
 ルナマリア「…………」
 シン「そこの二人、眼を輝かせてないで、あいつを助けるぞ!」
 ステラ&ルナマリア「えー」
 シン「えーじゃない! 勇者として、あんなのを見過ごせるか!」
 レイ「賢明な判断だ。それにこのままだと、このSSが18禁になってしまう」
 ルナマリア「そ、そうね。今の魔王は隙だらけだし、絶好のチャンスだわ」
 ステラ「今なら倒せる。もうちょっと見たいけど、ステラ、我慢する」
 シン「よーし、四人の最強攻撃を合わせるぞ!」
 レイ「はあっ!」
 ルナマリア「えーい!」
 ステラ「これで、終わり……!」
 ガーネット「え、ちょっ、ちょっと待って…」
 シン「待たない! 食らえーーーーーーーーっ!!!!!」
 ガーネット「あーっ!!!!!」

 ギアボルト「終わりましたか。悪は滅びました。メデタシメデタシです」
 この世界のニコル「すいません、ガーネットさん。今回はちょっと痛い目に合った方がいいと思
             ったので助けませんでした」
 ガーネット「し、静かに嫉妬してたニコルも素敵よ……。ガクッ」
 別世界のニコル「な、何なんだ、この人達は。僕は地獄に落ちたのかな?」


その2.いよいよエンデイング……なわけない

 アルベリッヒ「ご苦労だったな、別世界のニコル君。頑張ってくれたお礼に、君が生き延びられ
         る世界に送ってあげよう。とあるスパロボの世界へ、さらば!」
 別世界のニコル「それって嬉しいような、でも微妙に嬉しくないような、うわーっ!」
 ギアボルト「本人の意志も聞かずに送りましたか。さすがガーネットの父親、人の話を聞きませ
         んね」
 シン「とにかく魔王ガーネットは倒した。キラさん達もダブルGとメレアを倒しているはずだ。これ
    で世界は平和に…」
 この世界のニコル「いえ、残念ですがそうはならないと思いますよ」
 ルナマリア「どうしてよ? まさかあなた達が魔王の後を継ぐって言うの?」
 ギアボルト「冗談は止してください。この色ボケ女の後を継ぐなんて、考えただけでも吐き気が
         します」
 ニコル「僕もそんなつもりはありません。僕はガーネットさんと一緒にいられれば、それで幸せ
      ですから。でも魔界で妙な連中が動いているみたいなんです。それにこの世界でも…」

 ゼノン「時は来た。資金も兵力も充分集まった。これより我が軍は、全世界を制するべく侵攻を
      開始する!」
 部下達「おおおおおおおおーーーーーーっ!!!!!」
 ミナ「ホテル経営も楽しかったんだけど、仕方ないわね。私はゼノンについていくわ」

 吟「ふふふふふふふ、三大魔王が倒れ、力に溺れた英雄が動く、か。人間界はまだまだ面白く
   なりそうですね。ふふふふふふふふふふ……」


その3.お待たせしました

 メイリン「という訳で、ついに私の出番ね。打倒ゼノン! みんな、行くわよ!」
 夏「うむ、心得た。久しぶりの出番でござるな」
 樹里「でも、ゼノン軍は凄い数よ。私達だけで勝てるの?」
 影太郎「何とかなるだろう。シミュレーションRPGでは勇者側のユニットは一騎当千の力を持っ
       ているし」
 樹里「いつの間にかジャンルが変更してるわね。すっごく不安」
 メイリン「目指せ、真のエンディング! 味方の死者ゼロでクリアするわよ!」
 夏「誰かが死んだら即リセットでござるな。手強いシミュレーションになりそうでござる」
 影太郎「そのCMネタを知っている人、まだいるのかな?」



ショート125.
メイリンパーティーvsゼノン軍団・開戦編

その1.私もあまりやりません

 夏「それにしても、ゼノン軍は本当に凄い数でござるな」
 樹里「人間だけじゃなく、モンスターまでいるわよ」
 影太郎「種族も思想も問わず、これだけの兵力を集めるとはな。ゼノン、恐ろしい男だ。メイリ
       ン、どうする? 一気に切り込むのか?」
 メイリン「そ、それはちょっと無理があると思うわ。一時退却しましょう」
 影太郎「懸命だな。まあわざとやられて資金と経験地を持ち越して再挑戦、という方法もあるみ
      たいだが」
 メイリン「全滅プレイは便利だけど時間が掛かるからやらないわ。男なら一発勝負よ!」
 影太郎「女の子が言うなよ。心意気は分かるけどな」


その2.開戦前夜

 夏「メイリン殿、デュランダル王がゼノン軍を迎え撃つべく出陣したそうでござる」
 樹里「近隣の国も王様に兵を提供したらしいわ。ゼノン軍以上の大軍だそうよ」
 メイリン「ホント? だったらもう安心ね。あとはデュランダル王に任せて…」
 影太郎「任せてもいいのか? ゼノン軍は士気も高いし、モンスターもいる。デュランダル王で
       も勝てるかどうか分からないぞ」
 メイリン「そ、それは大変ね。もし王様が負けたら、私達はどうなるのかな?」
 夏「もう王の援助は受けられないでござるな。苦しい旅になりそうでござる」
 影太郎「ちょっと待て。今まで援助してもらった事なんてあるか?」
 一同「………………………………」
 メイリン「無いわね。放っておきましょう」
 影太郎「納得しかけたけど、勇者としてはどうかと思うぞ」


その3.思いだけでも、力だけでも

 メイリン「じゃあ両軍が戦って、疲弊したところを私達が参上、ゼノンを倒しましょう」
 夏「うむ。兵法としては良いでござるな」
 樹里「現実的な方法ですね。分かりました、準備します」
 影太郎「確かに少数で多数の敵に勝つには最適の方法だ。とはいえ、やっぱり勇者のやる事
      じゃないな。正義を貫くのは難しい……」



ショート126.
メイリンパーティーvsゼノン軍団・急襲編

その1.この場合の『プレイヤー』って、誰?

 影太郎「む、もう前線では戦いが始まっているぞ」
 夏「両軍とも凄い数でござるな。黒が九で白が一、というところでござるか」
 樹里「夏さん、そのネタはちょっと古いと思うわ。でも本当に凄い数……」
 メイリン「そうね。でも戦闘はターン制なのね」
 夏「一方の軍が動き終わるまで、もう一方は動かない。スパロボなどシミュレーションRPGの王
   道でござるな」
 影太郎「傍から見ると、凄くマヌケな絵だな」
 メイリン「それは言わないお約束よ。プレイヤーが楽しめる事が第一なんだから」


その2.みんな結構やっています

 メイリン「前線にこれだけの兵を配備したって事は、本陣は手薄になっているはずよ」
 夏「確かに。急襲するには絶好のチャンスでござるな」
 樹里「デュランダル軍の方が押されています。やるなら今しかないですよ」
 メイリン「よーし、行くわよ! 狙うはゼノンの首一つ!」
 夏&樹里「おーっ!!」
 影太郎「おー……って、ほとんど暗殺に近いじゃないか。正義の味方のやる戦法じゃないな。 
      いや、そうでもないのか?」


その3.戦場では、人はかなり興奮するそうです

 メイリン「ゼノンがいる本陣を発見! 思ったとおり、守りは手薄だわ」
 樹里「手薄というか、人が全然いませんね。側近ぐらいはいるかと思ったのに」
 夏「自分を守る兵など必要ないという事でござろうか? 大した自信でござるな」
 影太郎「嫌な予感がする。一度引き返した方が…」
 メイリン「そんな時間は無いわ。みんな、行くわよ!」
 樹里「は、はい」
 夏「承知した」
 メイリン「よーし、突撃ーっ!」

 ミナ「あ」(服脱ぎかけ)
 ゼノン「む」(上半身裸)
 メイリン「…………」(顔真っ赤)
 樹里「…………」(同じく)
 夏「…………」(同じく)
 影太郎「うわ」
 ゼノン「貴様ら、私とミナの逢瀬を邪魔するとは。覚悟は出来ているのだろうな?」
 メイリン「あ、い、いえ、違うんです、邪魔するつもりなんて無いです! だから許してください、 
       きゃあー!」
 影太郎「悪いのは俺達なのか? 戦場でイチャついていた、このバカップルなのか?」



ショート127.
メイリンパーティーvsゼノン軍団・決戦?編

その1.説得力ねー

 ゼノン「殺す」
 樹里「う、うわああああああ、ほ、本気で怒ってますよ、あの人」
 メイリン「あ、あのですね、無断で本陣にまで入って来た私達も悪いですけど、戦場でその、あ
       んな事をしようとしていたそっちもどうかと思いますよ」
 影太郎「正論だな。暗殺しに来た奴が言う台詞じゃないが」
 ミナ「でも、そのとおりですね。ゼノン、この子達を許してあげましょうよ」
 ゼノン「ふん。ミナがそう言うのなら許してやるか」
 メイリン「ほっ」
 ゼノン「では戦おうか。お前達は私を殺しに来たのだろう? 手加減はしないぞ」
 メイリン「あれ? 結果は変わらないのね」
 影太郎「当たり前だ。任務を思い出せ、このバカ」


その2.結果はパーセント表示で100:0だったそうです

 夏「話を蒸し返すが、味方が必死に戦っているのに女を抱くとは、ゼノン・マグナルド、非常識 
    にも程があるでござるぞ」
 ゼノン「この戦い、こちらの勝ち戦なのはもう決まっている。退屈なのだよ」
 影太郎「お前の勝ちがもう決まっているだと? どういう事だ」
 ゼノン「デュランダル軍の半数が、こちらへの寝返りを約束している。今頃は総崩れだろう」
 メイリン「そ、そんな……」
 樹里「デュランダル王って、人望が無かったんですね」
 影太郎「各国の王をどうやって寝返らせた? 金か、脅迫か?」
 ゼノン「いや、各国の王に『可愛い女の子と、胡散臭い声の男。どちらに付く?』というアンケー
      トを送っただけだ。回答は…」
 影太郎「聞かなくても分かる。男ならどちらを選ぶか、分かりきった事だからな」
 メイリン「池田秀一さんの声は好きだけど、演じた役が悪かったわね。シャアとかクワトロとか」


その3.ボスキャラからは逃げられない、事もない?

 夏「む。戦場の方角から歓声が上がったでござる」
 ミナ「あれはこちらの軍の兵達の声ですね。勝敗が決したみたいです」
 ゼノン「ふっ。勝利の雄叫びというのは、いつ聞いても心地いいものだな。さて、貴様らはどうす
      るつもりだ?」
 メイリン「うっ。デュランダル王が負けたのなら、ここでゼノンを倒しても……」
 樹里「そもそも私達で勝てる相手じゃ無さそうだし」
 影太郎「逃げるぞ。煙幕!」
 ゼノン「む! …………ちっ、逃げられたか。逃げ足の速さはさすが勇者だな」
 ミナ「『逃げられた』じゃなくて、『逃がした』でしょ。あの子達、気に入ったの?」
 ゼノン「ああ、なかなか面白い奴らだ。それに、新しい楽しみも教えてもらったからな。人に見ら
      れながらするというのも、いいものだな」
 ミナ「私は嫌よ」
 ゼノン「ミナ…」
 ミナ「(ニッコリ笑って)い・や」
 ゼノン「ふっ。快楽の道を極めるのは、世界を制するよりも困難らしい。だが、いつか必ず!」



ショート128.
ゼノンの真意と本当の敵

その1.ゼノン王の最初の政策

 デュランダル「残念だが我が軍の完敗だ。ゼノン君、この世界は君のものだ」
 ゼノン「ようやく統一が成ったか。では、この布令を世界中に配布してもらおう」
 デュランダル「今後の政策についてか。ふむ……税制改革に腐敗官僚の処分、無能な貴族の
          追放に文化交流の奨励か。至極真っ当なものばかりだな」
 ゼノン「当然だ。自分のものになった世界を粗末にするつもりは無い」
 デュランダル「どうやら私は君を誤解していたようだ。君はなかなかの……ん? この特別予 
          算というのは何だね?」
 ゼノン「私とミナとの結婚式を行う為の予算だ。最高のファーストレディの誕生に相応しい、豪 
      華絢爛なものにする。という訳で税率200%アップだ」
 デュランダル「前言撤回させてもらう。バカップルとは困ったものだな」


その2.騙される方も悪い?

 ミナ「ゼノン、つまらない冗談はそのくらいにしなさい」
 ゼノン「そうだな。本題に入ろう。魔王を倒した三人の勇者と、私を襲ったメイリンという勇者は
      どこにいる?」
 デュランダル「彼らなら天空城アークエンジェルにいる。今後の事について話し合っていると思
          われるが…」
 ゼノン「連中と会見する。連絡をしてくれ」
 デュランダル「了解した。私に任せてくれたまえ」
 ゼノン「暗殺部隊とかの準備はしなくていいぞ。そんなつもりは無いからな」
 デュランダル「バカな! 会見とか会談の場は、敵を殺すか陥れる為の場ではないか。他に何
          をすると言うのだね?」
 ゼノン「お前の心は黒すぎるぞ」
 ミナ「さすがアニメ本編で世界を騙した人ですね」


その3.『魔王』ではラスボスにはなれない

 キラ「ゼノンさん、いえ、ゼノン王。僕達に何の用ですか?」
 ゼノン「警戒しなくてもいい。私は君達と戦うつもりは無い。むしろ力を合わせたいと思っている
      のだ」
 アスラン「どういう事です? 俺達に何をさせるつもりですか?」
 ゼノン「世界は統一され、大いなる危機に備える事が出来るようになった。いずれ訪れる真の
      敵と戦う為、君達の力を貸してくれ」
 シン「真の敵? 三人の魔王は倒したのに、まだ敵がいるのか?」
 ゼノン「うむ。あの三人よりも残虐で、恐ろしい敵だ。私の兄で、魔界の新たな支配者になった
      男だ」
 メイリン「! ゼノンさんのお兄さんが、魔界の王様になったんですか?」
 ゼノン「三人の魔王が魔界を留守にしている間に魔界を制圧した。弟の私も殺されかけた。そ
      して次はこの人間界を狙っている」
 キラ「僕達の戦いは、まだ終わっていなかったんですね」
 シン「何となくそんな気はしてたけど」
 アスラン「そうだな。あの三人がラスボスでは、あまりに酷すぎる」
 メイリン「ゲームだったらクソゲー認定されてますね」
 キラ「ファ○通のレビューでオール2点になって、伝説になるんだね。それは魔王より怖いよ」
 ゼノン「随分と余裕があるな。さすがは勇者達だ」
 ミナ「余裕と言うより、こうなる事を予測していたみたいね。RPGではよくあるパターンだから」
 ゼノン「それは言うな。物語が白ける」


その4.真の最終決戦へ。でもその前に

 ゼノン「我々の真の敵、その名は…」
 吟「大魔王グランドクロス様です」
 ゼノン「! 貴様は兄の腰巾着、こんな所にまで来ていたとはな」
 吟「今日はグランドクロス様からのメッセージをお伝えに来ました。そちらの準備も整ったような
    ので、近い内に挨拶に行く。魔界の猛者を引き連れていくので、歓迎してくれとの事です」
 ゼノン「ふん。いいだろう、勇者達と私の軍団で大いに歓迎してやる。貴様に魔界を追われた 
      モンスター達もいるから、首を洗って待っていろと伝えろ」
 吟「畏まりました。それでは」
 アスラン「急展開だな」
 シン「クライマックスに突入したって感じですね。ワクワクするなあ」
 メイリン「でもここからが長いのよねえ。最終回まで一年か二年ぐらいかかりそう」
 キラ「本当にどうなるのかな。取り合えず、夕食の時間だからご飯にしよう。ゼノンさんも食べて
     いきませんか?」
 ゼノン「いただこう。腹が減っては戦は出来ないからな。ミナ、料理のレシピを教わっておけ」
 ミナ「はい。愛情たっぷりの手料理を作ってあげるわ」
 アスラン「決戦前なのに呑気だな。このSSらしいが」



ショート129.
グランドクロス軍団、始動?

 吟「グランドクロス様、ただ今戻りました」
 グランドクロス「ご苦労。それで、人間界の様子は?」
 吟「三大魔王は全員敗北。弟のゼノン殿によって、世界は統一されました。ゼノン殿は勇者ど
    もと手を組んで、こちらを迎え撃つつもりです」
 グランドクロス「ふっ、愚かな弟め。脆弱な人間と手を組むとはな。いや、人間とのハーフらしい
           奴には相応しいか」
 吟「では、いよいよ総攻撃を」
 グランドクロス「待て。そうしたいのは山々なのだが、こちらの問題も片付いていないのだ」
 吟「えっ、あの四人、まだ揉めているのですか?」

 フレイ「何度も言ってるでしょう! 四天王のリーダーはこの私なんだから、あんた達は黙って 
      私に従いなさい!」
 ウラノス「断る。原作ではレギュラーキャラだったのに、今の今まで出番が無かった女に従うな
       ど、我々のプライドが許さん」
 プルート「オリジナルキャラだからって、原作キャラの下に着く理由は無いわ。ましてや、作者に
       存在を忘れられていたキャラの下にはねー。あはははははは!」
 ネプチューン「ほっほっほ。個性が強すぎて、出番が貰えなかったというのは哀れじゃのう。い
          や、ジョークとしては一級品かのう?」
 フレイ「あ、あんた達、許さない! 今日こそ消し炭に変えてやるわ!」
 ウラノス「ふっ、上等だ」
 プルート「殺れるものなら…」
 ネプチューン「やってもらおうかのう。ほっほっほ」

 吟「グランドクロス様がリーダーを決めればいいじゃないですか」
 グランドクロス「ヤダ。私がリーダーを決めたら、リーダーにならなかった奴が私を恨んで、私を
           暗殺するかもしれないじゃないか。そんなの絶対にヤダ」
 吟「あなたも変わってませんね。残酷なのに臆病過ぎるその性格、何とかしてください」



ショート130.
一方その頃、地獄に落ちたこいつ等は

 地獄の鬼「大王様、例の三人ですが、またサボッていました」
 地獄の大王「またか。ううむ、いくら罰を与えてもサボるのを止めないとは、何というダメ人間ど
         もだ。もういい、奴らは地獄から追放する」

 ディアッカ「追放処分だって!? や、やった、これで元の世界に帰れるぞ!」
 アウル「ああ、サボりまくった甲斐があったな」
 スティング「真面目に働いて返してもらった方が、オシオキを受けない分良かった気もするが、
        まあいいか」
 地獄の大王「喜んでいるところを悪いが、お前達のようなダメ人間を人間界に帰す訳にはいか
         ん。あちらも迷惑だろうからな」
 ディアッカ「え、じゃあ俺達はどこへ……」
 地獄の大王「サボる事しか能の無いお前達に相応しい場所じゃ。行けい!」
 三人「うわああああああああああああああ!!!!」

 ディアッカ「う、こ、ここは、どこだ?」
 この世界の住人「ネットカフェ界にようこそ。ここでは何もしなくていいんだよ。好きなだけ食べ 
            て、飲んで、寝て、ネットダイブして、ゲームしてもいいんだ」
 ディアッカ「グゥレイト! 極楽じゃないか」
 アウル「おお、俺達には相応しい世界だぜ。たっぷり遊ぶぞ!」
 スティング「お、おい、ちょっと待て、そんな世界がある訳無いだろ。おかしい…」
 この世界の住人「ふーん、君はあの二人ほど落ちてはいないんだね。そういう人は、この世界
            には居てほしくないなあ。しばらく次元の狭間に落ちていなよ」
 スティング「なっ!? き、貴様、一体、うわああああああ!」
 この世界の住人「くっくっくっく。どんどん食べて、どんどん太れ。その時がお前らの最後だ。くっ
            くっくっくっくっく……」



ショート131.
いざ、魔界へ

その1.勇者達とゼノン王の会談

 ミナ「世界各地にモンスターが大量に出現! 各地の町や村が襲われているそうよ!」
 ゼノン「心配するな。防備は万全だ。とはいえ、数では向こうが圧倒的に上。戦いが長引けば 
      こちらが不利だ」
 キラ「それで、僕達に魔界に行けと?」
 アスラン「確かに、モンスターは魔力によって操られているだけだ。敵のボスさえ倒せば全て終
       わるだろう」
 シン「けど、どうやって魔界に行くんですか? それに魔界は敵の本拠地。殺されに行くような 
     ものじゃないですか」
 ゼノン「ふっ。魔王どもの城に乗り込んで、奴らに勝った勇者の言葉とは思えんな」
 シン「う」
 メイリン「私は負けちゃったんだけど……」
 キラ「分かりました。僕は魔界に行きます。この世界を、みんなを守りたいから」
 アスラン「俺もだ。グランドクロスとやらの好きにはさせん。シン、お前はどうする?」
 シン「行きますよ。俺だって勇者の端くれですからね」
 メイリン「だったら私も行くしかないわね。汚名返上したいし」
 ゼノン「決まりだな。では、魔界への道を作ろう。ミナ、スコップを持って来い」
 シン「って、自力で掘るのかよ!」
 メイリン「魔界に着く前に人類が滅びそう」


その2.『ドリルは漢のロマン』って、いつからそうなったんだろう?

 ゼノン「自力で掘ると言うのは冗談だ。だが、掘り進むと言うのは本当だ。地の底にある魔界 
      に行くには、それが一番手っ取り早いからな」
 キラ「でも、魔界まで掘り進むのは人の力では無理ですよ」
 ゼノン「その為にこれがある。ミナ、特大ドリルを持って来い」
 ミナ「はーい。各国から集めたお金や物資を使って私が作った、スーパーサイズのスペシャル
     ドリルです。これを天空城アークエンジェルに取り付けて、城ごと魔界に行ってください」
 アスラン「豪快な話だな」
 シン「でも、俺、そういうの好きですよ。燃えてきたーっ!」
 メイリン「乗り心地は凄く悪そうですけどね。酔い止めの薬、持ってった方がいいかな?」
 ゼノン「地上の事は私に任せろ。勇者諸君、健闘を祈る」
 キラ「はい。ところでゼノンさん、このドリルは先が尖った円錐型なんですね。でも地面を掘り進
     むのなら、円錐型のドリルよりも掘削機の方が……え? どうしてみんな、僕を白い目で
     見るの? 僕、何かおかしな事を言ったかな?」



ショート132.
魔界に来ちゃいました

その1.ドリドリルンルン、ドリルンルン♪…って何の歌だっけ?

 ミナ「皆さん、お待たせしました! 天空城アークエンジェルへのドリルの取り付け工事、完了 
    です!」
 シン「うわあ、本当に天空城の下にドリルを付けたんだ。カッコいい……のかな?」
 アスラン「だが、これで魔界に行ける。みんな、乗り込め!」
 カガリ「おお! 何だかワクワクするな」
 ルナマリア「腕が鳴るわね」
 メイリン「お姉ちゃん、たくましくなったみたいね。でも私だって!」
 アスラン「全員乗ったな。では、出発!」
 イザーク「ん? おいちょっと待て、キラパーティーの連中とダン達がいな……うわあああああ 
       あああああああああああああああああああ!!!!」
 全員「ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

 ゼノン「掘り進む度に激しく揺れているな。城が壊れそうだぞ」
 ミナ「強化してあるから大丈夫です。魔界までは持ちますよ」
 ゼノン「あの強烈な振動を我慢してこそ、漢のロマン。勇者達の幸運を祈る」


その2.裏道・近道・獣道

 ラクス「アークエンジェルは地面の中に潜ってしまいましたわ。まるで地震の様な振動でしたわ
      ね」
 キラ「ドリルの振動って凄いからね。乗らなくて良かった」
 ラクス「では、わたくし達も参りましょう。ダンさん、ステファニーさん、魔界への最短ルートをご 
      存知というのは本当なのですか?」
 ダン「ああ、任せろ」
 ステファニー「会議が盛り上がっていたから、最短ルートを知ってるなんて言い辛くて……。ア 
          スラン達にも教えてあげれば良かったかしら?」
 キラ「教えなくてもいいと思うよ。みんなドリルが好きみたいだし」
 ムウ「前回、白い目で見られた事を根に持っているな。やっぱり魔王より、こいつがの方が怖 
     いぜ。マリュー、当分の間、キラへのツッコミは禁止だ」
 マリュー「分かったわ。大人としては問題だけど、私もまだ死にたくないから」


その3.グラグラ揺れて、魔界に到着

 アスラン「………………」
 シン「………………」
 メイリン「………………」
 カガリ「………………」
 イザーク「………………」
 ルナマリア「………………」
 レイ「………………」
 影太郎「………………」
 樹里「………………」
 夏「………………うえっぷ」
 影太郎「は、吐くなよ、夏。吐いたら終わりだ。お前の何もかもが終わるぞ」
 夏「せ、拙者、もう終わっているような気がするでござるよ。ああ、さすがは魔界。亡くなった祖
   父の顔が見えるでござる…」
 影太郎「見ちゃダメだ! 戻って来い!」
 ステラ「みんな、どうしてダウンしてるの? ドリル、グラグラ揺れて面白かったのに」
 シン「ゆ、揺れすぎだろ、あれは。内臓まで揺れた気がする……」
 ルナマリア「気分最悪……。ステラ、あんたは平気なの?」
 ステラ「うん。ステラ、乗り物酔いしないから」
 イザーク「酔うってレベルじゃないだろ、あれは…」
 カガリ「魔界に付いた途端、パーティー全滅の危機か……。私達らしいな」
 アスラン「否定出来ないのが、辛いな。うえっぷ」
 メイリン「アスランさん、ダメー! 吐かないでー!」

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