SEED学園編 PHASE−05
ショート49.
黒の伝説
(一部、ライデンさんのリクエスト)

その1.弟の心、姉知らず(詳しくはこちらを)

 ストライクシャドウ「という訳で、今日から一ヶ月間、皆さんと一緒に勉強する事になりました教
            育実習生のストライクシャドウです。うちの弟同様、皆さん、仲良くしてくださ
            いね」
 キラたち一同「………………」
 ストライクシャドウ『? な、何、この「色々大変でしょうけど、頑張ってくださいね」という同情に
            満ちた視線は?』
 ストライク「……………」(ちょっと震えている)
 ストライクシャドウ「…………なるほどね。あのオシャベリバカ、後でブッ殺す♪」


その2.再会

 ガーネット「ラクス、ちょっと生徒会の事で話が…って、あれ? あんた…」
 ストライクシャドウ「あら、あなたは…」
 ガーネット「………………」
 ストライクシャドウ「……………」
 ラクス「鏡伝峠最速の『黒い女神』と『黒い悪魔』。運命の再会ですわね」
 ガーネット&ストライクシャドウ「なぜ知っている?」
 キラ「で、どっちが女神で、どっちが悪魔なの?」
 ラクス「お二人の異名は、その走りから来ているのですわ」
 キラ「なるほど。ガーネットさん、凄いあだ名ですね」
 ガーネット「キ〜ラ〜〜〜〜〜!」


その3.ああ、金が飛んでいく……

 ラクス「違いますわ、キラ。シャドウ先生の方が『黒い悪魔』なんです」
 キラ(頭にタンコブ)「えーーーーーーーっ!!!!! そ、そんな、シャドウ先生の走りって、 
              『あの』ガーネットさんより凄いんですか!?」
 ラクス「速い、ではなく、凄い、なんですね。気持ちは分かりますけど」
 ストライク「ちなみにうちの車は、俺たちが乗る車と姉ちゃんが乗る車に分けられている。姉ち
        ゃんの車には誰も乗らない」
 キラ「…………」
 ストライク「参考までに、姉ちゃんの車は、正・副・予備を含めて常時三台ある」
 キラ「いつ壊れてもいいように、か。ホントに『凄い』ね」
 ストライク「駐車場の料金払うのに、いつもピーピー言ってるけど」
 ストライクシャドウ「弟君、身内の恥を晒さないように」
 キラ『あ、恥って自覚はしてるんだ』(さすがに口に出すような事はしない)


その4.ちなみに二人の戦績は四十勝四十敗

 ガーネット「しばらく姿を見ないと思ったら、先生なんかやってたんだ。もう峠には来ないのか 
        い?」
 ストライクシャドウ「まあ、ね。そろそろ私も就職しないと」
 ガーネット「ふうん。じゃあ、もう走らないんだ。……ちょっと寂しくなるね」
 ストライクシャドウ「就職するまでの間だけよ。就職決めたら、また戻るわ。その時こそ、どっち
             が鏡伝峠のナンバー1か、決着をつけましょう」
 ガーネット「ああ、待ってるよ」

 シーゲル学園長「おほん。そういう事は学校内で堂々と言うものではないと思うのだがね、シャ
            ドウ君」
 ストライクシャドウ「あ」



ショート50.
それぞれの年末年始パート2(パート1はこちらです)
(PANZERさんのリクエスト)

その1.ガーネット&ニコルの場合

 クリスマス……当然デート。プレゼントは、ニコルは熊のぬいぐるみ、ガーネットは腕時計を送
          りました。
 大晦日……みんなと一緒に初詣。
 初詣……みんなでお参り。お互いにいつまでも一緒にいられるように願う。そして、そのまま 
       初デートへ。
 お年玉の成果……二人とも上々。ガーネットはバレンタインの資金に、ニコルはホワイトデー
             の資金として貯金する。

 一同「………………」
 ガーネット「何を期待しているのか知らないけど、こんなものだよ。普通の年末だろ?」
 ニコル「そうですよね。どこからどう見ても、普通のカップルの年末です」
 一同「……カップルの上に『バ』がつくけどね」
 ガーネット「何か言った?」
 一同「いえ、何も」


その2.サイ&ジュリエッタ姉妹の場合

 クリスマス……サイとルミナはクリスマスデート。カノンはアスランとカガリのデートを尾行。こっ
          そり邪魔をして、二人をケンカさせる。
 大晦日……妹の暴走を知ったルミナ、サイと協力してアスランたちを仲直りさせる。ちなみに
        カノンは家で吊り下げられています(笑)。
 初詣……みんなと一緒に初詣。カノンはまだ吊られています。
 お年玉の成果……三人ともごく普通。ただしカノンのお年玉は、ルミナに没収されました。

 カノン「お姉ちゃん、ゴメンナサ〜イ! もうしないから、許して〜! お年玉を返して〜!」
 ルミナ「ウソばっかり。どうせまたあの二人の邪魔をするから、その時のフォロー用に取ってお
      くわ」
 サイ「いや、邪魔する事は止めないのか?」
 ルミナ「無駄よ。絶対に止まらないわ。それに、私が同じ立場でもそうするもの」
 サイ「…………さすが双子」



ショート51.
私をスキーに……連れて行かないで
(写児さんのリクエスト)

その1.誰にでも苦手なものはあるのです

 (冬休みを利用して、クライン家所有のプライベートスキー場にやって来ました)

 キラ「うわあ……真っ白だね」
 アスラン「ああ。滑り甲斐があるな」
 ディアッカ「よーし、俺のスノボテクを見せてやるぜ! ミリィ、惚れ直すなよ?」
 ミリィ「いや、そもそも惚れてないから」
 ガーネット「………………」
 ラクス「? どうかしましたか、お姉様?」
 ガーネット「……寒い。やっぱり帰る」
 ニコル「そんな! せっかく来たんですから、一度ぐらい滑りましょうよ!」
 ガーネット「……べない」
 ニコル「えっ?」
 ガーネット「私は……滑れないんだ」
 一同「…………」
 ガーネット「ちょっと待て。ニコル以外のみんなはどうして、そんな『鬼の首を取った』&『勝利 
        者の余裕』に満ちた笑顔をしているんだ?」


その2.練習しましょう

 ニコル「そんなに難しくありませんよ。僕と一緒に練習しましょう」
 ガーネット「あ、ああ……」
 ニコル「まずはボーゲンからですね。こうして、足をハの字型にして……」

 キラ「何だか、いい雰囲気だね」
 ラクス「微笑ましいですわ」
 カガリ「……………なあ、アスラン。私にもスキーを教えてくれないか?」
 アスラン「はあ? お前、今、上級者コースを滑ってきたばかりじゃないか。何を教えろと…」
 カガリ「もういい! この、ハツカネズミ頭!」
 アスラン「ハ、ハツカネズミ? おい、ちょっと待て、カガリ!」
 ラクス「あの二人は別の意味で『バカ』ップルですわね」
 キラ「特にアスランはね」


その3.努力の成果

 ニコル「さすがガーネットさん。もう僕が教える事はありませんね」
 ガーネット「……………」
 ニコル「? ガーネットさん?」
 ガーネット「…………ザコどもが、私の前を走るな!」
 一同「げっ、暴走モード!」


その4.調子に乗りすぎました

 カガリ「で、結局夜中まで滑りまくって、コケまくって、雪まみれになって、風邪を引いてホテル
     に缶詰か。何しに来たんだ、あいつは」
 ラクス「初心者にありがちなミスですわ。皆さん、健康管理はしっかりとしてくださいね」



ショート52.
世紀の対決?

その1.ロリコンじゃないよ

 オルガ「くそっ! ダブルG高校の連中、ムカつくぜ!」
 クロト「ああ。やたら頑丈だし、殴っても平然としてるし……。このままじや、あいつらにこの町
     を乗っ取られるぞ」
 シャニ「あそこの生徒、表情が全然変わらないもんな〜。まるでロボットみたいだ。……ん? 
      今、イザークとディアッカのツッコミが聞こえたような…?」
 オルガ「気のせいだろ。それより、これからどうする? このまま黙っているわけにはいかない
      ぞ」
 クロト「でも、ゴールド・ゴーストの連中もやられちまったんだろ? 俺たちだけじゃ…」
 オルガ「心配するな。助っ人のアテならある」

 オルガ「という訳だ、よろしく頼む!」
 ストライク「いや、俺なんかじゃ無理だと思うけど…」
 オルガ「お前なら勝てる! いや、お前しか勝てない! 頼む!」
 シャニ「かわいい女の子、世話してやるからさ、頼むよ」
 ストライク「うーん……。まあ、そんなに言うなら…」
 オルガ「よし、頼むぜ!」
 クロト(小声で)「かわいい女の子って、誰を紹介するつもりだ?」
 シャニ(小声で)「ギアボルト」
 クロト「……………ストライクって、ロリコン?」
 シャニ「さあ?」


その2.相手の返事は聞いたのですか?

 (そして、対決の日。こちら側のメンバーはストライク、オルガ、シャニ、クロト、そして付き添い
  で来たキラとアスラン、ガーネット)

 ガーネット「ダブルG学園の連中、遅いね。場所はこの野原で間違いないんだろうね?」
 オルガ「ああ、ちゃんと連絡した」
 キラ「日にちを間違えてるって事は…」
 オルガ「それも無い。カレンダーを見て、確認した」
 ストライク「じゃあ、どうして来ないんだろう?」
 クロト「俺たちに恐れをなして、逃げたか? だったら、大笑いだけどな」
 シャニ「このまま来なかったら不戦勝、ってやつだね。楽でいいや」
 アスラン「……………」
 キラ「あれ? アスラン、立ったまま寝てる」
 ガーネット「やれやれ。相変わらず、夜に弱いねえ。夜中の一時を回ったぐらいで、もうお寝ん
        ねか。ホント、お子様なんだから」
 キラ「ガーネットさん、僕たち、何か根本的なところで間違っているような気がするんですけど」
 ガーネット「気のせいだろ」
 キラ「はあ…………そうかなあ?」


その3.夜が明けました

 オルガ「結局、あいつらは来なかったけど、約束は約束だ。シャニ、ストライクに女を紹介して
      やれ」
 シャニ「OK。これがその娘の住所だよ」
 ストライク「あ、ああ、それじゃあ、行ってくる。じゃあな!」
 ガーネット「へえ、ストライクに女の子を紹介したのか。で、相手は誰だい?」
 シャニ「ギアボルト」
 ガーネット「………………」
 クロト「ギャハハハハッ! 面白い組み合わせだろ? くっついてもくっつかなくても、爆笑間違
      いなし! 楽しみだぜ!」
 キラ「クロト、趣味悪いよ。…………ガーネットさん?」
 ガーネット「……はいくか」
 キラ「えっ?」
 ガーネット「そうはいくか! あの娘は私が先に目を付けてたんだ! 渡してたまるか!」

 (ガーネット、猛ダッシュでストライクを追う)

 オルガ・シャニ・クロト「………………」
 キラ「あ、ち、違うよ! ほら、ガーネットさんって、子供とか、かわいい物とか大好きだから、 
     そういう意味で…」
 オルガ・シャニ・クロト「…………………………」
 キラ「ほら、ニコルだって『かわいい系』だろ? だから、その…ああ、もう、どうフォローすれば
     いいんだ!」
 アスラン「…………ぐー」

 (その後、ギアボルトの家でストライク対ガーネットの(一方的な)激しい戦いが繰り広げられた
  とか、なかったとか。真相は不明。ちなみに後日、シャニはボコボコにされました)



ショート53.
キラとカガリの秘密

 アスラン「カガリ、君とキラって、双子のきょうだいなんだよな」
 カガリ「ああ。私がで、キラがだ」
 アスラン「いや、そこだけ文字を大きくしなくても……。でも、今は別々に暮らしているな。どうし
       てなんだ?
 カガリ「ああ、私も気になって、父上に聞いたことがあるんだ。何でも、私たちの本当の両親は
      かなりマッドな人だったらしくて、見かねたお母さんが、私をお父様のところへ、キラを
      妹夫婦のところへ養子に出したんだ」
 アスラン「マッドな人って、一体、何をやったんだ? まさか、児童虐待とか……」
 カガリ「いや。何でも凄く泥遊びが好きな人で、一日中泥まみれだったらしい。で、不潔だから
      って、 私たちは養子に出されたんだ」
 アスラン「…………それって、違う意味で人間失格な気がする」
 カガリ「あと、マッドクラブも大好きだそうだ」
 アスラン「知るか」



ショート54.
新聞部のアンケート・幸せにしたい人はいますか?

 キラ「やっぱりラクスかな。けど、出来ればみんなに幸せになってほしいんだけどね」
 ラクス「そうですね。でも、それでもわたくしはキラに一番幸せになってほしいのですけど」
 アスラン「一番はカガリだ。だが、俺もキラと同意見だな」
 カガリ「あ、アスラン、お前、そんな恥ずかしい事を堂々と……。まあ、私も似たような答えだが
      ……」
 イザーク「母上だな。まあ、他にも色々といるが……」
 ディアッカ「もちろんミリィだ。あと、トールは地獄に落ちてほしいね」
 トール「それはこっちのセリフだ!」
 ミリィ「ちょっ、ちょっと、二人とも! あ、私は……パパとママ、ということで」
 フレイ「上手く逃げたわね、ミリィ。私もパパかな。えっ、イザーク? なんでアイツの名前が出
      てくるのよ」
 ニコル「ガーネットさんに父さん、母さん、アスランたち……。ちょっと多すぎますね」
 ガーネット「昔は親父、今はニコルだね」
 サイ「友達にはみんな、幸せになってほしいよ」
 カズイ「……本人っていうのは、ダメ? 誰か、僕に愛の手を!」
 ムウ「もちろんマリューだ」
 マリュー「この学園の生徒全員、幸せになってほしいわね」
 ナタル「自分もマリュー先生と同じ答えです」
 バルトフェルド「我が愛しのアイシャだね。所詮、人間なんて、一生をかけても人一人、幸せに
           出来るかどうか分からない、非力な生き物だ。だから、たった一人でも全力で
           幸せにする。特に男は、惚れた女を幸せにする義務がある。心して置けよ、 
           男性諸君」

 クルーゼ「…………で、どうして私には聞かないのかね? ……答えは分かり切っているか 
       ら? なるほどな。……新聞部、予算50パーセント、カット」



ショート55.
ザ・カラオケ

 (とあるカラオケハウスにて)

 ラクス「♪〜」
 キラ「さすがに上手いなあ」
 アスラン「現役だからな」
 カノン「私たちだって負けません! お姉ちゃん、歌うわよ!」
 ルミナ「えっ? でも私、まだジュースが…」
 カガリ「おい、待て! ラクスの次は私の番だぞ!」
 ガーネット「そして、その次は私だ。今日は眠らせないよ……!」
 ニコル「ガーネットさん、張り切ってますねえ。僕もピアノだけじゃないところを見せてあげます」
 イザーク「貴様ら、少し静かにしろ! 歌が聞こえんだろうが!」
 フレイ「あんたが一番うるさいわよ」
 ディアッカ「よーし、じゃあミリィ、俺とデュエットソングを歌おうぜ」
 ミリィ「あ、ちょっ、ちょっと、ディアッカ…」
 トール「あーっ、こら! ミリィに触るんじゃない!」
 サイ「お、おい、みんな、ちょっと騒ぎすぎ…」

 ムウ「で、ラクス以外全員、喉を枯らして声が出なくなったのか。やれやれ」
 ラクス「皆さん、まだまだ修行が足りませんわ。ボイストレーニングは歌手の基本ですわ」
 キラ「……………」(僕たちは歌手じゃない、と言いたいらしい)
 ラクス「でも、声のお仕事をしているのには変わりないでしょう? 声優さんは喉が命、ですわ」
 キラ「………………」(言い返せませんでした)



ショート56.
三大学園、地球最大の決戦!? 〜プロローグ〜

その1.闇の同盟

 ダブルG「では、我らと手を組みたいと?」
 アズラエル「ええ。取りあえず、邪魔なSEED学園を潰して、この町を我々の手に。そして、生
         徒も利益も山分け、という事で」
 ダブルG「……いいだろう。同盟を結ぼう。お互いの利益のためにな」
 アズラエル「ええ。どうぞ、よろしく」

 サザーランド「このSSって、学園物のはずでは?」
 リヒター「あまりに気にしない方がいいですよ。作者もノリで書いてるだけですから」


その2.戦闘準備

 ディアッカ「大変だ! ブルコスの連中とダブルG高校の奴らが手を組んで、うちを狙っている
        そうだぞ!」
 イザーク「ふん。単独では勝てないから、つるんだか。弱虫の考えそうな事だ」
 フレイ「ホントよねえ。ザコ同士が手を組んだくらいで、勝てると思っているのかしら?」
 ニコル「向こうから襲ってくるのを待っているのもマヌケですね。こちらから攻撃しましょう」
 ラクス「賛成です。争いは好みませんが、黙ってやられる訳にはいきません。平和の為、あえ
      て武器を手にしましょう」
 ストライク「俺も手を貸そう」
 カガリ「久しぶりに暴れるか。腕が鳴るねえ」
 ガーネット「よーし、全員、気合を入れなよ! ブルコスの奴らは嫌いじゃないけど、敵になる 
        んなら仕方がない。ダブルG共々、ぶっ潰すよ!」
 一同「おーーーーーっ!!!!」

 キラ「…………ねえ、アスラン。うちの学校って『名門の進学校』だったよね」
 アスラン「いや、進学校なのは変わってない。ただ、みんなちょっとだけガラが悪くなったという
       か、本性が現われてきたというか……」
 キラ「ちょっとだけ、かなあ……」


その3.学園公認の抗争というのも珍しいな

 ダブルG「我々の同盟がSEED学園の連中にバレたようだな」
 アズラエル「そのようですねえ。どうしますか? 向こうはかなり息巻いているようですが」
 ダブルG「こういう場合、先に動いた方が負けるのだ。だが、迎撃の準備はしておいた方がい
       いだろうな」
 アズラエル「そうですねえ。では、生徒たちには檄をかけておきますか」

 アズラエル「という訳で、SEED学園のバカ共がうちを狙っているそうです。売られた喧嘩は買
        ってあげましょう。SEED学園の生徒を一人倒せば、テストの点を十点あげましょ
        う」
 生徒一同「おーーーーっ!!!!」
 サザーランド「とことん教育者失格ですな」
 リヒター「再就職先、探そうかなあ……」


その4.教師たちも動く!

 マリュー「学園長、うちとブルコス、ダブルG高校の険悪さは、日を追う毎に増しています。この
       ままでは……」
 ナタル「ですが、こちらが矛を収めても、向こうが退くとは思えません。極秘情報によると、あち
      らは両校長が公認しているそうですから」
 ムウ「やれやれだな。で、どうします、学園長? 売られた喧嘩は買いますか?」
 シーゲル「…………」
 バルトフェルド「いや、そうなればこちらの被害も大きい。そうなれば郊外のティターンズ・スク
           ールやオズワルド学園、ザンスカール高校も黙ってはいまい。連中、この町を
           虎視眈々と狙っているからな」
 パトリック「しかし、こちらから和議を申し出るのも、下手に出るようで不愉快だな。短期間で徹
        底的に叩き潰して、我々の力を知らしめるべきでは?」
 ウズミ「いや、抗争の拡大は防ぐべきだ。今はあえて苦渋を飲み、耐え忍ぶべきだろう」
 パトリック「お前のやり方は甘い! ここは強気に行くべきだ!」
 シーゲル「ふむ。では、こういうのはどうだ? 両者の代表を五人出し、その勝敗で決着をつ 
        けるというのは?」
 パトリック「なるほど。それならば、被害は最小限に済みますな。それに、うちの面子も立つ」
 ムウ「じゃあ、さっそくブルコスとダブルGに連絡を入れますか」
 ナタル「決闘場所はこちらから指定しましょう。あちら側に選ばれ、罠を仕掛けられてはたまり
      ません」
 パトリック「情報操作の方はお任せを。絶対にマスコミには知られないようにします」
 シーゲル「頼むぞ。そして、必ず勝利を!」

 マリュー「……………えーと、これって、学園物よね?」



ショート57.
三大学園、地球最大の決戦? 〜対決編〜

その1.時は早朝。決戦の地は、郊外にあるムーンレィスの森

 (SEED学園、ブルコス学園、それぞれおよそ百人。お互いの主力戦士たちである)

 フラガ「ここなら警察の眼も届かないし、一般の人たちの迷惑にもならない。それじゃあ、始め
      るとするか!」
 アズラエル「ええ、お受けしましょう。両校の代表五人、前へ!」

 キラ「どうして僕は、こんな所にいるんだろう……」
 アスラン「悩むな、キラ。ここまで来たら、とことんやるだけだ」
 ガーネット「心配するな、キラ。私が五人全員、片付けてやるよ」
 カガリ「いや、これは勝ち抜き戦じゃなくて、総当たり戦らしいぞ」
 ストライク「それなら、先に三勝すればいいんだ。どんな奴が相手でも、負けないぞ!」

 オルガ「げ、ガーネットがいやがる!」
 シャロン「それは当然です。向こうの最強戦力ですから」
 ロディア「あの女は俺がぶっ殺す! お前らは残りのザコ共を掃除しろよ」
 クロト「何、勝手に仕切ってんだよ、お前は!」
 シャニ「うざ〜〜〜。それに、な〜んか気が乗らないなあ……」

 ラクス「……あら? 妙ですわね……」
 ニコル「ええ。僕、ちょっと調べてきます」
 ラクス「お願いします。嫌な予感がしますわ」


その2.第一試合、キラ対クロト/第二試合、アスラン対シャニ

 キラ「女の子を先に戦わせるわけにはいかないよ。まずは僕が行く」
 クロト「お前の事は嫌いじゃないけど、勝負は別だ。勝たせてもらうぜ!」

 (結果、キラのストレートパンチがクロトに命中、KO勝ち)

 アスラン「やったな、キラ! 次は俺の番だ!」
 キラ「アスラン、テンション高いね。結構、楽しんでない?」
 シャニ「はぁ〜〜〜……。やっぱり、気が乗らないなあ」

 (結果、アスランがあっさり勝利)

 サイ「よし! これでこっちの二勝! 王手をかけたな!」
 ディアッカ「ああ。あの三人なら、絶対に負けるはずが無い。この勝負、もらったぜ!」
 フレイ「…………ねえ。これって、学園物のコメディタッチのSSのはずじゃ…」
 イザーク「今更、何を言ってるんだ! こうなったら、とことん突っ走るまでだ!」
 フレイ「その言葉、作者の言い訳にも聞こえるわね……」


その3.第三試合、ストライク対オルガ/第四試合、カガリ対シャロン

 ストライク「俺は生まれつき頑丈でな。お前のパンチじゃ、俺は倒せないぜ」
 オルガ「生憎だったな。こっちには秘密兵器があるんだよ!」

 (そう言ってオルガが取り出したのは、一本のクギ)

 ストライク「!」
 オルガ「食らえ! 恐怖の『ひっかき傷&背筋がゾクゾクッとする、あのキモい音』攻撃!」
 ストライク「ぎええええええええ!!!!」

 (ストライク、気絶。オルガの勝利。だが、彼自身も気絶寸前だった。耳栓をするのを忘れたら
  しい)

 カガリ「くっ、まさかストライクが負けるとは……。ならば、私が決めてやる!」
 シャロン「そうはいきません。カガリ・ユラ・アスハ、貴方の弱点も知っています」
 カガリ「何だと!?」
 シャロン「コホン……。(親父声で)カガリ! また遊びに行っていたのか! 罰として、今日は
       夕食抜きだ!」
 カガリ「ご、ごめんなさい、お父様〜〜〜〜!」

 (条件反射で動けなくなったカガリを一蹴。シャロン、勝利)

 フレイ「こんな決着でいいの? まあ、コメディにはなってるけど」


その4.第五試合、ガーネット対ロディア……?

 ガーネット「泣いても笑っても、これで最後か。けど、勝って終わらせるよ!」
 ロディア「はっ、残念だったな。勝つのは俺たちブルコス…」
 ? 「いや、我々だ!」
 SEED学園一同「なっ!」
 ブルコス学園一同「ダブルG高校!」
 ダブルG(秘書が、脳の入ったガラスケースを持っている)「そうだ。お初にお目にかかる」
 キラ「! 僕たち、囲まれてる!」
 アスラン「なんて数だ……。500はいるぞ」
 ガーネット「……なるほどね。総生徒数はSEED学園の方が多いけど、全てが戦力ってわけじ
        ゃない。私たち主力部隊さえ潰せば、あとはどうにでもなると」
 ダブルG「その通り。お前たちさえ潰せば、あとは烏合の衆だ。そして、お前たちがいかに強く
       ても、この数が相手ではどうにもならん。大人しく降参し、私に忠誠を誓え」
 ガーネット「冗談! あんたみたいな卑怯者に膝を折るくらいなら、死んだ方がマシだ!」
 カガリ「その通りだ!」
 ディアッカ「ま、死ぬつもりは無いけどね」
 イザーク「ちょうどいい。見ているだけで退屈していたんだ。全員、ぶちのめしてやる!」
 フレイ「ちょっ、ちょっと、私も戦うの? って、この状況じゃ、やるしかないか…。ああ、もう!」
 キラ「ラクス、君は僕の後ろへ! アスラン!」
 アスラン「ああ、やるぞ、キラ!」
 ダブルG「ふん、生意気なガキどもだ。少し、キツいオシオキが必要なようだな。やれ!」


その5.決意の一撃

 アズラエル「やれやれ。ずいぶんと派手にやってくれる……」
 オルガ「学園長。あんた、知ってたのか? あいつらの計画を」
 アズラエル「ええ。この戦いそのものを罠にしてね。君たちに黙っていたのは悪かったですけ 
         ど、敵を欺くには味方から、と言いますし。ダブルGからの報酬でご褒美を上げま
         すから、それで許してください」
 ブルコス生徒一同「………………」
 アズラエル「さあ、我々もやりますよ。今こそ、憎っくきSEED学園の連中をボコボコにして…」

 (その続きを言おうとしたアズラエルの顔に、オルガの拳がめり込む)

 アズラエル「がっ、はっ……。な、なぜ……?」
 オルガ「悪いな。俺はSEED学園の連中は嫌いじゃないんだよ。振られちまったけど、彼女も
      あそこにいるしな」
 シャニ「ふーん。珍しく気が合うね、オルガ。君が殴らなかったら、俺がやってたよ」
 クロト「何だ、お前らもか。で、みんなはどうする?」
 シャロン「聞くまでも無いと思いますが」
 ロディア「ガーネットは俺の獲物だ! 他の奴らに渡してたまるか!」
 オルガ「よっしゃあ! 敵はダブルG高校のクズ鉄どもだ! スクラップにしてやれ!」
 ブルコス生徒一同「おおおおおーーーーっ!!!!」


その6.決戦・ニコル対ダブルG

 ダフルG「ええい、ブルコスの連中め! アズラエルの奴は何をして…」
 ? 「いいパンチをもらったみたいですよ。今頃はいい夢を見ているんじゃないかな?」
 ダブルG「! 貴様は…」
 ニコル「どうも、ニコル・アマルフィといいます。ダブルGさん、こんな所でのんびりしてていいん
      ですか?」
 ダブルG「何?」
 ニコル「先程、警察を呼びました。あと数分でこの森に来ると思いますよ」
 ダブルG「! バカな、そんな事をすれば、お前たちもただでは済まないぞ!」
 ニコル「ご心配なく。アマルフィ署長は話の分かる人だから、罠に嵌められた僕たちを逮捕す
      る事はありませんよ。むしろ、生徒総出でケンカをしている貴方の方がマズいんじゃな
      いですか?」
 ダブルG「ぬう……。! アマルフィだと? まさか…」
 ニコル「ええ、僕の父です」
 ダブルG「くっ、このクソガキが! 全員、撤退!」

 ニコル「引き上げてくれましたか。……ちょっとウソついちゃったけど、まあ、いいか。ガーネッ
      トさんたちを助けられたんだし」

 ユーリ(ニコルの父)「くしゅん!」
 ロミナ(ニコルの母)「あなた! 朝から役にも立たない発明グッズなんか作ってないで、早く会
              社に行ってください!」
 ユーリ「あ、ああ……」


その7.そして終焉(つい忘れてしまったらしい)

 ガーネット「ふう、何とか勝てたか……。ありがとう、オルガ。あんたたちのおかげで助かった 
        よ」
 オルガ「礼などいらん。俺たちは俺たちのやりたい事をやっただけだ」
 クロト「そうそう。いい運動になったし」
 ロディア「けど、さすがに疲れたぜ……。ガーネット、決着は次の機会につけてやる」
 ガーネット「ああ、いつでも来な。軽くあしらってやるよ」
 ロディア「けっ!」
 フラガ「雨降って地固まる、か。これで両校の関係も、少しはマシになるかな?」
 キラ「そうなればいいんですけどね……」
 アスラン「そうなるように努力しよう。俺たちの手で」
 カガリ「ああ、そうだな」

 (こうして、戦いは終わった。そして……夜)

 ストライク「! あれ? 俺は今まで、何を……ん? あそこに寝ているのは…」
 アズラエル「…………」(気絶中)
 ストライク「……何だか分からないけど、まあ、いいか。帰ろっと」

 (翌日、アズラエルは見事に風邪を引きました)



ショート58.
ヴィシア、頑張る
(ymaさんのリクエスト)

その1.しまったああああっ!!!

 ヴィシア「ふむ。イザークもエリナちゃんも、成績は上々だな。やはりこれは、俺の教え方がい
       いからかな?」
 イザーク「言ってろ、バカ者」
 エリナ「『ちゃん』付けすんな」
 ヴィシア「はっはっは。それじゃあ、成績が上がったご褒美に、二人をどこかに連れて行ってあ
       げよう。リクエストはあるかい?」
 エリナ「うーん……。それじゃあ、隣町に出来た遊園地がいいなあ。あそこのジェットコースタ 
      ー、凄くスリルがあるって評判なの」
 ヴィシア「OK、それじゃあ今度の日曜日に連れて行ってあげよう」
 イザーク「遊園地か。だったら人数は多い方がいいな。友達を連れて行ってもいいか?」
 ヴィシア「ああ、構わないよ。何人でも連れてきなよ。俺がおごってやるよ」

 (そして、当日)

 キラ・アスラン・ラクス・カガリ・フレイ・ガーネット・ニコル・ディアッカ・トール・ミリアリア・サイ・ル
 ミナ・カノン・オルガ・クロト・シャニ・シャロン・ギアボルト「よろしくお願いしまーす!」

 ヴィシア「……口は災いの元、か」


その2.結局、入場料はヴィシアが、乗り物の料金は各自で払う事になりました

 エリナ「まったく、情けないわね。こういう場合、全員の面倒を見てあげるものじゃないの?」
 ヴィシア「あはは……。そうしたいんだけど、それをやると今月、水だけで過ごす事になりそう 
       だからねえ……」
 エリナ「ふーん。大学生って、案外ビンボーなのね」
 ヴィシア「金って知らない間に出て行くからねえ。君も大人になれば分かるよ」
 エリナ「私はもう大人よ! 子供扱いしないで!」
 ヴィシア「ははは、ゴメン、ゴメン」

 フレイ「へえ、あの二人、結構いい雰囲気じゃない」
 イザーク「そうか? あんなの、いつもの事だぞ」
 ルミナ「でも、エリナ、楽しそうですよ。ヴィシアさんに心を許しているんでしょうね」
 イザーク「ふーん……」
 フレイ「あら、ご機嫌斜めね。大切な妹を取られた気分?」
 イザーク「バカ。むしろ逆だ。あんな女に気に入られたヴィシアが気の毒でな」
 ディアッカ「いや、お前も人の事はいえないと思うぞ」
 イザーク「ん?」
 フレイ「? 何よ、人の顔をじろじろ見て」
 ディアッカ「いや、別に」


その3.カノンの困った大作戦・パート1

 カノン「へー、エリナってヴィシアさんの事が好きなんだ。よーし、だったら協力してあげましょ 
      う!」
 ルミナ「カ、カノン、余計な事はしない方が…」
 カノン「まずは作戦その1! 『二人をジェットコースターの最前列に乗せて、悲鳴を上げて抱
      きつくエリナを励ますヴィシアさん、二人の仲は急接近』作戦!」
 キラ「タイトル長いね」
 ラクス「あのー、ジェットコースターは座席が固定されてますから、隣の人に抱きつくのは無理
      ですわよ」
 カノン「あ」
 ラクス「わたくしもこの前、キラに抱きつこうとしましたけど、失敗しましたから」
 キラ「うん。あれは残念だったね」
 一同「うわあ、いつの間に」


その4.カノンの困った大作戦・パート2

 カノン「だ、だったら、『オバケ屋敷でキャー! 怖ーい! 先生、助けてー! はっはっは、大
     丈夫だエリナ、俺がついてるよ。まあ、先生って頼もしい』大作戦よ!」
 ギアボルト「ネーミングセンスが無いですね」
 カノン「ぐっ……。と、とにかく作戦開始! 二人をオバケ屋敷に放り込むのよ!」

 ヴィシア「うーん、うーん……」
 エリナ「ちょっと、大丈夫? しっかりしないさよ」
 ヴィシア「ご、ごめん。俺、昔からオバケとか苦手で…」
 エリナ「まあ、誰にでも苦手なものってあるから、それはいいけど、だったらどうして、オバケ屋
      敷なんかに入ったのよ?」
 ヴィシア「い、いや、女の子を一人で、あんな怖い所に行かせる訳にはいかないだろう。だから
       ……」
 エリナ「……はあ。先生らしいですね。(小声で)そういうところ、嫌いじゃないけど」

 カノン「やったわ! 私って、キューピットの才能あるかも」
 ルミナ「どんな才能よ、それ」
 キラ「役割は逆になっちゃったけど、親密度はアップしてるみたいだね」
 ラクス「ええ。終わりよければ全て良し、ですわ」



ショート59.
遊園地のバカップル(ショート58の続き)

その1.キラ&ラクス・ティーカップにて

 ラクス「ジェットコースターなどもいいですけど、こういう穏やかな乗り物もいいですね」
 キラ「そうだね。僕もこういうの好きだよ」
 ラクス「ええ。キラ、ハンドルはわたくしに回させてもらえませんか?」
 キラ「うん、いいよ」

 遊園地の職員@「お、おい、何だ、あのものすごい速さで回転してるティーカップは!?」
 職員A「ティーカップの性能の限界を超えている…! まさか、プログラムから弄ったのか?」
 職員B「ブロの仕業か? けど、一体誰が……」

 キラ「あはははははは」
 ラクス「うふふふふふふ」


その2.アスラン&カガリ・ジェットコースターにて

 カガリ「よーし、次はあれに乗るぞ、アスラン! 世界初のコースターらしいぞ!」
 アスラン「へえ。えーと、『世界初! 安全バーの無いジェットコースター』……」
 カガリ「? どうした、アスラン。顔を青くして」
 アスラン「い、いや…。ん? まだ続きがあるな。『なお、このコースターはカップル限定です。 
       愛するもの同志が抱き合うその手が安全バーになるのです』……」
 カガリ「? どうした、アスラン。顔を赤くして。お、おい、そんなに引っ張るな! 慌てなくてもジ
      ェットコースターは逃げやしないぞ、おい!」


その3.ディアッカ&トール&ミリィ・観覧車のゴンドラにて

 ディアッカ「…………」(宿敵を睨んでいる)
 トール「…………」(恋敵を睨んでいる)
 ミリィ「…………誰か、助けて」

 (あまりのプレッシャーにゴンドラの窓にヒビが)


その4.イザーク&フレイ・お化け屋敷にて

 フレイ「キャー! イヤー! こっちに来ないでー!」
 イザーク「お、おい、落ち着け…ぐおっ!」
 フレイ「あ」

 職員C「お化け屋敷のお化けが全員KOされただと!?」
 職員D「ああ、客も一人、巻き添えになったらしい。プロボクサー並の豪拳の持ち主らしいぞ」
 フレイ「ひ、ひどい……。私はか弱い女の子なのに……」
 イザーク「…………」(アゴにいいのを食らって、気絶してます)


その5.ニコル&ガーネット・ヒーローショー会場にて

 ガーネット「うおおおおおおおっ!! 燃える、燃えるぞーーーーっ!」
 ニコル「ガ、ガーネットさん、落ち着いてください! ああ、舞台に上がらないで! 勝手に怪人
      さんたちを倒しちゃダメですよ!」
 ガーネット「ウガーーーーー!!!」
 ニコル「ああ、どうしよう……。けど、バーサーカーになったガーネットさんも綺麗でカッコいい 
      なあ」(うっとり)
 観客&出演者一同「ダメだ、こいつら」


その6.そして後日、遊園地の門前に一枚の張り紙が

 《SEED学園のカップル、出入り禁止》

 一同「なぜ!?」
 エリナ「いや、当然でしょ。特にガーネット先輩とキラ先輩とフレイ先輩」



ショート60.
オルガ・サブナック先生の特別授業

その1.言われてみれば確かにそうだな

 ギアボルト「オルガさん、私に一般常識というものを教えてください」
 オルガ「藪から棒だな。一体どうしたんだ?」
 ギアボルト「フォルドから『お前は一般常識を知らなすぎるぜ、バーカ』と言われました。思い当
        たる点も多いので、勉強しようと思いまして」
 オルガ「そりゃあ、ご立派だな。けど、どうして俺なんだ?」
 ギアボルト「これはプライベートな事なので、先生方の手を煩わせるわけには行きません。そ 
        れに…」
 オルガ「それに?」
 ギアボルト「このブルーコスモス学園で、常識を弁えているのは、あなたぐらいしかいませんか
         ら。と言うより、他の人たちが問題ありすぎなんですけど」
 オルガ「うん、なるほどな」
 ブルーコスモス一同「お前らが言うな!」


その2.一時間目・子供は入っちゃいけません

 オルガ「まあ、こういうのは机の上で教わるものじゃない。町に出てみよう」
 ギアボルト「はい」

 ディアッカ「よお、オルガ」
 キラ「やあ。ギアボルトちゃんも一緒なんだ。珍しい組み合わせだね」
 ギアボルト「こんにちは」
 オルガ「お前らこそ珍しい組み合わせだな。どこへ行くんだ?」
 ディアッカ「ああ、ちょっとキラを『大人の世界』へ案内してやろうと思ってな」
 キラ「ディアッカ、妙な言い方はやめなよ。本屋に行くだけじゃないか」
 オルガ「その本屋ってのは、18禁オンリーじゃないのか?」
 ディアッカ「ご名答!」
 キラ「えっ、そ、そうだったの!?」
 ディアッカ「冗談だよ。そんなに焦るな。それとも、少し期待してたか?」
 キラ「あのねえ……」
 ギアボルト「一つ、いいですか?」
 ディアッカ「ん?」
 ギアボルト「18禁って、何ですか?」
 キラ&ディアッカ「…………」(教えるべきか教えないべきか、凄く迷っている)
 オルガ「これは……予想以上に苦労しそうだな」


その3.二時間目・男の友情

 ストライク「おう、オルガ」
 オルガ「よお」
 ギアボルト「こんにちは」
 ストライク「うっ……」(ショート52を参考。あれ以来、ギアボルトが少し苦手になっている)
 オルガ「ケガはもういいのか?」
 ストライク「ああ、何とかな。この俺が素手のケンカで負けるなんて思わなかったよ」
 オルガ「いや、こっちはちょっと卑怯な手だったからな。今度やる時は正々堂々やろうぜ」
 ストライク「ああ、いつでも受けて立つ。じゃあな」

 ギアボルト「オルガさんとストライクさんは仲が良いんですか?」
 オルガ「まあ、悪くはないな。ケンカしたからこそ互いの事が分かるようになった。拳と拳で語 
      り合う、ってやつだな」
 ギアボルト「拳と拳ではなく、釘と鉄肌だったのでは」
 オルガ「まあ、細かい事は気にするな」
 ギアボルト「都合の悪い事、の間違いでは?」
 オルガ「歯に衣着せないねえ、君は」


その4.三時間目・バカップル

 ニコル「あ、オルガさんにギアボルトさん。こんにちは」
 ガーネット「よ」
 ギアボルト「こんにちは」
 オルガ「よお。お二人さんはデートか?」
 ニコル「ええ」
 ガーネット「まあね」
 オルガ「げ、あっさり答えやがった。ギアボルト、よーく覚えとけ。これが世間一般で言う『バカ
      ップル』って連中だ」
 ギアボルト「はい、記憶しておきます」
 ガーネット「あんたたちは何してるんだい? デート?」(冗談交じりに)
 オルガ「まあ、似たようなものかな」
 ガーネット「!」
 ギアボルト「オルガさん、あまりそういう冗談は…………あの、ガーネットさん、どうして私を抱
        きかかえるんですか? そしてどうしてオルガさんを、殺気に満ちた目で睨んでい
        るんですか?」
 ガーネット「ううううう〜〜〜〜〜」(魔犬のような唸り声)
 オルガ「……ニコル、俺はどうすればいいんだ?」
 ニコル「諦めてください」(ニッコリ笑顔)


その5.四時間目・バカップル2

 ガーネット「ふーん、一般常識の勉強ねえ。まあ、勉強熱心なのはいい事だ。よし、私も協力 
        するよ。知りたい事があったら、何でも訊いていいよ」
 ギアボルト「ありがとうございます。それでは、早速訊きたい事があるのですが」
 ガーネット「何だい?」
 ギアボルト「どうしてオルガさんに七連続拳打&空中に浮かせてアッパーカットの後に、フルゲ
        ージからの派手なエフェクト付きの必殺技を決めたのですか?」
 ガーネット「あはははははは」
 ギアボルト「笑って誤魔化さないでください」

 ニコル「生きてますか、オルガさん?」
 オルガ「…………」
 ニコル「へんじがない。ただのしかばねのようだ」
 オルガ「生きてます。けど、死ぬかもしんない……」

 (オルガの負傷により、授業続行不可能)



ショート61.
下校時の相合傘

 ラクス「まあ、雨ですわ。先ほどまで晴れていたのに…」
 キラ「傘なら僕のを貸してあげるよ」
 ラクス「ありがとうございます。でも、それではキラが帰れませんわ。一緒に帰りましょう」
 キラ「そうだね。一緒に帰ろう」

 ガーネット「雨か……。参ったね、こりゃ」
 ニコル「ガーネットさん、僕の傘に入りませんか?」
 ガーネット「お、悪いね、ニコル。それじゃあ遠慮なく」
 ニコル「ええ、どうぞ。……何だか少し嬉しいです」

 カガリ(二組のカップルの様子を見て)「ア、アスラン、お前、傘を…」
 アスラン「ああ、持ってきている。家を出る時に天気予報を見たからな」
 カガリ「そ、そうか。なら…」
 アスラン「ほら、お前の分」
 カガリ「えっ?」
 アスラン「どうせ忘れていると思ってな。お前の分の傘も持ってきておいた。それがあれば濡 
       れずに帰れるだろう」
 カガリ「………バカーーーーーッ!!!」
 アスラン「えっ? お、おい、ちょっと待て、カガリ!」
 ラクス「気の利きすぎる恋人というのも、困り者ですわね」

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